介護業界への知識が乏しい方にとっては、その明確な違いがわかりにくい「ヘルパー」と「介護福祉士」。
こなしている仕事が似ているということもあり、
基本的にヘルパーと介護福祉士は、仕事内容が似ているところも多いため、多くの人が混同しがちです。
しかし当然、介護福祉士とヘルパーには明確な違いがあります。
名前が違うだけでなく、仕事の領域や仕事するうえで必要な資格など、様々な違いがあります。
すでに介護福祉士、またはヘルパーとして働いている方も、もう一度介護福祉士とヘルパーの違いについて思い返してみましょう。
介護福祉士とヘルパー
「介護福祉士」と「ヘルパー」。
どちらも介護に従事する仕事ではありますが、明確にどんな違いがあるのか。
まったく介護に関わりのない人が、二つの仕事を説明しろと言われても、それは無理ですよね。
介護福祉士とヘルパー、どのポイントで違いが出てくるのか、具体的に調べていきましょう。
必要資格の違い
まず、二つの仕事を明確に分けるのが「資格」です。
それぞれ、持っている資格の種類によって、区分が変わってくるのです。
介護福祉士
介護福祉士は、何を隠そう「国家資格」です。
介護福祉士資格を取るには、厚生労働省が定めた養護施設か、専門学校を卒業する。
または、実務経験か、福祉系高校卒業後、国家試験に合格するという選択肢があります。
介護福祉士になるためには、多くの選択肢が用意されているのですね。
しかし今後は取得条件が厳しくなり、養護施設を出たとしても国家試験合格が条件になることと、実務経験3年以上が条件にプラスされることとなります。
訪問介護員(ホームヘルパー)
ホームヘルパーとして働くためには、介護職員初任者研修という資格が必要になります。
この資格は過去、ホームヘルパー2級と呼ばれていたものです。
この資格を取るには合計130時間以上のカリキュラム、筆記の修了試験を受けることによって取得します。
介護職員初任者研修は介護福祉士と違い国家資格ではありません。厚生労働省認定の講習事業者が実施、運営する資格です。
介護職員初任者研修からのステップアップとして、ケアマネジャーの資格取得を目指す人が多いようです。
介護福祉士からのケアマネジャー資格を目指す人も多いですが、ケアマネジャー資格取得後のキャリアアップを考えると、介護福祉士からのケアマネジャーの流れが望ましいです。
仕事内容の違い
仕事内容が違うというよりは、仕事の幅が違うと言ったほうが正しいかもしれません。
介護福祉士、訪問介護員の基本的な仕事内容は同じ。
高齢者や障害者など介護が必要な人の、食事や排泄を介助すること。
介護福祉士と訪問介護員で違うのは、現場での立ち位置です。
介護福祉士は、介護の現場におけるスペシャリスト。
あらゆる介護から、現場のスタッフに指示を出して、スタッフへの指導も行います。
訪問介護員はあくまで介護福祉士から指導や指示を受ける立場だということです。
責任の重さや、仕事量、仕事幅に違いがあることがわかってもらえたでしょうか。
正社員採用である介護福祉士と違い、訪問介護員はパートタイマーも多いです。
役職・年収の違い
業務に必要な知識、技術が違うため、役職や給与にも差が出てきます。
役職、資格手当などが発生することも多いため、一般的に介護福祉士の方が給与は高くなっています。
介護福祉士の方が潰しが効くので、介護業界人手不足の今、介護福祉士資格があれば、就職でも転職でも困ることはないでしょう。
どちらの仕事が重要か?
時折、訪問介護員(ホームヘルパー)と介護福祉士の仕事、どちらがより重要ですか?
なんて質問を受けますが、そんな質問はナンセンスです。
ハッキリって、どちらも重要で、なくてはならない仕事です。
職業に貴賎なし!どちらも現代日本に必要な仕事です
職業に貴賎なしという言葉もありますが、職業によって位が高い低いは存在しません。
介護福祉士は言うまでもなく、高齢化が進む日本において介護のスペシャリストとして確固たる存在感を放っています。
そしてかつてホームヘルパーと呼ばれていた、訪問介護員も、働き方に自由度が高いなどの理由から、これからも必要な仕事でしょう。
「どちらを選ぶべきか?」という質問なら、「あなたが今後考えるキャリアによる」という答えができます。
まとめ
介護福祉士と訪問介護員は資格や仕事内容で明確な違いがあります。
仕事するのに必要な資格、仕事内容まで、様々な違いがあります。
より潰しが効く、就職でも転職でも役立つ資格は「介護福祉士」であることは間違いありませんが、一番大切なのは、「自分にあった働き方はどちらか」という問題です。
自分にとって最善の選択を、慎重に検討してください。