「教師からの転職は難しい」そういったイメージがありませんか?
勤務時間が多かったり休日が休めなかったり、夢を持って教師になったけど、現実は甘くなかった…そう悩んでいる人も多いでしょう。
そんな方に向けて、教師から転職する際に成功させる秘訣を紹介していきます!
転職の手順や教師から転職する際の転職先を紹介しているので、転職を考えているけど何をしたらいいのかわからないという方はぜひ参考にしてみてください。
教師からの転職は難しい
「教師からの転職は難しい」と聞くけど、実際に教師からの転職はどのような現状があるのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
確かにイメージ通りで、教師は専門職のため、転職が難しいと感じるケースも多いです。
一般的にビジネス感覚が乏しいと判断されてしまうことが多いです。
中途採用では即戦力を求めます。
企業での経験がない部分でビジネススキルがないと判断されてしまうと、即戦力とはならないので転職が難しくなります。
また、教師は集客や売り上げを意識することがありません。
企業は利益を追求するので、その点でもスキルが弱いと感じさせてしまいます。
そして、教師は授業を受け持つので年度の途中での退職が難しいです。
転職したいと決意したものの辞めづらいと思ってしまう人も多くいます。
それでも教師からの転職を決意する理由は業務量の多さ
教師は転職がしづらいはずなのに、それでも転職するのはなぜなのでしょうか?
一番の理由は業務量の多さです。
授業だけではなく、部活や保護者対応、生徒間のトラブルなど、教師は業務量が多く残業も多いです。
実際の教育現場での声をもとに、詳しく解説していきます!
保護者とのトラブルが多い
教師は子どもだけではなく、保護者との連携も必要不可欠です。
しかし、中にはモンスターペアレントと呼ばれる、理不尽な要求をしてくる保護者もいます。
子どもの言うことをすべて信じてしまったり、子どもの成績が悪いことをすべて教師のせいにしてきたりと、クレームは様々です。
ひどい場合だと、休日や深夜でも保護者から連絡がくるため、ストレスから不眠症になることも…
子どものために必死に頑張っていても、保護者から理不尽な要求ばかりされていると心身ともに疲れてしまいますね。
授業や部活で子どもの成長にやりがいを感じていたとしても、モンスターペアレントからのクレームに耐えられず退職に繋がってしまいます。
部活の顧問だと帰ることができない
中学校、高校では部活動があります。
特に運動部では部活動に力を入れている高校が多いです。
部活動は放課後に行われるため、どうしても遅くまで残らなくてはいけません。
授業準備もあるため、部活動で終らなかった仕事は次の日の朝はやく来てやらなくてはいけないなんてことも…。
自分が好きなスポーツや得意なこと、経験がある部活なら楽しいかもしれませんが、全くわからない部活だと余計にストレスを感じてしまいますね。
部活によっては土日も練習や試合があるため、休みの日がありません。
こういった勤務時間に不満を抱えている人も多くいます。
1人で数十人の生徒をまとめるのが大変
1クラスは30人~40人で構成されている学校も多くあります。
ひとりひとり性格も違いますし、個性も豊かです。
特に小学校高学年から高校にかけては思春期の生徒も多く、コミュニケーションも難しいです。
授業を真面目に受けてくれなかったり、ボイコットされたりと学級崩壊が起こってしまうこともあります。
生徒のためにと怒っても体罰と言われてしまうので、苦労している教師も多いです。
準備に追われて休憩がほとんどない
授業の合間の休み時間に少し休憩をしたいと思っても、また次の授業準備があります。
そのため、日中はほとんど休憩がありません。
たまには息抜きをしないと体力を消耗してしまいますよね。
疲労感を引きずった状態で授業をしなくてはいけないので、授業の質も下がり負の連鎖を引き起こしてしまいます。
教師からの転職で活かせるスキルもある!
転職をすると今までの経験がすべて無駄になってしまう気がしませんか?
