現場作業員は住宅・ビルなどの建設や、河川・ダムなどの工事で活躍しています。
しかし一口に現場作業員といっても、その職種はさまざまです。
一般的によく知られている大工やとび職だけではなく、「型枠大工」や「鍛治工」などの、あまり知られていない職種も存在します。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、建設業界で活躍する職種が53種類紹介されています。
今回は現場作業員たちの職種と仕事内容を、詳しく解説します。
また、現場作業員として働く楽しさや、つらいポイント、給料は高いのかどうかなどもご紹介します。
- 現場作業員の職種は「土工事職人」「鉄筋工」「配管工」「電気工」など
- 現場作業員はものづくりの仕事。体力的には大変だが、成果が形として残る点は楽しい
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現場作業員の職種一覧と仕事内容
現場作業員のおもな職種は、次の通りです。
各職種の仕事内容を確認していきましょう。
現場作業員の職種一覧
- 土工事職人
- とび職
- 鉄筋工
- 鍛治工
- 型枠大工
- 外壁職人
- 内装職人
- 左官
- 塗装職人
- 配管工
- 電気工
- 外構職人
- 大工
土工事職人
土工事職人は、「土工」とも呼ばれます。
道路や河川、ダム、トンネル、住宅などを造る現場で、埋め立て・盛り土・整地といった作業を手がけている職人です。
簡単に言うと、土を掘ったり運んだりする作業全般を担当します。
- 一般的な土工:土砂の運搬、コンクリートの攪拌(かくはん)、資材の運搬など
- 機械土工:ブルドーザーやロードローラー、油圧ショベルの操縦
資格を取ることで、重機の操作が可能です。
とび職
とび職は、江戸時代から続く伝統ある職人で、「現場の華」と言われる存在です。
建設現場で高所作業を専門的におこなう職人を指します。
とび職は作業内容によって、より細かく分類されることもあります。
- 足場鳶
- 鉄骨鳶
- 橋梁鳶
- 重量鳶
- 送電鳶
足場鳶は、建設現場で使用する作業用の足場の組み立てと解体をおこないます。
他の職人が作業に使う足場を設置するのも、最後に解体をするのもとび職なので、「建設は鳶に始まり、鳶に終わる」と言われることがあります。
鉄骨鳶は、ビルやマンションの骨組みとなる鉄骨を、高所の足場で組み上げる職人です。
また、橋、鉄塔、ダム、高架線などの大がかりな建造物の骨組みを作る「橋梁鳶」や、クレーンで重量物の設置をする「重量鳶」、高所で電気工事士をおこなう「送電鳶(送電線架線工、ラインマン)」もいます。
鉄筋工
鉄筋工とは、鉄筋コンクリート構造の建物をつくるときに、骨組みとなる鉄筋を組み立てる職人です。
ビルやマンションを建てるときに活躍します。
鉄筋工の作業工程は次の通りです。
- 施工図の作成
- 鉄筋を切ったり曲げたりして加工
- 施工図をもとに、加工した鉄筋を現場で組み立てる
- 完成した骨組みの検査
単に鉄筋を組み立てるだけではなく、使用する鉄筋の加工や、施工図の作成も担当します。
組んだ骨組みは最終的にコンクリートを流し込んで見えなくなってしまいますが、建物の強度を保つために欠かせないお仕事です。
鍛治工
鍛冶工とは、建設現場で金属を加工・溶接する仕事です。
下記に鍛冶工の仕事内容の例を挙げました。
- 工場やビルなどの鉄骨を溶接
- 避難階段や手すりなどの溶接
なおよく似た職種として、溶接に特化した「溶接工」がいます。
型枠大工
型枠大工とは、コンクリートを流し込むための「型枠」を製作・設置する仕事です。
建造物では次の通り、さまざまな部分にコンクリートが用いられています。
- コンクリートの基礎(建物の土台部分)
- 鉄筋コンクリートの建物の外壁・内壁・柱・梁
これらをつくる際に、コンクリートの「型」をまず製作するのが、型枠大工です。
型枠大工は、完成した型枠にコンクリートを流し込む作業や、コンクリートが固まったら型枠を解体する作業も担当します。
一般住宅・マンション・アパートなどの工事現場でも、橋やトンネルなどの工事現場でも活躍する職種です。
外壁職人
外壁職人とは、建物の外壁の施工を行う現場作業員です。
サイディングや塗料など、様々な壁材を取り扱い、外壁を美しく仕上げていきます。
- 塗装:建物の外壁に塗料を塗る
