「面接で自己紹介って何を話せばいいの?」
「相手から好印象を持たれる自己紹介のコツが知りたい。」
このように、現在面接を控えていて自己紹介の仕方について気になっていませんか?
自己紹介は1分程度で終わるものですが、面接官の第一印象を決める大切な要素でもあります。
仮に自己紹介で相手に好印象を与えられれば、その後の面接の流れも良い方向に進む可能性は高いです。
では具体的にどうすればいいのか、また自己紹介では何を話せばいいのか。
そこで今回は、自己紹介と自己PRと志望動機の違いから、自己紹介の3つのポイント、自己PRのポイント、そして面接時によく聞かれる質問別の回答例を紹介していきます。
自己紹介と自己PRと志望動機の違い
まずは自己紹介と自己PRそして志望動機の違いについて理解しておきましょう。
仮に、面接官が自己紹介を求めているのに、自己PRをしてしまえばコミュニケーション上の不信感を与えてしまいます。
実際に仕事をすることを考えると、コミュニケーションのズレは致命的なので、それぞれの違いをあらかじめ知っておかなければいけません。
自己紹介とは、相手に自分のことを知ってもらういわば挨拶の一種で、名前と専門分野、また趣味や特技などを伝えるものです。
自己PRとは、自分のことをアピールするもので、実績や経歴について掘り下げた自分の強みを短い時間で伝えます。
自己紹介として実績を話すことも可能ですが、詳細な実績や能力などについては自己PRとして話しましょう。
一方で、志望動機とはなぜその企業を応募したのかを伝えるもので、志望動機が明確でその企業のことをきちんと把握した上であれば採用に一歩近づけます。
このように、自己紹介と自己PRそして志望動機はそれぞれ違いがあるので、混同しないようにしましょう。
面接における自己紹介の意図と目的
面接官が応募者に対して自己紹介を求める理由は、その人の第一印象を決定するためです。
自己紹介は面接の冒頭に求められることがほとんどで、その自己紹介の話し方や内容次第で、その応募者がどんな人間なのかを見ています。
たとえば、自己紹介でハキハキと話せていれば円滑なコミュニケーションができると印象づけられます。
しかし一方で、自己紹介を求められても口ごもりながら話したり、おどおどしたりすれば、印象良くはありません。
人と関わる上で第一印象は非常に重要な要素で、仮に冒頭の自己紹介で好印象を与えられれば、少なくとも面接官に「一緒に働いてみたいかも」と思ってもらえます。
自己紹介は自分の経歴について伝える簡単なものですが、それ一つで採用可否に影響することをきちんと理解しておきましょう。
面接で自己紹介をする時の3つのポイント
面接で自己紹介する時には以下3つのポイントがあります。
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- 型にはまった自己紹介はしない
- 30秒〜1分程度にまとめる
- 話し方に気をつける
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ここからは、それぞれのポイントについてくわしく紹介していきます。
型にはまった自己紹介はしない
型にはまった自己紹介には気をつけましょう。
型にはまっているとは、あらかじめ決めていた自己紹介をそのまま話すということです。
面接の場では面接官が求める情報に対して、正確に回答することが大切です。
たとえば「自己PRを含めて自己紹介してください」といわれれば、自分の強みを含めた自己紹介をしなければいけません。
無駄な情報を含めず、また情報不足のない回答が必要です。
しかし、あらかじめ決めていた型にはまった自己紹介をしてしまうと、情報の過不足が発生します。
そのため、型にはまった自己紹介ではなく、面接官の求める情報を汲み取って話せるよう面接の練習をする必要があります。
30秒〜1分程度にまとめる
自己紹介は30秒〜1分程度にまとめて簡潔に話しましょう。
面接官は自己紹介という形で、応募者のこれまでの職務経歴について質問しています。
そこで職務経歴の詳細や、転職に至った経緯などを事細かに長々と話してしまうと、相手が必要としていない情報まで伝えてしまいます。
相手の求めている情報に対して、無駄の多い自己紹介をすれば、「質問意図を正しく汲み取れない」と判断される可能性が高いです。
そのため、自己紹介は要点だけを絞り、30秒や1分程度で簡潔に伝えられるのがベストです。
話し方に気をつける
自己紹介だけに限らず、面接は話し方に気をつけましょう。
気をつけるべきポイントには主に以下のものがあります。
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- 相手の目を見る
- 口角を上げる
- 背筋を伸ばす
- 自信を持って話す
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など
これらを気をつけて話せば、相手に好印象を与えられます。
