「相談支援専門員ってなんだか大変そう…」「いま相談支援専門員として働いているけれどつらい…」と思っている方もいるのではないでしょうか。
相談支援専門員とはおもに障害者やその家族と向き合い、障害者が自立した社会生活を送れるように障害福祉サービスなどによって支援する仕事です。
障害者といっても千差万別であり、支援の仕方も人によってさまざまだからこそやりがいも大きいですが、反面そこにつらさや悩みを持つことも多いことも事実です。
そこで今回は、相談支援専門員の仕事でつらいと感じる理由や対処法、これまでの経験が活かせる転職先についてご紹介します。
相談支援専門員を辞めようか迷っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
相談支援専門員の仕事がつらいと感じる理由4つ
相談支援専門員として働く人が、仕事をする上でつらいと感じてしまう理由のなかで代表的なものを4つご紹介します。
①人間関係がつらい
人間関係トラブルによって仕事を辞めたくなる人は多くいるのではないでしょうか。
相談支援専門員は障害者やその家族、そして必要とあらば施設の職員や医療関連のスタッフとも連携をしなければならず、コミュニケーションが中心の仕事といっても過言ではありません。
特に介護や医療関連の場合、命や健康を預かる仕事ということもあって独特の緊張感があったり、異職種の人たちとの関わりの多さで価値観が合わないこともしばしば。
人間関係トラブルも複雑化しやすい傾向にあるため、一度上手くいかないとなると働く上でかなりのストレスになるのです。
②給与が少ない
相談支援専門員の給与は常勤(正社員)だと約25万円程度、非常勤だと18万円程度だとされています。
これは介護・福祉関連の仕事のなかではやや高い給与水準となっており、一見そこまで悪い条件ではないと思われるかもしれません。
しかし施設や事業所によっては、1人分の相談支援専門員の業務が多かったり、雑務や残業時間などが多いところも!
そう考えると、仕事の大変さに対して給与額が見合っていない気がしてしまいますよね。
実際に、「業務内容と収入が釣り合わない」「収入が少なくて将来が不安」「ボーナスや昇給が望めない」などといった理由で辞める人も多くいます。
③業務範囲が広い
言わずもがな、医療や福祉、介護関連の現場はつねに人手不足の業界です。
そして相談支援専門員もまた、障害福祉サービスの利用者やそういった方を対象とした事業所・施設の増加とともに需要が高まりつつあります。
また相談支援専門員の人口だけではなく、他職種の人手も足りないため相談業務以外の仕事を任されることも多々あります。
そうなると本来の仕事に注力したくてもできなかったり、聞いていた業務内容とのギャップが生まれ、どんどん負担が大きくなってくるのです。
職場によっては休日出勤を余儀なくされたり、ワークライフバランスが乱れがちになることから辞めたくなる人もたくさんいます。
④障害者やその家族への接し方が大変
相談支援専門員は、基本的に障害者やその家族の相談に乗ることが仕事です。
相手の希望とこちらの提案が一致してうまくいけばやりがいにはなりますが、当然仕事ですから上手くいかないことや信頼関係を築くのに時間がかかってしまったりすることもあります。
また人間同士ということもあってそもそもの相性がよくなかったり、いくらベストな方法を提案したとしても相手が快く受け入れてくれないケースも!
時にはクレーム対応のような場面もあったりして、常に気を遣うことが多いことがきっかけで精神的に追い詰められてしまう相談支援専門員も多くいます。
相談支援専門員に向いている人の特徴3つ
では、そもそも相談支援専門員にはどのようなタイプが向いているのでしょうか?
ここでは相談支援専門員の仕事に向いている人の特徴について3つご紹介します。
①責任感の強い人
相談支援専門員を頼る人たちが持つ問題や悩みは人それぞれ。
なかには、深刻な障害を持っている人やニーズが厳しいケースもあります。
相談支援専門員の支援によって相手の人生がガラッと変わる可能性もあるため、一人一人に対して真摯に向き合える責任感の強い人が向いているでしょう。
②中立的な立場で向き合える人
相談支援専門員は障害者やその家族にとっての窓口であり、そこから医療関連や施設などに連携する仕事です。
障害者の生活をより良いものにするために動くため、時には業務上プライベートなことに踏み込む場面もたくさんあります。
ですからあまりにも主観的な意見を押し付けたり、感情的に気持ちが相手に入り込みやすい人はかえって障害者の自立に繋がらなくなるあめ、向いていないかもしれません。
逆につねに中立的かつ冷静な対応ができる人、適切な距離感を保ち続けられるタイプは相談支援専門員に適性があるといえます。
③向上心のある人
障害者支援に関わる環境や福祉サービス・制度は、近年めまぐるしく変化しています。
したがって、障害者に対してつねに適切かつベストな支援をするためには、相談支援専門員自身が知識やスキルをアップデートしていかなければいけません。
相談支援専門員になれたら終わりではなく、日々の業務や経験によって学び続ける姿勢が必要なのです。
何事においてもモチベーションが高く、現状に満足しないタイプの人であれば、相談支援専門員としても長期的に活躍できるでしょう。
相談支援専門員を辞めるメリット
相談支援専門員としてこのまま働き続けるかどうか悩んでいる方はまず、辞めることで起きるメリットやデメリットを一度洗い出してみるといいでしょう。
ここではまず、相談支援専門員を辞めるメリットについて2つ挙げてみました。
①相談支援専門員としての経験を活かせる
相談支援専門員としてのスキルや経験は、あらゆる福祉の現場で役立ちます。
例えば相談業務の経験はソーシャルワークとしても活かされますし、社旗福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士でいずれかの資格を持っていれば、ケアマネージャーへの転職もできます。
また転職時キャリアチェンジのほかにも福祉や保健医療と関わってきたことから、自分の家族に対しても適切な支援ができるといったメリットも!
