「日立製作所に転職したい」と考えている方も多いでしょう。
国内最大の電気機器メーカーだけあって、転職先としても非常に高い人気があります。
そのため、中途採用の選考を突破することは決して簡単とは言えません。
転職希望者は十分に企業研究を行い、対策を立てておく必要があります。
この記事では日立製作所の概要や職種などについてはもちろん、給料などの待遇面、福利厚生や社風などの働きやすさに関する事柄まで詳しく迫っていきます。
日立製作所の企業概要
日立グループの中核である日立製作所は日本を代表する総合電機メーカーとして知られています。
100年以上もの歴史を持ち、世界でも有数の大手企業です。
「HITACHI」ブランドでも有名な日立製作所とはいったいどのような企業であるのか、詳しくみていきましょう。
事業内容
日立製作所は、国内だけではなく世界中に製造拠点や販売拠点を持っており、事実上の多国籍企業と言えます。
様々な事業を展開しており、その内容も多岐に渡りますが、大きく8つの部門に分けることができます。
ここではその代表的な事業について解説していきます。
情報・通信システム事業
電機メーカーというと「家電」のようなイメージを持たれることが多いのですが、日立製作所はITの最先端技術を牽引しています。
特に、金融などの事業分野では豊富なノウハウを持っており、コンサルティングやシステム構築を行います。
また、それらの運用・保守といったサポート業務も行い、システムライフサイクル全体をカバーしていることが特徴です。
具体的にはシステムインテグレーションサービス、クラウドサービスなどを提供しています。
身近なところでは、金融機関などにあるATMがあります。
電子装置・システム事業
ハード面・ソフト面の両方に強みを持つ日立製作所は、最先端技術を活用した様々な装置を提供しています。
半導体製造技術や計測・分析装置をはじめ、放送・映像システムや無線通信システムなどが挙げられます。
また、医療機器などの近年はヘルスケアソリューションにも力を入れています。
この分野では高分機能FEB測長装置や超音波診断装置が高い評価を得ています。
がん治療装置の進化もめざましく、日本で3つ、米国では4つの施設で粒子線がん治療装置が稼動しており、特に小児がん治療での効果が注目されています。
建設機械事業
日立製作所の長い歴史で培ってきたノウハウを存分に生かし、グローバルに建設機械を提供しています。
土木や建築の分野はもちろん、鉱山採掘などの幅広いフィールドをカバーしていることが大きな特徴です。
ダンプトラックや超大型油圧ショベル、ホイールローダなどが主力となっており、製造から販売、メンテナンスまで一貫したサービスを提供しています。
鉱山用油圧ショベルの世界シェアは約30%に達しており、子会社の日立建機と協働で事業を進めています。
トップのメッセージ、企業理念
日立は、1910年に当時36歳だった小平浪平創業社長と、彼の志に共感した数名の若いエンジニアたちによる、いわゆるベンチャー企業として始まりました。
その創業以来、108年間受け継がれているのが「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念です。
社会の課題を解決し、社会の発展に貢献していくという姿勢こそが、脈々と受け継がれてきた私たちのミッションなのです。
会社概要
会社名 | 株式会社日立製作所 |
---|---|
所在地 | 〒100-8280東京都千代田区丸の内1-6-6 |
資本金 | 458,790百万円(2017年3月末現在) |
事業内容 | 情報・通信システム、社会・産業システム、電子装置・システム、建設機械、高機能材料、オートモティブシステム、生活・エコシステム、その他(サービス他)の8セグメントにわたる、製品の開発・生産・販売・サービス |
従業員数 | 35,631名(2017年3月末日現在・単体) |
日立製作所の採用職種・仕事内容
最先端技術をグローバルに提供する日立製作所には、様々な職種が設けられています。
高度な専門性を求められる職種が多いのですが、他業種で養ったスキルを生かすことのできる職種が多いことも特徴です。
どのような職種があるのかを見ていきましょう。
水力プラントの海外営業(中南米エリア担当)
主に中南米エリアで、海外電力会社を対象に水力プラントの営業及びマーケティングを行う仕事です。
既設発電所に対して定期的なコンタクトを取り、機器の拡販やサービス工事の営業を行います。
地域営業(日立三菱水力株式会社)の取りまとめをする課長級職や部長相当の上位管理者へのキャリアパスが用意されています。
給与
予定年収500万円~1000万円 ※残業手当無し
経理
日立製作所の本社財務部門で、財務戦略の企画立案を目指す仕事です。
