鳶(とび)職と大工の違いとは?それぞれの仕事内容や向いている人の特徴も解説

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鳶職 大工
特徴 高所作業を専門にする職人 木造建築物の新築・増築・リフォームなどをする職人
仕事内容 足場を組む・現場の仮囲いを設置する・解体・重量物運搬など 木造建造物を建てる
種類 ・足場鳶
・重量鳶
・鉄骨鳶 など
・建築大工
・型枠大工
・造作大工
・宮大工 など
向いている人 ・体力に自信がある人
・高所の作業が平気な人
・集中力が高い人
・繊細な作業が得意な人
・家を建てるのが好きな人

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国土交通省『建設業及び建設工事従事者の現状』によると、とび職は若手の割合が高く、大工は50代や60代の割合が高いという違いがあります。

建設業専門工事業職種の年齢構成

※出典:国土交通省建設業及び建設工事従事者の現状

「鳶(とび)職と大工は呼び方が違うだけで、同じ職業」ではありません。

鳶職と大工では、年齢層だけではなく、仕事内容にも大きな違いがあります。

鳶職と大工の違い

  • とび職」とは、住宅やビルを建てる現場で、足場の設置や解体などの高所作業を専門に行う職種。
  • 大工」とは、木造住宅の建築・修繕・リフォームを行う職人。

本記事では、鳶職と大工の違いや、向いている人の特徴を分かりやすく解説していきます。

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    鳶職と大工の違い

    鳶職と大工は、どちらも建設現場に欠かせない存在ですが、仕事内容や働き方には明確な違いがあります。

    「鳶職」「大工」の違いは、大まかに次の通りです。

    • 高所作業を専門にする職人
    • 足場の組み立て、鉄骨や重量物の搬入・設置
    • 木造建築物の新築・増築・リフォームなどをする職人
    • 木材の加工・組み立て、柱や梁などの骨組み、内装

      一見似た職業に見えるものの、実は担当する作業や専門分野がまったく異なります。

      鳶職の仕事内容

      鳶職は、高所作業を専門とする建設職人です。

      高層ビルやマンションの建設現場などで、足場を組み立てたり、鉄骨や重量物の搬入・設置を行ったりします。

      作業の多くは地上数メートル〜数十メートルの高所で行われるため、危険を伴う職種としても知られています。

      鳶職の主な仕事

      • 足場の組立・解体
      • 鉄骨の建方(鉄骨鳶)
      • 機械・資材の搬入設置(重量鳶)
      • 橋や鉄塔など特殊構造物の施工(橋梁鳶・送電鳶)

      鳶職の仕事は、他の職人が安全に作業できるよう環境を整える重要な役割を担っており、現場全体の進行に大きく関わっています。

      作業内容が多岐にわたるため、玉掛けや足場作業主任者などの資格取得が求められるケースもあります。

      しかし、最初は無資格・未経験で始められる仕事です。

      厚生労働省の職業情報サイトjob tagでも、64.4 %の鳶職経験者が「入職前の訓練等の期間は特に必要ない」と回答しています。

      大工の仕事内容

      大工は、木造建築を専門とする職人で、住宅や店舗の建築・増改築・リフォームなどを手がけます。

      建築士の設計図をもとに木材を加工・組み立て、柱や梁などの骨組みから内装までを仕上げていきます。

      木造住宅の構造美と快適性を支える仕事として、日本の住環境を築いてきた、歴史ある職業です。

      大工の主な仕事

      • 住宅や建物の木造部分の施工(建築大工)
      • コンクリート打設用の型枠作成(型枠大工)
      • 内装・床・階段などの仕上げ(造作大工)
      • 寺社など伝統建築の施工(宮大工)

      大工は正確さと繊細さが求められる仕事で、ミリ単位の寸法調整や、空間設計のイメージ力が必要です。

      また、現場ごとに異なる設計・仕様に対応する柔軟性と経験も問われるため、長く続けるほど職人としての価値が高まります。

      しかし、最初は大工に関連する学歴がなくても問題ありません。

      公共職業訓練校や事業所内職業訓練校で学んでから就職する方法もありますが、未経験で工務店に就職したり、大工の親方(棟梁)に弟子入りしたりすることで目指せる仕事※1です。

