一度、就職や進学などによって故郷を離れ、そこから再び地元に戻ることを「Uターン転職」と言います。
昨今、リモートワークの普及や都会での暮らしにつかれた人などがこのUターン転職をする方が増えてきています。
ただし、Uターン転職は住む環境もライフスタイルもガラッと変わるもの。
中には、「こんなはずじゃなかった…」と後悔する人も少なくありません。
そこで今回は、Uターン転職で失敗しやすいポイントや後悔しないためのコツについてご紹介します。
Uターン転職を考えている方は是非、参考にしてみて下さいね。
Uターン転職ではどんなことが変わるのか?
Uターン転職と一般的な転職との大きな違いは、引っ越しを伴うかそうでないか。
ですので、Uターン転職では環境やライフスタイル自体がガラリと変わってきます。
例えば、働く職場や住む場所の環境などもそうですが、休日の過ごし方も変えざるを言えなくなってきます。
いつも歩いてスーパーやショッピングをしていても、地方になると車や本数の少ない電車などを利用するようになったり、娯楽のレパートリーなども限られてくるでしょう。
また、パートナーやお子さんがいる場合、家族への影響もあるためそれまで通っていた学校や習い事、職場などがあれば辞めなければいけません。
転職や引っ越しに伴っては、人間関係も大きく変わってきます。
仕事上の人間関係やプライベートの友人とも一度距離を取ることになるため、それまで気軽に会えていたのになかなか会えなくなってくることも…。
単身で移動するにしても、家族そろって移動するにしても、Uターン転職ではタイミングとリスクなどを見極めることが何よりも大事です。
就活でよくきく”Uターン就職”とは?内容やメリットなどを解説します
Uターン転職で陥りがちな失敗ポイント
一見、長所ばかりに感じるUターン転職ですが、実際に住んでみて後悔することも少なくありません。
ここでは、Uターン転職をしたことで陥りがちな失敗ポイントについてご紹介します。
「Uターン就職」で後悔する?意外な落とし穴&失敗しないポイント
①収入が減ってしまった
地方で働く上で大きなデメリットになるのは、収入ダウンが挙げられます。
もちろん、職種や会社の規模などによってはそうならないケースもありますが、基本的には高収入の仕事は地方よりも都心に集中しやすい傾向にあります。
さらに、非正規雇用だと平均賃金が低かったり、大企業の数自体も少ないので、福利厚生の面でも優遇されにくかったりすることも…。
その結果、年収で見ると都会と地方とでは、100から150万円前後の差が生じるとさえ言われていますよ。
ですので、「仕事でバリバリ稼ぎたい!」「転職によって収入アップを最優先したい!」という方にとっては、あまりおすすめできないかもしれません。
②生活環境のギャップ
言わずもがな、地方と都心との暮らしは全く異なります。
代表的なもので言うと、公共交通機関やスーパーやコンビニの数。
例えば、都心に住んでいて、満員電車がストレスに感じていた方にとっては好転したように感じるでしょう。
しかし、地方によっては一日で運行する本数が決まっていたり、車が必須になるなど通勤方法を考え直さないといけない面も…。
運転免許を持っていない方にとっては不利な土地ですし、都心よりも外出の頻度がぐっと下がるなんてケースも珍しくありません。
さらに、買い物など遊べる場所や娯楽施設が限られるのも、デメリットの一つ。
都心では徒歩や電車を使って気軽に出かけられていた場所でも、地方では数時間かかるなどちょっとした買い物でも一苦労する可能性があります。
また、お子さんや家族も一緒に移り住むことを考えた場合、進学先や就職先がそもそも少なく教育格差が生じることもあると言われています。
③人間関係がめんどくさくなった
都心では近所づきあいがほとんどなくても生活面に支障はありませんが、地方に住むとなるとそうはいきません。
特にUターン転職となると、学生時代の知人や友人と再び遭遇する可能性も高いですし、地方によっては独特の決まりや慣習に乗っ取らなければいけないことも。
さらに、転職なので職場の環境もガラッと変わり、人間関係を一から築いていく必要があります。
地方によっては、自分と同じ世代の人が極端に少なかったり、職種・業種なども限られてくるのでこれまでの経験やスキルを活かせない可能性も大いにあり得ます。
以上のことを踏まえると、「あまり干渉しあいたくない」と考える方にとっては地方に住むことの方が苦痛になるかもしれません。
Uターン転職をするメリットって?
