転職面接で「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と聞かれたこと、ありませんか?
面接では定番の質問ですが、かなり人によっては答えにくい質問でもあります。
実はこの質問、正しく答えないと不採用になる確率が最も高くなると言っていいほど重要なものなのです。
年齢にもよりますが、2年以下のスパンで1回くらい、計3回以上の転職している方は、転職回数が多いと捉えられ、ほぼ確実にその理由を聞かれるはず。
「転職回数が多くて、面接でも聞かれるけど正直に答えてよいのかわからない」
「毎回同じ答え方をしているけど、採用をもらえない」
と悩んでいる人も多いでしょう。
そこでこの記事では、「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と聞く面接官の意図や、聞かれたときの正しい答え方などを解説していきます。
具体的には、
- 「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と面接官が聞く意図
- 「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を答えるときのNGな理由
- 「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を答えるときのOKな理由
- 「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」の正しい答え方
といった内容を書いています。
3分ほどで読めるようにわかりやすく記載しているので、転職回数が多い方は、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と面接官が聞く意図
まずは、面接官が「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と聞く意図を解説していきます。
「入社後またすぐ転職してしまわないか」を知りたい
面接官が「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と聞く理由は、一つだけ。
それは、「入社後またすぐ転職してしまわないか」を知りたいからです。
企業側からすると、転職回数が多い=自社に入社してもすぐ辞めてしまうのでは?という思考になるのは自然なこと。
採用した人材を座学研修し、OJTをして、やっとのことで独り立ちさせて成果が出せるようになってきた頃に「転職します」と言われた企業がどんなに落胆するか想像してみてください。
早期離職の可能性がある社員を雇うのは企業にとって大きなリスク
単純に教育にかけた経費はすべて無駄になりますし、また新たに人材を採用する必要もでてきます。
人材紹介会社を利用して採用している場合は、企業側は紹介会社に少なくない「紹介料」を支払っていますし、求人サイトに求人掲載するのも無料ではありません。
さらにその人が退職することで、現場の業務が回らなくなって残された社員の残業が増え、それが新たな退職を生むリスクもありますし、人員不足によって新たなビジネスチャンスを逃してしまう可能性も。
企業側としては、せっかく採用した社員が早期で退職・転職してしまうのは、これだけ様々な面でリスクがあることなのです。
このリスクを軽減するため面接官は、転職回数が多い応募者に対して、「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と質問をするのです。
転職回数が多い理由の答え方を考えるときのポイント
転職回数が多いことは、変えることはできません。
できることは、答え方を工夫して「入社してもすぐに退職・転職をしないこと」を面接官に伝わるようにすること。
ここでは、転職回数が多い理由の答え方を考えるときのポイントをご紹介します。
嘘は言わない
転職回数が多い理由は、正直なところあまり言いたくないようなことが多いでしょう。
だからといって、理由を取り繕って嘘を言うのはおすすめしません。
嘘を付くとどこかでバレてしまう可能性がありますし、面接にも自信を持って望めないので、その自信の無さが声の大きさや表情などにでて、全体を通して悪い印象を与えてしまうことになりかねないから。
何より、自身の良心が傷んでしまいますよね。
そのため、いくら転職回数が多い理由が言いたくないものであったとしても、嘘はつかないようにしましょう。
NGな転職理由を極力言わない
転職理由には、NGなものとOKなものがあります。
詳しくは後の章で解説しますが、転職回数が多い理由を聞かれた時、できるだけNGな理由を言わないことが採用をもらうカギになります。
例えば、前職を転職した主な理由が「人間関係」にあるとしましょう。
これをそのまま転職理由として伝えてしまうと、面接官は「当社でも人間関係を理由に退職してしまうかもしれない」と考えます。
ではどうすれば良いかというと、前職を辞めた主な理由は人間関係だったかもしれませんが、よく考えれば他にもあったはず。
人間関係以外の理由の中で、できるだけマイナスイメージの残らないものをピックアップして伝えるのが良い方法です。
これであれば嘘にはなりませんので良心が痛むこともなく、自信をもって面接に望むことができるでしょう。
今後は長く勤務していきたい(していける)根拠を添える
転職回数が多い理由を述べた後、必ず付け加えてほしいのが「今後長く続けられることと根拠」です。
ここが「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と聞かれたときの答え方で、最も重要な部分です。
企業側は、転職理由がどうであれ、最終的に「自社に入社した後にすぐに辞めなければOK」と考えるところも多いはず。
そのため、自分が入社した後は長く勤務していきたいことと、それが可能な根拠をしっかり伝えることが肝になってきます。
長く勤務できる根拠ってどんなもの?
