就職活動をする学生にとっては売り手市場と言われる昨今ですが、「労働条件が自分の希望に合わない」、「元々志望していた業界への就職が叶わなかったが諦めきれない」等の様々な理由で、就職をして数年で退職したり、学校を卒業した後に就職しなかったりといったケースが少なくありません。
そのような場合、どうやって就職先を探したらよいのでしょうか。
まずは、第二新卒と既卒の違いをはっきりさせつつ、第二新卒のメリットやデメリットと就職活動の方向性について解説していきます。
既卒の就活が辛いと感じるあなたへ!乗り越え方と成功方法をご紹介
第二新卒者はどんな人?既卒との違いについて解説
はじめに、「第二新卒」という言葉の定義をはっきりさせておきましょう。
「第二新卒」と「既卒」の違いを意識することが、第二新卒の転職活動への第一歩となります。
第二新卒とは、学校を卒業して新卒として就職をした後、数年(一般的には3年未満)で離職し転職活動を行なう求職者のことをいいます。
4年制大学卒業者を想定すると、20代半ばの若手が主になると考えられますが、採用側企業によって定義は異なりますので、一概には言えません。
一方で、既卒とは、学校を卒業時に新卒として正社員の職に就かなかった人のことを指します。
卒業後にフリーターとして働いていたり、志望する業界を目指して就職活動を続けていたりと、既卒者の状況は様々です。
第二新卒のメリット・デメリット
第二新卒と既卒の一番大きな違いは、「社会人経験の有無」だと言えるでしょう。
第二新卒のメリット・デメリットについて簡単にご説明します!
第二新卒のメリット
第二新卒のメリットは以下の通りです。
- 基本的なビジネスマナーが身に付いている
- ミスマッチが少なくなる
- 柔軟性と将来性
基本的なビジネスマナーが身に付いている
新卒として入社した場合、多くの人は入社時にビジネスマナー講習を受けるでしょう。
また、日々の業務の中で、基本的な社会人としてのスキルは身に付いていると考えられます。
そのため、採用側企業にとっては、ゼロから新人を教育する手間とコストが省けるため、第二新卒はありがたい存在になるというわけです。
ミスマッチが少なくなる
「社風が合わなかった」「イメージしていた仕事と違った」など、新卒入職者が仕事を辞めるに至る離職理由は様々です。
第二新卒の採用においては、一度離職を経験しているという経緯から、職場に求める条件や、応募時の自己分析がより明確になっていることが考えられるため、採用側企業にとっては、新卒者を採用するよりも第二新卒者を採用したほうが、入社後のミスマッチが少ないのではないかと考える傾向にあります。
柔軟性と将来性
第二新卒は、その若さゆえに、柔軟性と将来性を期待されています。
基本的な社会人としてのスキルがありながらも、まだ前職の社風や業界の風土に染まりきっていないということで、新しい環境への馴染みやすさや、育成のしがいがある、といった部分がメリットと捉えられます。
第二新卒のデメリット
最近は、第二新卒が求められていると言われています。
マイナビ転職のサイトでは、掲載されている全求人のうち約80%が「第二新卒歓迎」としています。
しかし、第二新卒にはデメリットもありますので、それもしっかり押さえておきましょう。
- 早期に離職してしまう不安
- マナーが厳しくチェックされる
早期に離職してしまう不安
前職を早期に離職しているということから、転職後もすぐに離職してしまうのではないか、ストレス耐性がないのではないか、という負のイメージを持たれてしまいがちです。
マナーが厳しくチェックされる
前項でメリットとして挙げたことですが、メリットとデメリットは表裏一体。
社会人経験が強みとなる第二新卒ですが、しっかりと社会人としてのマナーが身に付いているのかという点は、既卒で社会人経験が無い人とは違い、厳しくチェックされます。
第二新卒の転職を取り巻く環境
次に、第二新卒の就職に関する現状を数字で見てみましょう。
転職と退職の理由はセットで考える!第二新卒者が押さえるべき注意点
離職状況
