溶接の業務を専門的に行う溶接工。
溶接工の年収はどのくらいなのか、気になっている方も多いでしょう。
今回は溶接工の平均年収をご紹介します。
さらに、溶接工の年収はどのようにして決まるのか、溶接工が年収を上げるにはどうすればよいのかについても解説しました。
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溶接工の平均年収
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金」を見てみると、金属溶接・溶断従事者（アーク溶接工、ガス溶接工、レーザー溶接工）の平均賃金は、時給換算で1,154円です。
これを1日8時間、1ヶ月に20日働いたとして計算すると、お給料は18万4,640円。
年収で221万円と計算できます。
ただし、この基準値に働き続けた場合の能力・経験を加味すると、5年働いた場合の年収は298万円、20年働いた場合の年収は405万円です。
日本の平均年収と比較すると、溶接工の平均年収は、低い傾向にあると言われています。
とはいえ、上記のデータは実際の求人情報の内容とやや乖離があり、正社員の溶接工は年収350万円ほどという印象です。
- 上記の年収は、まず無期雇用かつフルタイムの労働者の「所定内給与額」及び「特別給与額（12ヶ月で除したもの）」を合算し、その額を各労働者の所定内労働時間で時給換算した平均値です。
- 過去3年分の統計値が算出に用いられています。
- 一般労働者の通勤手当相当分（72円）を控除して計算されています。
- その他の詳細は下記参考リンクをご確認ください。
溶接工の年収はどのように決まる？
溶接工の年収は、以下の3つの要素によって決まります。
POINT
- 経験年数
- スキル
- 勤務先
経験年数が長くなるほど、スキルが身につき、年収が高くなります。
また、溶接工をはじめとした職人のお仕事は、個人の技術力が年収に大きく反映されます。
対応できる溶接の種類が多いほど、難易度の高い溶接ができるほど、年収は高くなるので、ぜひスキルアップを目指しましょう。
また、勤務先によっても、年収は異なります。
大手企業や外資系企業では、年収が高くなる傾向です。
新卒の初任給は20万円程度が相場ですが、経験を積むにつれて、30代で400万円、40代で500万円程度の年収になるケースが多くなるでしょう。
熟練した溶接工になると、600万円以上稼ぐ人もいます。
また、溶接工に対して、歩合制の給与体系を採用している企業もあります。
歩合制の場合、溶接の量や品質によって給与が変動します。
スキルや技術を磨いて、高い歩合率を獲得することで、年収をアップさせることができるでしょう。
溶接工が年収を上げる方法
溶接工の年収は、個人のスキル・経験によるところが大きいとご紹介してきました。
では対応できる溶接の種類や仕事の幅を増やし、年収アップを目指すには、具体的にどうすればよいのでしょうか。
溶接工の年収をアップさせる3つのポイントをご紹介します。
溶接工の年収を上げる方法
- 資格取得を目指す
- 技術研修を受ける
- 転職を検討する
資格取得を目指す
資格の有無は、溶接工の年収アップに大きく関係する要素です。
溶接工には、さまざまな資格があります。
溶接工の資格
- アーク溶接作業者
- ガス溶接技能者
- ボイラー溶接士
溶接の種類によっては、国によって定められた資格を取得しないと、業務をおこなえません。
たとえば、ガス溶接に携わるには、「ガス溶接技能講習」の修了による「ガス溶接技能者」の取得が必要です。
さまざまな資格を持っていれば、現場で重宝されるほか、年収アップも狙えます。
会社によっては溶接工に資格手当を出しているところもあるので、早めに資格を取得しておくといいでしょう。
また、会社によっては資格取得の支援制度があります。
自社のルールを確認し、活用できる補助制度は、大いに利用しましょう。
技術研修を受ける
日々の業務に追われていると、なかなか新しい技術の取得は難しいものです。
しかし企業によっては、技術研修を実施しているところもあります。
技術研修を受けることで、新しいスキルや技術を身につけることができる場合もあるため、ぜひ前向きな姿勢で研修に参加しましょう。
転職を検討する
「現在の勤務先の年収に満足できない」「自分の経験に合った給与や待遇ではない」と感じる場合は、転職を検討するのも一つの方法です。
溶接工によくある転職理由
- 給与や待遇が不満
- 仕事内容や環境が不満
- キャリアアップやスキルアップを目指したい
- 新しいことに挑戦したい
- 生活環境を変えたい
転職先を検討する際は、年収水準を比較して、自分に合った企業を選ぶことが重要となります。
また、なぜ転職したいのか、転職によって何を実現したいのかを明確にしましょう。
目的が明確になっていないと、転職活動が迷走してしまいます。
「給与や待遇が不満で転職したい」という場合、まずは直属の上司に相談し、転職せずに不満を解消できないか試してみてください。
それでも不満が解消されないという場合、転職サイトや転職エージェントに登録して、よりよい職場を探しましょう。
年収を上げたい溶接工におすすめの資格
溶接工が年収を上げたいなら、資格を取得するのが近道です。
溶接工の資格
- アーク溶接作業者
- ガス溶接技能者
- ガス溶接作業主任者
- アルミニウム溶接技能者
- PC工法溶接技能者
- ボイラー溶接士
- 溶接管理技術者
- 溶接作業指導者
上記の中でも溶接工の資格として代表的な、アーク溶接作業者、ガス溶接技能者、ボイラー溶接士、溶接作業指導者の4つについて解説します。
まずはアーク溶接作業者やガス溶接作業者を取得するのがおすすめです。
アーク溶接作業者｜難易度：簡単
アーク溶接作業者資格は、溶接の基本を学ぶ入門資格です。
3日間の講習（学科11時間と実技10時間の21時間のプログラム）を修了するだけで取得できます。
費用は約1万円から2万3,000円と、比較的手軽です。
アーク溶接作業者を取得するメリット
この資格を持っていると、アーク溶接という、金属を接合する作業に従事することができます。