ビジネスユニットやグループの予算策定や経営分析といった管理会計領域に着手します。
貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成するなど、個別決算や連結決算に携わる役割です。
給与
- 月給25万円以上
- 賞与年2回
金融業界向けシステム&ソリューションの企画提案営業
金融システム営業統括本部での仕事で、金融業界へのクライアントリレーション及びシステム提案です。
「オープンAPI」「ビッグデータ×AI」「セキュリティ・認証」「ブロックチェーン基盤」の4つの領域で取り組みます。
システム&ソリューション部門で、システムエンジニアや製造部門とのコミュニケーションを取っていきます。
給与
- 月給27万円以上
- 賞与年2回
デリバリSE「SAPHANA」クラウドサービス
SAP関連サービスにおける、ビジネス事業立案や開発、サービスデリバリを行う仕事です。
事業分析やパートナー戦略分析を行い、それに基づいてサービス事業計画を実行していきます。
自社やグループ会社、ステークホルダー全体を見渡したうえで、サービスを立案し実行します。
給与
- 月給27万円以上
- 賞与年2回
グローバル人事
グループやグローバルベースの人員管理を行う仕事です。
グローバル共通の人財マネジメントプラットフォームの企画や立案を行います。
プラットフォームを適用により、組織や人財の強化を行い、事業成長への貢献を狙います。
給与
予定年収500万円~800万円
※残業手当無し
研究開発職(自動車分野)
自動運転技術や無人運転技術の研究開発を行う仕事です。
自動運転の実装がミッションです。
モビレティ、コントローラー、ECUなどのシステム制御、それらのソフトウェア開発が主な業務です。
部署内は複数のユニットに分かれ、それぞれで課題解決や実現に向けて取り組みます。
給与
- 月給27万円以上
- 賞与年2回
日立製作所の給与・年収
日立製作所はグローバルな事業展開を行っていますが、伝統的な日本企業でもあります。
一般的に日本の企業は年功序列の賃金体系で、安定はしているが給料が上がりにくいといわれることもあります。
実際はどうであるのか、詳しくみていきましょう。
全体の平均年収
日立製作所の平均年収834万円です。(有価証券報告書調べ)
日本を代表する企業の一つだけあって、平均年収はかなり高めです。
また、業績が安定していることもあり、年によって大きく変わることもありません。
日本国内勤務の場合は、月給と年2回の賞与という形態がほとんどです。
年代別の年収
年齢 | 年収 |
---|---|
20~24歳 | 約300万円 |
25~29歳 | 約650万円 |
30~34歳 | 約750万円 |
35~39歳 | 約790万円 |
40~44歳 | 約850万円 |
45~49歳 | 約950万円 |
50~54歳 | 約1000万円 |
55~59歳 | 約990万円 |
60~65歳 | 約850万円 |
※男性のみ
役職などにもよりますが、順調な昇給カーブがうかがえます。また、20代後半からかなり年収が上がります。
日立製作所の競合企業と平均年収比較
企業名 | 年収 |
---|---|
日立製作所 | 834万円 |
パナソニック | 755万円 |
東芝 | 800万円 |
ソニー | 910万円 |
三菱電機 | 783万円 |
※有価証券報告書調べ
電機メーカーで比較すると、ソニーがかなり高いことがわかります。
しかし、日立製作所とソニーでは事業内容が異なる部分も多く、また、給与体系に違いがあるため、単純な比較はできません。
日立製作所に似たタイプの企業は東芝ですが、こちらの比較では日立製作所が上回っております。
安定して高い年収を希望するのであれば日立製作所が向いていると言えます。
給与に関する口コミ・評判
残業代や休日出勤の手当てもしっかり出るため満足しています。
給与が安定していることが魅力です。
同業と比較すると高いものの、商社など他業種と比べると少ないと感じます。
良くも悪くも、入社してしばらくは年功序列です。
大手企業だけあって残業代などの対応がしっかりしていることがうかがえます。
また、安定した給与体系を評価する声が多い一方、一気に昇給する機会がないことへの不満も聞かれました。
日立製作所の福利厚生制度
転職を検討する場合、給与以外の様々な点についてチェックしておくことが必要です。
その中でも福利厚生制度は必ず調べておきたい項目の一つです。
ここでは日立製作所の福利厚生制度の具体例や評判などについて詳しく解説していきます。
カフェテリアプラン
あらかじめ付与されたポイントを使い、様々な福利厚生メニューを自由に選んで利用することができる制度です。