では反対に、Uターン転職のメリットはどんなものが挙げられるのでしょうか?
まず、都心から地方に移り住む方の多くは、自分や家族との時間を優先したいためだと言われています。
特に普段都心で働いていると、親や兄弟などに会いづらかったりしますので、介護や入院などをしている家族がいるといつも不安に…。
そういった方にとっては、いつでも家族の近くにいられることというのは、大きな安心材料になるでしょう。
また、地方は時価や家賃が都心に比べて安いという傾向もあります。
農業が盛んな地方であれば、食材を安価で手に入れやすいので、食費を節約したい方にはオススメです。
会社の近くに住むことができたり、同じ家賃でも地方ではより広く快適な家を選べたりもするため、テレワーク中心になった方や生活環境を重視したい方にとってはオススメだと言えるでしょう。
さらに、地方によってはUターン転職や子育てなどを支援する自治体もあります。
場所によっては、何十万何百万の支援金制度を設けているところもあり、金銭面で助かる部分はかなり大きいと言えるでしょう。
人口が少ない地域では、都心よりも保育園への通過率も高いので、子育てをする上でも負担が軽減できます。
このように、個人の問題やストレスが減るケース、金銭面において節約できるというのがUターン転職の大きなメリットになるようです。
Uターン転職に失敗しやすい人はこんなタイプ!
Uターン転職には、メリットもデメリットもさまざまあります。
そして、Uターン転職には向いている人と向いていない人もハッキリ分かれます。
今回は、Uターン転職に向かない人の特徴について3つ挙げてみました。
①車の免許を持っていない人
地方での生活は、基本的にどこに行くにも距離があるので、車が必須になります。
元々、車の免許を持っている人は問題ありませんが、持っていなければ車の免許を取る時間と金が必要になってくるので、そういった面では苦労する部分があるかもしれません。
地方にある企業もまた、運転免許がないと応募できないところも多く、求人条件の面で少し不利になる可能性があるかもしれません。
さらに、子供がいるのであれば病院や学校自体も遠い場所にあるので、生活費や家賃が抑えられると思っていても、車のガソリン代などに消えてしまうデメリットも!
②1人でいる方が好きな人
先にも述べたように、地方での暮らしは都心に比べ地域とのつながりを重視する傾向にあります。
例えば、これまでは隣近所にどんな人が住んでいるのか分からなくても何とかなっていた部分も、地方では町内会や季節ごとの行事に参加しなければいけないことも!
普段なら絶対に聞かれないような、「結婚はしてるの?」「仕事は何をしているの?」などとプライベートなことを聞かれる場面もあるかもしれません。
さらに、地元に近い場所に移り住んだ場合、Uターン転職をしたことが周囲にバレたり、家族の耳に入るなんてことも!
ですので、「地方で一人ゆったりと暮らしたい!」と考えている方や、基本的に深い人間関係を築くのが嫌という方は向いていない可能性が非常に高いでしょう。
③大きな仕事に携わりたい人
「仕事をメインで頑張りたい!」「もっとキャリアアップを目指したい!」「大きなプロジェクトをバンバンやって実績を上げたい」方は、Uターン転職に向いていないかもしれません。
なぜなら、地方には大手企業が少ないから。
もちろん全くないわけではありませんが、地方の企業はどちらかというと、中小企業の方が多い傾向に!
さらに業種なども、基本的に地域活性化を目指した営業や企画などの仕事がメインになってきます。
ですので例えば、元々IT関連で仕事を行ってきた方や、営業・企画以外の仕事を地方でもやりたいと考えているのであれば、転職活動が難化する恐れがあるかもしれません。
地方では、人が少ないことで求人自体もない可能性もあり、自分がやりたい職種が選べる保証もありません。
例えば、完全に一人でもできるフリーランスだったり、大企業でもリモートワークで働く環境が整えられているのならそのあたりは問題ないかもしれませんね。
しかし基本的には転職先の選択肢が少なく、「積極的に仕事をしたい」「新しいことをしたい」と考えているのであれば、やはり都心の方が有利と言えるでしょう。
Uターン転職で後悔しないためにできること
では、Uターン転職で後悔しないためには、どのようなところに気を付けるべきなのでしょうか?