でも、そんなことはありません。
生徒に授業をするときには、わかりやすく伝えるように工夫しますよね。
物事をわかりやすく伝えるスキルは、プレゼンテーションで役に立ちます。
また、人前に立って話すことに慣れているという点も、緊張しないで話すことができるので大きなメリットです。
更に、コミュニケーション能力はどの職業でも活かすことができます。
教師は生徒とのコミュニケーションだけではなく、学校全体で連携して教育活動を行うため、人とコミュニケーションをとる機会が多くあります。
しかし子どもや学生相手とビジネスでのコミュニケーションは異なりますので、選考時には注意してください。
教師の年代別の傾向を解説
転職をするといっても、年代によって概念が変わりますので年代に分けて詳しく解説します。
20代は転職がしやすい
20代は比較的転職がしやすいです。
20代前半の第二新卒は、業務経験やスキルがなくてもより採用される確率が高くなっています。
求人記事に「ポテンシャル採用」と記載している企業も多く見られますが、教師としての成果を伝えることができると採用に繋げることができます。
特にどういう成果をアピールするか決まりはありませんが、複数アピールポイントがあると望ましいです。
例としては、「生徒の受験合格のためにこんな取り組みをした」「授業ではわかりやすく伝えるためにこんな工夫をした」という、自ら進んで行ったことをアピールできると上手に伝えられます。
ビジネススキルがないことは転職では不利になってしまいますが、人間性はアドバンテージになります。
企業がどのような人物像を求めているのか分析し、自分の能力ややる気を伝えましょう。
20代での転職では企業からニーズが高い営業部が転職しやすいです。
営業では特にヒアリング能力やコミュニケーション能力が必要なため、教師時代のスキルが役に立ちます。
30代は教育業界であれば可能
30代での転職は教育業界など教師としてのスキルを活かせる職業であれば好条件で転職することも可能です。
教育業界以外の業界でチャレンジしたいという場合には、今までの経験の共通部分や、応用できるスキルを見つけましょう。
しかし、30代以降の教師から未経験職種での転職は成功する可能性は低いです。
転職できたとしても給与は下がってしまうことがほとんどです。
また、何か資格があれば転職が有利になるのではと考えている方もいるかもしれませんが、資格よりも実務経験が重要視されます。
何度も就職試験を受験することはめんどくさい、給与などの条件は下げたくないという方には転職はおすすめできません。
40代は難しい
40代を超える場合は教師と似ている業務内容でなければ、転職は難しいです。
転職が難しくなるのは教師だからというわけではなく、一般企業に勤めている場合も同じです。
先程も述べた通り中途採用では即戦力を期待されているため、残念ながら未経験業界の企業からはニーズがほとんどありません。
転職はせずに本を出版したりセミナーなど講演を行ったりと、自分の名前を売る活動をしたほうが賢明です。
どうしても転職したい場合には、プレイヤーとしての業務だけではなく、マネジメント能力があることをアピールしましょう。
実際にマネジメントで組織を良い結果へ導いた経験があると良いです。
教師からの転職におすすめの転職先6選
教師からの転職でおすすめの職業は以下の通りです!
POINT
- 予備校の講師、家庭教師
- 教材制作、教材企画
- 学校事務
- 非常勤講師
- 営業職
- カスタマーサポート
予備校の講師・家庭教師
予備校の講師や家庭教師には、生徒に教えるという教師との共通点があります。
予備校や家庭教師は人材不足のため、経験者であれば即採用される可能性が高いです。
教師をしてきたスキルも活かすことができます。
また、家庭教師はオンラインでの家庭教師や個人での家庭教師も増えているため、家で働けたり個人で自由な時間で働けたりとメリットが多いです。
個人としての実績ができれば出版、講演など他の仕事につながることもあります。
うまくいけば教師時代より格段に給与が増えることもありますので、新しい働き方を模索したい、挑戦してみたいという方におすすめです!
