20代後半から30代を超えてくると、転職の面接において「マネジメント経験はありますか?」と質問される機会が増えてきます。
これは、採用担当者が社会人経験を積み重ねた30代に対し、仕事における能力の高さを求めているからです。
つまり「マネジメント経験」を、能力の高さや経験の豊富さを測るものさしとして聞いています。
マネジメント経験について質問された際は、自分の能力についてアピールするチャンスです。
そこで今回は、面接官がマネジメント経験について質問する意図から、回答時のポイント、そして正しい回答例まで紹介していきます。
マネジメント経験とは?
マネジメント経験とは、会社で人やお金などをうまく活用した経験のことです。
企業の役職で言えば、課長・部長・主任などが該当します。
役職に就いていない場合でも、チームリーダーとしてメンバーを目標達成に導いた経験や、小さなプロジェクトのリーダーとして資金を使った経験などもマネジメント経験の一つです。
しかし、ただ人やお金を動かした経験では、「マネジメント経験」と呼ぶことはできません。
大切なのは人やお金を使って高いパフォーマンスを発揮することで、たとえば自分でもできる業務を他の人に任せて、自分と同等かそれ以上の結果を出せるように動かすことです。
人数やお金の大きさは関係なく、たとえ1〜2人の部下でも率いて業務上で高い成績を収められれば、それも一つのマネジメント経験です。
企業によってマネジメント経験の捉え方は異なる
企業によってマネジメント経験の捉え方は異なる点に注意が必要です。
とにかく人や物、お金、情報といった、あらゆるリソースを動かして結果を残すことをマネジメントと呼ぶため、これといった定義があるわけではありません。
そのため、リソースの量が小さすぎるとマネジメント経験と認められない可能性があります。
たとえば、以下のようなマネジメント経験は、企業によって捉え方が異なるケースが多いです。
- チームをまとめた経験
- 後輩を指導した経験
- 事業の会計業務の経験
- 自社メディアサイトの運用経験
など
とはいえ、定義付けがないからこそ、自分が人やお金を少しでも動かした経験があれば、それをマネジメント経験とすることができます。
面接でマネジメント経験に就いて聞かれた時は、「相手の企業にとってどこからどこまでがマネジメント経験なのだろう?」と考えず、自信を持って自分の経験を伝えることが大切です。
面接官がマネジメント経験について質問する意図
面接官がマネジメント経験について質問するのには、能力や経験を重視して採用を判断したいという意図があります。
特に30代以上になれば、仕事のスキルや経験を重要視されることがほとんどで、それら能力の高さを測るものさしとして、マネジメントの経験を聞かれます。
マネジメントは部下やメンバーをうまく指導しなければ務まりません。
つまり、マネジメント経験があるという人材は、部下やメンバーの扱いに長けている、あるいは慣れている可能性が高いと判断できます。
また、マネジメントによって目標が達成されたことよりも、誰をどのようにマネジメントしたかの内容が重要です。
そのため、面接官はマネジメント経験の有無を聞くことによって、その人の人間性や能力の高さについて知ろうとしているといえます。
面接でマネジメント経験について回答するときの2つのポイント
面接でマネジメント経験について聞かれた時は、以下2つのポイントに留意して回答しましょう。
- 具体的な数字を用いて話す
- マネジメント経験がなければキャリアを整理する
ここからは、それぞれのポイントについてくわしく解説していきます。
具体的な数字を用いて話す
マネジメント経験は具体的な数字を用いて話すのがポイントです。
数字を含めて話すことによって、マネジメント経験の規模が把握でき、またその内容もイメージしやすくなります。
たとえば、「私は前職で3年間部長として務め、その3年間の離職率はゼロで、企業成長率も部長就任前より220%アップしました」などと回答すると、本人の人望や能力の高さが明白です。
また、マネジメント経験を説明する上で含めるべき数字には以下のものがあります。
- チームの人数や年齢
- 自分が携わった年数
- 目標達成度や成長率といった実績
- 費やした金額と時間
など
これらの数字を利用して、より具体的でイメージしやすいマネジメント経験を伝えましょう。
マネジメント経験がなければキャリアを整理する
マネジメント経験がない人は、改めて職務経歴を整理することをオススメします。
これといったマネジメント経験ではなくても、チームを導いたり、後輩をうまく育てた経験があれば、それをマネジメント経験として回答することができます。
たとえば、部下に業務命令を出して出世させたり、自分がチームリーダーとして後輩たちへ的確な人材配置を行なって高い成績を収めたりなど、人を動かして実績を残した過去もマネジメント経験の一つです。
このように、「マネジメント経験」と呼べるかわからない経験でも、捉え方や伝え方によっては立派な経験として回答できます。
そのため、今一度自身の職務経歴を見直し、これまでにリーダーとして務めた過去があれば、それをマネジメント経験としましょう。
面接でマネジメント経験にまつわる質問をされた時の正しい回答例
ここからは、面接でマネジメント経験に関する質問をされた時の正しい回答例について紹介していきます。
マネジメント経験はありますか?
【正しい回答例】
過去に営業部隊を社内成績トップに導いた経験があります。私は前職で営業職をしておりまして、入社3年目で5人の後輩を担当することになり、私を含めた6人で営業を回っておりました。新入社員の後輩に営業のスキルを仕込み、それぞれの得意・不得意を見極めて最適な人材配置を行いました。その結果私の営業チームが社内に6チームいる中でトップの売り上げを収めることに成功した経験があります。
【悪い回答例】
私はマネージャーとしての経験はありませんが、人をまとめて目標を達成させる自信はあります。
前職ではWEBマーケティング事業部を担当しており、部下に業務命令をくだしたり、マーケティングに際する資金の管理等を行なっていました。
【解説】
役職に就いた経験がなくても、自身の職務経歴から仲間を目標達成まで導いた経験は立派なマネジメント経験です。
年数や人数といった具体的な数字を含めることによって、回答をより具体的にし、なおかつどんな経験なのかをイメージしやすくなります。
逆に、マネジメント経験があっても数字や具体的内容が含まれていなければ、正しく伝わらないので注意が必要です。
また、マネジメント経験を語る上で大切なのは、どんなチームでどのように人やお金を管理したのかという点で、それらをきちんと伝えられれば面接で高く評価されるでしょう。
まとめ
面接官がマネジメント経験について質問するのは、応募者の仕事におけるポテンシャルを知るためです。
そのため、マネジメント経験は自分の能力の高さや経験の豊富さをアピールするチャンスです。
部長や課長といった役職に就いていた人は、その時の実績や経験を伝えましょう。
特に役職が就いたことがない人は自身の職務経歴を振り返って、チームリーダーや上司・先輩としてメンバーを導いた経験を「マネジメント経験」として伝えることが大切です。
「マネジメント経験」には特に定義がないため、捉え方や伝え方によっては立派なマネジメント経験として話すことができます。