政府も国を上げて感染リスクを抑えるために在宅勤務、「テレワーク」を推奨しています。
緊急事態宣言が出された都市部の地域は特に、人との接触を避けるためにも家で仕事できるテレワークをしてもらうのが、本人にとっても他人にとっても国にとっても良いのです。
政府は4月7日付けで緊急事態宣言を出しました。
その中で企業に向けて安倍首相は「出勤を少なくとも7割減らす」ことを要請しました。
しかしこれまですでにテレワークを導入していた企業は、IT事業を主力とするNECなど一部の大企業が中心です。
緊急事態宣言が出されるまでテレワークを行っていなかった企業がほとんどです。
だが今後企業内感染を防ぐためにも、今後開発部門だけでなく企業内の様々な部門の出勤を押さえなくてはいけません。
それは今まで外回りを頻繁に行っていた営業職でも同じことです。
しかし!
世の中のすべての企業がテレワークをすぐに導入できるわけがありません。
業種、企業規模、雇用形態によっては、緊急事態宣言がでたところでテレワークできない仕事で働くひとも多いのです。
零細企業の体力ではテレワークできない
政府から急に「テレワーク」を求められても、すぐに対応できるのは体力のある大企業だけです。
中小企業、零細企業は社内体制を変えるだけの体力がないので、テレワークにスムーズな移行ができません。
オンラインで出来る仕事と、テレワークできない仕事があるということを、政府はどれくらい把握しているのでしょうか?
急に「テレワーク」と言われても環境が整っていない
零細企業の中には、あちこちに自分の足で仕事を取りに行かないといけない企業、現場に出張を強いられる企業など様々です。
なんとか会社維持できているような零細企業では、社員にテレワークさせることもできないのです。
出社して社員一丸となって働くこと以外、零細企業が発展する手段はないのですから。
モノづくりは止められない
体力のない零細企業と同じくしてテレワークで仕事できないのが「モノづくり」です。
ITエンジニアのように「システム」をコンピューター上で作るのではなく、実際に手で物を作り出すモノづくりエンジニアは、テレワークで仕事することができません。
実際に工場などでものを作るには、現場で作業することを避けられないので、仕方ないといえば仕方ないですよね…。
モノづくり産業を止めるには、政府から本格的に営業停止を支持して、営業が止まった分しっかり補償する必要があるのです。
現場仕事もテレワークできない
工事現場や鳶職の仕事も、テレワークできない仕事です。
そしてそれを指示する現場監督など、裏方の人もテレワークできません。
現場で、手で、目で確かめて仕事することを強いられるタイプの仕事は、テレワークできない仕事と言えます。
遠隔操作できる仕事か、現場で物と関わる仕事か否かは、テレワークできる仕事かどうかを決める上でとても大きな要素だと言えます。
テレワークは実施する側の問題
テレワークには、実施する側の心がけ次第で、大きく情勢を変えることができます。
社員の生産性を信じて、コミュニケーションが円滑に取れる仕組みを作っておくこと、そうした企業側の心がけ次第でテレワークでの仕事はできるようになります。
確かに一部テレワークできない仕事があるのも確かです。
しかし現時点でテレワークを導入してない企業の多くが「実施する側の働きがけ」で大きく情勢を変えられるはず。
サボりを警戒する上司
テレワークが推奨されて、実際に多くの社員が在宅勤務することで上司は「部下がサボるのではないか」という不安にかられています。
部下の顔が見えないことで「サボるんじゃないか」という古い価値観のもと仕事する上司。
「部下がサボるのではないか」という危機感に耐えられず、部下を出社させるなんて話があるくらいです。
本当にサボってほしくないなら、もっと上手に部下をマネジメントするべきです。
メリットを理解しない企業側
現在テレワークを導入してない企業は、一定の割合で「テレワークのメリットがわからない」と答えています。
しかしテレワークのメリット云々ではなく、現在コロナウイルスが世界を蔓延している状態です。
早急に出社をやめるべき状態で、まだメリットなんて言っているのかという状況です。
現状テレワークが進んでいるか?(4/13日付け)
それではもう少し詳しく、テレワークがどれくらい進んでいるのか。
テレワークできない仕事以外の会社は多いですから、どれくらいテレワークが進んでいるのか数字や実際の写真で確かめていきましょう。
LINEと厚生労働省合同調査によるとテレワーク導入企業は5.6%止まり
厚生労働省とラインは3月31日家あら4月1日までの間に、メッセージアプリ「LINE」を使って国内ユーザー約8300万人を対象にコロナウイルス対策について調査しました。
それによると、「仕事はテレワークにしている」と答えた人の割合は5.6%止まりでした。
「手洗いうがい」など、自分でできる対策は自発的に行っているものの、企業側の努力が求められる対策では実施数が少なくなってしまいます。
政府の接触7割減の要請もありますし、企業側もテレワーク導入を急いでほしいです。
緊急事態宣言後の出勤時間の品川駅の様子
緊急事態宣言が出たことで実際に出勤する人は減ったのかどうか。
朝の出勤ラッシュ時の品川駅の様子を見て確かめてみたいと思います。
参考:「ウイルス戦争」に日本は“切り札”必要だ! 国民の命を脅かす感染症は国防の問題 医師・村中璃子氏が緊急寄稿
2020.4.10
日本有数のターミナル駅である品川駅、平日朝はまだまだ混雑しているように見えますね。
いくら手洗いうがいを徹底して、マスクを常につけていても、駅が混雑しているだけで一気に感染リスクは上がってしまうのです。
緊急事態宣言直前の各駅の混雑率
緊急事態宣言が出される3月30日から4月3日の各駅混雑率を調べてみると、自粛を呼びかけた直後の2月末が混雑率7%減だったのに対し、3月30日から4月3日の混雑率の低下は33%減にもなっています。
しかし、33%減でも見た所まだまだ混雑しているのをみると、どれだけ東京が混雑しているかわかりますね。
今後さらに混雑率を下げられるかどうかは、企業と個人の働きかけ次第ですね。
週末は繁華街の混雑率が去年と比べて80%低下しているとの声もありますし、働きかけで平日の混雑率低下はまだまだ可能なはず。
「テレワークできない仕事」と言っている場合ではない
現状国内新型コロナウイルス感染者増加が止まらない状況です。
人と人との接触を避けないと、感染率を下げられないことを考えると、「テレワークできない仕事」なんて言っている場合ではありません。
すぐにでも人々のさらなる外出自粛を強める仕組みを作るべきでしょう。
現実的な休業補償が待たれる
何度も言っていますが、テレワークを一時的にも強めるためにも政府が休業補償を行うべきです。
企業にテレワークしてほしいなら、テレワークすることにメリットを企業側に感じてもらうのがマストなのです。
テレワークできない仕事 まとめ
政府は「接触率70%減」を目標に掲げて、とくに緊急事態宣言が出た地域には「テレワーク」、在宅勤務を推奨しています。
これには企業側、個人側、政府側すべてが、感染防止について心がけと働きかけを行う必要があります。