化粧品メーカーとして有名な「株式会社資生堂」。
古くからある企業で沢山の商品を世に送り出し、ファンになっている顧客も大勢います。
このような有名企業への転職を検討する際の気になることとして、大きな企業なだけに年収は高いのか、福利厚生は充実しているのか、といったことが挙げられます。
これらは転職時の判断材料になるので重要な情報です。
そこで今回は、これらの気になるポイントの他に、事業内容や社内の雰囲気・社風など、転職時に必要な情報を紹介します。
資生堂の企業概要
株式会社資生堂は国内トップの化粧品メーカーとして有名な企業です。
化粧品に関わる事業を中心に展開していますが、中には、化粧品業界以外の事業も手がけています。
また、販売している化粧品はどれも日本人に広く浸透し、馴染み深いものです。
化粧品メーカーとしては国内1位、世界5位の規模となっています。
事業内容
資生堂では大きく分けて6つの事業を展開し、そのうち5つは化粧品に関わる事業、1つは化粧品業界以外の事業となっています。
化粧品事業に関しては、国内だけでなく世界に向けて展開されているものもあります。
ここからは、中でも代表的な3つの事業に関して紹介します。
プレステージ
プレステージでは消費者に合った化粧品を提供できるよう、デパートや化粧品専門店などでカウンセリングを行い化粧品を販売しています。
扱っている化粧品は、ただのメイク道具としてではなく、より高い付加価値のある高価格帯化粧品です。
コスメティクス
コスメティクスでは消費者が自由に好みの化粧品を選べるよう、ドラッグストアや量販店などを通じて中低価格帯化粧品を販売しています。
また、化粧品市場やブランドなどの特性に対応して、カウンセリングを通じた販売を行うのもこの事業の特徴です。
その他の事業
資生堂では化粧品以外の事業として、レストランの運営やフーズ関連の販売、小売事業なども手がけています。
また、美容業界に必要な人材を輩出するための資生堂美容技術専門学校への支援や、南青山皮膚科 スキンナビクリニックと提携した事業などもあります。
トップのメッセージ、企業理念
資生堂グループは「美しい生活文化の創造」という企業使命のもと、100年先もステークホルダーの皆さまに愛され続ける企業、そして「世界で勝てる日本発のグローバルビューティ―カンパニー」を目指し、2015年より中長期戦略「VISION 2020」を進めています。
前半3カ年となる2015年から2017年を「事業基盤の再構築」の期間と位置づけ、国内外の課題を徹底的に解決し、積極的なマーケティング投資を実行しました。
その結果、2020年に目標としていた売上高1兆円超を2017年に達成し、営業利益も過去最高の実績となりました。
後半3カ年のスタートである2018年からは、「成長加速の新戦略」として、各地域のお客さまニーズに対応したブランド戦略を実行し、積極的なマーケティング投資を継続しながら、デジタライゼーションの加速や新事業開発、さらにイノベーションによる新価値創造を進めていきます。
そして、全ての価値を生み出す人材こそが成長の源泉と考え、人材への投資を積極的に行い、グローバル経営体制も更に進化させてまいります。
美は人々の生活や、気持ちに密接に関わり、喜び、健康、エネルギー、自信、絆、エンパワーメントなどと共にあります。
私たちは将来に渡って輝き続けるサステナブルな企業であるために、本業であるビューティービジネスそのものが社会価値創造につながるとの考えのもと活動しています。
さらに「全てのステークホルダーに価値創造する中長期視点での経営」、「ESG(環境・社会・企業統治)を重視した経営」を実現することで、世界で最も信頼されるビューティーカンパニーを目指していきます。
「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」の実現に向けて、変革を続ける当社の取り組みに対し、今後も変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
会社概要
会社名 | 株式会社資生堂 |
---|---|
所在地 | 〒104-0061東京都中央区銀座7-5-5 |
資本金 | 645億円 |
事業内容 | プレステージ、フレグランス、コスメティクス、パーソナルケアなど |
従業員数 | 37,438名(2017年12月31日現在) |
資生堂の採用職種・仕事内容
資生堂では、主に化粧品の製造から販売に関わる仕事へ就く職種を募集しています。
どれも化粧品に関わる知識だけでなく、それぞれの職種に応じた知識・スキルが求められます。
どのような職種があるのか、ここから6つ紹介します。
