自分の診療科目から他の科目へ転科することはよくあることだと思います。
医師の働き方も多様化している現代、医師転職でも医局を退局して転職サービスなどを活用した転職活動なども増えてきていますよね。
また医師転職のニーズが高まってきているのと同時に、医師の転科の需要も高まってきています。
今回は、医師の転科について転科をきめる年齢や転科理由、おすすめの転科先、医師の転科も支援してくれるサービスなどをご紹介していきます!
医師の転科を考える年齢は?
様々なキャリアを経てから転科を考える先生もいれば、若いうちにキャリアチェンジを図り転科をされる先生もいらっしゃいます。
では医師が転科を考えるタイミングにはいつ頃なのでしょうか?
医師の転科のピークは40代半ば
医師が転科を考える年代は具体的にどの時期が多いのでしょうか?
医師の転科のピークと言われているは40代半ばです。
何故40代半ばになると転科を考える先生方が多いのでしょうか?
次の項目では、医師が転科を考える理由をご紹介いたします。
医師が転科を考える理由とは
そもそも、医師が転科を考える時にはどのような理由があるのでしょうか。
ここからは医師の転科をされた先生方から聞いた「医師が転科を考えたきっかけの理由」をご紹介いたします。
将来を考えて早めに医局を出る
年を重ねるごとに医局内でのポジションも決まってくると思います。
医局内で地位を築くか否か。
医局内のポジションも自分の思うように進むものでもなく…どうしようもないこともありますよね。
医局内でのポジション向上やキャリアアップを選択しない先生は、早めに医局を抜けて開業や転職それに伴う転科などを選択される先生が多いです。
そのため将来に備えて自分の医師としての働き口を確保すするための一つの方法として転科を考える先生もいらっしゃいます。
より長く医師として働くために転科
医者に定年退職は無いものの、総合病院や大学病院は基本的に65歳で退局をしなくてはなりませんよね。
勿論、65歳を過ぎてもバリバリ現役で働きたい方も多いはず。
そのことから今の医局を抜けて、より長く続けられる科目へ転科や転職を考える先生も多いです。
体力的に・精神的に考慮して転科
きつい医師の働き方に体力的・精神的にもしんどいと感じ、転職ではなく転科を考える先生もいらっしゃいます。
40代半ばに転科を考える先生方の中には、この体力的問題でやむを得ず転科をする先生もいらっしゃいます。
眼科医や脳外科、心臓外科などは自分の目で細かい診察や治療を行います。
人間は老化と共に目が見え辛くなります。
そうなると年を追うごとにこういう精密な治療を確実に行うことが難しくなってくるのです。
そのため眼科医や脳外科・心臓外科などのより他の診療科目より精密な技術を要する科目の先生方は、早めに他の科目に転科を検討されることが多いのです。
年齢を追うごとに命に関わらない科目に転科する人が多い
40代半ばにおいては、体力的問題により転科をせざるを得ない先生もいらっしゃるとご紹介いたしましたが、体力だけでなく、精神的にも早めに転科を考える先生もいらっしゃいます。
医師の転科理由の中では、年齢を追うごとにより命に関わる科目は避けたいという結果が出ています。
特に体力的な違和感を感じずとも、より命に関わる科目は若手に任せたいという先生もいらっしゃいます。
経済的理由により転科を考える
また経済的な理由により医師として転科を考える先生も多いです。
一口に経済的理由といっても、その医師が転科を考える際のよくある経済的理由も様々です。
ここからは医師転科における経済的理由の転科の理由を紹介していきます。
楽にお金が稼げる診療科目に転科
医療的責任を負いながら高度な医療技術に携わりたいという先生もいらっしゃれば、同じ医師として働くのであれば、より楽な診療科目で働きたいという価値観働く先生も多いです。
その「楽」の定義も先生によって異なりますが、例えば精神的による楽さであったり、体力的な楽さを求めて転科を考える先生もいます。
診療科目によって年収も異なりますが、同じような年収であるのならば、より楽な診療科目で働きたいという先生もいらっしゃいます。
精神的な楽さでは今の診療科目より命に関わらない診療科目への転科を考えたり、精神的にヘビーなもの、また夜勤や時間外勤務が厳しくて体力的にももう少し楽な科目に転科を考えたりする先生もいらっしゃいます。
年収が高くても、夜勤や時間外労働続きで体調を壊しては働けなくなりますもんね・…
開業を見据えて医師の転科
医師の転科を考える際に、開業を見据えた転科を考える人も多いです。
理由として開業をする際に自分で見ることが出来る科目を増やす目的で、転科をする先生もいらっしゃいます。
