年末はビジネスシーンで一年の感謝を伝え、新年への期待を共有する大切な時期です。
昨今、コロナ禍の影響や環境への配慮から年末の挨拶はメールで行うことが一般的になりました。
しかし、メールでの挨拶は対面での挨拶とは異なるマナーが求められます。
ここでは、ビジネスマナーを踏まえた年末の挨拶メールの書き方、送り方について詳しく解説します。
また、送り先別の例文と返信に際してのポイントも紹介します。
年末の挨拶メールはただ形式的な文章を送るのではなく相手に敬意を表し、感謝の気持ちを込めた内容にすることが大切です。
一言加えることで相手に対する気遣いを示すことができ、より良い関係を築くきっかけにもなります。
この機会にビジネスメールの書き方やマナーを見直し、一年の締めくくりと新年へのスタートを素晴らしいものにしましょう。
年末の挨拶メールを送る理由
年末の挨拶メールを送ることはビジネスコミュニケーション上の重要な意義があります。
年末挨拶の慣習は単なる形式的なものではなく、実際に相手との関係を強化する役割を果たします。
以下は、年末の挨拶メールを送る主な理由です。
POINT
- 感謝の表明:一年間の間、ビジネス上でお世話になった相手に対して感謝の気持ちを伝えることができます。これにより、相手への敬意を示し、良好な関係を継続する基盤を築きます。
- 情報の共有:年末年始の休業日や営業時間の変更などの重要な情報を伝える機会として活用できます。これにより、相手に対して無用な混乱を避ける手助けをします。
- 信頼関係の維持:定期的な挨拶は、相手との信頼関係を維持し、さらに強化することに貢献します。相手に対して個別のメッセージを送ることで、個人的な関係の強化にもつながります。
- 来年への期待の表明:来年も引き続き良好な関係を継続したいという意向を伝え、将来のビジネス機会への期待を示すことができます。
- 個人的なタッチの追加:共通の経験や記憶に基づくパーソナライズされたメッセージを添えることで、相手に対してより親密な印象を与えることが可能です。
年末の挨拶メールはただの義務的な行為ではなく、相手に対する敬意と感謝を示す重要な手段です。
個々の相手との関係を考慮しながら心を込めて挨拶メールを作成することが大切です。
配慮した挨拶メールを送ることで相手からの信頼を得て、より強固なビジネス関係を築くことが期待できます。
年末の挨拶例文:宛先別
年末の挨拶例文:宛先別
- 基本的な年末挨拶の例文
- 取引先
- お客様
- お世話になった先生
- 上司
- 同僚
年末の挨拶メールは一年の締めくくりとして、相手に感謝の気持ちを伝える大切な手段です。
以下で紹介する例文は宛先別の年末の挨拶に適した内容となっています。
基本的な年末挨拶の例文
ビジネスコンテキストにおける標準的な挨拶であり、多くの相手に適用可能です。
相手に対する一年間の感謝の気持ちと、来年への期待を表現しています。
件名
年末のご挨拶|会社名+名前
本文
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
本年は大変お世話になり誠にありがとうございました。本年も残りわずかとなりましたので、年末のご挨拶をさせていただきたくご連絡差し上げました。
●●様には××プロジェクトで多大なるご協力をいただきまして、本当に感謝しています。今後とも、より一層尽力してまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
また、弊社の年末年始の営業日をご案内させて頂きます。
——————————————————————
年内最終営業日:20〇〇年12月◯日(〇)〇〇時まで
新年営業開始日:20〇〇年1月◯日(〇)〇〇時から
——————————————————————
休業期間中につきましては、ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
メールにて恐縮ではありますが、年末のご挨拶とさせていただきます。
良いお年をお迎えください
(署名)
取引先
取引先へのメールでは一年間のビジネスでの協力に感謝を伝えると共に、来年度も良好な関係を続ける意向を示しています。
ビジネスパートナーとの信頼関係を強化するのに効果的です。
件名
