薬剤師の転職市場は活発です。
現在の職場に何らかの問題を抱えていれば、その問題を解決するために転職すればいい、という判断を下す薬剤師は少なくないです。
今回は、「こんな薬剤師は転職したほうがいい」という転職理由を紹介します。
そして、転職にはリスクがついてまわるという説明をして、なるべく転職しないで現状の問題を解決するための方法をご紹介します。
薬剤師の多くが「転職すれば現状の問題は解決する」と思っていますが、実は転職しただけではあなたの問題が解決するとは限りません。
「自分はどうして転職したいと思っているのか?」を一度考えなおしてみて、その問題を解決するための手立ては転職しかないのか。
今一度考えてみるのも大切でしょう。
こんな悩みを抱えている薬剤師は「転職したほうがいい」
現在転職を考えているすべての薬剤師が、転職するべきかというとそうではありません。
現在の職場に抱いている悩み、抱えている問題によって、今後転職するべきかどうかが決まります。
具体的に過去の転職事例などを考えて、「転職するべき薬剤師」について考えてみましょう。
年収が低い
転職する薬剤師の多くが、「年収の高さ」で転職を考えています。
私も、年収が他の薬剤師仲間などと比べて低いときには、転職を考えるべきだと思います。
病院薬剤師や調剤薬局では、今後キャリアアップで年収アップ!
とはいきにくいのが現状です。
生活スタイルが変わるタイミングなどで、転職によって年収アップを考えるのは選択肢の一つとして大いに「アリ」です。
人間関係が悪い
職場の人間関係が悪いのは、それだけで大きなストレスです。
多少の問題なら、その場でかけあってなんとか問題解決に繋げられるかもしれません。
しかし人間関係の問題の根が深いなら、転職で一気に職場環境を変えてしまうほうが、解決には近道かもしれません。
今とは違う職場形態の職場で働くことで、人間関係の問題は一気に解決するでしょう。
仕事内容が気に入らない
現在自分がやっている仕事が気に入らない薬剤師も、転職したほうがいいかもしれません。
ドラッグストアで働いているけど、もっと接客の要素より調剤したい…。
現在調剤薬局で働いているけど、毎日同じような患者さんの相手をしており、自分のスキルアップを感じられない…。
それなら、自分の好きな仕事ができる職場で働くことで、自分のスキルアップ、キャリアアップも計ることができるでしょう。
この仕事内容変更のための転職は、得てして「年収ダウン」のリスクを孕んでいることも承知しておきましょう。
転職するべきか?を見定めるチェックポイント
「自分は転職するべきか?」
転職の二文字が頭をかすめたとしても、自分の今後の行動に対して迷いが生じる薬剤師もいるでしょう。
そんな迷える薬剤師のために、「自分は転職するべきか」を決めるチェックポイントを紹介しておきます。
このチェックポイントで、自分の職場を考えてみてから、冷静に自分が転職するかどうかを決めてください。
給与と仕事内容のバランスは取れているか?
給与が薬剤師業界で比較的低いからといって、単純に「転職するべき」とは言えません。
転職するかどうかは、もっと多角的に、いろんな要素を鑑みて決めるべきなのです。
先程は「年収が低い」というのは転職する理由になりえる、とお伝えしました。
しかし、それは同業で給与相場を比べた結果でしょうか?
例えば、接客や店舗売上など、多くの要素で給与が決まるドラッグストア勤務の薬剤師は、年収相場が高い傾向にあります。
しかし病院薬剤師は、薬剤師のなかでは比較的年収相場が低いです。
この年収相場で考えて、果たして自分の年収は適正かどうか考えないと、転職する目的としてはずれたものになってしまいます。
また後ほど紹介しますが、年収を上げることだけ考えて転職すると、その仕事内容のギャップなど職場環境の違いから、転職のミスマッチを起こしてしまいます。
冷静に、自分の置かれている状況を俯瞰して判断するのは、転職活動においてとても重要です。
仕事内容を変えられる要素はあるか?