根拠を伝えるときは、その根拠が信頼できるものか、が重要なポイントです。
病気の療養で転職回数が多い場合は、その病気が治癒したという根拠、例えば「治癒してから1年間アルバイトを無遅刻未欠勤でしている」「マラソンなど激しい運動をしている」などといったことです。
転職回数が多い理由を伝えた後に、今後は長く勤務できる根拠をしっかりと伝えることで、転職回数の多さはある程度カバーできるはず。
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」の回答を考える時は、この部分に最も時間をかけて、「これなら大丈夫」という根拠を伝えられるようにしましょう。
ベースは「自分の責任」という姿勢をみせる
転職理由を述べるときは、どうしても会社のせいや家庭環境のせいなど、他責にしがち。
実際はそういうこともあるでしょうが、面接の場でそれを述べると、「他責にしやすい人物」という心象になり、あまり良くはありません。
そのため前提として転職回数が多いのは「自分の責任」であるという認識を持って、冒頭にそれを伝えたあとに、それぞれの理由を伝えるほうが、心象が悪くなることを防ぐことができるでしょう。
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を答えるときのNGな理由
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を答えるときの、言ってはいけないNGな理由の代表例をあげておきます。
これを言ってしまうと採用率が大幅に下がる危険性があるので、注意してください。
人間関係
人間関係のもつれは、どこの会社でもあること。
働いている人、全員が良い人ではないでしょうし、自分と合う人はそれほど多くないのが普通です。
そのため、いままでの会社で人間関係を理由に辞めてきた人は、その会社の人間関係が特別にわるかったわけではなく、それに対しての自分の捉え方や自分の周囲との関わり方に問題があることが大半でしょう。
それがわかっている面接官は、応募者が自社に入社した後も同じように人間関係に悩んで辞めてしまうリスクを感じ、採用を見送る可能性が高くなります。
転職回数が多い理由として、人間関係を挙げるのは禁物と心得ておきましょう。
精神的な疾患
精神的な疾患を理由とした転職もかなりタブーです。
精神疾患は、完全な治癒は見込みづらく、個人差はありますが一度発症した人はある程度回復しても、再度ストレスに晒されると再発してしまうことが多いから。
再発してしまえば、休職することになったり、また退職になったりすることになります。
そのため、精神疾患を理由とするのは、極力避けるようにしたほうが無難でしょう。
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を答えるときのOKな理由
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を答えるときの、言ってもOKな理由の代表例をご紹介します。
引っ越し
引っ越しは、どちらかと言うと不可抗力のケースが多いです。
たとえば、家族全員で引っ越すことになったとか、子供の関係で引っ越しが必要になったというものなので、面接官も「それは仕方ない」と捉えてくれるでしょう。
ただし、引っ越しを理由とした転職をするのに違和感がない回数は、せいぜい2回~3回程度。
それ以上になると、「なんでそんなに引っ越しが多いの?」と面接官に疑問を持たれてしまいますので注意しましょう。
キャリアアップ
転職理由で最も妥当性が高いと思われるのは、キャリアアップです。
キャリアアップを理由とした転職は、転職理由のなかでも数少ない「前向き」な理由。
仕事を中心に考えていることもアピールできます。
ココで注意したいのが、キャリアアップを理由とした転職回数が多すぎるのもあまり良くない印象を与えるということ。
なぜなら、キャリアアップで転職した会社をまたすぐに変えるということは、最初の転職の際にしっかりとキャリアについて考えていなかった結果、と捉えられるからです。
「計画性がない」「考える力がない」と判断され、短絡的な行動をする人物と思われてしまうので注意しましょう。
業績悪化
会社の業績悪化などでの転職理由も、「仕方ない」類いと判断される可能性が高いです。
その他にも、売上や利益、会社の動向、業界の先行きなどの背景から、会社の将来性を不安視した転職も同様でしょう。
ただし、この業績悪化を理由とした転職も、あまり多いと「会社や業界選びの浅はかさ」を指摘される可能性もあるので、注意してくださいね、
パワハラ・セクハラなどのブラック企業
今までの会社がパワハラやセクハラがある会社だったなど、いわゆるブラック企業だった場合も転職回数が多い理由としては、面接官が納得してくれる可能性が高いです。
