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面接で前職の退職理由を聞かれたときの正しい回答

面接で前職の退職理由を聞かれたときの正しい回答 転職コラム

面接では前職の退職理由について聞かれることが多々あります。

厚生労働省が発表した「平成30年度雇用同行調査結果の概況」によれば、20代男女の転職者が、前職を辞めた理由の上位3つは以下のようになりました。

  1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
  2. 給料等収入が少なかった
  3. 職場の人間関係が好ましくなかった
    ※20代男女の平均を弊社で作成

参考:平成30年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

ここで注意しなければいけないのは、本音の退職理由をそのまま面接で伝えてはいけないということです。

多くの場合、本音の退職理由は前職の不満だったり、自己中心的なものであったりします。

不適切な退職理由は面接で低い評価を得られないでしょう。

では、どんな退職理由が望ましいのか。

そこで今回は、面接で退職理由を聞かれる理由と面接官の意図、退職理由を伝えるポイント、そして退職理由の例文まで紹介していきます。

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面接で前職の退職理由を聞かれる理由

面接官が前職の退職理由を聞くのには以下2つの理由があります。

  • その人の仕事観を見ている
  • 同じ理由で退職する可能性を見ている

ここからは、それぞれの具体的な理由について解説していきます。

その人の仕事観を見ている

面接官は退職理由を聞いてその人の仕事観を見ています。

応募者の仕事観がわかれば、自社の理念や方向性と一致しているかがわかるからです。

仕事をどのように考えているのか、働く上で大切にしている理念は何かを探り、自社とマッチするかどうかを探っています。

仮に自社では残業を行なっているのにも関わらず、退職理由を聞いた時に「前職では残業が多くて…」などの回答が出れば、その人材は自社にマッチしないことがわかります。

逆に、前職を退職した理由が成長のためであって、その応募者の仕事観が面接官に共感してもらえれば採用に一歩近づけるはずです。

そのため、前職の退職理由を聞かれた時は、どんな目的を持って会社を辞めたのかを伝えるようにしましょう。

同じ理由で退職する可能性を見ている

前職の退職理由を聞いて、応募者が同じ理由で退職しやすいかどうかを見ています。

退職理由が前の職場の不満だったり、他人のせいにしている場合、同じ理由で不満を持って退職する可能性が高いと考えられます。

たとえば、面接官が前職の退職理由を聞いた時に、「前の職場は人間関係が悪くて、上司からパワハラを受けていて…」といった返答がくれば一見被害者に見えますが、自己責任感が感じられません。

面接官からすれば「人のせいにしてまたすぐに辞めるのでは?」と思ってしまいます。

基本的に面接官は自社で長く働き続けられる人を求めているので、すぐ辞めると予想される人材が採用されるのは難しいでしょう。

そのため、退職理由は前職の不満は避けるようにしましょう。

退職理由を伝える時のポイント

退職理由を伝える時には以下2つのポイントがあります。

  • ポジティブな内容にする
  • 志望動機につながる内容にする

前職の退職理由を聞かれる理由を踏まえ、これら2点に気をつけた回答を心がけましょう。

以下では、それぞれのポイントについてくわしく解説していきます。

ポジティブな内容にする

退職理由はポジティブな内容が望ましいです。

ポジティブな内容だと面接官に与える印象が良くなります。

「前職は給料が低くて」といったネガティブな退職理由は印象が良くなく聞こえてしまいますが、「御社の成果報酬制に魅力を感じて」などとすれば、前向きで印象良く聞こえます。

そのため、たとえ前職の退職理由の本音がネガティブなものであろうと、ポジティブに変換することが大切です。

ただし、嘘をつくのはよくありません。

企業のことをそこまで詳しくないにも関わらず「御社の業務効率に感銘を受け、より優れた環境のもとで働きたいと感じたため」などとうそをつけば、採用可否に関係なく不適切です。