ポイントは5万円相当です。
また、ホテルなどの施設を会員価格で利用することのできる福利厚生充実プランも用意されています。
他にも、自己啓発や自己投資などに使用できるポジティブ・ユース・ポイントという制度もあります。
家賃補助
独身者(30歳まで)に対しては5万円までの家賃補助があります。
既婚者(40歳まで)にはさらに手厚く、8万円までが家賃について補助されます。
また、単身者寮や単身赴任寮も用意されており、転勤の際の転居も業務に支障をきたすことなく対応が可能です。
寮には日立製の家電が備えられ、快適な住環境が整えられています。
他にも、事業所によっては社宅もあります。
精神科の産業医
仕事によるストレスなど、メンタルと仕事の間には密接な関係があります。
日立製作所ではメンタルのケアにも力を入れており、産業医による面談が定期的に行われています。
また、産業医は専門の精神科医が担当するため、従業員は安心して仕事に集中することができます。
年金制度
日立製作所の社員は、日立企業年金基金の年金及び退職金を受け取ることができます。
退職一時金のほか、日立グループ確定拠出年金で老後の備えも安心です。
もちろん、これ以外に国民年金及び厚生年金を受給することができます。
福利厚生に関する口コミ・評判
住宅に関する手当てはとても手厚いと感じます。施設も充実しています。
大企業ならではの企業年金、退職金制度で将来も安心です。
一般の福利厚生制度は全て網羅しており、レジャー施設の割引チケットなども多くあります。
規模の大きい企業ならではの福利厚生制度が設けられており、満足度の高い評価がほとんどです。
どの世代の社員に対しても手厚いサポートが用意されているようです。
勤務時間・休日休暇
充実した毎日を過ごすためには、しっかりと休みを取ることも大切です。
また、コンディションを整えるためにも、あまりの長時間勤務は避ける必要があります。
転職の際には、休日や勤務時間は必ずチェックしておきたいポイントです。
完全週休2日制
ワークライフバランスを重視する風潮に先駆けて、日立製作所では早くから完全週休2日制を採用しています。
また、年次有給休暇も24日用意されており、充実したプライベートを過ごすことができます。
有給休暇は取りにくいという会社も多いのですが、日立製作所では有給休暇取得推進日を設定して、有給休暇を消化しやすい環境が整えられています。
リフレッシュ休暇
所定の休みのほか、リフレッシュ休暇が用意されています。
リフレッシュ休暇は連続5日の大型連休になります。
また、夏季休暇やゴールデンウィークなども10連休以上に及びます。
十分な休暇があるだけでなく、休暇を取っていない社員に対しては総務がフォローするなど、会社を挙げたワークライフバランス向上の取り組みがなされています。
配偶者出産休暇
日立製作所は女性でも働きやすい環境づくりに力を注いでおり、出産休暇や育児休暇が設置されています。
さらに配偶者出産休暇も用意され、出産や育児を行う家庭を強力にサポートしています。
また、介護休暇や家族看護休暇など、あらゆる年代の社員へのケアを行っているのが特徴です。
ノー残業デー
会社を挙げて働き方改革を推進しており、ノー残業デーもその一環です。
プレミアムフライデーへの対応も意欲的に行っています。
また、ワークスタイル改革を行うために「ダイバーシティ&インクルージョン委員会」を設置し、年齢や性別を問わず誰もが働きやすい環境整備が進められています。
フレックスタイム制度も導入され、無駄な長時間労働を無くす取り組みが盛んです。
勤務時間・休日休暇に関する口コミ・評判
年間の休日や長期休暇が決まっており、旅行などの計画が立てやすいです。
有給消化率が非常に高いです。消化率が低い人には組合からフォローがあり、休日の取得を促されます。
休日や休暇については大変に恵まれていると思います。
日によっては総務や幹部が見回りを行い、残業を無くすようにしています。
休日や休暇の設定が多いだけでなく、会社を挙げて休みを取るように取り組んでおり、満足しているという声がほとんどでした。
同様に、残業についてもかなり少ないようです。
社内の教育・研修制度
- 「Off-JT」全体集合研修や選択型研修など、新人~2年目の社員を対象にしたカリキュラムです。
- 「OJT」事業グループごとの導入教育及び実習です。1年目から責任のある仕事を担当することが特徴です。
- 「経営教育」課題・目的別研修や階層別研修など、入社3年目以降の社員を対象としています。
- 「技術教育」基礎講座や上級SE研修、事業開発研修など、専門的な教育を行う研修です。
- 「グローバル人財育成教育」語学教育や海外赴任前研修など、海外で活躍する人財を育成する研修です。
教育・研修制度に関する口コミ・評判
研修メニューがとても充実しています。
