社会人となり会社で過ごす時間は、学生の頃に比べると長く感じます。
実際、会社員は家族と過ごす時間よりも同僚たちと過ごす時間のほうが多くなるでしょう。
働く時間が人生の大半を占める事実は、新入社員でもベテランの社員でも同じです。
そのため誰もが、楽しんで働きたいと望むものですが、仕事に対して不満を抱える人は多く存在します。
このような人たちは、自分の考え方をほんの少し変えるだけで仕事に対する考えが一転するかもしれません。
以下では考えを変えるためのポイントをいくつかご紹介します。
仕事に対する先入観を持たない
初めて取り組む業務は、それ自体が緊張の原因となります。
緊張は失敗を呼び起こし、失敗は自信喪失を誘発します。
新入社員などは、このような負の連鎖により業務にネガティブなイメージを持つと、仕事自体を嫌いになってしまうことがあります。
彼らは、未知の世界に足を踏み入れる前に、いろいろなケースを想像してシミュレーションします。
そして実際の業務が想像と異なった時、何から手を付ければよいのかわからず、自分の仕事を探して右往左往するようになるのです。
先輩や同僚の社員に迷惑をかけてしまうと思い込み、役に立たないなら存在しないほうが良いのではないかとさえ考えて落ち込むことがあります。
気持ちをフラットに
新入社員などの新人が、はじめての業務に取り組む際にうまくいかないのは当然の結果。
そう思い込んで気持ちをフラットに保つことが仕事をうまくやるコツです。
先入観を持たずに気持ちを楽にすれば、仕事に対するモチベーションを保つことができるでしょう。
また周囲のスタッフたちは、新人がミスをすることは折り込み済みで気にもしていないものです。
仕事は仕事が教えてくれる
「仕事は仕事が教えてくれる」という格言があります。
仕事とはさまざまな人たちと関わることです。
つまり仕事に必要な知識やスキルは、人との関わりの中で自然と身につくという教訓を含んでいるのです。
気をつけなければいけない点は、他人の話を鵜呑みにしすぎないことです。
知識やスキルは、自分自身で経験をしなければ身につきません。
能動的に仕事に取り組んでいく
仕事に慣れてきた中堅社員は、上司や先輩から指示を受けつつ「自分ならもっとうまくできる」と、不満を持ちながら業務に取り組むことがあるでしょう。
一方、日々のルーチンワークに飽きた社員は、眠気と戦いながら仕事をします。
どちらも仕事に対して不満を抱えている例です。
仕事に不満を持つ原因は、担当する業務がつまらないからではないでしょうか。
仕事をつまらなく感じることは、裏を返せば業務に慣れてきたとも言えます。
自分のスキルが上がったために、それまでおこなってきた業務が簡単になり、物足りなさを感じているのかもしれません。
スキルアップが不満の原因
仕事をつまらないと感じる人には、もっと良い仕事をしたいという心理が隠れているといえるでしょう。
これはある意味で欲求不満の状態ともいえます。
解消するためには、積極的に仕事に関わっていく必要があります。
つまりどんどん新しいことにチャレンジしていくことが大切なのです。
仕事は追いかけてこそ
与えられた仕事をただこなすことも大切ですが、一歩進んで新しい提案をしたりアイディアを出したりすることはさらに大切です。
このように積極的な姿勢になると、仕事をつまらないと感じることはなくなるはずです。
広告代理店の電通には鬼十則というものがあり、その中の一つに「仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない」という言葉があります。
このことからも仕事は追われるものではなく、追いかけるものだという気持ちが大切だとわかります。
少しずつ実績を積み上げていく
大きなプロジェクトは、規模が大きいほど関わる人数も多くなり、一人が担当する仕事は細かくなります。
細かい作業をする社員は、自分の仕事の意義を見いだせず、モチベーションが低下してしまうことがあります。
しかし、実際に大切な要素は細部の仕事にこそ含まれているものです。
一人ひとりの仕事は小さいかもしれないけれど、それらが集まって大きな成果を生み出すことに意義があるのです。
狭い視野で仕事を見る人は、自分の仕事だけをみることになり、全体を見渡すことを忘れがちです。
特に末端の作業に関わる人ほどその傾向にあるといえるでしょう。
俯瞰の目で持ち目標設定
仕事に関わるすべての人が、俯瞰の視点で業務全体を見渡すことができれば良いのですが、思うようにはいきません。