営業
営業の仕事は、資生堂とその得意先に継続的な収益をもたらすことです。
消費者の思いを汲み取りながら、得意先の企業へ寄り添い、商品を販売している店頭の売上をアップさせるために、様々な提案を行っています。
得意先としては、化粧品専門店や量販店、ドラッグストアなどがあります。
給与
-
- 博士了年収:505万円
- 修士了年収:449万円
- 大学卒年収:407万円
デザイナー
デザイナーは資生堂が販売する化粧品の広告からグラフィックデザイン、デジタルコンテンツに至るまで様々な領域のデザインをすることが仕事です。
さらに、コンセプト作りからアウトプットまでを社内で一貫して行っているため、あらゆる領域のデザイナーが求められています。
給与
- 博士了年収:505万円
- 修士了年収:449万円
- 大学卒年収:407万円
ビューティーコンサルタント
ビューティーコンサルタントは消費者一人ひとりからの要望へ応えるために、適切な美容方法を提案することが仕事です。
具体的には、消費者の肌事情を把握し、資生堂が展開している商品の提案や、メイクアップの実習などを行っています。
また、商品の在庫確認や発注なども仕事の一つです。
給与
- 大学卒年収:350万円
- 短大卒年収:339万円
研究・技術スタッフ
研究・技術スタッフは化粧品に関する基礎研究や製品開発などが主な仕事です。
基礎研究では消費者の美に関するニーズへ対応するため、美白のメカニズムの解明や乳化技術の開発などが行われ、製品開発では消費者目線のモノづくりを目指して容器や製品情報に関する開発が行われます。
給与
- 博士了年収:505万円
- 修士了年収:449万円
- 大学卒年収:407万円
生産技術職
生産技術職の仕事は、資生堂が有している工場の運営を担うことです。
具体的には、商品を製造するための技術の開発や生産工程の設計、生産性を向上させるための検討などが仕事となっています。
資生堂の生産活動に関わる業務の中心的な職種です。
給与
- 大学卒月給:200,000円(地域手当6,500円を含む)
- 短大卒月給:179,500円(地域手当6,500円を含む)
- 高専卒月給:184,500円(地域手当6,500円を含む)
サプライチェーン
サプライチェーンは商品販売を効果的に行うための戦略立案や消費者が安心して商品を使用できるように、原材料サプライヤーの選定などが仕事となっています。
他にも、営業部と連携を取りながら、これまでの販売実績を解析し、今後の販売計画を作成するといったことも仕事の一つです。
給与
- 博士了年収:505万円
- 修士了年収:449万円
- 大学卒年収:407万円
資生堂の給与・年収
化粧品メーカーとして国内トップの資生堂へ転職を検討する際、多くの転職希望者が気になるポイントとして、給与・年収があります。
これは入社してからの自身のモチベーションにも繋がることなので、事前にチェックして転職するかどうかを判断することが大切です。
全体の平均年収
資生堂の平均年収(過去8年分の平均)は741万円でした。
資生堂では本人の能力と年功序列で月収が上がっていきますが、学歴によっても大きく左右されます。
特に、新人の場合は初任給に大きな差があるので、自身の学歴と照らし合わせてチェックしておきましょう。
年代別の年収
年齢 | 年収 |
---|---|
20~24歳 | 298.0万円~328.0万円 |
25~29歳 | 522.4万円~572.4万円 |
30~34歳 | 556.4万円~656.4万円 |
35~39歳 | 575.3万円~679.3万円 |
40~44歳 | 642.2万円~763.2万円 |
45~49歳 | 732.8万円~854.8万円 |
50~54歳 | 805.9万円~915.9万円 |
55~59歳 | 798.2万円~908.2万円 |
60~65歳 | 518.2万円~908.2万円 |
資生堂の競合企業と平均年収比較
企業名 | 年収 |
---|---|
資生堂 | 741万円 |
コーセー | 455万円 |
ポーラ・オルビス | 729万円 |
マンダム | 727万円 |
ノエビア | 626万円 |
競合他社と資生堂の平均年収を比較してみると、資生堂が最も高い結果となりました。
国内トップの規模を誇る企業だけあって年収の水準は高くなっているようです。
また、ボーナスの額は夏冬合わせて4ヶ月分支給されるため、この影響もあり年収が高くなっています。
給与に関する口コミ・評判
頑張って仕事をしている人にはレベルの高い仕事が割り振られるため、仕事をこなすために残業が発生しますが、その分の残業代がしっかり支払われるので給与面に関しては満足しています。