現在仕事内容で悩んでいる薬剤師は、「今関わっている仕事以外もできる仕事があるか」について考えるべきです。
もっと別の仕事に裾野を広げられるか。
他の人の仕事に同行して携わることができるか。
転職するまえにそこを考えてから決断することが大切です。
上司に相談しても解決しない?
人間関係で悩んでいる薬剤師には、「上司に相談して解決するかどうか」を考えてもらいたいです。
同僚との人間関係のトラブル、上司に解決してみて解決するかどうか様子を見てみましょう。
人事異動できるならして、とはいえできないとなると、トラブル解決の望みはかなり薄くなってしまうのですが…。
これが上司との人間関係トラブルだったなら、上司本人に相談するともっと悪化することも考えられるのでおすすめできません。
上司との人間関係で悩んでいる方は、早急に転職するなど、抜本的な解決を考えるべきでしょう。
転職することで「失敗する」薬剤師の特徴
薬剤師にとって、「転職するべき」タイミングについて今回お話しているわけですが、ここからは軽はずみな転職をして失敗したケースをみてみましょう。
私は大きな行動を起こす前にはいつも「悪いケースを想定する」ことが解決の糸口だと考えています。
最悪のケースを考えておけば、それ以上に悪いことは起こらないとして、メンタルの安定も望めるからです。
転職後の給与ばかりみて職場のマッチングを考えなかった
「年収が低いから」
という理由で転職した薬剤師にありがちなのが、「給与面以外の条件を見ていなかった」というミスです。
転職において見るべきなのは、給与の数字ばかりではありません。
福利厚生や、仕事内容、職場の雰囲気など、あらゆる情報を総括的にみて「転職するか否か」を考えるべきなのです。
職場の雰囲気が合わなかった
勤務時間に余裕があるドラッグストアで働いたけど、実際に働いたら職場の雰囲気が悪くてびっくりしました。
接客の仕事なのに、お店全体の雰囲気が暗くてピリピリしてて、正直こんな感じだったら長くは働けないなって感じです。
なんらかの目的を持って転職したのに、転職先の職場の雰囲気が悪く、「こんなはずでは」と思う薬剤師はとても多いです。
職場の雰囲気が悪いと感じるのも、間違いなく転職活動におけるミスマッチに当たります。
この「転職先の職場の雰囲気」を探るには、事前にしっかり自分の目で確かめておく、転職エージェントのキャリアコンサルタントに雰囲気を聞くなどしなくてはいけません。
転職で生活が向上した薬剤師の体験談
現職の年収が低いことが理由で、別の職場へと転職しました。事前に転職エージェントへ相談して、今の仕事への不満を伝えたおかげで、現職の問題を解決できる職場を教えてもらうことができました。現職にとどまって、なんとかがんばろうとするのも良いですが、転職で職場環境を一変させてしまったほうが結果的に良いことも多いです。
転職失敗した薬剤師の体験談
現職の人間関係も、仕事の辛さも、給与の低さもすべて嫌で、とにかく転職したいの思いだけで転職しました。結果的に、ほとんど求人を探さなかったこと、焦って転職したことなどが理由で、転職活動はミスマッチの結果に終わりました。転職ってすごく大きい判断だと思うので、転職活動を行うときは慎重に慎重を重ねるくらいでちょうど良いのかなと思いました。
薬剤師の転職で失敗しないためにできること
薬剤師の転職活動は、どうしてもリスクが伴うので、慎重に進めるべきだとお伝えしてきました。
もう少し具体的に、転職活動の失敗を避けるために何ができるか。
失敗を防ぐための秘訣を紹介します。
自分の転職目的を明確にする
転職を考える薬剤師は、「どうして転職するのか」というそもそもの転職目的をはっきりさせておくことが大切です。
「年収」などお金の問題なのか。
「仕事内容」なのか。
「人間関係」なのか。
