厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、「居住施設・ビル等管理人」の職種の平均年齢は、52.5歳~55.4歳です。
ビルメンは平均年齢が高い職種であり、年齢関係なく未経験で転職しやすいと言われています。
とはいえ、50代・40代と年齢を重ねていると、「本当に未経験でビルメンに転職できるのか」と不安を感じるでしょう。
今回はビルメンの転職事情を、50代以上・40代・30代・20代の年齢別に解説します。
- 「ビルメンは年齢関係なく、未経験で転職しやすい」は本当。若い人のほうが転職活動で有利なのは事実だが、シニアでも問題ない。
- 20代でビルメンへの転職はやめとけという意見もあるが、これは必ずしも正しくない。
年齢を重ねている人がビルメンに転職する難易度はどれくらいか、採用率アップのためにどんな対策ができるか、「まだ若いならビルメンはやめておくべき」という噂は本当か、などのよくある疑問にお答えします。
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ビルメンは年齢を重ねていても未経験から転職しやすい
結論からお伝えすると、ビルメンの転職に年齢制限はありません。
たとえ年齢を重ねている人でも、転職しやすいお仕事です。
他の職種よりも、未経験の中高年やシニアを歓迎している求人が多く、40代や50代からでもチャレンジできます。
ビルメンは中高年が多い
そもそもビルメンとして働いている人は、全体的に年齢層が高いです。
50歳以上の中高年の割合が高いです。中には全員が50代や60代の現場もあります。
年齢を重ねている人や、転職回数が多い・経歴に自信がない人に対しても、寛容な傾向があります。
単純作業が多い
ビルメンになぜ中高年が多いのかというと、単純作業が多いからです。
ビルメンは毎日、ルーティンワークを中心にこなします。
- 建物内を点検し、チェックシートに記入する。
- もし設備に不具合があれば、自分で修理するか、業者を手配する。
とはいえ、いつ発生するか分からないクレームやテナントからのイレギュラーな要望に対応するのもビルメンの仕事なので、完全にルーティンワークではありません。
また最初は、意外と覚えることが多いです。
しかし一度覚えてしまえば基本的に毎日同じことの繰り返しで、仕事に対する成果は求められません。
営業職のようなノルマや、エンジニアのような納期もありません。
そのため未経験の40代や50代でも、職場に馴染みやすいという特徴があります。
身体への負担が少ない
身体への負担が比較的少ない職種・業務であることも、ビルメンに中高年が多い理由です。
ビルメンは作業服こそ着ていますが、下記の通り、本格的な肉体労働ではありません。
- 設備の監視や操作
- 電気設備の管理・保守
- ビルの衛生管理のための清掃や消毒
- ビルの警備
夜勤がどうしても合わないという理由で退職する人はいますが、体力が衰えてきた50代や60代でも、業務そのものは務まります。
年齢を重ねたビルメン経験者は転職で待遇アップを目指せる
ビルメン経験者だけど、40代や50代になってからの転職ってどう?
ビルメン経験者は未経験者よりも、同業他社への転職で有利です。
たとえ年齢を重ねているビルメンでも、転職そのものが可能なのはもちろん、年収アップや休日数アップなどの待遇上昇を実現できる可能性があります。
もう40代や50代なら別のビルメン会社への転職はやめたほうがいい、ということはありません。
もし「今の職場の人間関係が悪い」「通勤時間が長い」「パワハラがある」などと悩んでいるなら、無理せずに転職を検討してみてください。
スキル・知識を持っていると評価される
年齢を重ねたビルメン経験者が転職で待遇アップを目指せる理由は、スキル・知識を持っていると評価されやすいからです。
資格を持っているなら、なおさら評価は上がります。
企業側としては、未経験者よりも経験者を採用した方が、教育にかかるコストを省けます。
ビルメンの年齢別転職事情
ビルメンの転職事情を、年齢別にもう少し詳しく見ていきましょう。
ビルメンの年齢別転職事情
- 50代以上でもビルメンに未経験で転職できる
- 30代・40代でもビルメンに未経験で転職できる
- 20代はもっともビルメンに未経験で転職しやすい
50代以上でもビルメンに未経験で転職できる
ビルメンは50代以上の方や、定年退職した方でも、無資格・未経験で応募できる求人が多いです。
各求人媒体では、「シニアにおすすめの仕事」としてビルメンが紹介されることも多くあります。
50代以上がビルメンになるメリット・デメリット
多くのビルメン会社では夜勤や宿直があり、勤務形態はシフト制です。
昼働いて夜は寝る、という生活リズムが染みついている50代以上は、適応が難しいと感じることもあります。
しかしビルメンの仕事は、持っていると手当をもらえる資格が多いというメリットもあります。
今から専門性を身に付けたい50代以上や、学ぶモチベーションが高い50代以上にはおすすめです。
30代・40代でもビルメンに未経験で転職できる
ビルメンの転職市場では、40代未経験・無資格の人でも、まだポテンシャルがあると評価してもらえます。
もちろん30代も同様です。
中でも電工や空調などのビルメンと関連する職種の出身者は、転職で有利になりやすいでしょう。
30代・40代のビルメンを重宝する企業は多い
30代・40代は働き盛りの年齢です。
20代よりも社会人としてのマナーや、ビジネスマンとして必要な基本の能力が身についています。