勤続年数だけでなく本人の実力次第でも給与がアップするので、モチベーションに繋がり仕事へのやりがいを感じられます。
給与はかなり高額だと思います。入社したての頃は本社で研修を受けていましたが、その際も時給が発生していたので社員への投資は惜しまない会社なのだと実感しました。
資生堂の福利厚生制度
資生堂は先駆けて時短勤務や育児勤務などの福利厚生制度を導入してきた企業として有名で、社員の働き方をサポートできる仕組みがあります。
特に、化粧品メーカーということもあって女性社員が多くなっているため、出産・育児に関する制度には力を入れています。
育児時間制度
育児時間制度は職種に限らず利用できる制度で、子供が小学3年生の年度末まで1日に最大2時間の育児時間を取得することができます。
子供の送り迎えや家事、必要な手続きなどのために利用する女性社員が多くいます。
寮・社宅制度
資生堂の寮・社宅制度は職種により利用できるケースとできないケースがあります。
総合職・生産技術職の場合、入寮規定を満たすことができれば独身寮を手配してもらうことができます。
しかし、美容職の場合は勤務時間が1時間半以内で通勤できる場所での勤務となるため、寮の手配や手当を支給されることがありません。
自社商品割引購入
資生堂に勤めている社員であれば、自社商品を割引価格で購入することができます。
場合によってはサンプル品を配布してもらえることもあります。
基本的には全ての商品が対象となっているため、日常的に使用する方の場合は金銭的な負担が軽減されます。
カンガルースタッフ制度
カンガルースタッフ制度は育児時間を利用する社員を対象に仕事をサポートするための制度です。
具体的には、育児時間を利用した社員が職場で不在のときに、顧客対応や店頭での後方業務を行い、不在の社員に変わって働いてもらうことができます。
福利厚生に関する口コミ・評判
福利厚生が充実していることで、安心して働くことができます。特に、未就学児童がいる家庭の場合は年間5日の看護休暇を取得することもでき、会社からの育児に関する配慮を感じます。
社内では年に一回の健康診断を受診できる他、定期的に体調管理に関する情報を発信してくれているので、健康維持には困りません。
正社員であれば福利厚生で利用できるポイントが割り振られます。好きな福利厚生のメニューから好みのものを選び利用できます。家庭のある身としては助かっています。
育児に関する福利厚生制度が充実しており、出産と育児を経験した私としては感謝しています。また、育児中の手当は多く支給されていたので、金銭的に困りませんでした。
勤務時間・休日休暇
資生堂では社員の身体的・精神的な負担のことを考えた勤務時間や休日・休暇が用意されています。
転職を検討する際は、実際に自分がどのように働くのかを具体的にイメージし、理想的な働き方ができるのかを確認することが大切です。
そのためにも、志望企業の勤務時間や休日・休暇に関してはチェックしておく必要があります。
勤務時間に関して
総合職や生産技術職の場合、事業所により多少は異なりますが、基本的な勤務時間は8:30~17:15となっています。
美容職の場合、勤務先の店舗により勤務時間が異なります。
多くの現場ではシフト制が導入されています。
正社員の休日・休暇
正社員の場合は週休二日制(土曜・日曜)が導入され、祝日も休みとなっています。
年間休日は125日で、年末年始や夏期なども長期的な休暇を取ることができます。
また、勤務年数に応じてリフレッシュ休暇も与えられています。
フレックスタイム
職種にもよりますが、社歴が浅い方の場合はコアタイムのあるフレックスタイムで出勤することができます。
さらに、入社してから一定期間が経過することにより、より自由に勤務時間を設定できる裁量労働制になるため、個人のライフスタイルに合わせて勤務可能です。
残業について
忙しい時期の場合はある程度の残業は発生しますが、ノー残業デーを設けていたり、社内は20時以降消灯といったルールが設けられていたりします。
また、なるべく定時内で帰宅できるよう上司から指示されることもあり、残業時間は短い傾向にあります。
勤務時間・休日休暇に関する口コミ・評判
毎月ノー残業デーが設けられているなど、残業削減への取り組みをしているところは良いと思います。どれも会社発信で上司も積極的なので、部下としてはありがたいです。
残業した際はその分の手当がしっかり支給されます。部署によって残業時間の長さは異なりますが、毎日のように残業が続くことはないため、身体的には楽に感じています。
