気になる求人があり、その求人へと実際に応募します。
そして応募後書類選考に通ったら、いよいよ面接が待っています。
当然面接をクリアしないと、応募先に採用されることはありません。
一般的に看護師というのは、履歴書に書いてある内容だけで判断されてしまいがち。
ですが面接なら、個人のスキルや個性を表明して他人との差別化を誇ることができる重要なポイント。
看護師にとって重要なのは、文字でわかる「経歴」や「スキル」だけではありません。
紙には表れない個人が持つ能力を、面接の場で表明しましょう。
面接で看護師がみられるのはどんな要素か?
まずは、面接において看護師は面接官からどんなポイントを見られるのか。
面接で見られる要素を学びましょう。
面接は、一見すると面接官と会話しているだけのように見えて、実は様々なポイントをチェックされているのです。
前もって、「面接でどんなところを見られているのか」を知っておけば、面接会場においてどんな立ち振舞をすればいいのかわかってきますよね。
コミュニケーション能力
一番わかり易いのが、面接を受ける看護師のコミュニケーション能力です。
看護師の仕事において、患者としっかり会話するためのコミュニケーション能力は必須。
面接において、面接官は看護師と会話するなかで、看護師がどれだけ相手と向き合ってコミュニケーションできるか…というコミュニケーション能力を測ります。
相手の目を見て、自分の考えをハッキリ伝えることができるか。
適切な言葉遣い、適切な受け答えができるか。
そこを面接で見られています。
身だしなみはきちんとしているか
面接というのは、間違いなく公的なビジネスの場です。
そうした場にふさわしい格好ができるか。
つまり「TPOを考えて服装を選べるか」も面接で見られる要素です。
基本的に大学病院、総合病院の面接ではスーツが基本。
クリニックなどでもなるべくフォーマルな服装を心がけてください。
メイクもナチュラルメイクを心がけてください。
面接でするべき服装は、また後ほど説明します。
予想できない質問への対応力
面接官によっては、定番をずらした「予想外な質問」をしてくることがあります。
そうした「予想外な質問」に対しても、しっかりとアドリブを効かせて返事できるか。
そうした「対応力」も、面接でみられます。
普段から、人と会話するなかで「会話力」をみにつけておくべきかもしれませんね。
面接に行くときの服装、身だしなみは?
面接へ赴く際の「服装・身だしなみ」がしっかりしてない時点で面接は落ちると思ってください。
面接でも人間関係でも、基本はやはり「第一印象」です。
第一印象をしっかり保つためにも、面接時に適切な服装・身だしなみを知っておきましょう。
基本的な服装・身だしなみのルール
誰が古式に定めたというわけではないですが、面接時の服装・身だしなみには基本的なルールがあります。
- 基本はスーツ
- アクセサリーは地味なもの
- ヘアスタイルは「清潔感」を意識する
- 落ち着いた色調のバッグ
- 香水は控えめな香りで
面接時の服装は、基本的にスーツを着て、その他の装飾品も控えめなものを意識するのが基本です。
スーツ以外の服装を選ばざるを得ない場合でも、なるべくフォーマルな服装を心がけてください。
アクセサリー類も、地味なものを意識してください。
面接では基本的にファッショナブルさは不要なのです。
面接時の服装 注意点
バッグはスーツと合わせても問題ないものを選びましょう。
色や形が地味なもの。
そして看護師にありがちな、仕事の後の面接も要注意です。
普段仕事のに向かう時はカジュアルな服装だったとしても、面接の日くらいはフォーマルを意識しましょう。
仕事の後面接なら、わざわざスーツである必要はないかもしれませんが、フォーマルな服装は心がけておいてください。
面接前にしっかり準備!