担当の診療科目を増やすにはやはり転科をして実績を積んでいくしかないですよね。
また担当できる科目が多いことで色々なつぶしが利くというメリットもあります。
診療科目を増やす目的だけでなく、独立して開業を目指している先生が開業資金を貯めるために、今の診療科目より稼げる科目へ転科をし、資金を貯める先生もいらっしゃいます。
年収アップのための転科
今の診療科目では思うように稼ぐことが出来ず、より高い年収の出る診療科目へ転科を考える先生方もいらっしゃいます。
また麻酔科医などは手術を行う日にしか稼働が出来ず、思うように稼げないといった先生が転科をされて、転科をした科目も麻酔も行うことが出来る、といったような二刀流で働く先生もいらっしゃいます。
ニーズのある診療科目へ転科
転科を考える医師の中には、自分のキャリアに関わるだけでなく、これからの世の中の動きを察知してよりニーズの高い診療科目へ転科を考える医師もいらっしゃいます。
自分の診療科目の医師の数の増加を考慮して、より自分の専門分野を深めるために転科をする先生もいらっしゃいます。
何事も、何かと何かの合わせ技が最強と言いますよね。
自分の担当する診療科目と、転科することによって新たに担当する診療科目の両方が分かる医師と言ったようによりニーズに備えた働き方をするためにも転科を考える方もいらっしゃいます。
ワークライフバランスを重視
当直・夜勤・時間外労働などのハードな働き方から、子供との時間を増やしたい、夜勤当直が無い診療科目に移りたいなど、自分のワークライフバランスをよりよくするための働き方をするために転科を考える先生もいらっしゃいます。
研究に時間を使うために
より今の診療科目の研究を行うために、研究時間の確保しやすい診療科目に転科を考える先生もいらっしゃいます。
医師転科のメリット・デメリット
医師が転科をする際に生じるメリットやデメリットはなんでしょう?
次の項目で詳しく紹介していきます。
医師転科のメリット
医師が転科する際のメリットは何でしょうか?
今後の選択肢が増える
診療科目を増やすためであったり、キャリアチェンジのためであったり、ただ単に転科をしたいだけだったり…
前述の医師が転科を考える理由でもちょこちょこご紹介いたしましたが、やはり今の診療科目から新たに転科をしたとなると、複数の診療を行うことが出来るということになりますよね。
複数の診療科目を診ることができるということは、その数だけ選択肢が広がるということです。
医師転科の最大のメリットは、転科することで今後の選択肢が増えるということでしょう。
自分にあった診療科目で働ける
転科をすることで、自分にあった診療科目で働くことができます。
また、モチベーションを上げて働くことが出来るでしょう。
ストレスフリーになる
今の診療科目や医局で何らかのストレスを抱えているのであれば、転科や転職を行うことでストレスから解放されます。
その為、転科を行うことでストレスが無くなると言ったメリットもあるでしょう。
医師転科のデメリット
医師転科の際のデメリットをは何でしょうか
ご紹介いたします。
収入が下がる可能性が高い
収入アップを見越して転科を考えているのであれば、今よりも収入が高くなる科目に転科すると思います。
しかし収入ではなく他の理由を優先して転科をした際に、今の診療科目よりも収入が下がる可能性があることを考慮しておく必要があります。
絶対に収入を下げずに転科を行いたいのであれば、医師の転職に特化した医師転職サービスを利用して、コンサルタントに転科と、収入を下げずに転科をしたい旨を伝えて転科の準備をすることも大切です。
年下の医師から指導を受けることも
年齢を重ねてから転科を行うと、新たに働く転科先では先輩にあたる医師が年下である可能性もでてきます。
ある程度、年を重ねていると、研修医としてのステップを飛ばしてそのまま新たな診療科目に転科という可能性もあるため、そういった点での覚悟は必要かもしれません。
医師の転科の難易度は?
医師の転科にあたり、転科が難しい診療科目なども気になりますよね。
医師転科の難易度は、科目によってどのくらいになるのでしょうか?
転科が難しい科目というのは存在しない
普段、医師として従事しているとわかるかと思いますが、この科目の転科が難しいといった転科の難易度は、現段階の診療科目にもよります。
同じ内科系であればそこまで苦に感じる先生も少ないこともあれば、内科から外科への転科は難しいともいわれていますよね。
逆に、脳外科や心臓外科などの外科から内科への転科を試みる先生方が多いということもあります。将来的な働き口の対策や自分の体力面を考慮しての転科をする人も多いと思います。
よくある転科ケース
医師の転科には、どのようなケースがあるのでしょうか?
