新卒採用で人気があり、難関な病院薬剤師の職場。
しかし、病院薬剤師の新卒3年目までの離職率は一般的に50%と言われています。
辞めていく人のほとんどが、思い描いていた働き方と違う!と不満を感じているのが現実。
この記事では、病院薬剤師特有の悩みを紹介します。
病院薬剤師の皆さん、過酷な環境に我慢せず自分のやりたい仕事を見つけてくださいね。
辞めたい理由
まずは、病院薬剤師が辛いと感じていることを紹介します。
病院で頑張って毎日働いているけれど、離職したいと思っている現役薬剤師に実際に聞いてみました。
人間関係が悪い
表立って出ることのない、病院薬剤師の離職理由は人間関係についての悩みです。
辛いと思っているけれど、ストレートに上司に報告し、離職する理由として扱うのも難しいため、本音として言わないことが多いです。
この悩みは他の職場で働く薬剤師や、他業種においても多く見受けられますが、特に病院薬剤師には特有の空間があります。
薬局長の存在
大抵の場合、階級がないため上司は薬局長ぐらいしかいません。
病院薬剤師に多い薬局長は、長く働き続けている男性の4年制薬剤師です。
離職を考える入社3年目までの6年制卒業女性薬剤師の悩みを理解し辛い事だってあります。
時には薬局長から難題を与えられることも。
病院内の人間関係は職種によってコミュニティができているため、パワハラが職種内で起きてもなかなか問題が表面化しません。
また、先輩も同じような待遇を受けているため、そんな先輩の姿を見てこれが普通なのだ、これが病院の薬剤部なのだと思いストレスを自分で抱えてしまう事もあります。
もちろん病院によって組織体制や雰囲気が違うので、全ての薬剤師が人間関係で辞めたいと思っているわけではありません。
他職種からの圧力
病院は、薬剤師だけでなく医師や看護師など、他職種が協力しあって働いています。
医師の意見が絶対的な病院だと、薬剤師が言いたいことが言えず、医療として自分は本当に良い働きをしているのだろうか悩むことがあります。
看護師からの要望なども踏まえ、板挟みになり他職種との人間関係が上手くいかず辞めたいと思う薬剤師もいます。
人間関係が悪い職場での対処法は?
職場の環境と人の相性があるため、解決するのはなかなか難しい事が多いようです。
薬局薬剤師であれば、仲の悪い薬剤師同士を異動させてお互いに会わないようにするなどといった店舗替えができます。
しかし、病院薬剤師は部署がひとつですので、毎日会わなければいけません。
勤務人数の多い大きな病院ですと、仕事の割り振りがあるでしょうから、同じ仕事をしないよう振り分けてもらうなどの配慮が必要です。
上司のパワハラは常習化しやすいので、慣れたと思ってもストレスを少しずつ溜めていることがあります。
中には自分が薬局長まで上り詰めて、上司を追い出そうと努力する薬剤師もいるようです。
強い心があれば良いですが、取り返しのつかないほど疲弊する前に、思いきって転職を考えても良いでしょう。
夜勤など仕事がきつい
病院薬剤師は夜勤があるため、昼夜のリズムが整えられず体調を崩す薬剤師もいます。
医療に土日祝のカレンダーは無いも同然なので、生活リズムと自分の余暇よりもシフトを優先した生活になります。
がむしゃらに働いて経験を積んできたけれど、疲れ果てた自分を見て、もっと自分がしたいことは何か考える薬剤師も出てきます。
世の中にはもっと体力的にきつい仕事は山ほどあります。
しかし、もっとお金をもらって余暇を楽しめる職場があるのに、自分はそうではないと思うこと自体が苦痛に感じるようです。
薬局に行けば夜勤などはなくなる?
最近の薬局は、患者さんを第一に考え、24時間オープンしてい薬局もありますし、携帯電話当番として24時間いつでも連絡ができる体制を整えている薬局もあります。
政府は、これからの医療として在宅介護にも力を入れているため、病院薬剤師だけが夜勤をすることは無くなるかもしれません。
そのため、夜勤が嫌いだからといって薬局に転職するのではなく、これから何を必要としていると感じているか、それぞれの薬局のビジョンを読み取って転職を考えなければなりません。
給料が低い
他の職場に比べて、病院薬剤師の給料は安いと言われています。
診療報酬において病院では薬剤費が一律に丸め込まれるため、薬剤師の仕事量を増やしても稼げない仕組みになっています。
昇格もないので、劇的に給料が上がることもありません。
こんなに頑張っているのに、他の職場にいる薬剤師より給料が低くて精神的に辛い思いをする人がいます。
家族が増えて、今の給料ではやっていけなくなり、しぶしぶ転職をする人もいます。
平均年収にも届かない病院もあるので、将来について悩む理由として十分考え得る転職理由となります。
出産しても制度が整っていないため続けられない
病院は中途の薬剤師より、新卒の薬剤師を積極的に採用します。
人件費を安く仕上げて、体力がありひたむきに頑張ってくれる薬剤師を求めているのです。
出産し、育児休暇などの福利厚生を充実させても、家庭の比重が大きくなるママさん薬剤師は病院薬剤師として戦力になり辛いのです。
そのため、法律で決まっている最低限の休暇以外は整えず、自己退職してもらえるような環境にする病院もあります。
有給が実質全く取れない病院もあります。
病院優位の労働環境に耐えきれず、仕事と家庭を両立できないと悩む病院薬剤師が少なからずいるようです。
休みがしっかり取れる病院もある
近所の病院では、土日祝休み、18時定時退社、有給はシフト調整により好きな時期に取れる病院薬剤部があります。
そこの社員食堂がフランス料理のシェフで、そこにお世話になっていた頃は、毎日お昼が楽しみでしょうがなかったです。
病院に保育所が完備されていて、風邪を引けばそこの小児科で診てもらえるなんてことも。
このように、子育てをするママさん薬剤師にも優しい病院はあります。
新卒の時には大病院でがむしゃらに働いて勉強して、結婚したら福利厚生を考えた転職を考えても良いと思います。
配偶者の転勤で働けなくなった
病院薬剤師は、基本的には病院に就職すると1つの病院に勤務します。
中にはグループ企業への出向や、離島配属からの出戻りがありますが、大きな病院に勤めていなければ難しいでしょう。
配偶者の転勤で引っ越しをする場合、病院には他の求職者がいますので無理をしてまで引き止めることはしない方針の職場があるのも事実です。
そのため、あっさり辞められる病院もあります。
転勤がある病院に勤めている
今度は先程とは逆に、全国転勤がある病院薬剤師の悩みです。
全国に勤務地がある病院は、大きなグループ会社であることが多いです。
転勤は突然やってきますので、折角慣れた職場から離れるのが負担に感じる薬剤師もいるようです。
また、配偶者や家族が転勤できない時は、単身赴任で生活することになります。
やはり家庭を持つと、病院薬剤師は続けることが難しいと感じる薬剤師が多くなるようです。
まとめ
いかがでしたか。
病院薬剤師は彼らなりの悩みを持ちながら仕事をしている人もいます。
勿論、やりがいがある職場のため、悩みと上手く付き合いながら仕事ができると楽しいです。
しかし、辛いことが重なって、心身が疲弊する前に誰かに助けを求めましょう。
転職エージェントに相談するのもひとつの手です。
自分の薬剤師人生をどう過ごすか、初心に戻って自分自身に問いかけてみましょう。