様々な都合で今勤めている会社を辞めることになったら、退職金を受け取ることになります。
20代で退職したとしても、退職金はもらえるの?
20代は退職金をいくら受け取れる?
退職金の金額が決まる仕組みは?
- 大卒の場合、勤続1年で平均10.2万円、勤続3年で平均23.5万円の退職金が受け取れます。受け取れる退職金の金額は、基本給×勤続年数×給付率で計算できます。
- ただし勤続年数3年以下だと退職金が出ない企業も多いため、注意が必要です。
なお厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職金(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%です。
企業規模別にみると、「1,000人以上」が90.1%、「300~999人」が88.8%、「100~299人」が84.7%、「30~99人」が70.1%と、大企業であればあるほど退職金制度を設けている場合が多いという結果になっています。
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「退職」には2種類ある
まず退職金について調べる時知っておくべきなのが、「退職の種類」についてです。
それぞれの退職で、受け取る退職金にも差が出てくるため、自分がどちらに当てはまるのか、前もって確認しておくべきでしょう。
自己都合退社
社員自ら自分の都合で退職するのが、「自己都合退職」です。
多い理由が「転職」「引っ越し」「結婚」「出産」などです。
自己都合退職を行うときには、遅くとも1ヶ月前には退職を申し出ておく必要があります。
退職の申し出が遅い場合は、退職金相場が下がることがあります。
会社都合退職
これは、社員の都合ではなく会社の都合で退職したケースが当てはまります。
一番多いのが、会社の業績不振によるリストラでしょうか。
会社都合で退職するのに、しっかりと相場通り退職金をもらえないと、それだけで損です。
しっかりと事前に会社へ退職金の確認を行っておいてください。
20代でも退職金はもらえる
「20代の退職金平均相場」を見る前に考えておくべきなのが、「そもそも退職金はもらえるのか?」ということです。
20代でも退職金はもらえます。
しかし勤めている企業や、勤続年数によってはもらえません。
退職金がもらえるかどうかは企業による
退職金制度というのは、そもそも法律で厳しく取り締まっている制度ではなく、会社都合で設定できるのです。
つまり、「退職金が出ない」という企業があったとしても、それはまったく不思議ではないのです。
ですから、「会社がそもそも退職金制度を定めてない」場合や、「会社の退職金支給条件を満たしてない」場合は、退職しても会社から退職金が給付されないということです。
「退職したら退職金をもらえるだろう」なんてのは甘いです。
実際、厚生労働省の退職金支給実態によれば、退職金を支払っている企業の割合は75%程度だということです。
約半数の企業は勤続年数3年以下だと退職金が出ない
東京都産業労働局の調査によれば、退職一時金受給のために必要な最低勤続年数は「3年」としているところが企業の半数を占めているそうです。
最低でも3年は働かないと、企業から退職金が支払われない企業が多い、ということですね。
もし今退職を考えている20代で、もう少しで勤続年数が3年になりそうな社員がいれば、少し退職を考え直してみるのが良いかもしれません。
20代の平均退職金
それでは具体的に、20代の退職金の平均相場について調べていきましょう。
退職金の計算方法
退職金を割り出す計算方法は、
退職金=基本給×勤続年数×給付率
で割り出されます。自分の退職金が妥当な金額なのか、自分はいくらくらい退職金をもらえるのか、しっかりと調べておきましょう。
会社規模で給付率が変わる
退職金を左右するのは「給付率」ですが、この給付率は会社によって異なります。
大企業ほど、この給付率も大きくなります。
大企業は基本給も高いことが多いため、長く働けば自動的に退職金の金額も大きくなりますね。
20代社員退職金の相場は学歴で変わる
退職金の金額を決めるのは、企業の給付率、そして何より社員の「学歴」です。
退職金は勤続年数を評価する制度ですが、学歴で差が出てくるのです。
平均退職金を載せておきます。
この退職金は「自己都合退職」のケースです。
大卒 | 高卒 | |
勤続1年 | 10.2万円 | 5.6万円 |
勤続3年 | 23.5万円 | 16.5万円 |
勤続5年 | 32.0万円 | 45.1万円 |
勤続10年 | 124.2万円 | 89.5万円 |
20代の退職金の使い道
さて、勤続年数に見合った額支払われる(はず)の退職金ですが、この退職金の使いみちで多いのはどんな使いみちなのか。