アーク溶接とは、気体の放電現象であるアークを利用して高熱を発生させ、金属を溶解・接合する方法です。
安全に作業を行うための基本的な知識と技術が身につけられます。
自動車工場、造船所、建設業など、多岐にわたる分野でアーク溶接作業者は求められています。
特に中小の工場では、手作業による溶接が中心であり、アーク溶接作業者の資格は引き続き価値を持ち続けるでしょう。
これから溶接工になりたい方や、趣味で溶接がしたいと考えている方に、アーク溶接作業者の資格取得はおすすめです。
ガス溶接技能者｜難易度：簡単
ガス溶接技能者は、アセチレンや他の加熱性ガスと酸素を使用して金属を溶かし、溶接や溶断作業を行うために必要な資格です。
資格の取得は比較的簡単で、ガス溶接技能講習を修了すれば手に入れることができます。
13時間の講習、うち学科8時間、実技5時間を経て、学科の修了試験に合格すれば資格を得られます。
講習費用は1万3,000円から2万2,000円と手頃です。
難しい試験ではないので、講習の内容を理解していれば合格できます。
ガス溶接技能者を取得するメリット
ガス溶接技能者の仕事は、金属を高温の炎で溶かし接合するガス溶接が中心です。
特に、薄い材料の溶接では、ガス溶接の技術が求められます。
自動車工場や造船所、鉄工所などでの需要が高いです。
ロボットによる作業が困難な場面でも、ガス溶接技能者は重宝されます。
ガス溶接の技能を磨き、経験を積めば、年収アップの可能性も広がるでしょう。
ボイラー溶接士｜難易度：中
年収を上げたい溶接工に、「ボイラー溶接士」の資格は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ボイラー溶接士とは、ボイラーや第1種圧力容器の製造、改造、修繕に関わる溶接を担当できる資格です。
ボイラー溶接に携わるプロフェッショナルは、高い技術力が求められます。
ボイラー溶接士は2種類
ボイラー溶接士は2種類に分かれ、それぞれが異なる職務内容と責任を持っています。
普通ボイラー溶接士は、25mm以下の厚さの溶接部や、特定の部品の取り付け業務に従事することができます。
一方、特別ボイラー溶接士は、さらに幅広い範囲のボイラーと第一種圧力容器の溶接業務に携わる資格となっています。
ボイラー溶接士を取得するメリット
ボイラー溶接士の資格取得のためには、実務経験と学科・実技の双方での試験にパスする必要があります。
溶接の基本技術と知識、そして実務経験が一定以上必要です。
ただ、その障壁があるだけに、持っている人材は貴重で、市場価値が相応に高いといえます。
特に、ボイラーを製造する工場や発電所など、安全と品質が最優先される業界での需要が高いです。
ボイラー溶接士の資格を持つことで、溶接の専門性を一段階上げ、より高度な技術力の習得と安定した収入が期待できます。
溶接作業指導者｜難易度：上
「溶接作業指導者」の資格は、溶接作業の専門家がさらなるキャリアアップを目指す際に、技術と経験を証明するものです。
特に、現場のリーダーやマネジメントする立場の役職を目指す方にとって、価値ある資格といえるでしょう。
溶接作業指導者の資格を取得するには、25歳以上でJISまたは公的団体の溶接資格と実務経験を持つことが条件となっています。
3日間の講習を受け、筆記試験に合格すれば、この資格を手に入れることが可能です。
合格率は高く、しっかりと講習に参加し、知識を吸収すれば、資格取得は難しくありません。
溶接作業指導者を取得するメリット
溶接作業指導者の資格を持つ溶接工は、工場や建設現場などで、溶接作業員の指導や教育、作業の監督を行います。
また、溶接の工程管理や溶接方法の指示、記録の作成など、マネジメントの役割も担当します。
そのため、技術だけでなく、人材のマネジメントスキルも必要です。
市場での需要は高く、特に経験豊富な溶接工が、自らのキャリアをさらに広げ、管理職や指導職を目指す際に、有利となる資格です。
経験とスキルを証明し、より高いポジションと年収を目指すための、一つのステップと言えるでしょう。
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溶接工におすすめの転職サイト・転職エージェント3選
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溶接工におすすめの転職サイト・転職エージェント3選をご紹介します。
溶接工におすすめの転職サイト・転職エージェント3選
- GATEN職
- 建職バンク
- ビズリーチ
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ビズリーチの特徴
- スカウト型の転職サイト
- 即戦力になる人材の採用に特化しており、登録に審査がある
- 待遇アップを目指したい溶接工におすすめ
- 有料プランが用意されている
ビズリーチは、スカウト型の転職サイトで、即戦力として活躍できる人材の採用に焦点を当てています。
年収アップを目指す溶接工には特におすすめのサイトです。
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溶接工として年収アップを目指そう
溶接工のプロフェッショナルとして、スキルと知識を高め、年収をアップする道は数多く存在します。
初心者から上級者、管理者まで、それぞれの溶接工に合った資格があり、キャリアアップに役立つものばかりです。
中でもアーク溶接作業者の資格は、溶接の入門としておすすめできます。
少ない投資と時間で資格が取得でき、就職機会が広がるでしょう。
一方、ガス溶接技能者は、ガス溶接の基本を学ぶ資格として、専門的なスキルアップを目指す方に適しています。
さらに、ボイラー溶接士は、特にボイラーや第一種圧力容器の製造と修理に特化した資格です。
技術力と経験が評価される資格であり、専門性を高め、安定した収入を得る手助けとなるでしょう。
これらの資格を活かし、専門性を高めれば、溶接工としての市場価値は確実に向上します。
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