転職活動を成功させるには、自分の年代に合った対策を行うことが大切です。
特に40代は、自分の年齢や経験などを踏まえた上で、しっかり計画的に進めていく必要があるでしょう。その為にも、転職サイト・エージェント選びも非常に重要になってきます。
今回はホライズン・コンサルティング株式会社の小林毅氏に、40代の転職活動を成功させるコツについて寄稿頂きました。
さっそくご紹介していきます。
- 第二新卒やフリーターの転職に特化
- 経歴や学歴に自信がなくても求人を紹介してもらえる
- キャリアアドバイザーのサポートが手厚い
人材コンサルタント。外資系ヘッドハント会社を経て、2010年にホライズン・コンサルティング株式会社を設立。法務系人材を中心に約11年、延べ5000人の相談、サポートを行い、日系大手企業、ベンチャー企業、外資系企業の採用支援を行う。また、2016年より転職セミナー、キャリアアップセミナー、U・Iターンセミナーを行い、『失敗しない転職活動』の啓蒙活動、及び『セカンドキャリア支援活動』を行う。
同時に2013年より厚労省認定『職業紹介責任者講習』講師として、人材紹介事業者に対する法定講習を延べ2500社に対し行い、不健全と言われる人材業界全体のボトムアップに尽力している。
・Youtubeチャンネル 『キャリアホライズン』運営
・著書:『成功する転職「5%」の法則』(自由国民社)、『転職大全』(朝日新聞出版)
『ジョブ型雇用と採用戦略』(KKベストブック)
40代の転職はもう遅い?
昨今のコロナ不況もあり、メディアでは連日早期退職や希望退職の報道が発信されています。
今まで会社に尽くしてきたのに、ある日突然、肩たたきに合う、そんなことが現実に身の回りに起こっているのです。
長年日本を代表するような大手有名企業、例えば、ANA、JAL、JTBなどの人企業や、青山商事、電通、ホンダ、セガサミー、LIXILなどのかつての優良企業も時代の流れに翻弄され、今までの業態を変えなければいけないと考えています。
このような状態を目の当たりにすると、明日は我が身と考えるのは当然で、漠然とした不安があなたを襲ってくることでしょう。
一方、転職するなら35歳まで、という、所謂『35歳限界説』という話も耳にします。
すでに40代に突入しているあなたにとって、この定説は死活問題となります。
転職したくても、もう出来ないのではないか、そう考えてしまうのも当然のことです。
目的を定め、戦略を練ることが大切
しかし実際のところ、40代でも転職に成功している人はとても多く、若手人材と比べて、実績が伴う即戦力人材として、求人企業から多くの期待を受けている年代でもあるのです。
当然、いくら応募しても書類通過すらままならず、面接にもたどり着けないという人も多くいます。
この差は、いったいどこにあるのでしょうか?
採用の現場を多く経験している立場で分析すると、転職の目的が明確である人と、そうでない人で大きく結果が変わってくると思います。
また、どんな強みがあるのか、企業に対して、何に貢献できるのか、というところがはっきり分かる人と、そうでない人でも大きく結果が変わってきます。
中途採用は、経験者採用であることも踏まえ、短時間で自分が貢献できるものを明確にする必要があります。
自分をどう売り込むか、その点も重要な要素となっています。
転職の目的を定め、どのように売り込んでいくか、この点をはっきりさせることで職務経歴書を作り上げることができます。
まずはその作業に力を入れていきましょう。
応募方法の選択
自分を売り込むための職務経歴書が作り上げれば、企業への応募段階へと進んでいきます。まずは企業への応募方法を検討していきましょう。
企業へ直接応募
求職者が企業へ直接応募する方法を言います。
求人企業側は主に人事採用担当が窓口となり、求職者と直接、面接日程の調整や内定通知、入社手続きなどの連絡を行います。
主に、企業が独自で発信する情報と、広告事業者を利用する方法があります。
広告事業者は、紙媒体とウェブ媒体に分かれています。主なサービスは、doda、リクナビNEXT、ビズリーチなどです。
直接応募のメリット
- 求人企業と直接やり取りができるのでわかりやすい
- 採用コストが抑えられるので、採用の確度が上がる
直接採用のデメリット
- 直接のやり取りで、時間的制約を受けてしまう
- 日程調整や給与交渉などの確認事項や交渉がやりにくい
- 確認すべき事項がわからず、求人企業の言うがまま承諾してしまう
紹介事業者経由での応募
求人企業が応募の間口を広げるため、第三者機関の力を借りて求職者を募る方法です。
無料紹介事業者と有料紹介事業者があり、無料紹介事業者で代表的なものがハローワークとなります。
有料紹介事業者は、いわゆる紹介会社のことで、全国で2万事業者以上存在します。
そのため、紹介事業者にも大手総合型もあれば、業界・職種特化型で専門分野を掲げて活動しているところがあります。
