上司から部下へ圧力をかけることを「パワハラ」と言いますが、反対に「逆パワハラ」という言葉があるってご存知ですか?
逆パワハラは、部下が上司に嫌がらせをすることを意味します。
最近、インターネットを使ったビジネスが急速に普及していて、上司よりも部下の方がIT知識を持っているケースや、部下の方が仕事の処理能力が高いという場面が多くなってきました。
その結果、部下の立場が優位になり、逆パワハラが起こりやすくなるのです。
そこで今回は、部下との関係がうまくいっていない上司に向けて、逆パワハラの実態や対処方法、相談窓口についてご紹介します。
もしもの時に備えて、逆パワハラの実態と対処方法を知っておきましょう。
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部下からのパワハラ「逆パワハラ」の定義
部下が上司に対して圧力をかけたり、精神的・身体的な苦痛を与え、それによって職場環境を悪化させることを意味する「逆パワーハラスメント」。
どの業界も著しくIT化が進み、部下の能力が上司を追い越し、部下が上司に圧力をかける逆パワハラが急増してるのが、大きな問題になっています。
なぜ逆パワハラが起きてしまうのか、具体的な原因を探ります。
逆パワハラの原因①上司が部下に気を遣いすぎる
逆パワハラが増加している原因の一つに、「パワハラの浸透によって、部下に気を使いすぎる上司が増えたこと」が挙げられます。
パワハラという言葉が浸透したことで、「部下からパワハラで訴えられたくないので、部下に必要以上に気を遣ったり、注意ができなくなった」というケースが増えました。
一方、部下の方は、ちょっとしたことで「パワハラだ」と主張するようになり、上司に対して強気に注意したり、意見を言ったりするようになったのです。
こういった背景から、「パワハラだと騒がれないように必要以上に気を遣う上司」と「労働者の権利を過剰に主張・悪用する部下」という構図ができ、逆パワハラが増えているのです。
逆パワハラの原因②年功序列主義から実力主義へ
「能力にかかわらず長く働いている人が立場は上」という年功序列主義から、「能力がある人の立場が優位」という実力主義に変化してきたことも、逆パワハラが起きやすくなった原因の1つです。
特に、部下の方が上司よりもITリテラシーが高い傾向が強いため、IT関連の業界やIT化を進める職場で、逆パワハラが起こりやすくなっています。
若いころからIT技術に慣れ親しんでいる部下からすると、うまくパソコンやインターネットを使いこなせない上司のことを「能力がない」と感じてしまい、上司よりも自分の方ができることが多いという状況が起こりやすくなっています。
その結果、上司の権威性が徐々に弱まっていき、逆パワハラにつながるのです。
モンスター社員の逆パワハラ事例
上司から部下へのパワハラには、「長時間労働の強要」、「終業間際の仕事の押し付け」など聞いたことがある事例が多く、イメージも湧きやすいかと思います。
では、部下から上司への逆パワハラとは、具体的にどのようなものなのでしょうか?
上司に嫌がらせをしたり、圧力をかけるモンスター社員による逆パワハラの事例をご紹介します。
上司を無視する
上司が挨拶をしても完全に無視したり、挨拶だけでなく業務連絡さえも無視するというケース、これは立派な逆パワハラに当たります。
このような部下は、「上司は居ないもの」として存在を無視しているので、上司に伝えるべき業務連絡を行いません。
ひどい場合には、上司宛てにかかってきた取引先からの電話もつながないなど、悪質な嫌がらせも起こります。
このような上司とのコミュニケーションを妨げる行為は、会社の信用問題に関わったり、会社の利益が落ち込むリスクもあります。
会社に不利益を及ぼす行為を繰り返す部下には、最悪の場合、会社が懲戒処分にするという事例もあります。
無視が続いていると業務が滞ってしまうので、部下の配置を検討したり、会社全体の問題として、上層部に相談した方が良いでしょう。
上司の悪口を言いふらす
部下が上司の悪口を周りに言いふらすという逆パワハラ行為もあります。
「会社のお金を着服している」、「セクハラをしている」など、事実とはかけ離れた内容の悪口を言いふらすような悪質な部下もいます。
周りの社員がそういった悪口を信じてしまうと、仕事がしにくくなるどころか、会社に居づらくなってしまいます。
実際、部下が会社だけでなく上司の近所にまで悪口を言いふらし、それを苦にした上司が自殺してしまったという悲しい事例もあります。
上司を無能扱いする
上司世代よりもITリテラシーの高い部下が多くなっているため、「部下よりも実績がない」、「ITリテラシーがない」などの理由で上司を馬鹿にする発言をする部下もいます。
部下から「IT技術があれば、もっと仕事を効率化できる」、「もっと分かりやすい資料でないと仕事ができない」などの主張をされ、仕事が進まなくなってしまうのです。
「やり方がわからなくて部下に何度も尋ねる」、「部下がやった方が仕事が早く進む」などの状況が繰り返し起こると、だんだん上司の立場がなくなり、上司自身も強く部下に指示が出せなくなってしまうのです。