面接の成功のカギを握るのは、「事前にどれくらい準備していたか」です。
前もって何も準備せず徒手空拳の状態で挑んだところで、とても成功するとは思えません。
しっかり、これでもかというくらい面接に備えておくことで、面接に通りやすい状態になるはずです。
病院の下調べはしっかり済ませる
事前にしっかり、面接を受ける病院の情報を集めておきましょう。
面接担当者は、やりたい診療や病院とのマッチング度をはかる質問をしますから、病院に関する知識がないとその質問に答えることはできません。
応募先施設の研究や特徴の洗い出しを行って、前もって病院に関する質問を予測しておきましょう。
前もって面接を「口に出して」練習する
面接で聞かれる内容というのはパターンで決まっています。
志望動機、自己PR、過去の経験などは必ず聞かれる質問です。
そうした「絶対に聞かれる質問」こそ、しっかり正しくアピールできるようにしておきましょう。
自分の言葉で、履歴書に書いてある内容以上を、しっかり淀みなく話すことができるかどうかが大切です。
面接場所までの道のりをしっかり調べる
面接は時間を守れないとその時点で落ちる…くらいに思っておいたほうがいいです。
時間を守るためにも、どのような道のりで、どのような経路をたどって面接場所に向かえばいいのかしっかり前もって調べておきましょう。
面接当日の流れ
面接当日の流れがどんな流れなのか。
前もって確認しておきましょう。
早めに面接場所へ向かう
面接が行われる場所へ向かいましょう。
この時気をつけるのが、「遅刻」です。
交通機関の乱れなど、予期せぬトラブルは多いです。
面接当日は「早めの出発」を心がけてください。
病院に来意を伝える
面接先の病院に到着したら、病院側に来意を伝えてください。
1人で面接に向かう際には、担当者に取次を願い、キャリアコンサルタントと同伴している場合はコンサルタントの指示を仰いで下さい。
面接室へ案内される
面接室へ案内されます。
前もって面接官が待っている場合は、面接室のドアを3回ノックして「どうぞ」の声のあと部屋に入ってください。
部屋に入ったら、入った段階でまず一礼して名乗ってください。
転職エージェントを利用していれば、このあたりの流れもキャリアコンサルタントが教えてくれるはずです。
一礼と簡単には言いますが、敬礼、最敬礼と、礼も細かく分類されます。
正しいお辞儀を心がけて、面接官にいい印象を与えましょう。
面接中
面接中は姿勢を正して、言葉も正しく受け答えしてください。
もちろん面接中の発言内容も大切ですが、忘れがちなのが「表情」です。
過度に笑顔すぎず、軽く微笑むくらいの表情で、ハキハキと発言しましょう。
面接終わり
面接が終わったら、その場で起立して「本日はありがとうございました」と一礼して、ドアから退室しましょう。
病院を出るまで気を抜かず、すれ違った病院職員には軽く会釈しましょう。
面接で必ず聞かれるい質問と回答例
それではさっそく、面接で聞かれる可能性が高い質問と、その質問に対する回答例を調べていきましょう。
志望動機は?
最初の質問としてありがちなのが、「志望動機」です。
志望動機は?と聞かれるパターンから、「どうして当院で働きたいのですか?」という聞き方など様々。
志望動機は基本的に履歴書の内容をもとにして、今まで仕事で経験した仕事、具体的な業務などを具体的に盛り込むと良いです。
回答例
「私はこれまで、内科の看護師として働いてきました。退職前の3年間は新人や後輩の教育が主な仕事でした。しかし、私はどうしても現場で看護師として働きたい気持ちがありました。貴院は働くスタッフ、医師のレベルも高く、日本最高レベルの病院だと私は感じています。ここなら、私は看護師としてさらなるレベルに上がりつつ、病院にも貢献できるのでは…と思い志望いたしました」
前職を辞めた理由は?
退職理由を聞かれて、正直に退職理由を伝えてはいけません。
ネガティブな理由で退職したとしても、そのネガティブな理由をポジティブな理由に言い換えて面接官に伝えてください。
病院内でネガティブなトラブルが発生したとしても、そのネガティブな事情をどう乗り越えるか。
それを伝えることで、看護師としての対応力をアピールすることができるのです。
病院にとって、対応力がある看護師を採用したいと思うものです。
回答例
一度は結婚を機に退職しましたが、再び現場で看護師として働きたいという思いが捨てきれませんでした。今後は、生活リズムの変化があっても、生活に合わせた働き方を病院と相談しながら決めていきたいです。
看護師を目指した理由はなんですか?
看護師を目指した理由を効いて、病院側が知りたいのは答える人の人間性です。
無難な答え方としては、「人の役に立ちたい」とか「小さい頃から夢だった」とかでしょうか。
しかし無難な答え方をしても、面接官にはアピールできません。
ここでは、答える人の人間性がわかるような小ネタ、エピソードを答えることで面接官に強い印象を与えることができます。
さらに、実際に看護師になってからの考えも伝えるとさらに良い感じです。
回答例
私が看護師になりたいと思ったのは、中学生の時大怪我で入院した時、私をお世話してくれた看護師さんがとても優しかったからです。1人で寂しい入院生活でしたが、その看護師さんととても仲良くなって、入院生活もぜんぜん辛くなかったのを覚えています。私もこんなふうに人のお世話をして、誰かの支えになる仕事がしたいと思い、看護師を志しました。
看護師に大切なことはなんだと思いますか?