そうした、なんのために転職するのかという目的をはっきりさせないと、自分が転職するべき職場も見えてきません。
薬剤師転職サイトを使う
薬剤師専門の転職サイトに登録することで、これから転職しようと考えている薬剤師の転職活動は、かなりスムーズに進みます。
薬剤師転職サイトに登録することで、それぞれ利用者に対して専任のキャリアコンサルタントが担当してくれます。
自分にあった求人探しから、転職活動における「書類作成」「面接」などを行う時のサポートもしっかり行ってくれます。
薬剤師の転職活動は、自分のみの判断で行うのはおすすめできません。
第三者目線がないと、判断ミスが起きてしまうからです。
おすすめの薬剤師転職サイト
薬剤師転職サイトの数も多いですから、おすすめの転職サイトはどれか?までご紹介しておこうと思います。
ちなみに、ここで紹介する以外にも、多くの薬剤師転職サイトが存在することは把握しておいてください。
マイナビ薬剤師
薬剤師転職サイトで大手サイトがこの「マイナビ薬剤師」です。
マイナビ薬剤師は全国に支社を持ち、それぞれの地域で豊富な求人を紹介します。
キャリアコンサルタントの質も高いと評判なので、はじめて転職する薬剤師にもぜひ、マイナビ薬剤師の利用をおすすめしたいです。
ファーマキャリア
ファーマキャリアの強みはやはり「オーダーメイド求人」です。
利用者が働きたい職場の条件を伝えることで、キャリアコンサルタントが医療機関に問い合わせてピッタリの求人を探してくれます。
まだ明確な転職の目的が定まっておらず、ぼんやりとした「転職したい」思いしかない薬剤師も、ファーマキャリアで転職することでぴったりの職場を見つけることができるかもしれません。
年齢別「転職するべきか」の答え
薬剤師の年代によって、転職活動に求めること、転職活動で考えるべきことは変わってきます。
若年層、ミドル層などそれぞれの年代で、転職するべきかどうすか、考えてみましょう。
20代薬剤師
20代薬剤師といえば、まだ薬剤師として働きだしてからそれほど時間が経ってないはず。
20代で転職を考える薬剤師の多くが、「人間関係」や「想像した仕事とのギャップ」などを理由に転職しています。
まだまだ若い20代薬剤師は、「ポテンシャルがある」として転職市場で有利です。
若さという唯一無二の武器を最大限使って、転職を成功させてください。
30代薬剤師
30代ともなると、何度か転職している薬剤師も多いでしょうか。
転職回数が多いほど、転職活動で不利になります。
転職活動で選択肢が狭まってくる年代でもあるので、今まで以上に慎重な転職活動を心がけましょう。
40代薬剤師
40代薬剤師は、いよいよキャリアの終盤ということで、あらゆる職場で即戦力、管理職として働くことを求められます。
未経験の分野ならいざしらず、同業の職場へ転職する薬剤師は、自分の強みを活かすつもりで転職してください。
50代薬剤師
わかっている方も多いかもしれませんが、50代薬剤師の転職活動はかなり厳しくなります。
薬剤師は慢性的な人手不足が続いているとはいえ、最初から高い相場の年収を求めてくる50代薬剤師を雇うのは、雇用側としては負担が大きいです。
しかも中途採用しても、すぐ定年を迎えてしまうということで、「扱いにくい人材」となってしまうことも。
50代で薬剤師転職を成功させるには、転職先の職場で求められる条件に対して柔軟に対応することが大切です。
転職したほうがいい薬剤師 まとめ
今回は、「自分は転職したほうがいいのか」と悩んでいる薬剤師に向けて、転職活動を助ける情報を提供しました。
転職といのは選択と決断の連続です。
後悔のない転職をするためにも、事前にしっかり条件を確認して、転職サイトを活用するなどの方法でスムーズな転職ができる手立てを探しておきましょう。