教材制作・教材企画
出版社や通信教育などの会社で企画、作成、編集を行います。
教師からの転職以外にも人気が高い職種ですが採用人数は少ないです。
しかし、教材は毎年出版されているので教師からの転職は優遇されることも多くあります。
教材の編集には専門分野の知識が不可欠ですので、教師としての知識が活かされます。
教材の企画では授業で教材を制作した経験や企画力はもちろんですが、誰にどういう教材が必要なのかを考える論理的思考力も求められます。
生徒と教育現場で実際に接していた経験を反映させましょう。
学校事務
小学校、中学校、高校、大学などの教育機関での学校事務も教師からの転職先の一つです。
学校生活での手続き支援や予算、決算など経理の仕事、学式や卒業式の行事準備などがあります。
事務作業のほかにも生徒募集や広報の仕事がある学校もあります。
残業が少なく、給与と休みも比較的多いため人気の職業です。
子どもと関わることが好きだったという方にはおすすめです!
非常勤講師
非常勤講師は、常勤講師と同じように授業を担当します。
常勤講師と同じですが、授業のない夏休みや冬休みは非常勤講師も休みです。
休みが多い分常勤講師と比べると給与は少なくなってしまうデメリットはありますが、その分勤務時間は各段に減るので、教師の仕事は好きだけど激務に疲れてしまったという方にはおすすめです!
営業職
教育関係の営業職はもちろんですが、異業界で一番転職しやすいのが営業職です。
営業職には顧客の要望を的確に聞くヒアリング能力や、顧客にわかりやすく伝えるプレゼンテーション能力が必須です。
その点を生徒ひとりひとりと向き合って授業を行っている教師は適正があると判断されることが多くあります。
学校向けの営業は勤務経験があるほうが顧客理解につながるので、教師の経験を活かすことができます。
カスタマーサポート
お客様窓口やコールセンターなど、顧客からの問い合わせに対応する仕事です。
カスタマーサポートも営業職と同様にヒアリング能力とコミュニケーション能力が必要となります。
生徒ひとりひとりと向き合う教師は適正があると判断されやすいです。
教師から別の職種へ転職するメリット
教師から別の職種へ転職するメリットは4つあります。
給与やボーナスが跳ね上がる可能性がある
教師は給料やボーナスが少しずつしか上がっていきません。
いくら頑張っても、インセンティブが発生するわけでもないです。
一般企業は自分のがんばり次第で給料が跳ね上がる可能性があるため、そこにやりがいを感じることもあります。
また、ボーナスも業績によって変化するため教師時代よりも大幅に増える可能性があるというのは魅力的ですね。
実力次第で若い年齢で出世することができる
教師は年功序列型で出世していく場合が多いです。
昇級試験の受験資格に勤務年数が条件となっている場合もあるので、いくら仕事で成果を出していたとしても勤務年数が伴っていないと試験に受けることができないのです。
しかし一般企業は自分の実力次第で入社数年で課長や部長のポストにつける可能性があります。
成果を正当に評価してもらえるのは嬉しいポイントですね。
子どもを相手にしなくて良くなる
子どもが好きで教師になったという方も、仕事で関わっていると好きだけではうまくいかないこともあります。
子どもはどうしても言うことを聞いてくれなかったり、不測の事態が起きたりします。
しかし、大人はある程度のマナーをわきまえている人が多いため、素直に話を聞いてくれる人がほとんどです。
更に、子どもと違い駄々をこねたり、いじめが発生したりといったトラブルがほとんど起きません。
そのため、ある程度計画的に、効率良く仕事をおこなうことができます。
帰る時間が早くなる
教師は部活動や授業準備で残業が多い職業です。
そのため転職すると残業が減る場合が多くあります。
残業が減ると、習い事や自分の好きなことに使える時間が増やせますね。
プライベートの時間を確保できることで仕事の精神的な大変さも軽減することができます。
教師を辞めて別の職種へ転職するデメリット
ここまでメリットを紹介してきましたが、教師からの転職にはデメリットもあります。
デメリットは3つあります。
常に利益を出すことを意識しなければならない
公立の学校は税金で運営されているため、1人1人が利益を追求するという考えはほとんどありません。
しかし、一般企業は利益が出なければ会社が維持できなくなってしまいます。
