面接では度々職務経歴について聞かれます。
職務経歴ではこれまでの経験や実績を伝えるのが基本ですが、履歴書や職務経歴書に記載されているものをただただ回答するのはNGです。
面接官は職務経歴書には書かれていない、その人の能力や仕事に対する役割を知りたいと思っているので、履歴書に書かれてあることを話しても意味がありません。
職務経歴を聞かれた時の回答として大切なのは、実績までのプロセスを端的に話すことです。
では具体的にどのような回答が望ましいのか。
そこで今回は、面接で職務経歴を聞かれる理由から、回答時のポイント、そして正しい回答例について紹介していきます。
面接で職務経歴を聞かれる理由
面接官は職務経歴を聞いて応募者の仕事に対する責任感を把握し、職務経歴署には書かれていない情報を引き出そうとしています。
職務経歴を聞かれた時に、過去に勤めた会社や仕事内容だけを語るのはNGです。
その人がどういう会社でどのような仕事をしていたのかは、履歴書や職務経歴署を見ればある程度わかるからです。
面接官が職務経歴をわざわざ聞いてくるということは、その他の情報を求めていることなので、もっと深掘りして話す必要があります。
どんな会社でどんな役割を持っていたのか、また実績や成功体験、過去の職務で得た経験を盛り込んで回答することで、面接官が求めている情報を与えられます。
このように職務経歴を聞かれたら、提出書類には記入していない情報を盛り込むことを意識しましょう。
職務経歴を答える時のポイント
職務経歴について答える時には以下3つのポイントがあります。
- 過去の実績や評価も含めて話す
- 実績はそのプロセスまで話す
- 具体的かつ簡潔に話す
これらは基本的に職務経歴書には書かれない内容なので、面接官が求めている情報に対する的確な回答につながりやすいです。
ここからは、それぞれのポイントについてくわしく解説していきます。
過去の実績や評価も含めて話す
職務経歴は過去の実績や評価も含めて話すことがポイントです。
実績や評価については職務経歴書に書くことができない内容なので、面接官が知りたがっている可能性が高いです。
過去の職務経歴から得られた経験や実績、また他者からどう評価されていたのかも含めて回答します。
具体的には以下の内容を意識しましょう。
- どのような内容か
- どのような規模か
- どのような流れか
- どのような立場か、役割か
- どのような経験を積んだか
- どのような成果を残したか
書類だけでは伝わらないよりリアルな職務経歴となり、面接官を引きつけることができます。
実績はそのプロセスまで話す
実績を話すときはそのプロセスまで話す意識が大切です。
職務経歴にただ実績を含めるだけでは、ただの自慢になってしまうことがあります。
「前職では営業に工夫をこらして売上150%アップを達成しました」といえば、能力が高いことは伝わりますが、それがその会社でどう活用できるのかがピンときません。
実績を含める場合は以下の内容を盛り込むようにしましょう。
- 何をどれだけ成し遂げたのか
- 元々どのような問題があったのか
- 問題に対して何を考え、どんな行動をしたのか
- その結果どうなったのか
このように、実績のくわしいプロセスまで伝えることで、能力の高さだけでなく、その人材を自社でどう活用できるのかがイメージつきやすくなります。
そのため、職務経歴で実績を伝えるときは、その実績に至るまでの過程もセットで伝えるようにしましょう。
具体的かつ簡潔に話す
職務経歴はできる限り具体的で簡潔に話すことが望ましいです。
職務経歴を深掘りしすぎると、話が単調になりやすく、結果的に「話が下手な人・コミュニケーションが下手な人」として思われる可能性があります。
上記では、職務経歴は具体性を持たせてよりリアルなものにし、書類には書かれていない情報を面接官に伝えることが大切だと説明しました。
ただし、長々話しをすれば逆に話がややこしくなり、面接官に伝わりにくいので注意が必要です。
そのため、職務経歴について話すときは具体的な内容にしつつも、要点をかいつまんで端的に話すことが大切です。
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職務経歴に関する質問の正しい回答例
ここからは、職務経歴に関して質問された時の、良い回答例と悪い回答例を紹介していきます。
今までの職務経歴について教えてください
【良い回答例】
大学を卒業後に人材紹介事業を行う企業のマーケティング部門として5年間勤めてまいりました。
入社3年目で新しくSNSを活用した集客を積極的に行なって、自社サイトにおける20代の利用者数が前年比150%を達成し、マーケティングが面白いと思うようになりました。
4年目以降は新規プロジェクトのチームリーダーの役割を担うほか、キャリアコンサルタントとしての知識を身につけ、20代の転職希望者とのカウンセリング対応も数回行いました。
【悪い回答例】
大学在学中に人材紹介の仕事に魅力を感じ始め、大学卒業後は人材紹介をメイン事業とする企業へ入社しました。
入社当初は先輩のキャリアカウンセリングを見て、キャリアコンサルタントとしての知識を深めることに尽力していました。
ですが、配属されたのがマーケティング部門で、はじめは「キャリアカウンセリングがやりたい」と思っていたのですが、マーケティングについて学ぶうちに徐々にマーケティングにはまっていき、3年目にはチームで新しくSNSマーケティングに着手するプロジェクトを立ち上げ、その年は20代の利用者が前年比150%を達成しました。
【解説】
職務経歴について聞かれた時は、深掘りした職務経歴の情報を具体的で簡潔に回答するのがポイントです。
悪い回答例では、大学在学中の話や配属された時の心境などの不必要な情報が含まれているため、非常に聞きづらい内容となっています。
一方で、良い回答例はこれまでの経歴を簡潔で説明しつつも、書類には書かれていない実績が含まれているため、面接官の求める情報を的確に答えることができています。