また、結婚して家庭を持っている人もいる、20代よりも転職先が少ないなどの理由で、嫌なことがあっても我慢して仕事を続ける人が多いです。
ビルメンへの転職においても、30代や40代のこのような特徴は重宝されます。
20代はもっともビルメンに未経験で転職しやすい
転職市場では、年齢が若ければ若いほど有利です。
20代は幅広い仕事に未経験で転職できます。
もちろんビルメンにも、20代未経験で転職しやすいです。
「20代でビルメンはやめとけ」は必ずしも正しくない
20代の人がビルメンに転職すると、年齢を重ねている先輩から「若い人がこんな仕事をしていてはいけない」と言われることがあります。
「20代でビルメンはやめとけ」と言われやすい理由は、次の通りです。
- ビルメンは定年退職してからでも始められる。
- ビルメンは給料水準が低く、高い年収を目指すのが難しい。もっと稼げる仕事をするべき。
- 給料が低い・生活が不規則などが原因で、結婚できない。
- ビルメンは非正規雇用の割合が高い。正社員としてキャリアを積まないと将来苦労する。
- 単調な仕事で若さを浪費すべきではない。
- ビルメンは楽。他の仕事ができなくなる。
まとめると、「シニアと違って若い人は、選べる仕事の幅が広い。ポテンシャルを活かして、別の仕事をすべき」と考えている高齢の先輩が多い、ということになります。
しかし、「20代でビルメンはやめとけ」という意見は、必ずしも正しいとは言えません。
30歳以下、35歳以下といった年齢制限を設けているビルメン会社もあります。
若ければ若いほど、ホワイトな大手ビルメン会社に転職しやすいです。
また、年齢が若いうちに資格を取れば、資格手当をもらえる期間も長くなるので、お得です。
さらに若いうちからビルメンの仕事を始めれば、ビルメンとしての経験をたくさん積めるので、今後より待遇がいい会社にも転職しやすくなります。
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ビルメン転職の年齢に関するQ&A
ビルメン転職と年齢に関する疑問にお答えします。
ビルメン転職の年齢に関するQ&A
- 年齢が40代や50代でもビルメンへの転職を成功させるコツは?
- ビルメンは高齢者ばかりって本当?
- ビルメンは定年退職後にする仕事?
- ビルメンは給料が低いから年齢が若い人はやめとけ?
年齢が40代や50代でもビルメンへの転職を成功させるコツは?
「ビルメン4点セット」と呼ばれる資格を取っておくことです。
- 第ニ種電気工事士
- 2級ボイラー技士
- 危険物取扱者乙種4類
- 第三種冷凍機械責任者
ビルメンへの転職は無資格でも問題ありません。
しかしいずれかの資格を取っておくと、採用選考でアピールできます。
なお3種の神器と呼ばれる有名な資格もありますが、こちらはビルメン4点セットより難易度が高いので、転職後の取得をおすすめします。
また本やインターネットで、ビルメンの仕事について多少学んでおくのもおすすめです。
ビルメンは高齢者ばかりって本当?
インターネットでは「ビルメンは高齢者ばかり」という噂があります。
他の業界より、50代や60代の割合が高いのは事実です。
しかし20代や30代のビルメンもいます。
現場によっては高齢者ばかりということもあるので、インターネットの噂が完全に嘘というわけではありません。
しかし30代が中心になって活躍している現場も存在し、会社や配属先によると言えます。
若手から中高年まで、幅広い年齢層のビルメンが活躍しています。
ビルメンは定年退職後にする仕事?
ビルメンは定年退職後にする仕事だ、と言われることがあります。
ビルメンは確かに、定年退職してからでも始められる仕事です。
しかし「ビルメンは定年退職後にするものだ」という認識は偏見であり、自分に合っていると思うなら、何歳でも問題ありません。
年齢が若い人なら、正社員として転職しやすい・早くに資格が取れるといったメリットがあります。
ビルメンは給料が低いから年齢が若い人はやめとけ?
ビルメンは給料が低いとよく言われますが、実は日本人の平均年収とビルメンの平均年収は、ほとんど同じです。
ビル施設管理に従事する人の全国平均年収は、令和3年分民間給与実態統計調査によると、432.9万円です。
一方日本人の平均年収は、国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年(令和3年)の時点で443万円でした。
それにもかかわらずビルメンは給料が低いと言われる原因は、下記のものが考えられます。
- 年収200万円程度のシニア向けの求人が多い
- ビルメンは年齢による年収の差が少ない
- 30代や40代で昇給がストップする場合もある
- 月給30万~40万円台のビルメンもいるが、月給16万~20万円台で働いている人の割合が高い
- 非正規雇用の割合が高い
確かにビルメンは平均以上に大きく稼ぎにくい仕事ですが、若い人なら正社員としてビルメンに転職しやすく、これから「ビルメン4点セット」「3種の神器」などの資格を取って、給料を上げていくことができます。
たくさん稼ぎたい若者にビルメンは不向きですが、残業が少ない環境でゆったり働けるなら平均~少なめくらいの給料でいい、という若者には向いている仕事です。
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ただしビルメンへの転職では、同じ未経験者の場合、年齢が若いほうが有利です。
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