主なサービスは、総合型がDODA、リクルートエージェント、パソナキャリア、JACリクルートメント、特化型がキャリアカバー、ランスタッド、MSジャパンなどが挙げられます。
有料紹介事業者経由で応募し、企業に採用されると、求人企業は紹介会社に対し、紹介手数料を支払うことになります。
相場は景気動向に左右されますが、求職者が提示される年収の3割前後となっています。
紹介事業者経由での応募のメリット
- 転職活動をプロのアドバイスを受けながら進められる
- 面接日程調整や給与交渉などがスムース
- 企業に直接言いにくいことも、第三者の立場で対応してくれる
紹介事業者経由での応募のデメリット
- 情報操作をされてもわからない
- 所詮、ビジネスなので、強引に企業へ押し込まれる
- 担当者との相性が合わないと最悪
- 有料紹介ならば手数料が掛かり、採用選考のハードルが上がってしまう
直接応募 転職サイト経由で応募する
それではここから実際に企業へ応募するフェーズに入っていきます。
まず、直接企業へ応募するときに便利なサービスの紹介です。
当メディアが独自に行ったアンケート集計を参考に、40代が利用すべきサービスを検証して参ります。
- doda
- リクナビNEXT
- ビズリーチ
doda
求人数 | 約260,000件 |
---|---|
対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
40代が使うべき転職サイトとして、まずdodaが良かったという結果となりました。
dodaは求人広告の老舗で、転職を考えたらまず頭に浮かぶサービスの一つに挙げられます。
特徴は、取扱い求人数が豊富に揃っていることです。
40代はどうしても応募企業が少なくなってくる傾向が強いため、多くの求人を検索できる同サービスの人気が高くなっているようです。
今、自分が探したい求人企業、職種はもちろん、自宅付近などのエリア検索が出来ることが魅力です。
利用者の声
転職活動に慣れていない私でもシンプルに構成されており、ストレス無く使うことが出来ました。エージェントを利用しつつ、dodaに掲載された案件に直接応募することで、多くのチャンスを得ることができました。
リクナビNEXT
求人数 | 約10000件 |
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対象エリア | 全国 |
総合評価 | |
スタッフの質 | |
地方求人 |
リクルートグループが運営するリクナビNEXTは、転職サイトでも安心して利用できるサービスです。
リクルートグループが提供しているため、優良企業案件ばかりであることが担保されており、安心感があります。
取扱い求人数も多く、毎日新着の求人を取り扱っているため、自分に合った求人案件を見つけることが期待できます。
求人企業も、リクナビNEXTには求人を出しておこう、と考える場合も多いため、利用するべき転職サイトとしてオススメとなっています。
ビズリーチ
求人数 | 約58000件 |
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対象エリア | 全国 |
総合評価 | |
スタッフの質 | |
地方求人 |
ビズリーチは、ヘッドハンターに会える、をコンセプトで初めて求職者課金型のサービスとしてスタートしました。
他の転職サイトでは、求職者は無料で利用できますが、ビズリーチは求職者が利用料を支払うことで、同社の提供するサービスを利用することが出来ます。
違いは、求職者情報を登録しておけば、ビズリーチと契約しているヘッドハンティング会社からスカウトメールが入り、希望するハイクラス案件を紹介してもらえるというものです。
自分から積極的に求人企業へ応募できる訳ではないですが、ヘッドハンティング会社だけでなく、求人企業の採用担当も利用しているので、40代の求職者は外せないサービスと位置づけられています。
利用者の声
最近印象的なテレビCMをきっかけにサービスを知ったというのが経緯ですが、登録後、多くの企業の採用担当やヘッドハンターからスカウトメールが来ました。私のように働きながら転職活動をするものにとっては、とても有り難いサービスでした。(44歳 戦略系コンサルティング会社勤務)
転職サイトの役割
ここで紹介したdodaやリクナビNEXT以外でも、多くの転職サイトが存在します。
各社、それぞれの特徴があり、利用している求人企業も様々です。
求人広告は企業が広告費を払います。
自分に合う求人案件がすべてdodaやリクナビNEXTに掲載されているとは限らないので、幅広くチェックすることが良いでしょう。
また、転職サイトは多くの求職者情報が蓄積されているので、運営会社はその個人データを求人企業や紹介会社に有料サービスとしてビズリーチのように提供しています。
登録段階で、スカウトメールを受け付けるかどうかが選択出来ますが、多くの就業機会を得ることを考えれば、スカウトを受け付ける選択をすることをお勧めします。
