退職をしてから次の転職先を探すときには失業保険を受け取ることができます。
会社都合退職ではなく、自己都合退職の場合であっても正しく手続きを行えば支給してもらえますが、支給条件を確認して転職活動に取り組むことが重要です。
自己都合退職とは何か
退職して転職先を探すというケースでは二通りの原因で仕事を辞める場合があります。
会社側の都合によって退職を命じられた場合には会社都合退職となり、会社の経営状態の悪化によるリストラや倒産が代表的なものです。
ハラスメントの問題の発生や賃金の不払いなどによる場合にも会社都合退職として認められますが、自分が辞めたいと考えて退職したときには大半が自己都合退職になります。
自分の都合でする転職はすべて自己都合退職
転職したいと希望して退職した場合や、結婚や出産などの私生活に関わるものは全て自己都合退職です。
また、不正をはたらいたようなケースで懲戒免職処分になったときも自己都合退職に分類されることになります。
このような区分が行われているの失業保険について金額や期間などに違いが生じるからです。
自分がどちらに該当するかに応じて適切な手続きを行っていく必要もあります。
自己都合退職でも失業保険を受け取るための条件
自己都合退職で失業保険を受け取るためには三つの条件を満たしていなければなりません。
一つ目は退職してから速やかに転職先を見つけて就職する意思と能力を持っていることです。
二つ目は転職先を積極的に探しているけれど採用されていないことであり、三つ目に挙げられているのが退職日から二年前までの間に被保険者であった期間が12ヶ月以上あることが求められています。
転職活動を行っていることを示す必要がある
基本的には失業保険に加入した期間が条件を満たしていれば、積極的に転職活動をしていると失業保険を受け取ることが可能です。
ただし、気をつけなければならないのが転職活動をしているのをどのようにして示す必要があるかであり、自分でインターネットで求人募集を眺めているだけでは認められません。
失業保険における条件として求められているのがハローワークで求職の申込みを行い、雇用保険受給者として認められて就職活動の実績を作ることです。
それによって退職をしてから三ヶ月と七日が経過してから失業保険を支給してもらえるようになります。
支給期間は90日から150日、支給の最大金額は118万円ほどであり、計画的に転職活動を進めていくことが支給額を増やすのに必須です。
自己都合退職で失業保険を受け取る流れ
具体的な流れとしてまず退職してから離職票を手に入れ、ハローワークで求職の申込みを行うのが最初のステップです。
次に雇用保険受給者初回説明会に参加します。
その後、四週間の間に三回以上は転職先を決めて応募した実績を作り、一回目の失業認定日を迎えてハローワークで手続きを行うことが必要です。
そして、さらにその後の四週間で二回以上の応募実績を作り、二回目の失業認定日に再び手続きを行います。
これによってようやく失業保険の給付を受けられるようになるのです。
少しでも失業保険を増やすためには
失業保険を少しでも多く手に入れるにはコツがあります。退職前の六ヶ月間の賃金に基いて失業保険の支給額が計算されるので、退職前には手当を増やせるように努力をするのが効果的です。
引き継ぎが必要という理由を使って残業手当や休日出勤手当などを積極的に行うと支給額を飛躍的に増やすことができます。
一方、公共職業訓練に参加することで支給期間を延ばすことが可能です。
職業訓練を受ければ期間が継続する
職業訓練を受けている間は支給が継続されるようになっているので、スキルアップをしたいと考えている人には特に有用な方法になります。
また、転職先が決まるタイミングを支給期間の終了後に合わせるのも良い方法です。
エージェントを使う転職活動を並行して進めて、採用先が決まるタイミングを上手く調節すると支給総額を最大にして、しかもタイムラグなく転職先で働き始められるようになります。
特定理由離職者に該当するかも確認
失業保険の金額を増やす方法として特定理由離職者に該当するかどうかを確認するのも大切です。
妊娠や出産などで離職して、受給期間延長措置を受けた場合や、病気などの原因がある場合、両親の死亡などが原因で家庭の事情が大きく変化した場合など、様々なケースで申請することが可能です。
ハローワークで申込みをする時点で申請すれば特定理由離職者として認めてもらえる可能性があります。
それによって支給開始日を退職してから七日後にすることができるなどのメリットが生まれるので、該当するかどうかをハローワークで直接確認してみるのが大切です。
転職に対して積極的になるのが基本
失業保険を受け取る権利は退職して次の仕事を探している人に対して与えられているため、加入期間の条件を満たしていれば正しく手続きを進めるだけで支給してもらうことが可能です。
自己都合退職のときには会社都合退職の場合に比べると支給額が少なく、支給開始日も遅くなりますが、最大限に支給してもらえるようにすれば総額は大きくなります。
支給条件は基本的には転職に対して積極的な姿勢を示すことにあるため、ハローワークで転職先の候補を探して応募するのを忘れないのが大切です。