このように、深掘りしすぎると不必要な情報が含まれ、結局何を伝えたいのかがわからなくなってしまう点に注意しましょう。
これまでの職歴をふまえて簡単に自己紹介をお願いします
【良い回答例】
これまで人材紹介の企業に2年間、WEBマーケティングの企業に3年間勤めてまいりました。
人材紹介の企業ではマーケティング部門を担当しており、はじめはキャリアコンサルティングの仕事をやりたいと思い入社したのですが、マーケティング部門を務めるうちにマーケティングの面白さ・奥深さにハマり、WEBマーケティングを行う企業への転職を決意しました。
2社目のWEBマーケティングの企業では自社マーケティングを担当し、入社3年目には半年間仕込んだSNSマーケティングが成果を生み、前年比の売上130%を達成しました。
その経験からWEBマーケティングを得意としており、中でもSNSマーケティングは他社にも負けない知識とノウハウを有している自信があります。
【悪い回答例】
過去に人材紹介の企業に2年間、WEBマーケティングの企業に3年間勤めてまいりました。
人材紹介でWEBマーケティングを担当したことがきっかけで、WEBマーケティングの企業へ転職しました。
2社目のWEBマーケティングの企業では3年目にして、前年比の売上130%を達成させることができました。
特にSNSマーケティングを得意としています。
【解説】
職歴を踏まえた自己紹介を聞かれた時は、自分にはどんな能力があり、その能力を有するまでにどんな経験を経たのかを回答することが大切です。
良い回答例も悪い回答例も内容は同じですが、悪い回答例には実績に至るまでのプロセスが説明されていません。
そのため、なぜ1社目の人材紹介の企業に入社して2年で転職したのか、2社目で具体的にどのようなことをしてきたのかが伝わりません。
職歴と自己紹介の2つを同時に聞かれている時は、回答が少し長くなっても問題ないので、実績とプロセスと有している能力について正確に答えましょう。
今までの職歴で残した実績や成功体験を聞かせてください
【良い回答例】
現在勤めている会社で1年間赤字だった社内新規事業を黒字に転換したことです。
私が勤めている会社は法人向けの金融商品を販売する会社なのですが、2年前より新たにアパレルの事業を立ち上げました。
実店舗での販売だったため多額の費用がかかる上、オープン時のマーケティングがコケて1年間赤字続きでした。
マーケティング方法を見直し、InstagramやTwitterを活用したSNSマーケティングで、ファッションに関心のある若者がお店を知るきっかけづくりに力を入れました。
SNSマーケティングをはじめて半年でSNSからの顧客が増え、どうにか黒字に転換することに成功し、それからはリピーターも着くようになって黒字が続いています。
【悪い回答例】
現在勤めている会社が、2年前新たに始めたアパレルの事業を黒字に運んだことです。
オープン当初はお客さんが多くて黒字だったのですが、わずか1ヶ月でお客の数が減っていきました。
赤字が半年間続いた時にSNSを始め、SNSからお店を知っていただくお客さんが増えたため、お店をオープンして1年後にようやく黒字転換に成功しました。
【解説】
職歴を通して実績について聞かれた時は、自分の成功体験を明確にアピールしましょう。
ただし、ただ実績をアピールするだけでは不十分です。
面接官が聞きたいのは、実績そのものではなく、実績を得るまでにどんな問題に対してどう取り組んだのかという過程です。
良い回答例のように、どんな問題にどう向き合って、どんな対策をしたのかを伝えることによってその人の本当の能力が垣間見えます。
応募者の問題解決能力が高いと判断されれば、採用に一歩近づくことができるでしょう。
過去に失敗した経験があれば教えてください
【良い回答例】
過去に何度も営業したお客様がいて、ようやく契約してもらえることになったのですが、その契約日当日に営業担当チームでの連携が取れず、指定された時間に顧客の元へ間に合いませんでした。
結果的に契約がなくなり、そのお客様にも迷惑をかけてしまった経験があります。
そのことを反省し、チームの連携を強めるため日報を導入することにしました。
営業担当者ひとりひとりがその日に何をしたのかを共有し、そしてただ共有するだけでなく、その日報に目を通す時間をきちんと作ったことで、チームの連携は強まり、その後は売上も順調に伸びています。
【悪い回答例】
前職は営業を行なっており、時間をかけてアプローチして信頼を築いた、大口の顧客との契約が取れるという日に営業チームが連携がうまく取れずに契約はなくなりました。
原因は契約日の共有が他のメンバーにできていなかったことです。
契約金額が300万円だったため私の職務経歴の中でもそのことが特に大きな失敗です。
【解説】
面接で稀に職務経歴の質問として、失敗経験について聞かれることがあります。
この失敗経験も同様に、失敗した内容そのものではなく、その失敗をどう乗り越えたのかを面接官は知りたがっています。
悪い回答例のように、失敗した経験の内容とその原因だけでは不十分です。
その失敗をどう反省し、具体的にどのような対策を行なったのかを伝える必要があります。
失敗経験をどう乗り越えたのかをわかりやすく伝えれば、「この人は問題解決能力の高い人材だ」と思ってもらえるでしょう。
まとめ
職務経歴はこれまでの経歴について、実績とそのプロセスを含めて回答しましょう。
面接官は職務経歴書には書かれていない情報を求めているため、書類に書くことのできない具体的なプロセスは高く評価されやすいです。
ただし、経歴をあまり深掘りしすぎてしまい、長々とした回答になると、結局何を言いたいのかが伝わらない点に注意しなければいけません。
大切なのは「具体的かつ簡潔に話す」ことです。
今回紹介している回答のポイントとその回答例をぜひ参考にしてください。
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