医師の転職にありがちなパターンをご紹介していきます。
外科は他への転科が多い
前述でもご紹介した通り、脳外科や心臓外科など、外科の中でも精密な技術を必要とする外科医は、年を重ねるにつれて細かい作業が困難になることから、40代半ばをピークに転科を考える先生が多いです。
またこれらの診療科目は、他診療科目に比べて直接命に関わる科目と言えます。
年を重ねるにつれて、直接命にかかかわる科目よりかは、細く長く医師として続けていくことを望む先生も多いことから、ある程度外科医として従事した後は他の診療科目に転科、というケースが多いのです。
内科から精神科へ転科
精神科医は担当科目の精神科だけで従事するのではなく、それこそ転科を図り、自分が診ることができる診療科目を増やしていきます。
または内科医が自分の診ることが出来る診療科目を増やすために、精神科に転科することもあります。
そのため精神科医として従事していても診療科目を単独で従事するのではなく、いくつか診ることが出来る前提で転科を試みる先生も多いのです。
麻酔科から独立をめざして
麻酔科医は、院内で手術が無い限り大きな仕事はありませんよね。
研修医を経て麻酔科医になったものの、いざ働いてみるともっと治療に携わる科目に転科をしたいと考える先生もいらっしゃいます。
そのため他の診療科目に転科を行い、自分の担当する診療科目を増やしていくこともあります。
また麻酔科医は他の診療科目ありきの科目になるため、独立が難しいです。
開業などを行うにしても他の診療科目の医師と一緒に行うことが前提となってしまうため、麻酔科医も転科を図る先生が多いのです。
転科にオススメの科目は?
今後の自分の将来を見据えてや、開業などの次のステップに目指される方にも、転科にオススメの科目はあるのでしょうか?
ここからは転科をするのにおすすめの科目をご紹介していきます。
産業医
特に40代半ばで転科を考えた先生にオススメなのが産業医です。
これまでの診療科目を活かしながら、産業医所定の条件を満たす必要があります。
産業医は一般企業の社員として従事するものの、医師の資格を活かして働くことができます。
病院経験のあり今後のキャリアチェンジを図っていた先生にはぴったりです。
都市部の企業は激戦、狙うは郊外や工場など
しかし産業医も医師の転科にはととても人気です。
また大きな企業などでは、産業医を募集する際も社内の産業保健師のツテで決まることも多いのです。
しかし産業医の活躍の場も都市部の大企業だけではありません。
郊外や工場などにも産業医のニーズはあるので、都市部へにこだわらずそういったエリアにも目を向けると視野が広がります。
今後産業医は精神科や皮膚科などの科目が必要になる
産業医の診療科目は特に指定がありませんが、今後は精神科やその企業のカラーにあった診療科目のニーズが高くなってきます。
精神科のニーズが高まってきているのは、社内のメンタルヘルスチェックなどに重きを置く企業が増えてきているところにあります。
企業のカラーに合った診療科目も需要があります。例えば工場においては、特殊工場で働く従業員の健康チェックや、労働環境が人体に影響を及ぼしていないかなどのチェックも必要になります。その工場で取り扱うものに強い診療科目の産業医のニーズが高まるのです。
また化粧品会社などでは皮膚科医が、眼鏡やコンタクトを扱う企業では眼科医が、など、その企業の商品に直結する診療科目が重宝される時代が近づいています。
検診医
臨床現場からの転科では、健診・検診・人間ドックなどの検診医の需要も高まってきています。
これまでの診療科目の臨床経験を活かしながら、健診センターなどで検診医を行う先生も多いです。
肉体的精神的負担も大きくなく、40代半ばで転科を決めた先生にもおすすめです。
転科にオススメの医師転職サイトは?
診療科目を増やす目的で転科を図っても、中々同じ院内での転科が難しく結局医局を退局をして転科をしないといけないケースもあります。
そういった医師の転科を成功させるには、自分一人の力ではなく医師専門の転職サービスを活用していくことがカギです。
ここからは医師の転科にも強い医師専門の転職サービスをご紹介していきます。
エムスリーキャリアエージェント
エムスリーキャリアエージェントは医師の転職に強い転職サービスで、転職サービスの他にも医療に特化したサービスも多く、医師から信頼されているサイトです。
また医師の数が32万人に対して、エムスリーキャリアエージェントの医師登録数は27万人です。
ほとんどの医師がエムスリーに登録をしていることが分かります。
それだけ医師からの熱い信頼があることから、転科のバックアップもきちんとサポートをしてくれます。
エムスリーキャリアエージェントにも産業医の取り扱いがあり。
とりあえず登録しておくべき医師転職・転科支援サービスです。
リクルートドクターズキャリア
リクルートドクターズキャリアは人材大手のリクルートのグループの「リクルートメディカルキャリア」が運営する医師転職専門の転職支援サービスです。
大手人材会社のリクルートによる転職ノウハウに加え、リクルートメディカルキャリアの転職支援実績などを網羅して万全体制で医師転科もバックアップしてくれます。
産業医や検診センター・人間ドックなどの求人も充実しています!