厚生労働省「新規学卒就職者の3年以内の離職状況(平成26年)」によると、
新卒出身状況 | 離職率 |
---|---|
大学卒 | 32.2% |
短大等卒 | 41.3% |
高校卒 | 40.8% |
中学卒 | 67.7% |
大学新卒者のおよそ3人に1人が、就職後3年以内に離職しているという現状があります。
このような状況から、一般的な第二新卒者にあたる20代半ばの世代を欠いている企業も少なくないため、この世代を雇い入れるために、第二新卒を積極的に採用している企業もあるということが言えるでしょう。
既卒者募集状況
それでは、このように新卒で就職したものの離職した人に関して、企業の受け入れはどうでしょうか。
- 新卒枠で既卒者の応募受付をしている企業:46%
- 募集年齢に上限を設けていない企業:67%
- 募集年齢に上限を設けている企業:31%
このデータを見ると、約半数の企業が、年齢制限も設けずに既卒者(第二新卒者)の応募を受け入れていることがわかります。
以前は厳しいと言われてきた既卒者や第二新卒者の就職ですが、今では門戸がかなり開かれているようですね。
第二新卒・既卒の転職で企業側が感じてしまう不安を解消する
先ほど、第二新卒者のデメリットについて書いたとおり、第二新卒者を雇用するにあたって、早期に離職されてしまう不安など、企業側が不安に感じることは少なからずあります。
それを払拭することが、転職活動の成功へのカギになるといえるでしょう。
第二新卒としての強みをアピールする
それでは、第二新卒の転職活動をうまく運ぶためにどのように自分自身の強みをアピールしたほうがよいでしょうか。
社会人としてのマナーを守る
社会人経験があることは、既卒とは違い第二新卒の強みです。
応募時や面接、採用担当者とのやりとりなどにおいて、言葉遣いや立ち居振る舞いなどには十分に気を遣いましょう。
コミュニケーション能力
社会人として働いた経験をもつ第二新卒は、若手新人としての要素を求められる一方で、ある程度の即戦力も求められます。
社会人として必須であるコミュニケーション能力は、新卒時の就職活動以上に求められるものになります。
前職で培った経験をアピールする
早期に離職したとはいえ、前職での業務経験から得たものはたくさんあるはずです。
得た経験から、次に生かせることを最大限に活用しましょう。
若さとやる気を見せる
第二新卒最大の武器ともいえるのは、若さでしょう。
では、どのように若さでアピールするのでしょうか。
前職を辞めた理由を整理して明確にする
なぜ前職を離れたのか、転職をして何を成し遂げたいのか、はっきりした理由を言葉で説明する必要があります。
筋の通った説明ができなければ、応募企業の採用担当者を納得させることはできません。
情熱が大切
理路整然とした転職理由も必要ですが、やはり大切なのは「情熱」です。
第二新卒の魅力の一つは「若さ」ですので、やる気と情熱をアピールしましょう。
第二新卒は腰を据えて転職活動に取り組む
第二新卒ということは、一度は厳しい就職活動を乗り切り、内定を手にした実績があるということ。
既卒とは違い、就職活動のノウハウをよく知っているということになりますね。
学生時代の就職活動では、自己分析、企業分析、エントリーシートの書き方の習得などを行ってきたのではないかと思いますが、第二新卒の転職活動においては、それらに加えて、次のことが必要になります。
将来への具体的なビジョンを持つ
これは、一度働いた経験があるからこそ見えてくることです。
早期に離職したというのはデメリットではありますが、ポジティブに考えると、リスクを恐れずに将来のために行動を起こした、ということです。
自分が転職をすることで何を目指しているのか、自問自答して明確にしましょう。
仕事における自分の強みと弱みを知る
学生時代の自己分析より、一歩進んだ自己分析をしてみましょう。
前職での経験をとおして、仕事において自分の強みは何だったか、弱みは何だったか、よく考えましょう。
きっと、学生時代とは違った見方で自分自身を見ることができるはずです。