たとえば、アイコンタクトは相手への恐怖心をなくし、親近感を抱かせる効果があるため、面接のように初対面の相手と関係性を築く時には非常に大切です。
また、口角を上げて優しい表情で話すことも、相手の緊張を解くためにも大切な要素です。
面接官からの第一印象を良くし、面接を有利に進めるためにこれらのポイントを意識して面接に臨みましょう。
面接で自己PRをする時の2つのポイント
続いて、面接で自己PRをする時は以下2つのポイントがあります。
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- 結論から話す
- 会社にメリットがありそうな実績を話す
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自己PRは自己紹介と併せて聞かれることが多いので、両方のポイントはおさえておきましょう。
結論から話す
自己PRを含め面接では常に結論から話すことを心がけましょう。
結論から話すと、自分が何を伝えようとしているのかを、相手はあらかじめ把握することができます。
たとえば、以下2つの自己PRを例にします。
「前職では営業をしており、入社当初は成績が伸びず、自分に自信が持てなかったのですが、結果的には社内トップの成績を収めた経験があるので、その経験をもとに御社でも営業の仕事で頑張りたいと考えています。」
「私の強みは主体的に行動できることです。
前職の営業では契約本数を上げるためにはどうすればいいのか、問題点と改善点を自分の頭で考えて実践し、社内トップの成績を収めることに成功しました。
その経験を強みに御社でも主体的に行動し、営業成績1位を目指します。」
この2つの例文を見ると、後者の方が「主体的に動ける強み」を伝えたいものだということがわかりやすく、また説得力も感じられるかと思います。
このように、自己PRをまずは結論から話すことで、自分の強みを的確に伝えましょう。
会社にメリットがありそうな実績を話す
自己PRは会社にメリットがありそうな実績を話しましょう。
志望している企業のメリットのない強みをアピールしても、あまり魅力的に感じられず、むしろ的外れなアピールに聞こえてしまいます。
たとえば、プログラマーの募集を行っている会社なら、プログラミングに関係のない職務経歴を話すのではなく、プログラミングの実績やスキルをメインに話してPRする方が望ましいです。
また、募集要項に記載されている「求める人物像」や「業務内容」などの情報をもとに、どんなスキルを求めているのかを逆算すれば、面接で的確なアピールができます。
面接を有利に進めるためにも、自己PRは志望企業にメリットのあるようなポイントをアピールしましょう。
面接でアピールできるポイントがない時の対処法
志望する企業にメリットのあるアピールポイントが、見つからない人は少なくないでしょう。
特に、異業種や同業種でも職種が異なる場合などは、経歴や実績が活かせないケースがあります。
面接でアピールできるポイントがない時は、ビジネス観点・仕事スキルの観点からアピールすることが大切です。
たとえば、「私は物事の優先順位を的確に判断して、今何をやるべきなのかを即座に導き出すことが得意なので、事業の生産性を高める力があります。
」などが効果的です。
どんな仕事においても作業スピードは重要視され、会社の生産性アップおよび利益アップにはスピードが欠かせません。
そのため、面接でアピールポイントがない時は、作業スピードをはじめとしたビジネス的な観点における強みをアピールすることがオススメです。
面接時によくある自己紹介の質問例とその回答例
ここからは、面接官からのよくある質問に対する、回答例を紹介していきます。
正しい回答例の他に、良くない回答例も紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
自己紹介をお願いします
【良い回答例】
転職太郎と申します。
私は大学卒業後。
WEBマーケティングコンサルをメイン事業とする企業で2年間営業部門として勤めてまいりました。
2年目では営業成績が同期7名中2位を獲得し、事業の粗利益は前年比150%を突破しました。
今後は他社のマーケティングに携わるのではなく、自社マーケティングにも挑戦したいと考えております。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【悪い回答例】
私は前職で営業成績1位を収めた経験があります。
しかし今後は営業で仕事を獲得するだけでなく、自社マーケティングを行って案件を受注する仕事に就きたいと考えています。
そこで御社では営業と自社マーケティングの両方で案件を受注しているということで、応募いたしました。
【解説】
「自己紹介をお願いします。」
と言われているので、ここでは、自分の名前と簡単な経歴と実績、また現在持っている仕事観などについて話すのが適切です。
