医薬品に関わっていく中で耳にすることが多いクオールでは調剤薬局の経営を全国的に行っています。
クオール薬局以外にもあるファーム薬局、SFC薬局、ぴぃぷる薬局などの様々な名称の薬局があるため、クオールが経営している調剤薬局が身近にあることも多いでしょう。
転職先として希望するときにはどんなことを理解しておくと良いのでしょうか。
クオールってどんな会社?
クオール株式会社の概要を知るのは転職を検討する上での基本です。
展開している事業についてまずは理解しておきましょう。
クオールが拠点としているのは東京ですが、北は札幌、南は那覇まで広く事務所を構えています。
本社の所在地の住所は「東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー37階」です。
事業内容
クオールが中心的に行っているのは調剤事業です。
マンツーマン薬局というコンセプトで出店を行っているのが特色であり、医療機関と薬局の一対一関係を作り上げることで医療機関とのコネクションを強くし、正しく信頼性のある医療を患者様に提供できるシステムにしています。
医薬品の卸業者や製薬メーカーとも十分なつながりを作ることで、適正な量の在庫を確保しつつ、最新情報の提供も迅速に行える仕組みを作り上げているのが特色です。
また、新業態薬局の確立にも力を注いでいます。
コンビニなどのように気軽に利用できる店舗をドラッグストアに調剤を併設させるという形で展開しているのが特徴です。
コンビニや家電量販店、鉄道会社などと連携をすることで同じ店舗内でOTC医薬品の販売や調剤を行えるようにしています。
在宅医療にも力を注ぐなど社会のニーズに合ったサービスを提供するように店舗ごとに工夫を凝らすのがクオールにおける調剤事業の基本です。
その他事業
BPO受託事業もクオールでは展開しています。
クオールグループの中のアポプラスステーションが担当している事業であり、CSO事業とCRO事業が主な内容です。
COSO事業では製薬メーカーとの提携をして製品の営業やマーケティングを受託あるいは代行し、販売活動を一括して担っています。
一方、CRO事業は知見や臨床研究における企画や実施、結果の集計から情報の出版まで一通りのサポートをしています。
製薬メーカーだけでなく、患者様から医療従事者、医薬関係の研究者まで広くプロの見地から多角的にサポートを行うのを基本方針としているのが特徴です。
店舗数
クオールではクオール薬局を中心とした多様な名称の薬局を全国各地に展開しています。
日本各地のほぼ全ての都道府県に店舗を持ち、総数は718店舗です。
そのうちの24店舗は調剤を行わないOTC販売を主な事業とするドラッグストアになっています。
東京都や新潟県では100店舗前後があって店舗数が多いですが、茨城県、埼玉県、大阪府などにも30〜50程度の店舗があり、大きなシェアを占めている調剤薬局です。
クオールの平均年収
クオールで働くと薬剤師としてどれだけの年収を得られるのかは転職を考える上では重要な観点です。
クオールで働いている従業員の2017年における平均年収は472万円でした。
ほぼ450万円から480万円の間を推移しているので、通常はこの程度の年収を期待できるようになると考えられます。
年代別の平均年収
年齢 | 平均年収 |
25歳 | 329万円 |
30歳 | 412万円 |
35歳 | 476万円 |
40歳 | 542万円 |
45歳 | 611万円 |
50歳 | 646万円 |
年齢別に見てみるとクオールでは初期から着実に年収が上がっていくことがわかります。
全国的な平均として薬剤師の年収は500万強という状況が続いているため、その水準に達するには35歳以上にはならなければならないでしょう。
しかし、管理職になるなどの昇進の機会を得られれば年齢にとらわれずに昇給できる可能性もあります。
他大手調剤薬局との平均年収比較
社名 | 平均年収 |
クオール | 472.0万円 |
日本調剤 | 557.0万円 |
メディカルシステムネットワーク | 607.0万円 |
ウエルシア薬局株式会社 | 451.0万円 |
総合メディカル株式会社 | 450.0万円 |
スギホールディングス | 694.0万円 |
クオールの平均年収を他社と比べてみると決して高い水準にあるとは言えません。
大手として知られる日本調剤やメディカルシステムネットワークには太刀打ちできず、ドラッグストアの展開が盛んなスギホールディングスと比べるとさらに差が顕著です。
しかし、総合メディカル株式会社やウエルシア薬局株式会社などと比べるとやや優っている状況があります。
年収が極めて高いわけではないものの、クオールは企業規模が大きくシェアも広いことから安定経営を期待できるでしょう。
高年収を求めるよりも安定志向の人に向いている転職先と考えられます。
クオールへの転職する方法
クオールに転職して安心して生活できる収入を得られるようにしようと考えたら方法を熟慮するのが大切です。
転職を成功に導くためには何に注意して転職活動を始めたら良いのでしょうか。
働きやすさを現場で見て確認する
薬剤師の中には転職してから不満を抱き、さらにもう一度転職するという人も大勢います。
転職にはリスクがあり、今までよりも必ずしも働きやすい環境で仕事ができるとは限らないというデメリットがあるのは確かです。
その失敗をしないために重要なのが働きやすさを現場で見て確認することであり、クオールの店舗数の多さを活用すると良いでしょう。
特に東京都や新潟県などのように店舗数がたくさんある地域では通勤圏内に何店舗も見つけることができます。
薬局によってつながっている医療機関が違い、調剤業務の多さや現場の雰囲気にも差が生じているのが事実です。
コンビニや家電量販店の中にあるとまた大きく様子が異なります。