ご存知のとおり、就職活動には時間と労力が必要です。
でも、2回目の就職活動だからこそ、効率よく動ける部分もあるのではないでしょうか。
腰を据えて、しっかりと戦略を考えて挑みましょう。
第二新卒の転職では転職に関するサポートを受けてみるのがおすすめ
学生時代に就職活動を行った際には、大学や専門学校でサポートを受けた方もいるのではないでしょうか。
転職活動も同様に、誰かの手を借りて行うことができます。
例えば、ハローワークに相談に行くことができますし、また、転職サイトや、転職エージェントを利用することもできます。
自己分析に関しても、第三者の目線からアドバイスを受けると、より深い分析ができる可能性がありますし、まだ転職先について迷いがある場合は、業界や職種についての情報を得ることができますので、自分一人では辿り着けなかった情報を入手することができるでしょう。
エントリーシートを書く際に、誰かに読んでもらって、アピールや説明が他人にきちんと伝わるかを確認することは大切ですよね。
転職活動に関しては、自己分析結果や転職理由をしっかり整理して、採用担当者に伝えられるようにならなければいけません。
そのため、自分一人で頑張るのではなく、転職の専門家のサポートを受けるのは一つの選択肢です。
第二新卒・既卒におすすめの転職サイト・転職エージェント
最後に、第二新卒・既卒におすすめの転職サイト・転職エージェントについてまとめます。
第二新卒・既卒に特化した転職サポートを提供している転職サイト・転職エージェントを紹介するので、ぜひ利用を検討してみてくださいね。
- doda
- DYM就職
これらについてそれぞれ解説します。
doda
求人数 | 約260,000件 |
---|---|
対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
dodaは10万件以上の求人を紹介している転職サービスです。
転職サイトとしても転職エージェントとしても利用できるのが特徴的ですね。
もちろん第二新卒・既卒の求人も多く掲載されているので、おすすめできます。
もちろん求人数だけでなく、キャリアアドバイザーのサポートやサービスも充実しています。
キャリアアドバイザーにサポートしてもらうこともできるので、安心して転職活動を進められます!
第二新卒・既卒の方はぜひdodaも利用してみてくださいね。
\最短60秒で登録完了!/
dodaのエージェントは転職におススメのサービス!評判・口コミを徹底解説
DYM就職
DYM就職の特徴
- 第二新卒・既卒に特化
- オンライン面談可能
- 無料で利用可能
DYM就職は第二新卒・既卒に特化した転職エージェントです。
DYM就職には書類選考ナシで面接に進める求人も掲載されているため、自分の学歴や職歴に自信がない方でも十分に使えます!
書類選考がなければ転職までの時間も短縮できるので効率的ですね。
非公開求人も掲載されているため、条件の良い求人を見つけられる可能性もあります。
第二新卒・既卒の方はぜひDYM就職も利用してみてくださいね!
第二新卒・既卒の転職では何よりも自己分析が大切
これを読まれている方は、既に仕事を辞めて第二新卒として転職活動をされている方か、または仕事を辞めようか迷っている方でしょうか。
いずれにしても、仕事を辞めるという決断は非常に大きなものです。
その決断に至った経緯は、次に再就職を目指す際に必ず必要になることですので、しっかり整理しましょう。
転職活動においては、「これまでどんな仕事をしてきたのか」「その仕事を通して何を得たのか」「これから何を実現したいのか」といったことを、明確に説明する必要があります。
自分が納得でき、人を納得させることができる説明が求められます。
そのために、自己分析が重要になります。
それも、単なる自己分析ではなく、職業人としての自分を分析する必要が出てきます。
それが、学生の自己分析と第二新卒の自己分析が異なる点です。
第二新卒の転職活動は、自分と向き合うことで、自分が本当に情熱をもって取り組める仕事を見つけるためのチャンスとなるでしょう。