「保育士をやっていて転職したいけど、いつ頃転職活動を始めればいいか迷っている」
「保育士が転職する場合、最適な時期ってあるの?」
こんなふうに悩んでいませんか?
保育士として転職しようと思っても、求人の多い時期がわからないし、いつ頃から活動を始めればよいかイメージがつかない人もいると思います。
実は、保育士には転職をするのに最適な時期があるのです。
この記事では、
- 保育士の転職に最適な時期とその背景
- 保育士の転職で後悔しないために考えておくべきこと
- 保育士が納得の行く転職をするためのおすすめの方法
といったことを、わかりやすく解説していきます。
5分ほどで読める記事なっているので、転職時期で悩んでいる保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
保育士の転職に最適な時期とその背景
保育士が転職するのに最適な時期はいつなのでしょうか?
それがいつ頃か?というところをその背景を含めて、解説していきたいと思います。
保育士の求人が多くなるのは1月~3月
保育園の求人は、時期によって多い少ないという特徴があります。
結論からいうと、1年のうち最も保育士の求人が多くなるのは、「1月~3月」です。
なぜなら、多くの保育園が11月~12月ごろになると、勤務している保育士たちに来年4月以降働き続けられるかというヒアリングをするから。
つまり、保育園はこのタイミングで来年度の欠員状況を把握するわけです。
来年度の欠員状況が分かれば、次は欠員している人員を1月~3月で採用をするという流れになるため、結果的にこの時期の保育士求人が増えるのですね。
入職時期が多いのは4月が圧倒的
保育士・幼稚園教諭に特化した転職支援サイトの「保育士バンク!」を運営している株式会社ネクストビートの調査によると、保育士が転職活動をスタートした時期は9月と2月が13.2%と最も多く、次いで1月の12.6%と続きます。
入職した時期は、4月が圧倒的多く56.4%の保育士がこのタイミングで入職していました。
参考:株式会社ネクストビート「保育士の転職活動は1-2月がピーク。
最大の転職理由は、職場の人間関係。」
転職活動の開始時期は11月頃からがベスト
1月~3月に求人が増え4月に入職するのであれば、その期間に転職活動をすればいいと思いがちですが、そうではありません。
転職活動には、いろいろと準備が必要ですぐにはできないからです。
例えば、
- 自分がどんな職場でどんな働き方をしたいか?
- 通気圏内ではどのような求人があるか?
- 応募する際の選考書類の書き方や面接の対策
- 転職支援サイトへの登録
などということを、事前にしておく必要があります。
これらの下準備を綿密に行った上で、求人が多い時期に、転職活動のピークを持っていくことが重要になるのです。
求人が最も増える1月~3月に本腰入れて転職活動をするためには、11月頃から準備を始めるくらいがベストでしょう。
実は7月~9月頃も狙い目
転職活動をする時期として、意外に狙い目なのが7月~9月頃です。
なぜかというと、この時期は「4月で入職した保育士」が3ヶ月くらい経って、ちょうどその保育園に合うか合わないかを判断し、合わなかった人が退職していくという時期だから。
現場からしてみると、せっかく採用した保育士がすぐに辞めてしまって、イベントなどの多い秋に向けて一刻も早く新しい人を採用しなければいけない状況になるのです。
この時期は、それほど応募が多い時期ではないうえ、早めに採用して繁忙期までに戦力にしなければいけないという点から、保育園としても採用ハードルを下げる可能性があります。
運が良ければ、条件の良い人気の保育園にすっと入職が決まることもあるでしょう。
この競合が少なく、保育園の採用ハードルを下げているタイミングの7月~9月の時期は、保育士が転職する時期としては狙い目と言えるのです。
保育士の有効求人倍率は高止まりしているものの油断は禁物
保育士の有効求人倍率は、毎年1月頃がピークであり、平成29年10月の倍率は2.79倍とかなり高く、人手不足であることを示しています。
同時期の全職種の有効求人倍率が、1.58倍となっていることからも保育士がいかに不足しているかおわかりいただけるでしょう。
平成25年からの推移を見てみても、その年のピークの有効求人倍率は、以下のようになっており年々右肩上がりに推移しています。
その年のピーク | 保育士の有効求人倍率 |
---|---|
平成25年1月 | 1.74倍 |
平成26年1月 | 2.18倍 |
平成27年1月 | 2.44倍 |
平成28年1月 | 2.76倍 |
平成29年10月 | 2.76倍 |
しかしいくら保育士が売り手市場だからといって、油断は禁物。
誰もが働きたくなるような待遇の良い求人は、求人出ると応募が殺到してすぐに埋まってしまうということもあります。
より良い待遇の職場を見つけたいなら、油断せずに常に情報収集と準備を怠らず、すぐにエントリができるような体制を整えておくことが肝心でしょう。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」
保育士の転職で後悔しないために考えておくべきこと
保育士が転職する際に最適な時期を解説してきましたが、時期だけ押さえておけば転職が成功するわけではありません。