看護観を聞く質問もよくされます。
看護観に関する質問も、その人の人間性を知るための質問です。
看護師として働いてきた経験のなかで感じたことを、ここで答えてください。
回答例
私が看護師に大切だと思うのは、「思いやり」です。看護師の仕事は、世間のイメージ以上に辛く苦しいものです。しかしその辛さを外に出さず、患者さんを不安にすることなく、いつも笑顔でいること。いつも患者さんを最優先で考えることができる「思いやり」こそ、看護師に求められるものだと思っています。
いつから働けますか?
いつから働いてるか聞かれることもありますが、別に深読みする必要はありません。
まだ退職の日程が決まってないなら、正直にその旨を伝えてください。
しかしなるべく早めの勤務開始が有利なのも間違いありません。
一ヶ月以内を目安に働く準備をしておきましょう。
自己紹介をしてください
自己紹介を求められることもありますが、この時自己PRをする必要はありません。
自分の名前から年齢、そしてどんな経歴を歩んできたのか。
そんな資格をもっており、どんな分野のどんな仕事が得意なのか。
最後は、「以上です。よろしくおねがいします」と締めくくるとおさまりが良いです。
「なにか質問はありますか?」は逆質問の絶好のチャンス
よくある面接での「逆質問」のチャンスです。
この時一番だめなのが、「特にありません」という返答です。
この時逆質問できるかどうかが、看護師として熱意があるかどうかをアピールするチャンスとなるので、必ずこの時する逆質問をあらかじめ考えておきましょう。
質問例
「私は最初どんな業務を任されるのでしょうか」
「試用期間はありますか?」
「勤務開始前にやっておくことはありますか?」
すでにここで働くことを視野に入れている…というアピールが効果的ですね。
面接でやってはいけないNG行為
面接でやってしまいがちなNG行為も把握しておきましょう。
会話を成り立たせない
会話はよくキャッチボールと例えられますが、面接において「一方通行」な会話をしていると、面接官に悪印象を持たれてしまいます。
会話は「キャッチボール」が基本。
聞かれたら答える。
自分の話ばかりしない。
くれぐれもコミュニケーションを一方通行にしない努力をしてください。
募集要項に書いてあることを聞いてしまう
わざわざ聞かなくてもいいことを聞くのもNGです。
少なくとも募集要項に書いてあることくらいはしっかり把握しておきたいところです。
病院での面接なら、どんな病院なのか。
病院の強みはどこか。
しっかり聞かなくてもいいレベルにしておきましょう。
前職の愚痴を言ってしまう
私もこれは経験があるのですが、「前職の愚痴」を言うのはNGです。
どうしてNGなのかというと、面接で愚痴を言ってしまうと、「不満をいだきやすい人なのでは」「また同じような不満をいだいて辞めてしまうのでは」と思われるからです。
面接の基本ですが、「ネガティブな内容を伝えるときはポジティブに言い換える」ことを意識しておきましょう。
面接を成功させるには前準備が一番
面接で一番大切なのは「前準備」です。
何も用意せず、徒手空拳で望んだ面接がうまくいくわけもありません。
上で伝えたような「よくある質問」に対して、自分なりの答えを考えておいて、本番でしっかり答えられるようにしておきましょう。
その場で答えを考えると、どうしても言葉に詰まったり、自信がないのでもごもごした口調になるなどいいことがありません。
面接の前段階から、しっかりと面接の対策を行って、実際の本番に臨んでください。
面接を受けた看護師の面接体験談
面接を受けた看護師の体験談を調べていきましょう。
面接で子供や家族の藩士を聞かれた
結婚して子持ちだと、どうしても病院側から採用を渋られるみたいですね。子供がいる、と伝えると言われるのが「同居している家族はいないのか」ということ。病院勤務はシフト制なので、欠勤してシフトに穴を空けてしまうのが駄目なのはわかるのですが、子供のことばかり聞くのはちょっとどうかなと思ってしまいますね。そういうことを言われると、子持ちでも働きやすい病院で働きたいって思ってしまいます。
以前と全然違う科目に転職
以前は外科の看護師として働いていたのですが、勤務時間や休日設定がもっと良いところで働きたいと思い、精神病棟のデイケアで働きたいと思いました。分野が違うとしても、看護師としての経験は消えません。面接で話した看護師長さんにも、以前の経験を活かして、ここでしっかり働きたいと伝えて、無事採用されました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
転職を考える看護師が避けて通れない「面接」について今回は説明しました。
面接で聞かれる質問のパターンはだいたい決まっています。
定番の質問の回答例、ふいに聞かれた不意打ちの質問への対応力も鍛えておきましょう。
面接で大切なのは、前準備なのです。