ここでは、Uターン転職において抑えておくべきポイントについてご紹介します。
是非、Uターン転職に興味のある方や失敗を回避したい方は参考にしてみて下さいね。
Uターン就職は難しいって本当?地方に戻るメリット・デメリットについて紹介
①転職先についての情報を収集する
Uターン転職で後悔しないためには、転職先の環境や待遇などをできるだけたくさん集めておいた方がいいでしょう。
やはり、一度住んだことのある土地であっても、時間がたつと変わっていることも多いですし、市町村が異なれば色々と勝手が違ってくることもありますからね。
また、先でも述べたように地方ではどうしても収入が下がりやすかったり、気候やアクセスの面などで苦労することが多いと言われています。
だからこそ、リモートワークができるかどうかや少しでも収入の高い職場があるか、なるべく住みやすそうな場所を探すことに労力を割いたほうが良いでしょう。
都心に住んでいるままであっても時間を見つけて赴いたり、実際に住んでいる知人や家族に話を聞いてみることはできますからね。
②Uターン転職への優先順位を明確にする
Uターン転職は転職だけではなく、引っ越しを伴う大きな動きとなります。
特に引っ越しは、家探しから住民票の移し替え、各種手続きなどやるべきことがたくさんあり、時間的にも体力的にもかなり負担が大きいものに。
だからこそ、住まいや働き方などに対して、「自分は何を重視するのか」の優先順位をしっかりつけておかなければならないのです。
逆に、「なんとなく地方の方が住みやすそう」「Uターン転職に憧れているから」などあいまいな理由で転職・引っ越しをしてしまうと失敗しやすくなるので要注意。
また、いい条件の職場を見つけても、住まいで妥協してしまうと生活にダイレクトに苦労してしまうため住まいと職場、二つのバランスが取れているとベストでしょう。
金銭面や環境面など、妥協できるところや優先順位を明確にしておけば、「こんなはずじゃなかった」とギャップを感じることも少なくなるはずです。
③長期的なライフプランを練っておく
Uターン転職で失敗しないためには、数年後だけではなく、10年後など長期的なライフプランがイメージできるかが大事!
特に、1人暮らしではなくパートナーや子供と一緒に住むのであれば、教育面やパートナーの求人面なども視野に入れなければいけません。
また1人暮らしでも一見、節約できそうな地方ですが、車移動が必須になるなど不便だったりかえって支出がかさむ可能性もあります。
目先の便利さに目を奪われると、引っ越しや転職を繰り返すことになるので、「自分がどう働いていきたいのか」「どんな暮らしがしたいのか」「家族にとってどんな影響があるのか」、パトナーがいる方はそのあたりも相談するようにしましょう。
④Uターン転職に強い転職サイト・エージェントを使う
Uターン転職をするなら、やはりUターン転職に強い転職サイト・エージェントを利用するのがオススメ。
そもそもUターン転職をする最大の理由には、働く環境を変えたいというものが大きいですからね。
転職サイト・エージェントを利用するメリットとしては、自分では見つけられなかった非公開求人を提案してくれること、書類・面接対策を受けられることにあります。
さらに、企業とのやり取りを代行してくれたり、自分では探りにくい企業や地域求人の内情などを教えてくれる利点も!
特に、地方の大手企業の求人は公に出回っていないことが多いので、少しでも安定した収入や待遇を希望するのであれば使わない手はないでしょう。
⑤引っ越しをするのは転職先が決まってから!
「転職先を決めてからゆっくりと転職活動をしたい!」と考える方も多くいますが、それはおすすめできません。
なぜなら万が一、先に今の職場を辞めてから引っ越して転職が上手くいかなかった場合、金銭面でもメンタル面でも消費が激しくなってしまうからです。
また、いくら金銭面での問題がなかったとしても、転職活動において前職からの退職期間が長引くと不利になりやすいリスクも!