そんな時は自分なりの目標を設定することで、モチベーションを維持する方法もあります。
昨日よりも今日、今日よりも明日というように、日々進歩を追い求めるのです。
そうすることで業務の効率化にもつながるでしょう。
実績が誇りと自信を育てる
日々進歩を求めることは、自分自身のブラッシュアップにもつながり、実績を積み上げていくことにも貢献するでしょう。
その際には、自分なりの目標設定をすることが大切です。
実績は自信や誇りとなり、仕事を楽しく感じるためのきっかけとなります。
トヨタの豊田喜一郎氏も「今日の失敗は、工夫を続けてさえいれば、必ず明日の成功に結びつく」という言葉を残しており、日々の努力の積み重ねが大切であると説いています。
周囲とのつながりを大事にしてみる
プログラマーやエンジニアは一人で作業をする機会が多い専門職です。
専門職は、自分だけの仕事に打ち込むことでやりがいを感じることができます。
反面、問題が発生したときは、個人で解決しなければならないケースも少なくありません。
専門職は問題を解決できなければ何日も試行錯誤を繰り返すこともあるのです。
このようにひとりで黙々と作業をする専門職もいれば、複数人でチームを組む場合もあり、仕事の進め方は千差万別といえます。
そして一般的にかかる責任は、業務にかかわる人数が少ないほど重くなります。
それをプレッシャーに感じて仕事を楽しむことができない人もいるでしょう。
人との交流が大切
少人数で作業に取り組む事が多い専門職ですが、本当にひとりで仕事を完結する人はほとんどいません。
最低でもクライアントという依頼主がいるはずです。
ひとりで作業をしていて煮詰まってしまったときは、周囲の人に相談したり打ち合わせをしたりして解消できます。
人との交流は何気ない会話でも問題を解決するきっかけとなるので大切にするべきです。
出会いは財産
世界でもトップクラスの総合モーターメーカー日本電産のCEO永守重信氏は「一流企業と三流企業との差は製品の差ではなく、社員の品質の差である」と語っており人材の大切さを説いています。
良い人材を育むには良い環境、すなわち人と人とが交流できる環境が必要です。
自分を成長させたいと望むなら、積極的に他者とかかわるべきです。
仕事に関することはもちろん、一見関係なく思えるプライベートな付き合いでも、良い刺激となるはずです。
責任と裁量のバランスを考える
会社員は毎日の仕事の中で、時には上司の承認を得ることなく大きな決断を迫られる場面に遭遇することがあります。
その場で下した判断は、結果的にうまくいく事もあれば、あとになって重大なミスだと気づくこともあるでしょう。
例えば営業職の場合は、現場で顧客と価格交渉をするときがあるのですが、ここでの判断を見誤ると売上低下につながる恐れもあります。
そのため間違えたときに責任を負うことを恐れる社員は、判断を下すことをためらってしまうでしょう。
裁量ボーダーラインを決める
会社にとって重大な仕事は、その担当者にとっても大きなプレッシャーです。
担当者がやるべきことは、責任の重さにおびえることではなく、自分に与えられた裁量を見極めることです。
ある一定の内容であれば自分で決めるが、それをこえる場合には上司に相談するというボーダーラインを設定しておくことが大切なのです。
正しい理解が萎縮しないコツ
全力で仕事に取り組む人は時に無謀になり、大きな成果が出やすい半面、ミスも大きくなりがちです。
そうならないためには、自分に与えられた裁量を把握することが大切です。
活躍できる範囲が制限されるということは、ネガティブに捉えられがちですがそうではありません。
自分の責任の範囲内であれば、萎縮せずのびのびと仕事へ取り組むことができるというメリットが生まれます。
さらに経験と実績を積むことで、裁量の範囲は徐々に広がり、思う存分活躍できるようになります。
取り扱う商品やサービスを徹底して研究してみる
専門的な商品やサービスは、それを初めて利用する顧客にとっては理解が難しい場合があります。
例えばSEO会社の提供するサービスは、ホームページを持つ多くの企業や店舗にとっては身近なサービスです。
しかし、その内容をキチンと理解している顧客は少ないでしょう。
顧客が理解できない仕事は、結果だけが求められがちです。
結果はもちろん大切ですが、効果が出るまでに長い期間が必要な場合もあり、顧客にはその過程も理解してもらわなければなりません。
働く側からみても、結果だけを追い求めると過程がおろそかになり、仕事にやりがいを感じられなくなってしまうことがあります。
理解を深めて顧客満足度を上げる