退職金の使いみちで多いものを調べてみましょう。
貯金
一番多かったのが、「全額貯金する」というものでした。
退職金はあくまで、会社の善意で支払われた「おまけ」的な要素が大きいです。
それほど金額が大きくない20代の退職金ならなおさら、貯金に回すのが効率的かもしれませんね。
生活費
退職金がそのまま生活費に直行、なんてことも多いようです。
生活費といっても、「家電の買い替え」など、まとまった金額必要な生活費への支払いも多いようです。
海外旅行
やはりというべきか、「海外旅行」など旅行費に退職金を使う20代も多いようです。
退職したタイミングで、気分転換も兼ねて海外旅行…なんて人は多いです。
働きだしてしまうと、まとまった休暇が取りにくいので海外旅行に行くのも一苦労です。
退職して、退職金も手に入ったこのタイミングで、パーッと旅行に出てみてはいかがでしょうか。
20代が退職して転職するメリット
20代で退職と聞くと、なんだかその後の人生設計が崩れてしまいそうな予感すらあります。
しかし実は、20代退職が転職に不利にならない、むしろ有利になる要素すらあります。
20代退職が転職に不利にならない理由を、詳しく説明していきたいと思います。
日本は若手不足なので仕事探しに困りにくい
現在日本企業は慢性的な「20代不足」に陥っています。
つまり、20代が退職したとしても、昔ほど仕事探しに困ることはないということ。
退職時に上司と揉めるとしても、大した退職金は望めないとしても、少なくとも退職金で困ることはないということですね。
20代前半は第二新卒として優遇されやすい
もし退職した20代がまだ20代前半だったとしたら、転職市場において区分が第二新卒として扱われます。
日本の就職市場において新卒が一番強いのは言うまでもありません。
しかし20代前半の第二新卒も、新卒とほとんど変わらない待遇で採用されます。
新卒と似た区分で20代を扱うほど、現在日本は20代に飢えているということですね。
経験を積んだ20代は転職でキャリアアップも可能
20代後半で退職した人は、すでにある程度社会経験も積んだ状態。
転職で求められるのは、それまで積んだキャリアと、身につけた経験です。
20代後半社員はそれらの経験とキャリア、さらに若さも兼ね備えているので、転職市場でもはや最強なのです。
はっきり言って、退職に迷っている人は20代後半でこそ退職するべきなのです。
20代で退職して転職するデメリット
やはり、というか20代の若さで退職してしまうのは、特にその後の転職活動で不利に働くことがあります。
20代退職のどのあたりが不利なのか?
詳しくみてみましょう。
またすぐに辞めてしまうのではないかと思われる
20代という若さで退職すると、採用担当者はどうしても「またやるのでは」という印象を受けます。
どの企業も欲しい人材は「優秀な人材」なのはもちろんのこと、「長く働いてくれる人材」なのです。
その点20代は若いゆえ、長く勤め上げてくれる「だろう」という期待をもって企業は採用します。
その重要な判断基準の、長く働いてくれる人材という要素が、20代で退職することによって期待できなくなるのです。
まず20代で退職することが、採用担当者の心象はマイナススタートであることは覚悟しておきましょう。
退職金が出ないと転職活動中の収入が途切れる
20代の退職は、退職金の額に期待できません。
退職金が出たとしても、大した額でないことがほとんど。
そのため、つぎの仕事を見つける前に退職してしまうと、完全に収入がストップしてしまうリスクがあります。
20代社員は、貯金額もそこまで期待できないでしょう。
退職後の金銭状況に関しても、しっかり注意した上で実際の退職を行って下さい。
自社の退職金を確認しておこう
具体的に、今自分が退職したとしたら、どれくらいの退職金が支払われるのか。
自分で把握しておくべきです。
とはいえ、退職金はあくまで企業の善意で支払われる「おまけ」のようなもの。
退職金をあてにして働くのも、あまりおすすめできません。
「退職金が少ない」と感じたら転職を視野に入れる
とはいえ、退職金が少ない企業というのは、社員のことを考えてくれている企業とも言い難いのも確か。
退職金も福利厚生の一つです。
福利厚生が乏しい会社からは、20代という早い段階で転職を考えるのも悪くない判断です。
20代が受け取れる退職金は基本給×勤続年数×給付率で計算できる
いかがだったでしょうか。
20代社員がもらえる退職金について、理解を深めることができたでしょうか。
退職金のことを今から気にしているということは、「退職」という選択肢が頭に浮かんでいるということですよね。
退職、転職の判断は、人生に大きく関わる選択です。判断を慎重に行ってください。
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