この章では、保育士の転職で後悔しないために考えておくべきことをご紹介していきます。
「今の職場の何が不満か?=転職理由」を明確化する
保育士が転職する時、求人の多い時期にするのは戦略として正解です。
ただ、そのピークに突入する前段階において、まず考えなければいけないのは、「今の職場の何が不満か?」という転職理由を明確化することです。
それにより、自分がどんな職場で働きたいか?という、「転職の軸」といえる部分を見つけることができるからです。
この軸がないまま、求人の多い時期に転職活動をすると、たくさんの求人の中で「あれもいい」「これもいい」と目移りすることになり、結局本当に自分が求めている職場へ転職することが困難になります。
これでは、転職はできたとしても、また転職先の職場で同じような悩みを抱えることになり、程なく転職活動を再開するということにもなりかねません。
これでは、後悔の残る転職になってしまいますよね。
こうならないためにも、事前にしっかりと「転職の軸」を定めておくことをおすすめします。
転職の軸の例
転職の軸となりうる例をいくつか挙げておきます。
自分にとって何が譲れない部分か、最も大切にしたい点か、というところを考える際に参考にしてみてください。
もちろん1つに絞る必要はありませんが、多くなればなるほど希望を満たした求人は見つけにくくなりますし、軸もブレやすくなるので、おすすめは2~3つ程度に絞って、その中でも優先順位をつけておくのが良いでしょう。
- 給与が高い
- 勤務時間が固定
- 残業がない
- 土日休みが可能
- 勤務地が歩いていける
- お局がいない
- イベントなどの準備がない
- 事務処理がIT化されていて効率的
いくつかのの軸を多くの求人を見ていく中で、さらに重要視したい軸が見つかるかもしれませんので、可能な限りたくさんの求人に触れておくようにしましょう。
今の職場で不満を解消できないか?を模索する
「今の職場の不満=転職理由」を考えたあと、転職活動を開始する前に少し立ち止まって考えるべきことは、「その不満は今の職場で本当に解消できないのか?」ということです。
転職はリスクがあること
転職はリスクも伴うもの。
失敗すると今の職場よりも劣悪な環境で働くことになりかねませんし、そもそも転職が決まらなければ無職となり、収入が途絶えることにもなり得ます。
転職活動に伴う作業は時間と労力がかかりますし、新しい職場では今までとは仕事の仕方が違うかもしれないですし、その中で新しい人間関係を築いていかなければいけません。
このように転職はストレスの度合いが高く、最悪の場合体調や精神に支障をきたさないとも言い切れません。
リスクを取るより今の職場で状況をしたほうが安全
このリスクを取って転職をするよりも、今の職場での悩みや不満が、もし努力で改善できることなのであれば、そちらのほうが安全であると言えます。
例えば、給与に不満があるのであれば、副業を始めるのも手でしょう。
また、人間関係に悩んでいるのであれば、その人と話し合うことで改善する可能性もあるかもしれませんし、続けていけばいずれその人は異動や退職でいなくなるかもしれません。
その不満が、本当に自分の努力で改善でき無いという結論に至ってからの転職活動でも遅くは無いと思います。
まずは、すぐに転職を検討するのではなく、いまの状況を改善する努力ができないかを考えてみることも大切でしょう。
保育士が納得の行く転職をするためのおすすめの方法
転職を決断した保育士が、納得の行く転職をするためのおすすめの方法を伝授していきたいと思います。
まずは保育士としてどんな転職先があるかを知る
どの職種での転職活動でも言えることですが、保育士の転職でも大切なのはやはり情報収集。
保育士の就職先は、保育園だけではありません。
保育士として働ける職場は、どんなところがあるのか?その特徴はどんなものか?という情報をまずはしっかり収集することで、「より自分の希望に沿った=転職の軸に合致した」転職先が見つかるはずです。
主な保育士の就職先と、その特徴を挙げておきますので、参考にしてみてください。
主な保育士の就職先と特徴
職場 | 特徴 |
保育園(保育所) | たくさんの子供に触れられる。3才くらいまでの幼い子どもを預かる。イベント準備や保護者対応にも気を使う必要がある。 |
こども園 | 「保育」に加えて「教育」の機能を備えた施設で働く。英語を教えたり、運動を教えたりと、子供の教育することにも携われる。対象年齢は0才~5才くらいまで。イベント準備は多い、 |
病児保育室 | 病気の子どもを病棟内などで保育をする。病児を一時的に預かるところのため、一緒に遊んだり、イベントの準備をしたりする必要がない。 |
託児所 | 一時的な保育などをする施設。イベントなどはほぼ無いため、保育園よりは時間的・体力的に余裕を持った働き方が可能。 |
学童保育・児童館 | 学童保育で学習指導などをする。対象年齢は18歳未満と、大きな子供を預かるため世話をする負担は軽減される。遊びや学びを通じて、子供の健康と豊かな情操を育む仕事。保護者対応もほぼない。 |
ベビーシッター | 依頼主の希望に応じて、自宅などで1〜3名程度の子供の面倒を見る。職場の人間関係に悩む必要がなく、保護者とも合わない場合は断ることもできる。仕事があるかという不安定さがあるが、働く日や場所は選べる。 |