いずれにせよ、相談支援専門員としての経験はあらゆる選択肢を広げるためにも有効に働くのです。
②収入アップを目指せる
相談支援専門員としての経験を活かせる仕事はたくさんあるため、転職によって今よりも収入アップ・キャリアアップも充分目指せます。
例えば、病院や児童相談所、スクールソーシャルワーカー、身体・知的障碍者の通所施設など。
ほかにも生活相談員や支援相談員なら、即戦力の人材として捉えられ給与交渉にもつなげやすくなります。
もし現在の給料に不満を持っていたり、少し違う職種に興味があるのであれば転職するのはおすすめです。
相談支援専門員を辞めるデメリット
相談支援専門員を辞めることにはデメリットもあります。
これは相談支援専門員の転職に限った話ではありませんが、一般的に転職回数が多ければ多いほど転職活動で不利になりやすいといわれています。
もちろん年齢にもよりますが、数回ならまだしも5から6回以上などあまりにも多くなってしまうと、採用側から「すぐ辞められるのではないか」とあまりいい印象に捉えられない可能性も!
また、自分自身も辞める癖がつくとキャリアにも傷がついてしまいますからね。
初めて仕事を辞めるにしても後悔しないために条件を見直すなど、慎重になる必要があります。
相談支援専門員を辞めたい人への対処法
相談支援専門員を辞めるか迷っている方は、すぐに辞表を提出するのではなく以下のポイントを踏まえて一度考え直してみてください。
①辞めたい理由を明確にする
相談支援専門員を辞めようか迷っている方は、そもそもなぜ辞めたいと思っているのかの理由を明確にしておくことが大事です。
具体的に悩みや問題を洗い出すことで、本当に辞めるべきかどうかを冷静に見極められます。
抱えている問題によっては上司や先輩、施設長などに相談することで解決するケースもあるかもしれません。
また、自分がやりたくないことや働く上で重視するポイントなども見えてくるため、まずはしっかりと問題と向き合うようにしてみてください。
②転職の情報を収集する
「とにかく今すぐ辞めたい」といった理由で次の転職先を決めずに退職してしまうと、仕事が決まらなかった時に金銭的なダメージを受けるため後悔しやすいリスクがあります。
さらに貯金を切り崩して生活していかなければならないことから、焦って転職を決めてしまい失敗してしまう可能性も!
ですので、事前に相談支援専門員を辞めた後の行動を考えたり、できることなら在職しながら転職活動をおこなうといいでしょう。
またその際に、自己分析や転職したい業界についての勉強をしておくとスムーズです。
一度勤めた職場を辞めるとなると、「そもそも辞めるべきかわからない」など誰しも不安を感じるもの。
もし現在辞めるべきか迷っている方は、家族や友人、上司や先輩に相談するのも一つです。
誰かに話すことで思わぬ気づきがあったり、精神的にもスッキリするといったメリットもありますよ。
特に未経験の業界を目指している方であれば、その業界に特化した転職サイトやエージェントを利用してみるのもおすすめ。
転職に関する知識だけではなく書類や面接対策、自分に合った転職先なども紹介してくれるので働きながらでも転職活動ができます。
相談支援専門員の経験を活かせる転職先4選
施設の方向性が自分に合わない、そもそも相談支援専門員に向いていないと感じるのなら転職するのも一つ。
しかし、「相談支援専門員のほかに何が向いているの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、相談支援専門員の知識や経験を活かせる転職先について4つ紹介します。
①生活相談員
生活相談員の仕事は、施設に収書している高齢者などに対する相談業務や、利用サービスに関するマネジメントなどをおこないます。
ほかにも、施設への入退所手続きや他の介護職員同士との連携業務なども含まれるため、相談支援専門員で培ってきた経験やスキルを活かせる仕事だといえるでしょう。
生活相談員になるには一般的に社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のうちいずれかの資格が必要となりますが、各自治体によっては指定の介護業務経験があれば働けるケースも!