そのため、教師とは違い常に利益を出し続けることを考え、お金意識しなくてはいけません。
利益をどれだけ追求するかは企業によって異なりますが、教師時代とは環境が異なるので最初は戸惑うことが多いです。
自分自身の仕事に対する考えと合った企業を選ぶようにしましょう。
業績によって給与が左右されやすい
学校では生徒数が極端に減らない限り給与への影響はほとんどありません。
しかし、一般企業では利益がない場合には給与を出すことができなくなります。
業績が悪いとボーナスがなくなったり手当が減ったり、給与の上下が激しくなります。
安定した給与が保証されていないというのは生活をしていく上では大きな不安要素になりますよね。
インフラ系など安定している企業へ転職すると比較的安定して給与を受け取ることができるので、候補のひとつとして考えてみてください。
福利厚生が充実していない
教師は福利厚生がとても手厚いです。
住宅手当も充実しており、通勤手当は全額支給がほとんどです。
住宅手当があることはひとり暮らしの方には大きなメリットですよね。
また、教職員専用の保険もあり、民間の保険より手厚い保険を安く受けることができます。
地域によっては地域手当がもらえることもあり、福利厚生の充実度がはるかに高いです。
大企業は福利厚生が充実しているところも多いですが、中小企業では教師時代ほどの福利厚生はほとんどありません。
教師退職の手続き
転職を決意しても、実際にどのような手続きを行えばいいのかわからない方もいると思います。
退職の流れは学校によって異なりますが、一般的には退職の意志を校長先生、副校長先生、教頭先生などの管理職の方に伝え、面談を行います。
そして退職に必要な書類を作成、提出して受理されてから辞令が出るという流れです。
言葉にすると簡単に見えますが、実際に手続きを進めていくと大変だと感じる部分もあると思います。
特に面談では退職の意思を伝えても必ずと言っていいほど引き止められるでしょう。
学校側からすると辞められてしまうと後任の教師を手配しなくてはならず、手間がかかってしまうからです。
引き止められると惑わされてしまうかもしれませんが、「どうしても退職したい」という強い意思があるのなら貫き通しましょう。
また、退職届を事前に準備しておくとより意思が伝わります。
しかし公立高校では退職時に作成する書式が決まっている場合もあるので、準備する前に確認してみましょう。
教師を円満に退職するには
退職するといっても、できれば円満に退職したいですよね。
円満に退職するためには時期が大切です。
教師はクラスを年度ごとに担当しておりますので、年度の途中で退職すると生徒も途中で担任の先生が変わることになってしまい、動揺してしまいますね。
そのため退職を3月にすると年度の区切りとなり生徒への動揺も少なく、学校の運営もスムーズに行うことができます。
また、公立の学校では人事異動があり、人事異動を決める教育委員会は、10月あたりに動き始めます。
人事が決定した後に退職を告げると引き止められる可能性が上がるでしょう。
遅くても年内には退職の意思を伝えると自分にとっても、学校にとっても都合が良いです。
早ければ早いほど学校にとっては都合が良いです。
しかしこれは悪魔でも理想の時期であり、必ずこの時期に退職しなければいけないわけではありません。
どうしても早く退職したい、辛くて今すぐにでも辞めたいという方もいますよね。
社会人のマナーとして明日からもう来ませんということはできませんが、1か月から2か月前には退職の意思を伝えるようにしましょう。
教師の退職理由の伝え方
転職をする際に、面接では必ずといっていいほど退職理由を聞かれます。
教師の激務が辛かったり人間関係のトラブルがあったりと様々な理由があるとは思いますが、その理由をそのまま伝えてはいけません。
できるだけポジティブな理由に変換することが大切です。
また、目的があって転職することをアピールしましょう。
やりたいことがあるから転職する、スキルや経験を磨くために転職するなど、ポジティブかつ目的を明確にすると転職が成功しやすいです。
教師からの転職を成功させよう!
初めての転職の場合には、何をしたらいいのかわからないことも多いはずです。
きちんと準備しないで転職をしてしまうと、自分に合わない転職先を選んでしまい早期離職に繋がります。
教師からの転職を成功させるためにも、転職エージェントを活用したり、事前準備を入念に行ったり、対策を十分にしましょう。