現職からスムーズに転職や引っ越しをしたい方は、この順番を間違えないように注意しましょう。
Uターン転職で失敗しないためにできることについてご紹介してきました。
ただし忘れないでいただきたいのは、どれだけ念入りにイメージしたり工夫しても、実際に住んでみると多かれ少なかれギャップがあるということです。
これは転職における職場の雰囲気などもそうですが、Uターン転職の場合は暮らしによるものも当然出てきます。
ですので、完璧な職や環境をはじめから期待しすぎるのではなく、多少の後悔や予期しないことはあるのだと思っておいたほうが良いでしょう。
Uターン転職で成功するためには、ある程度の心の余裕や臨機応変な対応力が必要です。
Uターン就職は志望動機が重要!効果的な志望動機を例文付きで解説します
Uターン転職におすすめの転職サイト・転職エージェント
最後に、Uターン転職におすすめの転職サイト・転職エージェントについて解説します。
転職サイトや転職エージェントを利用することで、効率的に転職活動を進められるメリットがあります!
Uターン転職となると、一人で転職活動を進めるのはかなり難しくなってしまうので利用するのがおすすめです。
具体的におすすめの転職サイト・転職エージェントは以下の通りです。
- マイナビエージェント
- doda
- リクナビNEXT
これらについてそれぞれ解説します。
マイナビエージェント
マイナビエージェントの特徴
- キャリアアドバイザーが丁寧にサポートしてくれる
- 非公開求人が多い
- サービスが充実している
- 20代など若者の転職に強い
マイナビエージェントは20~30代の若手層におすすめの転職エージェントです。
主に20~30代向けの求人を掲載しているので、早い段階でUターンを検討している人におすすめ!
キャリアアドバイザーのサポートに定評があり、初めての転職でも安心して利用できますよ。
またそれ以外のサービスも充実しているので、効率的に転職活動が進められます。
20~30代でUターン転職を検討されている方は、ぜひ利用してみてくださいね。
\無資格・未経験でも転職可能!/
dodaエージェント
求人数 | 約260,000件 |
---|---|
対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
dodaエージェントの特徴
- 取り扱い求人数が桁違い
- エンジニア・技術職・営業の求人が多い
- 面接対策などのエージェントサービスも手厚い
- 年収査定やレジュメビルダーなど転職準備のコンテンツが充実
- 転職フェアなども豊富
dodaエージェントは取り扱われている求人数が圧倒的に多いです。
もちろん全国の求人を取り扱っているため、地方の求人も多く見つけられますよ。
Uターン転職をしようとしても、地方の求人が見つからずに苦戦する方も多いです。
しかしdodaエージェントには求人数が多いため、地方の理想的な求人も見つけられる可能性が高いです!
特にエンジニア・技術職・営業の求人が多いので、これらの転職先を探している方はぜひ利用してみてくださいね。
\最短60秒で登録完了!/
dodaのエージェントは転職におススメのサービス!評判・口コミを徹底解説
リクナビNEXT
リクナビNEXTの特徴
- 求人数が多い
- 若年層向けの求人に強い
- スカウトサービスがある
リクナビNEXTは転職サイトの中でトップクラスに求人数が多いです。
マイナビエージェントやdodaエージェントと違い、自分で求人を見つける必要がありますが、マイペースに進められるのはメリットですね。
今すぐに転職先を決めたいわけではなく、1年後くらいに転職をしたいという方は登録しておくのがおすすめ!
キャリアアドバイザーによるサポートはありませんが、スカウトサービスは用意されているため、効率的に転職活動を進めることはできます。
ぜひリクナビNEXTを利用して転職先を探してみてくださいね。
\求人数ナンバーワン!/
まとめ〜Uターン転職では、メリット・デメリットを見極めることが大事!~
今回は、Uターン転職で失敗しやすいポイント、後悔しないためにできるコツについてご紹介してきました。
Uターン転職とは、都心から地方に移り住むこと。
したがって、地方に住む際のメリットとデメリットを比較し、見極めることが大事です。
またそのためには、「自分の人生や仕事において何を優先したいか」といった優先順位をつける作業も忘れてはいけません。
例えば、収入が減っても生活費を抑えたいのか、アクセスが多少悪くなっても自分や家族との時間を大切にしたいのかなど。
地方に移り住む方が今抱えている問題やストレスなどが解消する、デメリットよりもメリットの方が多いと感じるのであれば、Uターン転職に踏み切ってもいいかもしれませんね。