自社の商品やサービスにあらためて向き合うことは大切な作業です。
研究することで、十分に知識があると思っていた分野でも、新たな発見ができるかもしれません。
また定期的な作業は、商品やサービスの理解を深めることにつながるため、顧客に満足してもらえる説明や提案ができるようになるでしょう。
プライドが確保できる
自社の商品やサービスに精通するほど、仕事に対するプライドも高まります。
プライドを持って仕事をすることは、日々の業務に取り組む上でのモチベーションになるだけでなく、楽しく過ごすためにも大切なことです。
銀座まるかんの創業者、斎藤一人氏の言葉に「私はプロですからこんなことは当たり前です、と言えるようになるとたいがいの事は怖くありません。」というものがあり、大きな共感を抱きます。
しかしプライドがあるゆえに顧客に対して上から目線になってしまわないように注意しましょう。
無理をして仕事に取り組まない
日本人は過労死やサービス残業が話題になるなど、働きすぎという見方があります。
残業するほど良いという風潮はすたれてきましたが、いまだに全ての社員が定時で退社するまでにはなっていません。
仕事にのめり込むタイプの人は、自分を追い込むことで残業が多くなりがちです。
結果パフォーマンスを低下させ、重大なミスを犯しかねない状況に陥ってしまうことがあります。
同僚やライバルを意識して自分を鼓舞するやり方は、仕事への意欲向上につながります。
しかし、スキルや能力の許容量をこえた働き方は、自分にとっても会社にとってもプラスになるとは限らないことを覚えておきましょう。
良い仕事には質が大切
量より質という考えが、良い仕事をする上で重要です。
長年の間、同じ業務に携わっている人ほど、その業務にうまく取り組むコツを身につけており、作業時間が少なくても質を保つことができます。
そのような仕事は得意分野といって良いでしょう。
得意分野は見つけたら伸ばす努力をすることが大切です。
そうすることで、疲弊するまで働くしかない状態から卒業できます。
幅広い経験が糧
若い新人は、ある程度は夢中になって仕事に取り組む必要があるでしょう。
そして歳を重ねて熟練スタッフになると、周囲からアドバイスや指導を求められるようになり、次の世代を育てる役目をにないます。
このように徐々に仕事内容が変化していくことは、無理なく業務に取り組むために必要なことだといえるのです。
得意な部分をとことん伸ばす
「仕事で成果が出ない」とは、働いている人にとってはよくある悩みの一つです。
同僚と同じ作業をしているのにうまくいかないという人のなかには、原因がわからず歯がゆい思いをしている方もいるでしょう。
特にノルマのある営業職の場合は、周囲からも評価されるので、より一層プレッシャーに感じているかもしれません。
会社に新人が入社すると、基本的な業務の流れや仕事の引き継ぎが行われます。
しかし、いつまでも手取り足取り指導するわけにもいかないので、新人は自分で工夫して仕事に取り組む必要があります。
言われた仕事をこなすだけの人は、やがて社内から必要とされなくなるかもしれません。
自分の得意を発見
仕事を工夫するためには自分が得意なものを知ることが一番です。
これらは一人ひとりの人間性に依存する部分が大きいといえます。
人と話すことが好きな人はコミュニケーション能力を生かして営業トークに磨きをかけたり、パソコンを駆使した制作が得意な人はだれよりも見やすい資料作成に注力したりすることが、それぞれの得意分野を伸ばすことといえるでしょう。
また、得意分野を見つけられない人は、いろいろな経験を進んで体験することで、ヒントが得られるかもしれません。
経験がオリジナリティを育む
三菱電機の相談役である野間口有氏が「長所を伸ばせば、弱点は自然とカバーされるものです。
強い部分に力を注ぎ、それを伸ばしていけば、弱いところは自然と整理されカバーされていきます」と語るとおり、得意な分野を伸ばすことは重要といえます。
得意分野を見つけた人は同僚やライバルたちと差別化することができ、社内での存在意義を高めることが出来るでしょう。
また、早く得意分野を見つけるためには、若いうちからいろいろな経験をすることが大切です。
人の役に立とうと努力する
仕事が順調な社員は、会社からの評価に対して不満を感じることがあります。
具体的には昇給や賞与など給与面と仕事での成果の間で折り合いがつかなくなることが原因です。
一般的に会社が社員を評価する基準は、一部を除いて公表されません。
