テレビやラジオで情報を伝える、アナウンサー。
アナウンサーになったら年収はいくらなのか、どうしたら年収を高くできるのか、気になっている人は多いでしょう。
本記事では、アナウンサーの平均年収を紹介します。
アナウンサーになる方法や、年収を高くするコツも詳しく解説します。
アナウンサーになりたい人や、年収の低さに悩んでいるアナウンサーの人はぜひ参考にしてください。
アナウンサーの平均年収は580万円
厚生労働省の「job tag 職業情報提供サイト」によると、アナウンサーの平均年収は579.8万円です。
税金や保険料を控除したあとの手取り年収は75〜85%と言われているので、434.9〜492.8万円程度が手元に残る金額と考えられます。
なお、国税庁の「平均給与」によると日本の平均年収は461万円なので、アナウンサーは高収入な職種といえるでしょう。
アナウンサーの年収を条件別に比べてみよう
アナウンサーの年収は、以下のような条件によって大きく異なります。
POINT
- 年齢別
- 地域別
- 業種別:400万円前後
厚生労働省の「job tag 職業情報提供サイト」に基づいて、どれくらい差が生じるのか、なぜ給与が変わるのか確認しましょう。
年齢別:年収差は461万円程度
アナウンサーの年収は、40〜44歳が最も高くなります。
年齢別の年収は、以下の表のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
〜19歳 | 230.6万円 |
20〜24歳 | 360.0万円 |
25〜29歳 | 407.5万円 |
30〜34歳 | 504.1万円 |
35〜39歳 | 664.5万円 |
40〜44歳 | 691.5万円 |
45〜49歳 | 675.4万円 |
50〜54歳 | 628.4万円 |
55〜59歳 | 656.7万円 |
60〜64歳 | 568.2万円 |
65〜69歳 | 419.5万円 |
70歳〜 | 290.2万円 |
正社員勤務のアナウンサーは、サラリーマン同様に年齢や昇格によって給与が決まります。
働き盛りの30代から50代まで昇給し、定年する60代以降は給与が減少傾向にあるでしょう。
地域別:年収差は420万円程度
同じアナウンサーでも、勤務する地域によって年収が変わります。
年収 | 月収 | |
---|---|---|
1位 | 和歌山:726.3万円 | 東京:23.5~35.2万円 |
2位 | 東京:650.7万円 | 静岡:22.6~33.8万円 |
3位 | 宮城:622.0万円 | 茨城:21.6~32.6万円 |
4位 | 大阪:603.1万円 | 兵庫:21.7~31.9万円 |
5位 | 千葉:584.8万円 | 愛知:23.5~31.7万円 |
最も低い年収は群馬県の306.8万円程度なので、和歌山県の年収726.3万円と比べると、420万円程度の差があります。
東京や大阪はキー局・準キー局など大手放送局があるので、年収が高いと考えられるでしょう。
業種別:年収差は400万円前後
同じアナウンサーでも、勤務する企業の業種によって年収が変わります。
公的機関の調査はありませんが、以下を目安にしてください。
POINT
- テレビキー局:年収900万円
- テレビ地方局:年収600万円
- ラジオ局:年収500万円程度
ラジオ局よりテレビ地方局の方が、テレビ地方局よりテレビキー局の方が予算が高く設定される傾向があります。
番組の規模やスポンサーからの広告料も大きくなるので、テレビキー局で働くアナウンサーが最も高年収といえるでしょう。
ただしフリーアナウンサーとして人気が出れば、テレビキー局以上の年収も狙えます。
アナウンサーは年収の割にきついのか働き方を解説
アナウンサーは、年収の割にハードな職種なのか気になっている人も少なくないでしょう。
厚生労働省の「job tag 職業情報提供サイト」に基づいて、以下の観点からアナウンサーの働き方を解説します。
POINT
- 労働時間は平均167時間だが勤務時間は不規則
- 就業形態はフリーランスや正社員が多い
自分の体力や希望休日などをもとに、働けそうか考えてみてください。
労働時間は平均167時間だが勤務時間は不規則
アナウンサーの平均労働時間は、167時間です。
厚生労働省の「令和4年毎月勤労統計調査」によると、毎月の平均所定労働時間は162.3時間でした。
アナウンサーの労働時間は、平均的といえるでしょう。
ただし勤務時間が不規則なので、働き方はハードになる傾向があります。
担当する番組によっては、早朝や夜間に撮影したり土日に休みを取れなかったりすることも珍しくありません。
遅刻・欠勤もできないため、体調管理や体力が求められます。
生活リズムが乱れやすいため、年収の割にきついと感じる人も多いでしょう。
就業形態はフリーランスや正社員が多い
アナウンサーの23.1%が正社員で、73.1%が自営業やフリーランスとして働いています。
正社員のアナウンサーになると、定年まで社員として安定した収入が得られる点がメリットです。
一方で、ハードな働き方の割に一定の年収しか得られないデメリットもあります。
フリーランスになると、仕事量や知名度が給与に直結するので、収入は不安定になるでしょう。
ただし自分で働く時間や番組を調節できたり、正社員以上の高収入になれたりする可能性があります。
働き方を選択できる点では、働きやすいと考える人もいるでしょう。
アナウンサーになる方法
アナウンサーになるためには、以下3つの方法が考えられます。
POINT
- テレビ局やラジオ局の採用試験を受ける
- 芸能事務所に所属する
- アナウンサー養成スクールで研修する人もいる
アナウンサーになる方法を解説するので、どの方法が自分に合っているか考えてみてください。
テレビ局やラジオ局の採用試験を受ける
アナウンサーになるためには、テレビ局やラジオ局の採用試験を受けることが一般的です。
採用試験は、大手キー局・準キー局・地方局といった順番で行われます。
ただし、アナウンサーの採用枠は1,000〜5,000倍と高倍率です。
アナウンサーに学歴は不要ですが、多くの企業では4年制大学以上を条件としています。
学歴をクリアしたうえで、容姿や滑舌、コミュニケーションスキルといったスキルが求められるので、狭き門といえるでしょう。
芸能事務所に所属する
芸能事務所のオーディションに合格して、フリーアナウンサーとして所属するのもひとつの手です。
局アナウンサーは倍率が高いため、芸能事務所に所属してフリーアナウンサーとして活躍する人も増えています。
とはいえ、芸能事務所に所属したらすぐに仕事を獲得できるわけではありません。
番組のオーディションに合格する必要があるので、仕事が安定するまで時間がかかります。
タレント性も求められることから、自己プロデュース力や精神力がある人に向いている方法でしょう。
アナウンサー養成スクールで研修する
テレビ局やラジオ局の入社試験や、芸能事務所のオーディションを受ける前に、アナウンサー養成スクールで研修する方法もあります。
アナウンサー養成スクールとは、話し方や試験対策などを学べる養成学校です。
基礎スキルを身につけたり、採用試験に関する情報を集めたりできるので、採用される可能性を広げられます。
ただし、スクールに通ったら必ず採用されるわけではありません。
そのためアナウンサー養成スクールの受講は、チャンスを増やしたい人におすすめです。
アナウンサーに求められるスキルは?
