異業種転職はすなわち現在の業種とは異なる業種に転職することです。
新しい業界に足を踏み入れることはとてもワクワクするし、人生に新しい出会いをもたらし視野を大きく広げてくれます。
ただし、これまで働いていた業種とは違う業界に入るわけですから、全く一からのスタートとなります。
それだけに、異業種転職も平坦な道でないことは覚悟しなければなりません。
これまでのキャリアとは異なる仕事となるのですから、当然「失敗したらどうしよう」という不安は付き物です。
そこで今回は異業種転職でありがちな失敗と、転職を成功させるためのポイントについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
異業種転職でありがちな失敗のパターン
転職先の業界について充分な情報収集ができていない
自分が業界に抱いている印象だけで業種を選択し、異業種転職に失敗してしまうことがあります。
それぞれの仕事に対する世間一般のイメージというものは確かにあります。
しかしその業種に対する世間のイメージと、実際の仕事内容が自分に合っているかどうかは全く別の話であるということを留意しておく必要があります。
たとえば現在でも転職しやすく将来性も見込めるIT系の職種は、一般的に最先端の分野で働く職種という印象を受けますが、ITと言っても業種や仕事内容も様々です。
仕事について情報が不足しているとイメージとのギャップが大きくなる
エンジニア系の仕事を例に挙げると、こういた職業は色々なプログラミング言語を用いるので、エンジニアに転職するには、それらの言語に関する知識が必須となります。
また華やかな印象があるwebデザイナーやwebマーケティングの仕事も、実際にはPCに向かっての作業が向いている人でないと、継続するには難しい面があります。
たとえばwebデザイナーの場合、webサイトを作るためのコード入力作業が必要になりますし、webマーケティングはアクセス数を稼ぐため、常にユーザーの動きを調査し分析を行う必要があります。
異業種転職ではこれらのような実際の仕事内容についての情報収集が充分でないと、転職したときにイメージとのギャップが大きすぎて、失敗したと感じてしまう可能性もあるのです。
憧れだけでなく入念な業界研究をした上で決断しよう
異業種転職では業界や実際の仕事内容など、知らないことが多いだけに自分が抱くイメージが先行しがちです。
だからこそ先にも述べたように、自分が抱く職種のイメージと実際の仕事とのギャップに大きな隔たりが生まれやすいと言えます。
このような失敗を予防するためにも、異業種転職では入念な業界研究が必要と言えるでしょう。
自分が興味を抱く仕事をする前に、最低でもどのようなスキルが必要となるのか、そのスキルが自分に合ったものなのかをちゃんと確認した上で、転職するかどうかを判断すべきと言えるでしょう。
会社規模や条件の良さだけで転職してしまう
これもありがちなのですが、求人に記載されている給与や福利厚生が良いというだけで転職してしまう、あるいは大手の会社であるというだけで異業種転職をして失敗するパターンです。
確かに現実的な面では給与や福利厚生の充実は大切と言えるでしょう。
しかし給与などの条件が良い求人である場合は、仕事内容がハードであることも珍しくはないのです。
条件の良さだけで判断すると失敗を招く
たとえば給与が高い分求められるノルマが高く設定されていたり、夜勤が多い仕事であったり、高いスキルやスピード感覚が求められる仕事だったりと肉体的にハードな仕事も多いと言えます。
これに代表される例としては医療系の仕事などがあります。
責任が大きいだけに給与も多く支払われるというわけです。
また大手だからという理由だけで応募するのも、異業種転職において失敗を招きやすいパターンです。
ブランド名があるからこそ逆に自由に身動きできない、競争意識が激しいためチームごとにギスギスしているといった、業務以外でもストレスが大きいといった例もあります。
条件が良い求人は「わけあり」である場合も!?