いくら仕事で良い結果を出し続けたとしても一向に評価されないのであれば、社員は会社の将来性に対して不安を感じてしまいます。
この状態が長く続くと、仕事へのモチベーションにも悪影響を及ぼしかねません。
過去の経験からやりがいを発見する
正当な評価を受けていないという不安を解消するには、会社から受ける評価のほかに自分なりの指針を持つこともひとつの手段です。
たとえば仕事を通して社会貢献をしたり、お客様から喜びの声をいただいたり、過去の経験から見つけたやりがいは、指針となりえるでしょう。
自己満足が仕事を楽しくする
パナソニック株式会社の松下幸之助は「世の為、人の為になり、ひいては自分の為になるということをやったら、必ず成就します」という言葉を残しており、参考になります。
給与など金銭的な満足が得られなくても、人の役に立とうと努力すればやりがいは自然と生まれ、充実した気持ちで仕事に取り組むことができるでしょう。
むしろ、顧客の満足を意識することは、仕事の本質を改善するきっかけにもなるといえます。
仕事以外とのつながりを考える
仕事が好きで残業も苦にならない人は、心身ともにリフレッシュすることが大切です。
仕事とプライベートを区別しない状態は、長く続くと自分でも気づかないうちにストレスを蓄積して、健康を害する原因になりかねません。
仕事に対する最大の報酬は生活費を得ることです。
生活費は人間が生きていくために必要なものである以上に、人生を豊かにしていくものでなければいけません。
給料の使い道を考える
給料を得ることは、仕事の延長線上にあるプライベートを大切にすることにつながります。
家庭がある人は家族サービスに使ったり、趣味がある方はそのための費用に使ったりすることが、活きた給料の使い方といえ、公私ともに充実させるポイントとなるでしょう。
人生を充実させるために働く
「なぜ働くのか」は大きなテーマです。
生活費を得ることはもちろん大切なことですが、プラスアルファで人生を充実させるために働いている意識を持つことができれば、より一層仕事に対して意欲が増すのではないでしょうか。
世界に誇る日本のホンダの創始者、本田宗一郎氏は「会社の為に働くな」と、
自分が犠牲になるつもりで勤めたり、物を作ったりする人間がいるはずない。
だから、会社の為などと言わず、自分の為に働け」という言葉を残しています。
夢中になって取り組める環境を作る
仕事には楽しいことばかりではなくつらい面もあります。
多くは一時的なものであり、情熱を持って取り組むことで解消されますが、なかには長期間もつらい状態が継続してしまい、深刻なストレスを被るケースもあるでしょう。
今取り組んでいる仕事が、自分にとってやりがいを感じられないと判断した場合、転職によって環境を変えることも手段の一つです。
職場に合わないからといって転職することは、逃げの姿勢だとネガティブに考える方もいるかもしれません。
確かに頻繁に転職を繰り返すことはよくありませんが、より良い環境で健全に働くために必要であれば問題ないでしょう。
過去と比較して理想の環境を作る
今の仕事にやりがいを感じられなくても、過去には充実したときがあったはずです。
その頃の自分と比較して現在の状況を冷静に分析すると、新しい環境を選ぶときの参考となるでしょう。
ただ、ゼロからのスタートになるので、積極的に働きやすい環境を作っていく姿勢が大切です。
変化は痛みを伴いますが、進化論を唱えたダーウィンも「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が残るのでもない。
唯一生き残るのは変化する者である」という言葉を残している通り、より良い生活を得るためには必要なことではないでしょうか。
転職も視野に入れて仕事を考える
仕事は人生の大部分をしめる大切な要素です。
仕事は楽しいに越したことはありませんが、そうではない場合には対処をしなければなりません。
今の職場や仕事に対して改善が見込めるときは、努力すると良いでしょう。
もし改善が難しい場合には、転職によって環境を変えることも一つの手段です。
ひとつの会社に長く勤めることは、素晴らしい実績となります。
しかし、やりがいを感じられないまま長く働くことは、人生を無駄にしてしまうことにもなりかねません。
また、転職はキャリアアップにつながることもあります。
さまざまな会社で働く経験は、人間的な成長を促すとも期待できるでしょう。
人生を左右する転職は、衝動的に決断してはいけません。
周囲の人に相談をして客観的な意見を聞いてから、冷静に自分にプラスとなるよう決断をするようにしましょう。