必修の研修だけでなく、自発的に受講する研修も多くあります。
全社的に行う研修と、事業所独自のプログラムとに分かれます。
積極的に研修に参加する人とそうでない人の間に温度差が感じられます。
研修メニューや内容については充実しているという声がほとんどです。
また、好意的に捉える声がほとんどですが、忙しさからか研修に消極的な人も少数ですがいるようです。
職場の雰囲気や社風
せっかく転職に成功しても、職場の雰囲気や社風が合わなければ、ストレスを抱えたまま仕事をしなくてはいけない状況に陥ってしまう恐れがあります。
転職を考えるのであれば、社風の研究も欠かせません。
ここでは日立製作所の雰囲気や社風についてみていきます。
社会イノベーションを宣言
日立製作所は社会イノベーションをコア事業と位置づけ、その実現のために邁進しています。
100年を越える歴史を持つ巨大企業とはいえ、もともとは小さな修理小屋から始まった企業です。
常にベンチャー精神が求められるため、安定だけを重視する受身の姿勢の人には向かない場合もあります。
サービスとプロダクトの両面でイノベーションを創り出す気持ちが必要な職場です。
地球規模の社会課題に挑戦
グローバル企業でもある日立製作所は、地球規模でのソリューションを追求しています。
そのため、非常にオープンな社風です。
エネルギーや気候変動、医療や安全保障など、ニュースのトップに載るような地球規模の社会問題をテクオロジーで解決していく企業です。
幅広い視野を持ち、問題意識を持って主体的に行動する熱い気持ちを持った人が歓迎されます。
職場の雰囲気や社風に関する口コミ・評判
明るく、風通しの良い社風です。上下関係を気にせず言いたいことを言えます。
日本的だがグローバル要素も強くある社風です。自由でチャンスが平等にあります。
時間などの自由がきき、自分のペースで仕事を進めることができます。
自由で風通しの良い社風であるという声が多く聞かれました。
また、マイペースで仕事を進めたいという人にも居心地の良い職場であるようです。
日立製作所への転職で役立つ転職サイトorエージェント
転職活動では情報をいち早く収集することが必要なため、主流となっているのが転職サイトや転職エージェントを利用した転職活動です。
どの転職サイトや転職エージェントを選ぶかも重要なポイントです。
ここでは有力な転職サイトや転職エージェントについてみていきましょう。
リクナビネクスト
新卒対象の就職活動ではリクナビが有名ですが、リクナビの転職者向けのサービスがリクナビネクスト(リクナビNEXT)です。
転職サイトでは代表的な存在で、転職者の約8割が利用したという実績を持っています。
エントリーシートの書き方や面接対策など、サイト内のコンテンツが充実していることが魅力の一つです。
様々な書式を無料でダウンロードできるサービスも用意されています。
もちろん情報の鮮度も高く、1000件を越える新着求人が毎週更新されています。
また、スカウト機能を使えば登録をしておくだけで企業からの様々なオファーを受け取ることができます。
リクルートエージェント
リクナビネクストを運営するリクルートは、転職エージェントのリクルートエージェントも運営しています。
リクルートエージェントは転職エージェントのなかでも最大の規模を誇り、案内総数・内定決定数ともに国内NO.1です。
転職サイトとの大きな違いは、専任アドバイザーがつくということです。
個別の相談はもちろんのこと、面接などへのアイドバイスをもらえることが大きな強みです。
doda
求人数 | 約260,000件 |
---|---|
対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
doda(デューダ)はパーソナルキャリア(旧インテリジェンス)による転職サイトで、リクルートエージェントに次ぐ案件数などを持っています。
転職希望者には専任のアドバイザーがつくだけでなく、採用プロジェクト担当も加わり、2名体制で手厚くサポートしていくというのが特徴です。
最初のキャリアカウンセリングは対面、電話のいずれの方法でも可能なため、転職者の都合を優先しやすいことも魅力の一つです。
まとめ
このように日立製作所は、長い歴史を持ちながらもグローバルに事業を展開する最先端企業です。
事業内容が魅力的であるだけでなく、待遇面や労働環境も非常に優れています。
このような人気企業への転職を成功させるには、まずは転職サイトに登録するなどして情報を収集することが必要です。
自分一人の力で転職活動をする自信がない場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントの担当者と二人三脚で対策を行い、安心して転職活動を進めることができます。