逆パワハラする部下の対処方法・相談窓口
この記事を読んでいる人の中には、今も逆パワハラで悩んでいる人や逆パワハラの被害にあったことがある人も、何人もいるかと思います。
ここからは、逆パワハラの被害にあったときの部下の対処方法、具体的な相談窓口について見ていきましょう。
上司に相談する
部下からの逆パワハラに悩んでいる場合、まずは直属の上司に相談してみましょう。
「どのように部下を指導したらいいか」、自分一人で考えても、逆パワハラのことで気持ちが煩わされて、冷静な考えを持つのが難しくなります。
そのため、第三者である自分の上司と一緒に対処方法を考える方が、効果的な解決策が見出せます。
また、一人で部下の逆パワハラに対処するよりも、逆パワハラの初期段階から上司を巻き込むことで「部下への指導不足が原因だ」と自分自身が責められるのを回避できます。
上司に相談することで逆パワハラを行う部下を他部署へ異動させたり、転勤を検討するなど、組織全体で体制を見直すことも可能になります。
上司に相談する時のコツとしては、事前に部下が逆パワハラをしているとわかる証拠を集めておくこと。
部下から「逆パワハラは言いがかりだ」、「労働者の権利として正当な主張をしている」と反論されたときに、しっかりとこちら側の主張ができるように、証拠集めは徹底して取り組んでください。
具体的には、部下の発言をICレコーダーで録音したり、逆パワハラが分かるようなメモやメールを保管し、動かぬ証拠を確保します。
専門の相談窓口に相談する
- 上司に相談しても逆パワハラが収まらない
- 上司に相談したことで逆パワハラがエスカレートした
- 上司に相談しにくい
など、いろんな理由で社内での解決が難しい場合は、専門の相談窓口に相談しましょう。
逆パワハラの相談窓口(無料)には、社内のハラスメント窓口、厚生労働省の総合労働相談コーナー、法テラスなどがあります。
上司に相談しにくい場合は、まずは社内のハラスメント窓口に相談しましょう。
社内にハラスメント窓口がない場合は、職場トラブルについて無料で相談ができる総合労働相談コーナーで相談することができます。
逆パワハラに対して法的な措置を取りたいと考えている場合は、法テラスで逆パワハラを解決するための法制度や手続きを、無料で相談することができます。
転職する
「部下の逆パワハラで心身ともに辛い」、「部下の逆パワハラで孤立してしまい、会社に行きにくい」という状態が長く続くと、上司はいつ体調を壊してもおかしくありません。
完全に体調を崩してしまう前に、最終手段として転職も一つの解決方法です。
会社に残って逆パワハラに対処したり、法的な措置を取るのもいいですが、悪質な逆パワハラに対処するのは体力的にも精神的にもかなり負担が大きく、さらに時間もかかります。
部下に対していろいろと対処方法を取ってみたけど、状況が一向に改善されない、会社側が問題解決に向けて十分に取り組んでくれないようであれば、自分の健康を最優先に考えて、転職を考えましょう。
これまで積んだキャリアを活かした転職活動ができるようサポートしてくれるエージェントもたくさんあります。
「今の会社しか働く場所がない」という思い込みは、余計に自分自身をがんじがらめにしてしまいます。
まずは軽い気持ちでエージェント登録をして、今どんな仕事が世の中にあるのか、というニーズを知ることから始めてみてはいかがでしょう。
役職付きの仕事・マネージャークラスの人におすすめの転職エージェントは「ビズリーチ」です。
気になる人は、登録してみてください。
ビズリーチ
他の転職エージェントと違いは、ビズリーチで扱う求人の多くが、
- 高収入
- 役職付き
のハイクラス求人ということです。
実際に利用している人の多くも、高学歴・専門スキルを持っていて、募集に挙がっている求人も、高収入と同時に高い専門性が求められる仕事が多いです。
そのため、今働いている会社で部下を抱えている中堅社員や、転職と同時にキャリアアップを目指したい人にぴったりの転職エージェントと言えます。
高収入の条件の代わりに、即戦力が求められるため、やや難易度の高い転職活動になりますが、逆パワハラが横行する今の職場から抜け出すには、とてもいい挑戦になること間違いなしです。
参考記事:ビズリーチの使い勝手は?サポートの充実性は?
逆パワハラにあったら証拠と共にすぐに相談窓口へ
逆パワハラを受けている人は「上司の管理能力不足だと言われそうで、相談しにくい」と悩んでいる人が多いです。
しかし、パワハラと同じく、逆パワハラにあったら、すぐに社内のハラスメント窓口や総合労働相談コーナーに、積極的に相談しにいきましょう。
事実確認を進める上で証拠が重要になるため、相談に行くときは、事前に録音したICレコーダーの記録や、メールを持っていくと、スムーズに対応が進められます。
心身ともにつらくなって日常生活も送れないという状態になる前に、思い切って転職して、環境を変えるのもいいですね。
健康を害してしまっては逆パワハラへの対処も仕事もできなくなってしまうので、健康第一で逆パワハラへ適切に対処しましょう。
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