有料紹介事業者・オススメのエージェント
次は、紹介会社を利用する方法です。
転職を考えた時、40代はどのような業界、職種で転職をするのか、という点は重要であることは前述しておりますが、それを踏まえ、当メディアが行ったアンケート結果について考えていきましょう。
- doda
- リクルートエージェント
- パソナキャリア
- JACリクルートメント
doda
求人数 | 約260,000件 |
---|---|
対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
40代オススメということで1位に選ばれたのがdodaでした。
人材大手のパーソルキャリアが運営しており、旧インテリジェンスの流れを引き継ぐ人材紹介業の大手老舗企業です。
求人数とコンサルタントの質が高いという評価で、アンケートでも上位にランクされています。
利用者の声
40代ではもう転職は無理で、我慢して現職に残るか、それが嫌なら起業するしかない、と考えていました。そんなときにdodaのサービスと出会い、ダメ元で登録したところ、予想以上に丁寧なサービスで、私にぴったり合う求人を複数紹介していただけました。自分の思い込みだけで諦めず、プロの力を借りる重要性を強く感じました。45歳 フロントエンジニア
転職サイトなどを観ていると、ほとんどが35歳まで。すでに40代になっていた私は、相手にもされないだろうと高を括っていましたが、dodaの担当者は私よりも年下であるにも関わらず、堂々としており、また、一生懸命に対応してくれました。企業との独自のコネクションもあり、猛烈にプッシュしてもらったのは、とても心強かったですね。41歳 管理職
リクルートエージェント
求人数 | 約20万件 |
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対象エリア | 全国 |
総合評価 | |
スタッフの質 | |
地方求人 |
業界最大手のリクルートエージェントは、20万件という圧倒的な求人数を誇り、業界のトップ企業です。
これだけの求人数を誇っているので、40代でも応募できる案件も数多く取り扱っています。
登録後のフォローも丁寧で、新規求人案件が入る度に、マイページに情報が更新されます。
信頼出来るコンサルタントも多いのも特徴です。
利用者の声
40代なので、慎重に仕事を選びたいと考えていたため、当初は厳選して企業応募をしていましたが、書類通過が全く出来なかったため、リクルートエージェントの門をたたきました。すると相談日から多くの求人が紹介され、また、毎日のように新規案件情報が入ってきました。当初は慎重だった私でしたが、これだけ自分が応募できる案件があることに正直高揚し、積極的に転職活動に取り組むことが出来ました。 40代 システムエンジニア
女性で40代となると、就業機会すら皆無と周りから言われていました。事実、情報を集めようとするも、全くヒットせず、正直絶望状態でした。
ところが、リクルートエージェントを利用すると、自分のやってきた仕事以外にも紹介され、多くの可能性を感じることが出来ました。戦い方を間違っていたと感じ、もう一度自分の強みを考えるきっかけをいただけました。40代前半 マーケティング
パソナキャリア
求人数 | 約16000件 |
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対象エリア | 全国 |
総合評価 | |
スタッフの質 | |
地方求人 |
パソナと聞くと、派遣業のイメージが強いかもしれませんが、実は人材紹介業でも大手なのです。
親身なサポートが人気となっており、求職者に対するサポートも手厚いと評判です。
非公開求人数も多かったというアンケート結果もあり、他では見つけることができなかった自分に合う求人が見つかる可能性が高いと言われています。
また、女性の転職支援に力を入れていることも特徴として挙げられます。
オリコン顧客満足度調査(2019年~2022年)「転職エージェント」4年連続総合1位獲得しています。
利用者の声
他のサービスを利用していたとき、女性の就業機会についての偏見を多く感じることがありました。ですがパソナキャリアでは、そういった性差別などは感じられず、女性の管理職に理解がある企業の紹介など、懇切丁寧に行っていただけました。
求職者目線で見ても、価値観が合う紹介会社はとてもありがたく、そして心強かったです。良い就業機会にも出会えましたので、本当に感謝しています。
42歳 技術職
パソナと聞くと派遣のイメージがあったため、相談に行くと、派遣登録を進められるかも、と正直警戒していました。ところが、正社員での転職について熱く語り、私の認識の甘さを指摘いただけ、目が覚めました。結果、自分の強みを活かせる求人案件を紹介いただき、とても感謝しています。
40歳前半 ウェブ
JACリクルートメント
求人数 | 約15000件 |