      実際、大工になる前の訓練等の期間は、「特に必要ない」と回答した経験者の割合がもっとも高い(47.9%)というデータ※2があります。

      ※1、2 参考:厚生労働省の職業情報サイトjob tag

      鳶職の種類

      鳶職は、専門分野によって複数の種類に分かれます。

      それぞれの鳶職には異なる役割があり、建設現場ごとに必要とされるスキルも大きく異なります。

      今回は代表的な3つの鳶職についてご紹介します。

      鳶職の種類

      足場鳶

      足場鳶は、建設現場で安全な作業空間をつくる職人です。

      工事に入る職人たちがスムーズに作業できるよう、足場の組立と解体を専門に行います。

      足場鳶の主な業務内容

      • くさび式足場や単管足場の設置
      • 足場の解体作業
      • 仮囲いや養生の設置

      足場鳶の仕事は、建物の基礎ができる前から始まり、工事完了まで関わることも多く、現場の最初と最後を担う重要な職種です。

      関連記事:鳶職(とび職)とは?仕事内容や大工・足場屋との違いをわかりやすく解説

      重量鳶

      重量鳶は、工場設備や大型機械を運搬・据付する職人です。

      クレーンを用いて重量物を吊り上げ、ミリ単位の正確な位置に設置する技術が求められます。

      鳶職の中でも大型クレーンなどを使い、数百トンもの重量物を搬入・据付・設置を行うの.が重量鳶。

      一般社団法人日本メンテナンス工業会重量鳶

      重量鳶の主な業務内容

      • 大型機械・発電設備などの搬入・据付
      • ビルや工場の機器設置作業
      • 精密機械の移設・解体

      他の鳶職と比べて力作業だけでなく、緻密な計測や調整も必要とされるため、高度な専門性と経験が必要です。

      鉄骨鳶

      鉄骨鳶は、建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てる専門職です。

      高層ビルや大型商業施設の骨格をつくるため、高所でのクレーン作業と鉄骨の固定が主な業務です。

      鉄骨鳶の主な業務内容

      • 鉄骨の吊り上げと設置
      • ボルトによる仮締め・本締め作業
      • 安全ネットや手すりの設置

      鉄骨鳶は命綱を装着しながら作業する高所のプロフェッショナルであり、バランス感覚や迅速な判断力が求められます。

      大工の種類

      大工にも、担当する工事内容に応じたさまざまな種類があります。

      木造建築の基礎から内装、伝統建築まで、各分野に精通した職人が活躍しています。

      それぞれの特徴を見ていきましょう。

      建築大工

      建築大工は、木造住宅の構造部分を施工する大工です。

      柱・梁・屋根といった建物の骨格を担当し、家づくりの土台を担う存在といえます。

      建築大工の主な業務内容

      • 柱・梁の組立て
      • 屋根・壁の施工
      • 住宅の建て方工事全般

      建築大工は現場に合わせて部材を加工する力と、構造を把握する知識が必要です。

      型枠大工

      型枠大工は、鉄筋コンクリートの建物をつくるときに必要な、コンクリートを流し込むための木枠を組む職人です。(参考:一般社団法人 日本型枠工事業協会

      建物の形状をコンクリートで形成する基盤を整えます。

      型枠大工の主な業務内容

      • 型枠の設計・組立て
      • 打設後の型枠解体
      • 天井・床・壁など構造部の施工

      型枠の精度が建物の仕上がりを左右するため、正確さとスピードの両方が求められる仕事です。

      造作大工

      造作大工は、室内の内装仕上げを専門とする大工です。

      床・天井・階段・収納など、空間の「見た目」を形づくる重要な存在です。

      造作大工の主な業務内容

      • 床材・階段・棚の施工
      • 建具や建具枠の設置
      • 天井や壁の仕上げ工事

      インテリアの完成度を大きく左右するため、デザイン性・精密な加工技術が必要とされます。

      宮大工

      宮大工は、寺社仏閣など伝統建築を手がける職人です。

      1400年も継承され続けた技術※を用いて、文化財や木造建築の保存・修復に携わることもあります。

      宮大工の主な業務内容

      • 寺・神社の建築や修復
      • 伝統的な木組み工法の使用
      • 宗派や地域ごとの建築様式への対応

      使用する木材も厳選され、精度と審美性が両立された高度な技術が必要です。

      ※参考:宮大工木造技術継承協会

      鳶職に向いている人の特徴

      鳶職に向いているのは、体力があり、高所が苦手ではない人です。

      鳶職に向いている人の特徴

      体力がある人

      鳶職は、体力に自信のある若い人に向いています。

      大工も鳶職と同様に、体力が必要な仕事ではありますが、鳶職は重たい物を頻繁に持つ機会が多い仕事です。

      国土交通省建設業及び建設工事従事者の現状』にも、鳶職のほうが、大工より年齢層が若いというデータが載っています。

      高所が苦手ではない人

      鳶職は、高所が苦手な人ではない人に向いている仕事です。

      鳶職は高所での作業が多いため、高所恐怖症の人にはあまり向いていないと言えます。

      鳶職とは

      一般的に建設業で、髙い所で作業をしたり、家の基礎工事や家を曳いたり、解体することなどを専門とする職人のことであり、鳶工ともいう。

      一般社団法人東京都鳶工業会鳶の仕事

      危険を伴う職種でもあるので、恐怖心を持ちながら高所で作業をしていると事故のリスクが高まります。

      大工に向いている人の特徴

      大工は建物をつくるという、繊細で責任のある仕事です。

      以下のような特徴を持つ人は、大工として活躍しやすいといえるでしょう。

      大工に向いている人の特徴

      繊細な作業が好きな人

      大工は慎重さが求められる仕事なので、繊細な作業が好きな人に向いている仕事です。

      設計図に基づいて正確に施工する必要があるため、ミリ単位での作業や丁寧な加工が求められます。

      細かな作業に集中できる人や、几帳面な人に向いています。

      自分の腕を極めたい人

      大工の仕事は一朝一夕で身につくものではなく、長年の経験が必要です。

      厚生労働省の職業情報サイトjob tagでは、大工に必要な「入職前後の訓練期間、入職前の実務経験」としてもっとも多かった回答は、「5年超~10年以下」でした。

      大工-職業詳細-job-tag

      ※出典:厚生労働省職業情報サイトjob tag|大工

      地道な作業を続けられる粘り強さと、日々学び続ける姿勢が求められます。

      自分の腕を極めたいと思っている人にとっては、やりがいのある仕事です。

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      鳶職と大工では仕事内容に大きな違いがある

      このページでは、鳶職と大工の違いを分かりやすく解説してきました。

      鳶職と大工の違いを、下記でもう一度確認しておきましょう。

      鳶職 大工
      特徴 高所作業を専門にする職人 木造建築物の新築・増築・リフォームなどをする職人
      仕事内容 足場を組む・現場の仮囲いを設置する・解体・重量物運搬など 木造建造物を建てる
      種類 ・足場鳶
      ・重量鳶
      ・鉄骨鳶 など
      ・建築大工
      ・型枠大工
      ・造作大工
      ・宮大工 など
      向いている人 ・体力に自信がある人
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