いろいろな保育士と情報交換をする
保育士が転職する場合に、おすすめの方法は保育士同士の情報収集です。
保育士同士の情報収集は、「あの保育園は人間関係が良いらしい」「人間関係が嫌ならベビーシッターがおすすめ」などという、同じ職種だからこそのリアルな情報が得られるのが大きなメリットでしょう。
保育士の人脈が転職に直結することも
さらに、あるリサーチによると、保育園が職員募集をするにあたって、利用している採用経路として「職員からの紹介」が45.4%というデータがありました。
これはつまり、働いている職員からの紹介で保育士を採用した保育園が、半数近くあるということ。
いろいろな保育士と情報収集をすることのメリットは、職場環境や待遇の良い保育園の情報や、就職先のバリエーションを知ることができるにとどまらず、その人が働いてている職場に紹介してもらえることで、就職に直結する可能性もあるのです。
保育士として納得のいく転職をするためには、保育士同士の人脈を作ったり、情報収集をしたりすることは、かなり有益なことと言えるでしょう。
※出典:独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ「保育人材」に関する アンケート調査結果「32.職員募集にあたり、利用している採用経路(複数回答)」(平成 29 年 5 月)
保育士の転職はハローワークも意外と効果的
また同様の調査で、保育園が職員を募集するに当たり、利用している採用経路で最も多かったのがハローワーク(77.0%)でした。
保育園は殆どの場合、潤沢な資金がないことが多いため、求人をする際には無料で利用できるハローワークがメインになっているのかもしれません。
他の職種では、ハローワークでの転職は、求人の質の部分からあまり良い結果を得られないケースが多い中、保育士の転職においては、ハローワークを活用したほうが良い結果が得られる可能性が高まると言えるでしょう。
転職エージェントを使って効率的に転職活動をする
保育士の転職は、意外に大変なもの。
履歴書や職務経歴書をルールに沿って作成したり、求人検索や求人へ応募したりといった、様々な作業を働きながら行うことが必要になってきます。
これらの面倒な作業を効率的にできるのが、転職エージェント。
転職エージェントに登録して転職活動をすれば、選考書類の添削や自分にあった求人の紹介、応募の代行などの様々なサポートを行ってくれます。
面接の対策もしてくれるので、採用率が高まるのも大きなメリット。
もちろんすべて無料で利用できるので、最終的に転職エージェントで仕事を決めなくても、一度足を運んでみて損はないでしょう。
保育士に特化した転職支援サイトを厳選紹介
ここでは、保育士に特化した転職支援サイトを、厳選して3つほど紹介したいと思います。
サイトによって扱う求人が違ったり、担当者との合う合わないということもあったりするので、可能であればすべてのサイトに登録して比較してみることをおすすめします。
マイナビ保育士
あの日本で最も有名ともいえる大手人材広告企業のマイナビが運営している保育士特化型の転職支援サイトが「マイナビ保育士」。
対象エリアは、東京・千葉・埼玉・神奈川と限定されているものの、公開求人数だけで14367件(2019年12月)を保有しているのは業界トップクラス。
求人の大半が正社員募集のため、安定した働き方をしたい保育士に特におすすめ。
またキャリアアドバイザーによる丁寧な面談があるため、何でも相談でき、自分にあった求人を紹介してくれる安心感のあるサイトです。
保育のお仕事
保育のお仕事は、安心できる保育士求人転職サービスでNo.1(2018年11月・日本マーケティングリサーチ調べ)を獲得している転職エージェントです。
保有求人も業界最多クラスの12,188件(2019年12月)と、多くの選択肢の中から自分の希望に合った転職先を見つけ出すことができます。
カバーエリアは全国なので、どこに住んでいても利用ができるのも嬉しいところですね。
保育情報どっとこむ
25,000件の公開求人数という、業界内でも圧倒的な求人数を誇る「保育情報どっとこむ」。
エリアは、全国をカバーしています。
正社員の求人はもちろん、派遣やパート、アルバイトの求人の比率も高いため、非正規として時間や責任などの負担の重すぎない働き方をしたい保育士におすすめのサイトです。
まとめ
ここまで、保育士が転職するとき最適な時期や、おすすめの転職方法などをご紹介してきました。
最後にポイントをまとめておきましょう。
- 保育士の転職に最適な時期は1月~3月
- 転職活動を始めるのは11月くらいがベスト
- 4月入職者が退職する7月~9月も意外と狙い目
- 保育士が転職で後悔しないためには、「転職の軸」を定める事が重要
- 保育士同士の情報収集と、人脈を使っての転職活動も効果的
- 効率的に転職活動をするなら転職エージェントがおすすめ
保育士の求人が多い時期にフルスロットルで転職活動ができるように、しっかりとした準備をしておくことが重要。
保育士の知り合いを増やして人脈づくりをしたり、早めに転職エージェントに登録したりして、計画的に行動することで、保育士として後悔しない転職を実現させてくださいね。