- サイディング:建物の側面を覆っている板状の素材を、外壁に貼っていく
- コーキング:建物の外壁のすき間に、コーキング剤(ゴムのようなもの)を充填する
外壁職人が施工する壁材には、建物を紫外線や雨風から守る役割もあります。
内装職人
内装職人とは、建物内部の仕上げ工事を行う現場作業員です。
壁紙貼りや天井のボード張り、床材の施工などを担当します。
なお内装職人の中には、以下の通り、特定の分野に特化した職人も存在します。
- タイル職人
- フローリング職人
- 畳職人
- ボード張り工
- 塗装工
左官
左官とは、建物の壁・床・土塀などにモルタルや漆喰を塗り、平滑に仕上げる現場作業員です。
左官のコテさばきによって、デザイン性や仕上がりに変化が生まれます。
内装や外装の最終的な美観を左右する、重要な仕事です。
次にご紹介する塗装職人と似ていますが、左官はコテで作業する職人、塗装職人はローラーやスプレーガンで作業する職人というイメージです。
塗装職人
塗装職人とは、建物の内外部の塗装を行う現場作業員です。
外壁、屋根、ドアなどを、刷毛やローラー、スプレーガンで美しく塗っていきます。
一般住宅はもちろん、橋の塗り替え等の大規模な公共事業にも携わることがある職種です。
また、新築とすでに建っている物件の両方で活躍します。
塗装職人が塗装をすることで、建物の見た目がきれいになるだけではなく、防水性や防腐性も高まります。
配管工
配管工とは、水道・ガス・空調などの配管工事を行う現場作業員です。
配管の設計から設置、メンテナンスまでを手掛けます。
- 衛生配管工:水まわりの配管工事を専門的に行う
- 空調配管工:冷暖房などの配管工事を専門的に行う
必要に応じて管を切断したり曲げたり、別の管材とつないだりするのも、配管工の仕事です。
床下をはじめとした暗所・狭い場所での作業が多くなりやすいという特徴があります。
電気工
電気工とは、建物内外の電気設備全般の設計・施工を行う現場作業員です。
一戸建て、マンション、オフィスビル、コンビニ、鉄道、空港、ダム、公共施設、鉄塔など、かなり幅広い現場で必要とされます。
- 配線工事
- 照明の取り付け
- 機器のメンテナンス など
資格がないとできない業務もあるので、「電気工事士」の国家資格の取得をおすすめします。
「第二種電気工事士」の上位資格が「第一種電気工事士」です。
外構職人
外構職人とは、建物の外周り全般の工事を担当します。
いわばエクステリア全般に携わる職人です。
- フェンスや門の設置
- 玄関までのアプローチをつくる
- 造園をする(花壇を作ったり、木を植えたりする)
- 駐車場の整備をする
なお、造園を専門的に担当する「造園職人」もいます。
大工
大工は、木造の建物を設計図通りにつくる職人です。
建材を現場に運び込み、建物全体の骨組みや、外壁の下地をつくります。
昔は大工自ら木材を加工していましたが、最近は工場であらかじめプレカットされた木材を使うことが増えてきました。
なお一口に大工といっても、担当する工程ごとに「建て方大工」と「造作大工」に分けられます。
- 建て方大工:建築物の基礎の上に、骨組みとなる柱や梁を木で組み立てる専門の大工。
- 造作大工:家の骨組み作りが終わったあとに、建築物の内部の大工仕事をする。壁・階段・建具・作り付けの家具などを設置する。
大工の中には、神社や仏閣などの、歴史的建造物の建築・修繕をおこなう「宮大工」もいます。
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現場作業員の職種で共通するやりがい
現場作業員として働いている人は、どのような点にやりがいや楽しさを感じているのでしょうか。
どの職種でも共通している、現場作業員の仕事のやりがいは、次の通りです。
現場作業員のやりがい
- ものづくりが楽しい
- 現場監督やエキスパートを目指せる
- 給料が高め
- 飽きにくい
- 社会貢献ができる
ものづくりが楽しい
まず、現場作業員は、「ものづくりが好き」という人が多いです。
- 建物が完成したときに、喜びを感じる
- 形に残る仕事ができる(特に大型のビルや橋、神社やお寺など)
- 「あれは自分が作った」と周りに自慢できる
- 一般住宅の新築やリフォームなどでは、依頼主から感謝されたり、差し入れをもらえたりする
もともと工作やDIYなどが好きな人や、手先が器用な人には向いています。