このように求人の内容だけで転職先を決めると、失敗する可能性が高いと言えます。
これは異業種転職に限らず転職活動においてよくあるパターンです。
むしろ業界について知らないからこそ、実際の仕事内容について確認せず、求人に記載されている情報だけで判断してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
また一般に良い条件で公開されている求人は多数ありますが、中には「わけあり」のものも多く含まれています。
たとえば給与が高い代わりに作業量が非常に多い仕事だったり、あるいは職場の離職率が高くて入れ替わりが激しいためだったりする場合もあります。
そのような場合は求人で高い給与を設定することで、人を集めようというわけです。
もちろん責任ある仕事でもそういったケースがあるため、一概に給与の高い求人が全てブラックというわけではありません。
しかし異業種転職においては業界についての知識が浅い分、転職を失敗しないためにも求人の内容だけで判断すべきではないということです。
異業種転職を成功に導くための3つのポイント
異業種転職で失敗するケースもありますが、それは対策が不十分であったときの場合です。
現在の自分が望む環境・勤務条件・業界・企業に求められるスキルなどの情報を集め、しっかりと対策を取っていけば、異業種転職を成功させることも決して不可能ではないのです。
ここでは異業種転職を成功させるためのポイントについてご紹介していきたいと思います。
1・業界についてのリサーチを徹底しておく
先ほども述べましたが異業種転職では、前職時に抱いていたイメージと現実とのギャップが生じやすいという問題があります。
また求人だけでは実際の仕事について非常に分かりづらいため、職場とのミスマッチが起きて転職を後悔してしまうパターンもあります。
これらの失敗を回避するには、やはり業界についてのリサーチが必須と言えます。
世間一般のイメージに捉われず、その仕事が自分に合うかどうかを見極めるという意識が大切です。
とはいえ、これまで経験したことのない業界について知ることは、言うほど簡単なことではありません。
また実際にどのような仕事をするのかについては、入社してみないとわからない部分が多いので、個人の力で調べるのは非常に難しいと言えます。
転職エージェントを利用して業界についての情報を集める
しかしこういった悩みを解決する方法として転職エージェントが挙げられます。
転職エージェントでは実際にエージェントが会社をリサーチした上で求人を紹介しているため、仕事内容や社内の雰囲気まで把握しています。
また利用者に対してそれらの情報を提供してくれます。
よって求人に記載されていない細かい情報についても知ることができるのです。
転職エージェントを利用して業界の情報を集めていくことで、異業種転職でありがちな現場とのギャップが生まれる可能性を取り除くことができるというわけです。
研修制度が充実している会社を選ぼう
異業種転職で求人を探す際に、より注意しておきたいことがあります。
それは研修制度が充実しているかどうかです。
未経験の仕事をすることになるので、異業種に転職する場合は、どうしても仕事に慣れるまでの時間が必要になります。
転職先で研修期間があれば、現場を経験したことがない人も精神的な負担は減りますね。
異業種からの人間に環境な業界・会社であることが望ましい
異業種転職はある意味イレギュラーな立ち位置で、転職するという事実を忘れてはなりません。
よって外部の人間に寛容な会社であれば良いのですが、そうでない会社であった場合、現場に慣れることすら難しくなる可能性が高くなります。
未経験者の受け入れ体制が整っている会社であるか否かで、働きやすさも当然違ってくるでしょう。
特に異業種転職であればその違いは顕著に出ると言えます。
ですからなるべく、外部からの人間に寛容な業界や企業の求人を探すことをおすすめするというわけです。
3・異業種で働くためのアピールポイントを増やす
異業種転職ではほとんど未経験の業界に参入するのですから、これまで培ってきたスキルや経験がほとんど通用しないことも珍しくはありません。
そのため企業の選考を通過するには、仕事への熱意や将来性を期待できると上手くアピールする必要があります。
そのために最低限でも、実際に業界で必要になる基礎的なスキルを身に付けておくことをおすすめします。
異業種への転職に向けて具体的な行動を起こす
情報を集めるのも重要ですが、それだけでなく異業種転職に備えてより具体的な行動を起こしてみましょう。
たとえば以下ようなものが挙げられます。
- 業務に役立つ資格を取得するために勉強している・取得する
- 業界についてのセミナーや講義に参加している
- スクールに通ってスキルを身に付けている
知識やスキルを得ることで人材としてのポテンシャルも上がる!
面接では異業種転職に備えて、空いた時間にどのような取り組みをしているのかを伝えることにより、採用側も応募者に対して人材としてのポテンシャルに期待ができると判断することができます。
つまりその業界で働きたいと思っていること、より効果的にアピールできるというわけですね。
また実際に資格取得の勉強やセミナーに通うことにり、自分自身も現場で役立つ知識やスキルを身に付けることができるので一石二鳥と言えます。
異業種転職に失敗することを怖れるより、できることから始めてみよう!
今回は異業種転職に失敗しないためのポイントをお伝えしました。
異業種への転職はこれまでとは異なる道に進むため、スキルや経験が無いことを不安に思う方も多いでしょう。
しかし異業種に転職することによって、新たな道が拓けることも事実です。
他の要素のせいにして自分の可能性を閉ざしてしまう前に、自分にできることから少しずつはじめてみましょう。
今は転職も珍しくない時代なので、逆に言えば異業種転職する可能性も決してゼロとは言えません。
充実した転職サービスもたくさん存在しますので、無料相談などを利用して情報を集めてみてください。