「相談支援専門員は無資格でもなれるの?」と疑問に思う方もいるはず。
相談支援専門員の仕事は、おもに障害を持つ方やその家族に対して、自立した生活や福祉サポートをおこなうもの。
実は相談支援専門員には必須の国家資格などはなく、無資格でも目指せます。
しかし無資格の場合、定められた要件を満たせていないと相談支援専門員にはなれません。
そこで今回は、無資格で相談支援専門員になるまでに必要な要件や気を付けるべきポイントについてご紹介します。
相談支援専門員を目指す方や興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
相談支援専門員は無資格でもなれるが、必要な要件がある
相談支援専門員になるには、厳密に国家試験をパスする必要はありませんが、実務経験と相談支援従事者とよばれる研修を修了しなければいけません。
実務経験は3から10年程度であり、相談支援業務か直接支援業務かによって必要年数が異なります。
ここでは、相談支援業務と直接支援業務の違いについて、さらに相談支援専門員に必須の相談支援従事者初任者研修について解説します。
相談支援業務の実務経験
相談支援業務とは施設や医療機関において、おもに障害者の自立支援に関わる相談業務に従事し、アドバイスや指導をおこなう仕事です。
例えば、障害児相談支援事業や身体障害者相談支援事業に通算3年以上携わってきたのなら、相談支援業務の経験があると認められるケースも!
他にも特別支援教育において障害を持つ児童や学生に対して、進路相談や教育相談の業務に従事してきた場合も5年以上の実務経験があればみなされます。
具体的な業務内容に関しては都道府県によって異なるため、相談支援業務に携わりながら相談支援専門員を目指している方は少なくとも3から5年以上の実務経験が必要であることを把握しておきましょう。
直接支援業務の実務経験
直接支援業務とは、障害者の入浴や食事の介助などの指導に関わる業務を指します。
具体的には、障害者支援施設や老人養護施設などにおいて介護職経験を担当していれば、この直接支援業務にあたります。
無資格かつ直接支援業務に従事した場合、通算10年以上の実務経験が必要です。
また、保育士や社会福祉主事任用資格を持っているのであれば、5年以上直接支援業務に携わっていれば実務経験ありとみなされることも!
さらに、介護福祉士や看護師といった国家資格が必要な業務に5年以上携わり、かつ相談支援業務もしくは直接支援業務に従事した場合、通算3年以上の実務経験でもなれます。
該当する業務や資格に関してはさまざまあるので、こちらに関しても相談支援業務と同様に確認してください。
相談支援従事者初任者研修
相談支援専門員になるには、実務経験だけではなく相談支援従事者初任者研修とよばれる研修を受けなければいけません。
相談支援従事者初任者研修は基本的に、3日間の講義と2日間の演習の合計5日間で、ケアマネジメントプロセスに関する知識、障害者の権利擁護や虐待防止の視点なども学びます。
ほかにも、相談支援専門員として実際に働くのに必要な援助技術や、利用計画案の作成、基幹相談支援センターや事業所から助言をもらいながら相談支援をおこないます。
日程やカリキュラムの内容に関しては都道府県によって異なるため、自分がうける地域のホームページなどをしっかり確認しておくようにしましょう。
相談支援専門員に必要な研修
相談支援専門員になった後も、キャリアアップや資格更新のために研修を受ける必要があります。
ここでは、相談支援従事者現任研修と主任相談支援専門員研修についてご紹介します。
相談支援従事者現任研修
相談支援従事者現任研修は、相談支援専門員としての資格更新のために5年ごとに受ける研修です。
この研修を受けなければ相談支援専門員としての資格を失うため、注意が必要です。
3から4日間にわたる講義と演習があり、スーパービジョンによって自身の相談支援のやり方が適切だったかどうかなどについて振り返りをおこないます。
主任相談支援専門員研修
主任相談支援専門員研修は、相談支援専門員から主任相談支援専門員になるために必要な5から6日間の研修です。
相談支援従事者として3年以上の実務経験が条件で、相談支援専門員としての基本的な知識だけではなく、人材育成や教育なども研修内容に含まれています。
研修の目的は、障害者対応やサービスの向上、そして地域と連携した相談支援ができる相談支援専門員の養成などが挙げられます。
ただし、それぞれの研修内容や開催時期に関しては地域によって異なるため、自分が受ける都道府県の情報を必ず確認するようにしましょう。
相談支援専門員の仕事内容とは
では、そもそも相談支援専門員の仕事とはどんなことをするのでしょうか?