医師の転科を行った人の口コミ
ここからは実際に医師の転科をした先生方の口コミをご紹介していきます。
眼科→人間ドックセンター
総合病院で眼科を担当しておりました。
開業を目標にしていたので、ある程度働いたら医局を抜けようと考えていた矢先に、衰えなのか細かい作業が難しくなってしまいまして…。
開業はおろか、このままでは眼科医として続けるのは難しいと感じているところでした。
同僚の外科医も転科をしていたことから、自分も転科をすることに決めたものの、今の医局との関係上、院内で行うことは難しい状況でした。
かといってもまだ医師をやめるつもりもなく、頼れるところも無いことから医者向けの転職サービスを利用することにしました。
若干半信半疑ではありましたが、どうすることもできずいくつか登録しました。
しかし最近の医師向けの転職支援は結構ちゃんとしていて、ビックリしましたね。
これではなんかこっちが門前払いされそうだ…なんて思いながら相談をしたら人間ドックの求人があると紹介していただきました。
これまでの臨床のようにハードでもなく、経歴も生かすことができそうと感じ、面接をして頂いたところ是非!とんとん拍子で決まってしまいました。
(50代 1500万円)
循環器科→産業医
大きな総合病院で循環器科で臨床をしていましたが、病院内、医局内の派閥争いに疲れ果てていました。
この現代に男女差別もあるような古い考えの組織です。
ある派閥に目をつけられてしまい、ろくに働けなくなりそうになっていたところでした。
その時期に時間外の患者が続いていたこともあって、やけくそになり適当に非常勤で働けるところを探そうとツテで紹介してもらったところへ移る準備をしていた時にそのことが医局にバレ、とても面倒なことになりました。
挙句そのツテの病院に移ることもできなくなり、その医局にも居づらくなり辞めてしまいました。
その医局の繋がりが大きいことからもう同業で医師は続けられないと感じ、拠点を医療機関から変えようときめました。
その例のツテを紹介してくれるはずの迷惑をかけてしまった知人が、産業医なんかもいいんじゃないか?と教えてもらい、いくつか求人を見つけて応募するも、人気なのか全然引っかからず。
求人の中にあったちょっと外れにある企業から産業医で内定を貰い、そのまま働くことになりました。
あの殺伐とした総合病院から中規模の会社の産業医になるとは思いもしませんでしたが、おかしな派閥も無く、医師としての仕事に専念できています。
(40代 1700万円)
形成外科→美容整形外科へ転科
大学病院の形成外科医をしていた.
整形外科では患者の痛みや損傷を取り除いたりはできるものの、それらを完全に治すことができなくて、やりがいはあるけれど自分には向いていないと感じることが多かった。
医師の活かしたまま何か他の仕事をすることが出来ないかと考えていた時に昔お世話になったエムスリーを思い出して、エムスリーのエージェントに登録した。
コンサルタントにその旨を話すと、形成外科の臨床経験を活かして美容外科で医師として働くのはどうかと勧められた。
今はプチ整形なんか言われているように、美容医療も流行っていることは分かってはいるものの、これまでの形成外科と診療内容が似ている気がして乗り気じゃなかった。
だがコンサルタントが「これまでの先生が形成外科で行っていたことはマイナスのものを0に戻してあげることだったと思う。でも美容医療は、0をプラスにしていくものであり、色んな人の背中を押すことが出来る」という言葉に胸を打たれ美容外科への転科を決めた。
いくつか面接を取り付けてもらい、大手の美容外科で働くことが決まった。
今まで落ち込むこともおおかったが、あのコンサルタントが言う通り、0をプラスにすることが今はととてもやりがいである。
(40代 年収1700万)
総括
今回は医師の転科について色々ご紹介していきました。
- 医師が転科を考えるタイミング
- 転科を決めた理由
- 医師が転科をすることによるメリット・デメリット
- 転科にオススメの科目
- 転科にも役立つ医師転職サービス
- 転科をした先生方の口コミ
などをご紹介いたしました。
医師転科では40代半ばが転科のピークと言われていましたが、転科のタイミングは早ければ早いほど有利なのも事実です。
決めたその瞬間から行動を起こすことが転科成功への鍵となります。
また医局を抜けるなどのことになったとしても、一人で抱え込まず医師専門の転職支援サービスなども是非ご活用ください。
最近は医師の働き方の多様化も進み、これからは転職サイトを利用した医師の転科や転職も主流となってくるでしょう。