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対象エリア | 全国 |
総合評価 | |
スタッフの質 | |
地方求人 |
40代オススメエージェントでJACリクルートメントを挙げる求職者も多くなっています。
特徴としては、ハイクラス向き求人案件が多いこと、コンサルタントの専門性が高いこと、両面型スタイルを採用しているので、マッチング精度が高いことなどが挙げられます。
国内企業だけでなく、外資系企業の求人数も多く、ハイクラス転職が実現しやすいと評判です。
分業型か、両面型か
人材紹介会社は、企業担当RAと求職者担当CAに分かれている場合と、コンサルタントがRAとCA両者を兼ねる場合に分かれます。
前者を分業型、後者を両面型と言います。
分業型の特徴は、求人案件数が圧倒的に多く集められること、そこで集めた求人を求職者に大量に紹介できることです。
年齢や職種にもよりますが、一度の面談で30〜50件近く紹介され、数多く応募することを勧められます。
良く言えば、圧倒的就業機会、悪く言えば、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、です。
よって、転職の目的をしっかりと考えておかないと、不本意な求人企業に応募し、内定が出た会社に強引に押し込まれるリスクがあることを知っておきましょう。
両面型の特徴は、コンサルタントが企業担当と求職者両方と会っていることです。
両者の考えをマッチングさせ、双方の必要な情報をタイムリーに提供することができます。特に40代ともなると、自分のキャリアを尖らせていくという希望もありますし、企業側も即戦力を求める傾向が強くなります。
そのような両者の事情を上手くまとめる事ができることが強みとなります。
一方、マッチング精度が重要なため、取扱い案件が少なく、一度紹介したらそれっきり、ということもしばしば見受けられます。
また、コンサルタントの相性も重要なので、自分に合ったコンサルタントを見つけることがとても重要となります。
無料紹介事業者の利用・ハローワーク
ハローワークは紹介事業者のひとつですが、求人企業は人材を採用しても紹介手数料が発生しないという特徴があるため、採用予算が限られている中小企業や、有料人材紹介事業者があまり無い地方では、割とメジャーな採用手段となっています。
地域によっては、ハローワーク一択ということもあるので、40代の転職活動では見過ごせないサービスとなっています。
ハローワークを利用するメリット
- 無料紹介なので、採用のハードルが低くなる
- ハローワークの職員によるサポートが得られる
- 居住地域での求人数が多く、ワークライフバランスが取りやすい
ハローワークを利用するデメリット
- 求人採用に予算が掛けられない企業が多い
- 面接ステップが極端に少ないため、お互いの見極めが難しい
- 無料で採用出来ると考えているため、試用期間で終了するケースも多い
採用に予算を掛けない企業は、簡単に人を採用する傾向にあります。
面接も1回、面接時間も30分程度という企業も多く、求職者の見極めに時間を掛けません。
しかし、簡単に入社出来たからと言って、喜ぶことばかりではありません。
このような企業は、試用期間をフルに使った最終面接をしていると捉えるべきです。
せっかく決まった仕事を試用期間で終了することは、自分自身の職務経歴書が汚されてしまいますし、次の就業機会も厳しいものとなってしまいます。
これはハローワーク経由に限った話ではないですが、入社がゴールでは無く、働いて活躍することが重要という意識を強く持つべきということです。
40代での転職活動で上手く行かない人の特徴
このように40代での転職はしっかりと目的と戦略を持って臨むべきものです。
そして今回紹介した転職サイト、エージェント、ハローワークなどのツールを上手く使いこなし、自分にあった企業を見つけていきましょう。
20代30代との違いは、40代は失敗できないということです。失敗できない転職をするためには、決して妥協してはいけません。
妥協して転職をすると、また転職したくなります。そうすると、短期離職を繰り返し、やがてどこの企業からも相手にされないという負のスパイラルに陥ります。
これはどんなに大手企業で働いていた、学歴が良いというエリートであっても同じです。
一度失敗してしまうと、転がり続けていくことにもなりかねません。
人生の底なし沼にハマらないよう、しっかりと準備して転職活動に臨んで下さい。
あとがき
転職活動をサポートするサービスは、市場にあふれており、一体何を利用すべきか迷うと思います。
しかし、転職の目的をしっかりと定めることが出来れば、自分にあうサービスを選択することができます。
転職することで、何を得たいのか?ということをしっかり抑え、希望にあった企業や職種を絞っていきましょう。
- 第二新卒やフリーターの転職に特化
- 経歴や学歴に自信がなくても求人を紹介してもらえる
- キャリアアドバイザーのサポートが手厚い