自分に合っている職場環境で働けるのは最も重要なことなので、実際に足を運んでどのような状況で薬剤師が仕事をしているかを確認するのが肝心です。
薬剤師転職サイトのコンサルタントに相談する
転職先を探す上では求人を見つけなければなりません。
ただ働きやすさを見た目で判断するだけでなく、採用時の待遇をよく比較してより良いものを選び出すことが重要になります。
そのサポートとして有用なのが薬剤師転職サイトであり、コンサルタントに相談しながら転職活動を行うのが魅力的です。
薬剤師の転職に関するノウハウを十分に持っているコンサルタントに相談すると、自分が気づきもしなかった観点から個々の職場のメリットやデメリットを説明してもらうことができます。
クオールではそれぞれの薬局が異なる社会的役割を持っているからこそ、その違いをよく理解していて詳しく説明してくれるコンサルタントに頼るのが重要です。
自分はこのような職場で働きたいというイメージができているのなら、それにマッチしている職場を見つけ出してくれるでしょう。
クオールの採用方針
クオールに転職する上で採用方針について知っておくのも大切です。
どのような人材を求めているのかがわかれば、それに合わせて自分を成長させた上で転職に取り組めるでしょう。
クオールの求める人材
クオールでは医療機関、医療人という認識を持ち、地域社会に室の高い医療サービスを提供することを目指しています。
薬剤師の人材として医療人の一員という自覚を持ち、地域社会の一員として貢献を目指していく気概があることが求められているのが特徴です。
ただ調剤を行う機械のようにして働くのではなく、患者様と同じ立場で社会に属している人として親身になって話ができることが重要視されています。
また、クオールに対する帰属意識の高さも求められている点です。
地域医療を担う医療人と十分なつながりを持ち、そのつながりを生かしながら医療に貢献していくことが期待されています。
新卒向けには「考える薬剤師、募集」というキャッチフレーズを使用していて、自発的に薬剤師として信頼される存在となり、自分が働いている意義を見出していく建設的な人材であることが肝心です。
クオールの研修方針
クオールでは時代の変遷に合わせて研修制度を改善してきました。
階層別研修体系と総合試験を組み合わせることで新たな教育制度を動かしているのが現状です。
中途入社社員研修では調剤業務が未経験またはブランクが一年以上ある人には調剤実技研修初級編、ブランクが一年未満の経験者には中級編、さらに6年制薬学部の卒業でブランクが一年未満の経験者にはブラッシュアップ研修を用意しています。
この研修後には基本的には新卒と同じ扱いでキャリアを構築していくための研修を受講することが可能です。
集合研修や処方解析、プレマネジメント研修やプレエキスパート研修を経て、最終的にはエキスパート研修やマネジメント研修を受けられる仕組みになっています。
特にQOL認定薬剤師制度を取り入れて優秀な薬剤師を育て上げる方針を立てているのがクオールの特色です。
クオールで働く社員達について
それではクオールで働いている社員にはどのような人たちがいるのでしょうか。
転職してからの働きやすさに直結する部分なのでよく確認しておきましょう。
クオールの社員平均年齢
まず、クオールで働いている社員の平均年齢について知っておきましょう。
平成27年の時点では33.9歳であり、比較的若い人が多いことがわかります。
クオールへ転職・入社した社員からの評判・口コミ
勤務薬剤師27歳男性正社員友岡裕二
私は病院に勤務していましたが、ワークライフバランスを重視したくて調剤薬局への転職を希望しました。キャリアコンサルタントとの相談を経て選んだのがクオール薬局です。将来的には一家を支えられる程度まで稼げるようにキャリアアップしたかったので、そのパスがはっきりとしている点で気に入りました。新人研修を終えた段階でよくわからないですが、きっとこれから良い内容の研修になるだろうと期待しています。
勤務薬剤師32歳女性正社員勝川義実
夫の転職で引っ越しをしたため、一度仕事を辞めてしまったのですが、また働きたくなって転職先を探していました。クオールを選んだのはブランク明けの私に適した中途入社社員研修が明確に示されていたからです。たった6日間の研修でしたが、自信を持って現場に立てるようになったので良かったと思います。ただ、もう少し年収が高くなれば良いのにとは思わざるを得ません。
クオールへの転職で役立つ転職サイト
クオールに転職すると決めたら転職サイトの活用が重要です。
どの転職サイトを使ったら良いのかを考えてみましょう。
選び方次第で有利になるかどうかが変わり得るので慎重に選ぶことが大切です。
薬キャリ
薬キャリは優良求人が豊富なことで定評がある転職サイトであり、クオールからの求人も豊富なので選びやすくなっています。
求人を自分で主体的に探したいときには検索システムも充実していて魅力が大きいサイトです。
ファルマスタッフ
ファルマスタッフは調剤薬局に強いことで知られる転職サイトです。
クオールとのつながりもあり、店舗の網羅性が高いのでより良い現場を探すのに役立ちます。
現場の状況も調べてきてくれるので自分に合った職場を見つけやすいでしょう。
ファーマキャリア
ファーマキャリアは調剤薬局との交渉力が強いことで人気がある転職サイトです。
オーダーメイド求人を手がけているので、自分の希望を正しく伝えれば、それに近い待遇を作り上げてくれます。
転職先での待遇にこだわりがある人は選ぶと大きな助けになるでしょう。
まとめ
クオールは全国的に調剤薬局を持ち、マンツーマン薬局として店舗展開をしているのが特色です。
給与はやや低めでも経営は安定しています。
転職の際には店舗間の違いも理解して選ぶことが重要なので、業界に詳しい薬剤師転職サイトのコンサルタントに頼るようにしましょう。