【年末のご挨拶】株式会社××× 〇〇〇〇
本文:
△△△株式会社
◎◎◎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社×××の〇〇〇〇です。
早いもので、本年も残すところわずかとなりました。
この1年、◎◎◎様には大変お世話になりました。おかげ様で無事納品を終えることができました。お力添えいただき、誠にありがとうございました。
なお、弊社の年末年始休業は下記の通りです。
12月29日(木)~1月4日(水)
※上記期間中の緊急連絡先:090-9999-9999(担当者名)
1月5日(木)より通常営業いたします。
休業期間中はご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
メールにて恐縮ですが、これをもちまして年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
(署名)
お客様
顧客への挨拶では一年間のご愛顧に感謝するとともに、来年も引き続きのサポートをお願いする内容になっています。
顧客満足を維持し、継続的な関係を築くために適しています。
件名: ◇◇ストアより年末のご挨拶
本文:
〇〇〇様、
◇◇ストアのお客様担当 ×××です。
日頃は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
早いもので今年もあとわずかとなりました。
この1年、◇◇ストアをお引き立ていただき誠にありがとうございました。
来年もスタッフ一同、いっそう皆様のお役に立てるよう尽力して参りますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
なお、誠に勝手ながら、年末年始は下記の日程で休業させていただきます。
♦年末年始休業 2022年12月30日(金) ~ 2023年1月3日(火)
♦2023年1月4日(水)10:00より通常営業
休業中のお問い合わせにつきましては、2023年1月4日より順次対応とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
今後とも◇◇ストアをご愛顧いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(署名)
お世話になった先生
教育や指導を受けた先生へのメールでは一年間の指導に対する感謝を表し、個人的な近況報告も含めることで親近感をもたらす内容です。
件名
年末のご挨拶
本文
〇〇先生 お世話になっております。今年も残すところあと僅かですが、いかがお過ごしでしょうか。
こちらは暖冬のおかげか、雪の少ない日が続いております。
また、私ごとではありますが4月には第一子が生まれる予定です。
今年の年末は仕事の都合もあり、実家には帰れませんが、年始に帰省をする予定ですので、その際にご挨拶にお伺いしたいと思います。
それでは、良いお年をお過ごしください。
(署名)
上司
上司へのメールは一年間の指導への感謝を伝えるとともに、来年への意気込みを表現します。
尊敬と感謝の気持ちを伝えるのに適しています。
件名
年末のご挨拶
本文
休暇中に失礼いたします。今年も残すところあと少しとなりましたので、年末のご挨拶をさせていただきます。
〇〇部長には、公私共にお世話になり、誠に感謝しております。
任せていただいたプロジェクトも部長に教えていただきながら、なんとか形にすることができました。来年もアドバイスをお伺いするかと思いますが、是非ご指導いただけたらと思います。
年始は4日から出勤いたします。翌年も精一杯業務に励みたいと思います。
それでは、良いお年をお過ごしください。
(署名)
同僚
同僚や後輩へのメールではより親しみやすいトーンを用いて、一緒に過ごした一年間に感謝を示します。
友好的な関係を保ちながら、感謝の意を伝えるのに適しています。
件名
年末のご挨拶
本文
〇〇さん、今年も大変お世話になりました。
年内に行った展示会では、〇〇さんの協力のお陰で、お客様からもご好評をいただき終えることができました。これからもご迷惑をおかけするかと思いますが、是非フォローしていただけたら幸いです。
業務は本日で終わりになりますので、夜の忘年会では思いっきり楽しみましょう!