嘘は良くありませんが、本音の退職理由の表現を変え、ポジティブに捉えられる内容にしましょう。

志望動機につながる内容にする

前職の退職理由は志望動機につながる内容にしましょう。

志望動機につながるような退職理由であれば、退職理由に深みを持たせることができます。

退職理由を聞かれて「新しい仕事にチャレンジしようと思った」などは不十分です。

具体的に前職でどのような仕事をしていて、どんな新しい仕事をしたいと思ったのか、その新しいことをするためにあなたが何をしたのか、そしてそれは自社でできることなのかを明確に伝えるべきです。

たとえば「前職では事務の仕事をしていて、新たに営業の仕事にチャレンジしたいと思ったのですが、前の職場で異動願いを出したたものの受け入れられずに転職を決心しました。」としましょう。

このように、自分がどのような行動をして、その結果転職を志したことを伝えると、明確で一貫性のある退職理由となります。

評価を下げる退職理由とは?

以下のような退職理由は面接官からの評価を下げるので注意が必要です。

  • 前職の不満が含まれている
  • 自己中心的な考えで退職している

面接官にとって退職理由を聞くのは、その人の仕事観を把握してこれから長く働いていける人材かを見るためです。

一緒に働いていく未来を想像させられない退職理由は低い評価をされる可能性があります。

ここから、それぞれくわしく説明していきます。

前職の不満が含まれている

先でも触れたとおり、退職理由に前職の不満が入っていると評価を下げられる可能性が高いです。

なぜなら、前職の不満が転職の動機になっていると、その先がないからです。

応募者にとって転職することがゴールとなっているため、企業はその人材を雇用した後の未来を想像することができません。

さらに、前職の不満をいえば「自分は何事も人のせいにする人間だ」ということをアピールして自分の評価を下げることにもつながるので注意です。

「前の職場は人間関係が悪くて…」「前の職場はブラック企業で…」などといえば、人のせいにしているように聞こえます。

そのため、退職理由は前職の不満にならないよう注意しましょう。

自己中心的な考えで退職している

自己中心的な退職理由は面接官からの評価を下げます。

自己中心的な退職理由とは、待遇面や自分のキャリアを中心としたものです。

たとえば、「御社は現在勤めているところよりも給与が高いため…」や「今の職場は私の理想とするキャリアを形成できないため…」などは自己中心的な理由に聞こえます。

これらが退職理由になっていると、協調性を感じられず、面接官から一緒に働けないと思われる可能性があります。

特に、「キャリアアップ」や「スキルアップ」などの言葉は、退職理由・転職理由によく使われやすいので注意が必要です。

退職理由を聞かれた時は、それが自己中心的なものになっていないか考えておきましょう。

退職理由の正しい回答例とNGな回答例

ここからは、厚生労働省発表によって明らかになった20代男女の退職理由上位3つをもとに、正しい回答例とNGな回答例を紹介していきます。

なお、20代男女で最も多かった退職理由の上位3つは以下のとおりです。

  1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
  2. 給料等収入が少なかった
  3. 職場の人間関係が好ましくなかった