将来的にはケアマネージャーへのキャリアアップも望めるのでおすすめです。
②支援相談員
支援専門員は、おもに介護老人保健施設において、施設の利用者やその家族への相談業務をおこなたり、必要に応じて他機関などと連携をはかる仕事です。
どちらかというと現場での業務よりデスクワークメインの仕事となるため、事務仕事が得意な方には向いています。
また、高齢者やその家族の支援が中心となるので、相談支援専門員の業務と重なるところも多くこれまでの経験を活かせたり、採用でも有利に働くこともあるので転職先としてはおすすめです。
③社会福祉士
資格を持っているのであれば、社会福祉士に転職すればより広い職場や環境で働けるのでおすすめです。
社会福祉士とはいわゆるソーシャルワーカーと呼ばれる職業で、身体的・精神的・経済的なハンディキャップを抱えた人から相談を受け、自立した社会生活を送れるように支援する仕事です。
社会福祉士が働く職場は病院だけではなく、スクールソーシャルワーカーとして学校で働いたり、デイケア、刑務所などさまざま。
それぞれで支援する対象者が異なるため、高齢者だけではなく児童や家族といった自分が得意とする分野での活躍ができます。
また、社会福祉専門職の国家資格でもあるため、転職でも有効なアピールポイントにもなります。
④介護職
「相談業務ではなく現場での仕事に携わってみたい!」と思う方は、思い切って介護職に転職してみるのも一つ。
介護職はおもに老人ホームなどで、高齢者など利用者の直接介助をおこなう仕事です。
相談支援専門員で培ってきた福祉の知識があれば、昇進や待遇にもつながりやすくなりますし、将来的なキャリアアップも目指しやすくなります。
ただし介護職は早番や遅番など勤務時間や生活習慣が不規則になりやすく、業務も相談支援専門員と比べて体力を要するものがメインに!
施設の形態にもよりますが、介護職への転職を考えている方は慎重になる必要があります。
未経験でも一般職を目指せるケースも!
相談支援専門員から、介護や福祉関連以外の一般職でも目指せる業界はあります。
例えば、事務職やIT関連の仕事。
どちらも未経験や業界初心者でも募集しているところが多く、これまでのスキルがなくても入社後に研修や資格支援制度が整えられているところがあります。
相談支援専門員としての福祉や介護関連の知識には直結しませんが、黙々と作業するのが好きな方やパソコンスキルに自信のある方にはおすすめです。
このように相談支援専門員としてのスキルはさまざまな職場で活かせますし、まったく関係のない業界でも転職はできます。
しかし転職はタイミングが大事。
20代や30代など比較的若い頃であれば採用もされやすいですが、転職回数が多かったり転職時期が遅いと会社によっては採用されにくいケースも!
もし相談支援専門員から転職をしたいと考えているのであれば、なるべく早めに行動するのがいいでしょう。
介護士におすすめの転職エージェント3選
「相談支援専門員から別職種に転職したい!」「相談支援専門員を続けるか迷っている」方にオススメの転職エージェントについて3つご紹介します。
転職を考えている方や自分にはどんな仕事が合っているのか気になる方はぜひ参考にしてみて下さいね。
かいご畑
かいご畑の特徴
- キャリアアップ応援制度がある
- 未経験・無資格で利用できる
- 運営会社が福祉系に強い
「かいご畑」は無資格・未経験から介護業界を目指す方にオススメ。
働きながらでもできるキャリアアップ応援制度がありますし、経験を積みながら上級資格に合格する人も!
「かいごのお仕事コラム」でも介護の仕事内容を分かりやすく解説しているので、「相談支援専門員から他職種に転職したいけど不安…」な方はぜひチェックしてみて下さいね。
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まとめ~相談支援専門員がつらいと感じたら転職するのも一つ!~
今回は相談支援専門員の仕事がつらいと感じる理由や、辞めることでのメリット・デメリット、相談支援専門員の経験を活かせる転職先について紹介してきました。
相談支援専門員の仕事は、障害者やその家族に寄り添い相談に応じるやりがいのある仕事であり、たいへん需要度の高い職業です。
しかしその分、介護や福祉関連のお仕事であることから対応の難しさや、人間関係、業務量の多さなどでストレスを感じやすい面もあります。
上司や先輩にかけあうことで解決できる問題なのであればいいのですが、施設や事業所との方向性が合わない、相談支援専門員の仕事自体が嫌など根本的なものなら転職するのも一つです。
その際は、相談支援専門員の仕事を辞めることのメリットや転職先に求める条件などを明確にすることがポイント。
今回の記事を参考に、自分自身に合った解決方法を見つけてみてくださいね。