この転職理由を述べるときのポイントは、「ブラックだった内容を具体的に伝える」こと。
なぜなら、例えばパワハラを理由に前職を転職している場合、どの程度の内容でその人がパワハラと感じているか?その感じ方に正当性はあるか?ということが、重要だから。
人によっては、些細なことでもパワハラと感じるかもしれません。
もしそういう人物だった場合に、自社に入社した後も小さなことをパワハラと捉えて、退職したり、労働トラブルとして対処をしないといけなくなったりする可能性があるため、会社にとってリスクだからです。
転職回数が多い理由が、今までの会社がブラック企業だったからなのであれば、具体的に内容を伝えて相手に納得してもらうようにしましょう。
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」の正しい答え方
ここでは、「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」という質問に対しての正しい答え方をご紹介します。
正しい答え方の具体例
私の転職回数が多くなってしまっている理由は、それぞれ理由は異なりますが基本的には私が至らなかったことが原因にあります。
1社目のA社は、残業が月80時間と多くすべてサービス残業だったことが原因で転職を決意しました。
2社目のB社については、今思うと会社を選ぶ際に口コミなどで気づけていたことですが、パワハラが多い会社で、暴言やときにはものが飛んでくるようなところでした。
それでも一度入社した会社を、すぐに辞めるのは良くないと思ったため、1年続けましたが、このまま続けたら精神的に支障をきたしかねないと思ったため退職を致しました。
3社目と直近の4社目は、自身のキャリアアップという観点から、より成長性のある会社で責任のある仕事をしたいと思い転職を決意しております。
今回御社にご採用いただいた際は、年齢的にも最後の転職と決意しております。
そのため今まで以上に業務に取り組んで、成果を出し、御社に貢献することで、ゆくゆくは管理職や経営に携われるくらいのご信頼をいただけるように、尽力していきたいと考えています。
答え方に迷ったら転職エージェントに相談するべし
転職回数が多い理由の答え方は、面接の成否を左右するとても重要な要素です。
そのため、自分ひとりで考えるのはあまり得策ではありません。
おすすめの方法は、転職エージェントを利用してアドバイスを受けること。
転職エージェントは、今まで何人もの転職を成功に導いてきた、いわば転職成功の水先案内人。
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」という答え方が難しい質問に対しても、的確なアドバイスをしてくれるはずです。
その他にも面接での受け答えで迷っていたり、自信が持てなかったりする人は、転職エージェントを利用して、アドバイスや模擬面接をしてもらうようにしましょう。
まとめ
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」という質問に対して、面接官の意図や、回答例などを解説してきました。
最後に重要なポイントをまとめておきます。
- 「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」と面接官が聞く意図は、「入社後またすぐ転職してしまわないか」を知りたいから
- 転職回数が多い理由の答え方を考えるときのポイントは、「嘘は言わない」「NGな転職理由を言わない」「長く勤務できる根拠を添える」「自分の責任という姿勢をみせる」こと
- いくつかの転職理由の中から、NGな理由はできるだけ避けて、OKな理由をクローズアップして伝える
- 答え方に迷ったら転職エージェントに相談する
「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」という質問は、答え方によっては面接の結果を大きく左右するかなり重要な質問です。
会社側としては、せっかく採用して研修をし、やっと一人前になったところでまた転職されたら、ただ経費をかけただけで終わってしまうことになりかねないから。
そのため、この質問の答え方の最重要ポイントは、「すぐに転職しないこと」をどれだけアピールできるかです。
いままでの経歴は変えることができないので、いまの思いを伝えたり、すぐに転職しないことの根拠を提示したりして、「すぐに転職しないこと」を誠心誠意、伝えられるようにしましょう。
もし答え方に迷ったら、転職のプロである転職エージェントに相談して、個別にアドバイスをしてもらうことをおすすめします。
質問の山場とも言える「転職回数が多いようですがそれはなぜ?」を、しっかり乗り切れるようにがんばってくださいね。