現場監督やエキスパートを目指せる
現場作業員は、学歴や職歴に関係なく、経験と技術力があれば評価されます。
どの職種でも技術を磨いていけば、将来的に現場監督や、高度な資格を持つエキスパートを目指すことが可能です。
資格を取ることで、資格手当も得られます。
さらに、将来的に独立も可能です。
一人親方(フリーランスの職人)になる道と、自分で会社を経営して従業員を雇う道があります。
現場作業員というと、日雇いやアルバイトでもできる単純な仕事というイメージを持っている人も多いですが、実際は技術を追求する職人の世界です。
給料が高め
建設業界で活躍する建設作業員は、給料が高めです。
たとえ高卒の人や、職歴・学歴に自信がない人、まったくの未経験から始めた人でも、資格を取得してどんどん専門性を上げていけば高収入を目指せます。
飽きにくい
現場作業員は、ひとつの現場での仕事が終わると、次の現場での作業にあたります。
手がける建造物に、一つとして同じものはありません。
さまざまな経験を積むことができ、飽きにくいと言えます。
社会貢献ができる
インフラや公共施設、住宅などを手がける現場作業員は、社会の基盤を支える重要な役割を担っています。
自分の仕事が目に見える形で社会の発展に貢献しているという誇りと、大きな満足感を感じることができます。
現場作業員の職種で共通するきついところ
現場作業員として働くにあたって、どの職種でも共通している「きつい」「つらい」と言われているポイントを知っておきましょう。
現場作業員のきついところ
- 朝が早い
- 暑さ・寒さがつらい
- 体力的にきつい
- 危険を伴う
朝が早い
多くの現場作業員は、屋外で作業します。
夜になると辺りが暗くなり、作業しづらくなってしまうので、他の職業よりも朝が早いです。
会社によりますが、8時頃から作業を開始して、17時頃には終業となります。
早い時間に起床する必要があるので、朝が苦手な人はつらいと感じるかもしれません。
暑さ・寒さがつらい
現場作業員は、屋外での作業が中心なので、季節による気温の変動に大きく影響されます。
特に日中の炎天下での作業は、熱中症のリスクが高いです。
寒い冬場は凍えるような寒さの中での作業になります。
体力的にきつい
また現場作業員は、体力を要する作業が多いです。
- 重い材料の運搬
- 長時間にわたる立ち仕事
体力的にきつく、疲労が蓄積しやすい点は、覚悟しなければなりません。
危険を伴う
現場作業員は、危険を伴う仕事が多いです。
職種によっては、高所の足場や、屋根の上に登って作業をするシーンがあります。
転落事故に注意しなければなりません。
また重機を扱ったり、刃物で建材をカットしたりする作業も、危険を伴いまます。
事故のリスクを最小限に抑えるために、安全管理や危険予知の徹底をおこないましょう。
現場作業員の職種に関するよくある質問
現場作業員の職種に関する、よくある質問に回答します。
現場作業員の職種に関するよくある質問
- 建築現場の作業員には職種カーストがある?
- 現場作業員におすすめの資格は?
建築現場の作業員には職種カーストがある?
躯体の主要工事をおこなうとび職や鉄筋工などの職種は、現場作業員の中でもカーストが上だと言われることもあります。
しかし長年の経験を持つ職人は、職種に関わらず尊敬されることが多いです。
ひとつの建造物が完成するまでに、さまざまな職人さんが関わります。各職種が尊重し合い、助け合うことが大切です。
現場作業員におすすめの資格は?
現場監督へのキャリアアップにおすすめな資格は、「施工管理」です。
職種によって目指すべき施工管理の資格には、以下の通り違いがあります。
また「玉掛け技能講習」や「小型移動式クレーン運転技能講習」なども、汎用性が高めの資格です。
現場作業員になるには?
求人サイトや転職サイトで、現場作業員の求人を探して応募しましょう。
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現場作業員は職種ごとに仕事内容が異なる
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彼らはそれぞれの分野に特化した職人であり、その道のエキスパートです。
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