長期休暇(年末年始や夏期)はしっかり取れる他、様々な休暇制度も設けられているのでプライベートを充実させられます。
部署で会議が無い場合は自由な時間で出勤できるので、家の用事を済ませてから仕事を始めています。また、残業時間はしっかり管理されているため、勤務形態への不安はありません。
社内の教育・研修制度
- コア技術セミナー
- グローバルR&D技術研修制度
- トレーニングセンター
- ステップアップ研修
- OJT
資生堂では入社後のキャリアや職種に応じて必要な研修が設けられています。
どの研修でも各分野で必要な知識・スキルを身につけることができます。
教育・研修制度に関する口コミ・評判
社内にはeラーニングや定期的なセミナーなどが受けられ、積極的に知識・スキルを身につけたいと考えている人にとっては良い環境だと思います。
店舗へ配属されたあとは、接客方法の基礎や店舗に関するルールを丁寧に教えてもらえました。そして、ある程度仕事に慣れてくると、より応用的な内容を学ぶことができました。
人材育成を重点的に行っている会社なので、職種に応じてスキルアップできる体制が整っています。どの研修もみっちり行われるため、知識・スキルが身についていると実感できます。
職場の雰囲気や社風
資生堂では社員一人ひとりが問題なく働いてもらうために、心身ともに健康的になってもらえるような取り組みがなされています。
これは社内で働く社員にも浸透しているため、各々が自身の体に気を使って働くような雰囲気があります。
ここからは具体的な社内の雰囲気と社風を紹介します。
働き方の見直しが図られている
資生堂の社内では社員が心身ともに健康であるために、働き方に関して様々な取り組みがなされています。
例えば、長時間労働を削減するために、オフィス内を20時以降は消灯する他、上司が部下にすぐ帰宅するよう促す、といったことが行われます。
これらの取り組みにより、多くの社員はなるべく早く帰るように仕事をしています。
また、定時に帰っても文句を言われるような雰囲気もないので、帰りやすい環境です。
企業理念が浸透している
資生堂で行われる研修や教育はどれも企業理念に沿った形で行われるため、どの社員も企業理念を理解して働いています。
これはオフィス内で働く社員だけではありません。
店頭などの現場で働く社員にも浸透し、常に意識して働いています。
職場の雰囲気や社風に関する口コミ・評判
私の部署では、開かれる会議において個人の意見を必ず聞いてくれます。さらに、先輩・後輩の仲も良いので全体的に風通しが良いと感じています。新人であっても意見を発言できる雰囲気があります。
福利厚生や教育の面からも社員を大切にしていると感じます。
上司であっても意見があればなんでも話し合うことができる雰囲気です。また、私のいたチームは全員同世代ということもあって気兼ねなく意見交換できました。
資生堂への転職で役立つ転職サイトorエージェント
転職を成功させるには自身の市場価値を確認して、どのようなアピールをすべきなのか、どのような対策をとっていくべきなのかを考えることが大切です。
そのためには、転職サイト・エージェントに登録することから始めましょう。
特に、資生堂のように大きな企業へ転職を検討する際は、具体的な転職方法を探るためにもこれらのサービスを利用することが大切です。
エン転職
エン転職は掲載している求人数が多くあります。
中でも、メーカー系の求人数は全体の約24%を占めています。
さらに、エン転職では登録時に設定したプロフィールに応じておすすめの求人を紹介してもらうこともできます。
また、エン転職を運営しているエンジャパンはエンエージェントも運営しているので、転職に関するノウハウを教えてもらうことも可能です。
彩職
彩職は化粧品やコスメ業界に特化した転職サイトです。
提携している企業は400社以上あり、化粧品・コスメ業界に関する様々な職種の求人が掲載されています。
具体的には、マーケティングやデザイン、研究職などがあります。
化粧品転職.com
化粧品転職.comは化粧品や香料業界に特化した転職サイトで、化粧品転職.comでしか扱っていない求人(非公開求人)もあります。
大きな企業の求人も多数扱っているため、時期によっては資生堂の求人が掲載されています。
まとめ
資生堂は業界トップの大きな企業となっているので、募集している人材の求める能力が高くなっています。
転職時は高いハードルを乗り越えなければなりません。
しかし、転職サイトやエージェントに登録して、非公開求人を見つけたり、転職の進め方・対策方法などを学べたりすることにより、転職が成功しやすくなります。
自分に合ったサービスを見つけて、上手に転職を進めましょう。