(署名)
年末の挨拶メールの基本的な内容
年末の挨拶メールの基本的な内容
- 件名
- 宛名
- 挨拶
- 本題
- 結びの挨拶
- 署名
年末の挨拶メールは一年の終わりに関係者へ感謝の気持ちを伝え、新たな年への期待を共有する大切なコミュニケーションツールです。
メールの構成には、以下の要素が基本となります。
件名
件名はメールの内容が一目で理解できるように簡潔明瞭にすることが重要です。
- 【年末のご挨拶|会社名+名前】
- 【年末年始営業日のご案】
内容が直接わかる表現を用いましょう。
宛名
メールの宛名は読み手に敬意を示すためにも正確に記載します。
個人宛の場合は「〇〇様」や「〇〇部長」と具体的に、一斉配信の場合は「お客様各位」などと一般的な表現を用います。
挨拶
挨拶文では時候の挨拶や感謝の言葉を含めることで、相手に対する敬意と感謝の気持ちを表します。
などの表現が適しています。
本題
本題ではメールの主な内容を伝えます。
年末の挨拶メールの場合、過去一年間の感謝・年末年始の営業日程・新年への抱負などを盛り込むと良いでしょう。
結びの挨拶
結びの挨拶ではメールの内容を締めくくり、再度感謝の意を表現します。
といった形が一般的です。
署名
署名では差出人の情報を明記します。
通常のビジネスメールで使用する署名をそのまま利用するか、より丁寧な表現を加えることもできます。
年末の挨拶メールで注意する点
年末の挨拶メールで注意する点
- 挨拶メールを送るタイミング
- 件名はわかりやすく
- 年末年始の営業日・営業時間を記載する
- 一斉送信ではなく個別に送る
- 誤字脱字や敬語表現に注意
年末の挨拶メールはビジネスの礼儀として非常に重要です。
正しいタイミングと形式で送ることで相手に敬意を示し、良好な関係を維持することができます。
以下は、年末の挨拶メールを送る際の主要な注意点です。
挨拶メールを送るタイミング
年末の挨拶メールは年の締めくくりのメッセージであるため、タイミングは極めて重要です。
一般的には企業の最終営業日の3~7日前に送信することが望ましいです。
最終営業日が12月28日であれば、22日から25日の間が理想的な送信期間です。
ただし、相手の休暇や営業スケジュールに合わせて調整することも大切です。
相手が早めに休暇を取る予定であれば、その日程に合わせて送信することが重要です。
また、取引先との12月の業務が完了した後も挨拶メールを送る適切なタイミングとなります。
件名はわかりやすく
年末は通常よりもメールの量が増えるため、件名は簡潔で明確にすることが重要です。
「年末のご挨拶|会社名+名前」など、一目で内容が理解できる表現を選びましょう。
簡潔な懸命にすることで受信者がメールを見逃すことなく、内容を素早く把握できます。
年末年始の営業日・営業時間を記載する
年末の挨拶メールでは挨拶と同時に年末年始の営業日程や営業時間を明記することが求められます。
年末年始の営業日程や営業時間を明記することで相手が自社のスケジュールを理解し、必要な対応を事前に行えるようになります。
営業日や営業時間の記載は相手方への配慮を示すとともに、ビジネス上の誤解を避けるためにも重要です。
一斉送信ではなく個別に送る
挨拶メールはできる限り個別に送信することが望ましいです。
個別送信は各受信者への敬意を示すとともに、パーソナライズされたメッセージにより、より良い印象を与えることができるからです。
特に重要な取引先や個々の関係性に応じたメッセージを加えることで、メールの価値が向上します。
誤字脱字や敬語表現に注意
誤字脱字や敬語の誤用は印象を損ねる原因になります。
メールを送信する前には慎重に校正し、必要に応じて第三者にチェックを依頼することも有効です。
また、「とりいそぎ」のようなカジュアルな表現は避け、公式かつ丁寧な文体を心がけることが望ましいです。
年末挨拶メールへの返信例文
年末の挨拶メールへの返信は相手の配慮に感謝を表し、良好な関係を維持するためにも重要です。
返信時には、以下のポイントを心がけましょう。
- 返信の件名:返信の際は件名に「Re:」を残し、相手からのメールへの返信であることを明確にします。
メールの文脈を維持し、受信者にメールの内容を即座に理解させるために有効です。
「Re:年末のご挨拶」とすることで元のメールが年末の挨拶であったことがわかります。 - 本文の開始:礼儀をもって挨拶をし、相手からのメールに感謝の意を示します。
「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の●●です。ご多忙にも関わらず、年末のご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。」のように書き出します。 - 感謝の表現:過去一年間での取引や相手からの支援に対する感謝の気持ちを具体的に述べます。
「こちらこそ本年は△△様に大変お世話になりました。」といった表現が適切です。 - 来年への期待:来年も引き続き良好な関係を維持したい旨を伝えます。
ビジネス関係の持続的な発展を望む姿勢を示します。
「来年もより一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。」が適しています。 - 自社の年末年始のスケジュールの共有:自社の年末年始の営業スケジュールを伝え、相手の計画に役立ててもらうことが重要です。