アナウンサーには、以下のようなスキルが求められます。
POINT
- 読解力・説明力
- 協調性・コミュニケーション能力
- 柔軟な対応力
- 体力
読解力・説明力
アナウンサーは情報を伝えたり司会をしたりする業務なので、読解力・説明力は必須です。
相手にうまく話を伝えるために、明瞭な発音・適切な声の大きさ・滑舌のよさ・正確なイントネーションなども求められます。
ただ原稿を読むのではなく、視聴者に伝わるように説明することが重要です。
協調性・コミュニケーション能力
制作スタッフと1つの番組を作り上げたり取材をしたりすることから、アナウンサーには協調性やコミュニケーション能力が必要です。
スタッフや取材対象には、老若男女を問わずさまざまな人がいます。
どんな相手でも抵抗感なく話せると、スムーズに仕事を進められるでしょう。
柔軟な対応力
収録中に予期せぬトラブルが起こることもあるので、柔軟な対応力や度胸がある人に向いているでしょう。
特に生放送では、想定外のことが起こる可能性があるので、冷静に対応することが求められます。
また速報を伝える際は、事前準備なしで渡された原稿を読まなければなりません。
どんな状況であっても正確な情報を伝えられるように、平常心を保つことも必要です。
体力
アナウンサーは不規則なシフトで働くケースも多いため、健康な身体や体力も必要です。
早朝・遅番などのシフト勤務でも、体調を崩さないようにしなければなりません。
炎天下や極寒の環境で取材することもあるので、体力がなければ続けられないでしょう。
高年収なアナウンサーになるコツは?
高年収なアナウンサーになるコツは、以下4点です。
POINT
- 大手キー局に入社する
- 平均年収が高い地域で働く
- 知名度や人気度を高くする
- フリーアナウンサーとして独立する
現在の年収に不満があるアナウンサーの人や、これからアナウンサーを目指す人はぜひ参考にしてください。
大手キー局に入社する
大手キー局へ入社できれば、高年収を期待できるでしょう。
同じアナウンサーでも、業種によって年収は異なります。
最も年収基準が高い大手キー局であれば、正社員として高年収を目指せるでしょう。
大手キー局を目指すなら、新卒採用か、地方局で実績を積んでから中途採用を目指す方法のいずれかが考えられます。
入社するのは簡単ではありませんが、一気に年収を高くできる可能性があるでしょう。
平均年収が高い地域で働く
アナウンサーは、地域によって年収が変わります。
地方局で働く場合は、平均年収が高い地域を選ぶことが年収アップの近道です。
東京や大阪、愛知といった大都市や、宮城・千葉・和歌山といった高年収な地方都市で働くとよいでしょう。
地方局は大手キー局より応募者が少ないものの、倍率は100〜300倍といわれています。
一般的なサラリーマンよりは狭き門なので、しっかり準備してから採用試験を受けましょう。
知名度や人気度を高くする
高年収なアナウンサーになりたい場合、知名度や人気度を高くすることが重要です。
アナウンサーの昇給には、知名度や人気度も影響します。
人気アナウンサーになるためには、以下のような地道な努力が大切です。
POINT
- 清潔感のある身だしなみ
- 謙虚で親しみやすいキャラクター
- 愛されるルックス
- 場の空気を読めるコミュニケーション能力
自分の魅力を最大限に伝えながら、実績を積むように心がけましょう。
フリーアナウンサーとして独立する
フリーアナウンサーとして独立すると、平均年収以上の高額を稼げる可能性があるでしょう。
正社員である局アナウンサーは、給料の上限が決まっています。
フリーアナウンサーになれば、働いた分だけ給料が増えるでしょう。
ただし、知名度や人気度が高くない場合、平均以下の年収になることもあります。
実績を積み、メディアへの露出が増えてから、独立を目指すのがおすすめです。
アナウンサーの年収アップには実績や知名度を高めることが重要
アナウンサーの給料は、日本の平均年収より高額です。
ただし勤務時間は不規則なので、年収の割にハードな職種といえます。
正社員として高年収を目指すなら、大手キー局や高年収な地域で就職することが近道です。
知名度や人気度が高くなったら、フリーアナウンサーとして独立するのも年収アップに効果的でしょう
高年収なアナウンサーになりたい人は、本記事を参考にキャリアを考えてみてください。