悪い回答例では、志望動機がメインになっており、応募者がどんな人物でどんな職歴があるのかがいまいちわかりません。
また、良い回答例では職歴と実績と今後の展望が簡潔にまとめられている点がポイントで、詳しい職歴などを長々と話さないようにしています。
自己紹介はあくまでも、今の自分について簡潔に伝えるものなので、詳しい情報は省くことが大切です。
なお、自己紹介だけなら1分程度で話すのが望ましいです。
これまでの実績をふまえて簡単に自己PRしてください
【良い回答例】
私は現在の職場で、個人を対象とした金融商品の営業を行なっています。
実績としては昨年度の営業成績は営業担当20名中1位の売上を達成し、前年比160%を達成することができました。
私が営業成績を残せたのは、徹底的なターゲティングを行なったからだと考えています。
具体的に30代男性で年収は400万円前後、貯蓄は200万円前後、家族構成は妻と5歳と3歳の子どもがいるなど、事細かなペルソナを作成し、その上で30代の利用の多いSNSであるFacebookで広告を流すなどの策を講じました。
その結果、顧客リストが増え、売上の増加にもつながりました。
このようなターゲティングとマーケティング施策の能力および経験を活かし、御社でも新規顧客の獲得に一助したいと考えています。
【悪い回答例】
私は現在の職場で個人を対象とした金融商品の営業を行なっています。
販売している金融商品は大きく分けて3つあり、その中でも特に顧客単価の高いものをメインに営業しています。
ターゲットは30代男性で、今資産運用に興味や関心を持っている人に対して、資産運用の重要性と仕組みを丁寧に説明し、人と人との対話を心がけた営業を得意としています。
その甲斐あってか、上半期の営業成績は営業担当20名中1位を達成することができました。
個人を対象とした営業には自信を持っており、御社でもこの経験を活かして、営業成績トップを目指したいと思います。
【解説】
この質問の時、企業担当者は応募者の能力について知りたいと考えています。
悪い回答例では、実績よりも現在行なっている業務内容が大半を占めているため、結果的にアピールの弱い自己PRとなってしまっています。
実績を踏まえた自己PRを聞かれた際は、自分の実績とその結果に到るまでに行なったプロセスを伝えることが大切です。
また、「努力することが得意です。」や「誰とでも仲を深めることができます。」など、実績ベースではないポテンシャルのアピールも、この場では適切ではないので気をつけましょう。
前職の退職理由と弊社を選んだ理由を教えてください
【良い回答例】
前職では営業職として働いておりまして、見込み顧客の獲得や電話営業を担当していました。
どうやったら見込み顧客にアプローチできるのかや、どうやったら商品を購入してもらえるのかを真剣に考えるうちに、マーケティングに興味を持つようになりました。
営業としてだけでなく、自社の売上をアップさせるための施策を自分で考えて自社と顧客が共にウィンウィンな関係を築きたい、またそういったマーケティング関係の仕事がしたいという思いが強くなったことが転職を考えるきっかけとなりました。
御社では自社マーケティングを行なっているということで、今後はマーケティングの知識とスキルを身に付けつつ、これまでの営業のスキルを活かし、企業成長に貢献したいと考えております。
【悪い回答例】
前職では営業職と働いていたのですが、毎日会社が休みの日でさえノルマを気にしなければいけませんでした。
営業職そのものはとても気に入っているのですが、日本国内で働き方改革が浸透していく流れの中、サービス残業などが当然としてあり、自分が本当に輝ける場所はここじゃないと思うようになり、転職を考えるようになりました。
今後は営業職を続けながらも、前職とは違う環境、違う商品の販売に力を入れていきたいと思っています。
【解説】
採用担当者が前職の退職理由を聞いてくる時は、転職希望者の協調性やストレス耐性、また自社でやっていける人材かどうかをチェックしています。
退職理由が前職の悪口などネガティブなものであれば、「また同じ理由ですぐに辞めるのでは?」と採用担当者に思われてしまい、採用が遠のきます。
悪い回答例のように前職の愚痴が退職理由にして話すのはNGです。
たとえその退職理由が本音だとしても、ネガティブな退職理由は避け、良い回答例のようにスキルアップなどポジティブな退職理由にすることが大切です。
またその会社を選んだ理由は、退職理由と絡めながら、会社への貢献心を伝えるようにしましょう。
まとめ
面接では面接官の質問に対して、簡潔になおかつ具体的に説明することが大切です。
自己紹介をお願いされれば、自分の経歴や実績を簡単に話し、無駄な情報を入れてだらだらと話さないようにしましょう。
また、面接は人と人との会話のキャッチボールです。
あらかじめ決めてきた自己紹介を淡々と話すのではなく、面接官の質問に柔軟に対応して回答しましょう。
本記事では例文まで紹介しているので、面接の自己紹介について気になっている人はぜひ参考にしてみてください。