相談支援専門員の仕事内容はおもに、基本相談支援・地域相談支援・計画相談支援・障害児相談支援の4つに分類されます。
ここでは、それぞれの仕事内容について解説します。
基本相談支援
基本相談支援はいわば相談支援全体のベースであり、障害者やその家族にヒアリングをおこない、福祉サービスや支援内容などを他機関と連携しながら情報を提供します。
おもに一般相談支援事業所や特定相談支援事業所などで勤務しています。
地域相談支援
地域相談支援は基本相談支援で福祉サービスを希望する方がいた場合、申請書類を作成したり他機関への連絡・調整など、実際にサービスを利用するための手続きをおこなう仕事です。
また、障害者支援施設を退所した利用者の生活をサポートする地域以降相談支援と、1人暮らしの障害者に対して相談業務をおこなう地域定着支援があります。
地域相談支援に従事する人は、一般相談支援事業所など地域の事業所で働くことが多いです。
計画相談支援
計画相談支援は障害者が、障害福祉サービスを利用するまでのサポートをおこなうサービス利用支援とその経過観察やサービスの見直しをする継続サービス利用支援に分けられます。
継続サービス利用支援は2カ月に1度モニタリングをおこない、定期的に障害者やその家族の相談にのることもあり、おもに特定相談支援事業所で働いています。
障害児相談支援
障害児相談支援とは、障害児が通所サービスを利用するうえで必要となる障害児支援利用計画書を作成する仕事です。
さらにその通所サービス利用後も支援をおこなうことを、継続障害児支援利用援助といいます。
障害児相談支援事業所に勤務しており、進路相談や教育相談の業務などに従事することもあります。
相談支援専門員の給料の相場
相談支援専門員の給料は常勤(正社員)か非常勤かどうかで異なり、常勤(正社員)だと25万円程度、非常勤だと18万円程度とされています。
相談支援専門員は国家資格が必要ではありませんが、障害福祉サービスの利用者の増加にともない、他の福祉関連の仕事と比較するとやや高い給料水準だといえるでしょう。
さらに施設や事業所によっては、基本給に加えて資格手当をもらえたり昇給・ボーナス制度があるケースも!
障害者やその家族と長期間にわたって関わる仕事であることから、基本的には常勤(正社員)で働く方の方が多いとされています。
無資格・未経験から相談支援専門員を目指される方でも収入アップが期待できるため、給料面もしっかりチェックしてみてくださいね。
無資格で相談支援専門員を目指す際に気を付けるべきこと
相談支援専門員は必須の国家資格がいるわけではなく、無資格からでも目指せる職業です。
しかし無資格だからといって仕事内容が簡単というわけではありません。
実際、周囲からは専門性が理解されないことも多く、施設や事業所によっては範囲外の業務や作業まで任されるなんてケースも!
もしこれから無資格で相談支援専門員を目指す方は、障害者への対応や知識だけではなく、福祉全般の知識を身に着けておくといいでしょう。
当然ですが、障害者のなかには子供や高齢者なども含まれますし、福祉関連の知識があれば就職活動のアピールにもなります。
相談支援専門員として働いている人のなかには、社会福祉主事任用資格・社会福祉士・介護福祉士のいずれかの資格保有者であることが多く、相談支援専門員の仕事のベースとなっている説いても過言ではありません。
相談支援専門員は無資格でもなれますが、より高いサービスや将来的なキャリアアップを目指すのであれば、知識やスキルが必須であるといえるでしょう。
介護士におすすめの転職エージェント3選
「無資格・未経験だけど相談支援専門員として働きたい!」そんな方のために介護職に特化したおすすめの転職サイトについて3つご紹介します。
どちらも介護業界の転職の大手だからこそ、あらゆる雇用形態に対応したたくさんの求人を紹介してくれます。
転職を考えている方や相談支援専門員に興味のある方はまず、登録から始めてみましょう。
かいご畑
かいご畑の特徴
- キャリアアップ応援制度がある
- 未経験・無資格で利用できる
- 運営会社が福祉系に強い
「かいご畑」は、無資格・未経験から介護業界を目指す方にオススメのサイト。
正社員・契約社員・派遣社員関わらず紹介してくれるので、自分に合った働き方が実現します。
さらにこれから相談支援専門員を目指す方や、もっとキャリアアップを目指したい方でも、資格取得に強い制度が整えられています。
\最短60秒で登録完了/
マイナビ介護職
マイナビ介護職の特徴
- 自分のペースで転職ができる
- 未経験・無資格で利用できる
- 希望している求人を探しやすい
「マイナビ介護職」は、エージェントが在籍しているので、他職種・他業界を目指す方でも手厚いアドバイスやサポートを受けられるのがポイント!
もちろん書類・面接対策もバッチリ対応してくれます。
働きながらでも自分のペースで転職活動ができるので、忙しい方におすすめです。
doda
求人数 | 約260,000件 |
---|---|
対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
dodaの特徴
- 取り扱い求人数が桁違い
- 面接対策などのエージェントサービスも手厚い
- 年収査定やレジュメビルダーなど転職準備のコンテンツが充実
- 転職フェアなども豊富
dodaは業界最大級の求人数を誇り、非公開求人なども紹介してくれます。
業界・職種問わず、転職に精通した専門スタッフが相談に乗ってくれるため安心!
応募書類の提出や面接日の調節なども代行してくれるので、効率的に転職活動をおこないたい方にオススメです。
\最短60秒で登録完了!/
dodaのエージェントは転職におススメのサービス!評判・口コミを徹底解説
まとめ~無資格でも相談支援専門員の求人はある!~
今回は、無資格で相談支援専門員になるまでに必要な要件や気を付けるべきポイントについて紹介してきました。
相談支援専門員は国家資格などが必須の仕事ではなく、実務経験や研修を受ければ無資格でもできる仕事です。
では実際に、無資格や未経験からでも相談支援専門員を募集しているところはあるのでしょうか?
相談支援専門員の勤務先には相談支援センターや基幹相談支援センターなどがありますが、病院や相談支援事業所であれば、無資格・未経験でも正社員として相談支援専門員の求人はあります。
無資格・未経験の場合、事業所によっては採用後に相談支援従事者研修があったり、資格支援制度などがあるケースも!
ですので、ブランクがある方や高校卒業後からでも相談支援専門員として働けます。
「相談支援専門員になりたい!」「将来的に資格を取る予定がある」といった方はぜひ、今回の記事を参考に無資格・未経験の求人を探してみてくださいね。