「なお、弊社は20〇〇年12月〇日(〇)~20〇〇年1月〇日(〇)まで休業となります。ご迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。」といった記載が効果的です。 - 結びの挨拶:相手に対する健康や福祉の願いを込めてメールを締めくくります。
「△△様もお風邪など召されぬようご自愛いただき、どうぞよいお年をお迎えください。」といったフレーズが適しています。
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の●●です。ご多忙にも関わらず、年末のご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。
こちらこそ本年は△△様に大変お世話になりました。
ご迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。△△様もお風邪など召されぬようご自愛いただき、どうぞよいお年をお迎えください。
年末挨拶メールへ返信忘れしてしまった場合:新年の挨拶例文
年末の挨拶を忘れてしまった場合、新年早々の挨拶メールは相手に対する敬意と感謝を示す重要な機会となります。
新年挨拶メールは新年の祝いの言葉とともに、前年のお世話になったことへの感謝を伝える内容で構成されます。
■■株式会社 ●●様
謹んで新年のお慶び申し上げます。
株式会社〇〇の△△です。
旧年中は、弊社に格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
本年もより一層努力し精進してまいりますので、変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、本年は1月◯日から通常営業致します。
このように構成された新年の挨拶メールは、年末の挨拶を忘れてしまったことを補い、新年の良好なスタートを切るために役立ちます。
年末の挨拶メールに関するよくある質問
年末の挨拶メールはビジネスシーンにおいて重要な役割を果たします。
ここでは、年末の挨拶メールでよくある質問に答えます。
予約配信では何日の何時に送るのが良い?
年末の挨拶メールを予約配信する際の最適な日時は、送信先の最終出社日を考慮することが重要です。
相手の最終出社日が不明な場合は、一般的に12月24日頃が適切とされます。
12月24日頃は多くの企業が年末の業務を締めくくる時期であり、メールを確認する機会が高まります。
もし、相手にメールを確実に読んでもらいたい場合は、さらに早い12月20日頃に配信するのが良いでしょう。
配信時間は通常の業務時間内、例えば午前中からお昼頃に設定するのが一般的です。
相手がメールを見落とすリスクを減らすことができます。
先に挨拶メールをもらった場合の返信?
年末の挨拶メールを先に受け取った場合、迅速に返信することが礼儀です。
返信では基本的な挨拶メールのフォーマットに従い、「ご丁寧にご挨拶をいただき、ありがとうございます。」のような感謝の言葉を添えると良いでしょう。
また、相手に対する祝福の言葉や新年に向けての期待や抱負を伝えることで、良好な関係を維持し、強化することができます。
はがきや対面でご挨拶する場合はメールを送らなくてよい?
はがきや対面での挨拶を行った場合でも、メールでの年末挨拶を送ることが望ましいです。
特に最近ではSDGsや環境への配慮からはがきを使用しない企業が増えています。
対面での挨拶が難しい状況も考慮すると、メールは安全かつ効果的な挨拶の方法と言えます。
年末の挨拶メールで気持ちよく仕事納め
年末は一年の締めくくりとして、ビジネスパートナーやお客様へ感謝の気持ちを伝える大切な時期です。
心を込めた挨拶メールは相手に良い印象を与え、長期的な関係構築に繋がります。
適切な時期に送ることで忙しい年末の業務の中でも読まれやすくなります。
年末の挨拶メールを送る際には、以下のポイントに注意しましょう。
POINT
- 適切なタイミング:相手の最終出社日を考慮し、12月中旬から20日頃に送信するのが理想的です。
年内に相手がメールを確認する可能性が高まります。 - 件名の工夫:メールの件名は「年末のご挨拶」といったシンプルかつ明確な表現にしましょう。
メールが年末の挨拶であることが一目でわかります。 - 個別性を持たせる:できる限り個別にメールを送り、相手に合わせた一言を添えることで、よりパーソナライズされた印象を与えます。
- 誤字脱字のチェック:正確な言葉遣いと誤字脱字のないメールを心がけ、丁寧な印象を与えましょう。
- 感謝の表現を忘れずに:1年間のお世話になった感謝の気持ちを具体的に述べることで、相手に誠意が伝わります。
- 簡潔さを保つ:メールは簡潔にまとめ、読みやすくすることが大切です。
年末の挨拶メールは単なる形式ではなく、一年間の感謝と来年への期待を伝える大事なコミュニケーションツールです。
心を込めて相手を思いやる内容にすることで、より良い関係の構築につながります。
マナーを守りつつ、素敵な挨拶メールで年末を締めくくりましょう。