退職理由を回答する際は、本音をポジティブなものに変換することを意識しましょう。

労働時間に対する不満が理由の時

【良い回答例】

前職は残業時間が月に80時間以上あり、休日出勤も多く、月の労働時間が非常に多い職場でした。

残業は当然必要な業務だとはわかっているのですが、従業員の業務を効率化させるためには適度な休息が大事だと私は考えております。

また、休暇を利用して自身の能力を高めることに時間を費やすことができます。

しかし、前職場では常に疲労していて、高いパフォーマンスを維持できなかった感じています。

そのことから、フレックスタイム制を導入している企業で勤めて生産性を高めたいと感じ、退職を決意いたしました。

【悪い回答例】

前職では残業が月に80時間を超えていて、休日出勤も頻繁に行なっていました。

有給休暇も取得しづらい雰囲気にあったので、常に疲労した状態で働いていました。

このようなブラック企業ではなく、ホワイト企業で働きたいという想いが強まって退職を決意しました。

【解説】

労働時間に対する不満が理由で退職した場合は、残業や休日出勤の必要性に理解を示した上で回答することが大切です。

仮に伝え方を間違えて「残業をしたくない」みたいな言い方をすれば、面接官からは仕事に対する責任感が薄い人と思われてしまう可能性が高いです。

「残業も大切だけど、業務効率化のためには適度な休息が必要」というスタンスを意識しましょう。

給料が少ないことが理由の時

【良い回答例】

結論から言えば、私を含め、従業員ひとりひとりが正当に評価されていないと感じたため退職を決意しました。

前職は広告代理店でWEBマーケティング部門を主に担当しており、私のチームが半年間かけて企画・プロデュースしたプロジェクトがうまくいって高い収益を上げたのですが、年功序列の風土を持った企業だったため、その成果が評価につながることはありませんでした。

WEB業界は努力と実力が如実に結果として現れる仕事だと思っております。

そのため、実力と実績を正当に評価してもらえる御社で仕事に従事したいと考え、転職を決意しました。

【悪い回答例】

前職では広告代理店でWEBマーケティング部門を主に担当していたのですが、給料面に不満がありました。

残業代は出ていたのですが、割増率が適用されていなかったりなど、ブラック企業の一面があったため転職を決意しました。

【解説】

給与の不満は「正当に評価されなかった」などとし、直接的に給料の不満を伝えるのはやめましょう。

「給料が低かった」といってしまうと、給料が高ければどこにでも行くように聞こえてしまいます。

面接官は自社で長く働いてくれる人を探しているため、給料の高い所にコロコロ転職しそうな印象はマイナス評価になります。

また正当に評価されなかったことを伝える際は、具体的にどのような成果を残したのかを伝えると、それが評価に値するのかどうかが面接官にも伝わりやすいです。

正当な評価がなされていないと判断できる内容であれば、退職理由として一貫性のあるものとなります。

前職の人間関係が理由の時

【良い回答例】

前職でも営業を行なっていたのですが、個人の成果や実力を第一に考える風土を持つ会社でした。

そのことから同僚は良くも悪くもライバル関係にあり、それぞれがプライドを持って働いていたため、円滑なコミュニケーションが難しい状態にありました。

私はコミュニケーションを取りながら仲間と一緒に何かを成し遂げることが昔から好きだったので、前職の体制に対して違和感を感じていました。

そこで改めて自身のキャリアについて考えて見た時に、仲間で一丸となって作り上げる仕事にチャレンジしたいという気持ちが強くなり、退職を決意しました。

【悪い回答例】

前職でも営業を行なっていたのですが、上司や同僚とソリが合わずに、無視やパワハラをされていました。

私からはコミュニケーションを取るように心がけていたのですが、相手にはそのつもりがないようで、前職では孤立している状態でした。

そこで環境を一新しようと考え、退職を決意しました。

【解説】

人間関係が理由で退職した場合は、人のせいにしないように気をつけましょう。

仮にパワハラやいじめが行われていたとしても、それを伝える必要はありません。

むしろパワハラやいじめを告白し、それらをすべて他人のせいにした言い方をすれば、応募者本人に非があるように聞こえます。

「周りが悪い、私は仲良くするよう努力した」などと言えば、「あなたに問題があるのでは?一緒に働いてもまた同じことになるのでは?」と思われてしまいます。

人間関係の悪かったという理由は、裏を返せば人と協力して仕事がしたいということです。

そのため人間関係が理由で退職した方は、人のせいにせず前向きな回答を意識しましょう。

まとめ

面接で退職理由を聞かれるケースは少なくありません。

面接官は応募者がどのような志を持って退職を決意したのか、またそれに伴って自社ではどのような仕事観を持って働いてくれる人材かを見極めています。

退職理由一つでも、その人の仕事に対する考え方や人間観が垣間見えるので、退職理由によってその後の面接を有利に進められるかが決まると言っても過言ではありません。

転職の際はぜひ当記事を参考にして面接にのぞんでください。

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