年齢を重ねるほど厳しくなる転職市場。
アラフォーの転職ともなると、そもそも「転職できるのか」から考えて転職活動を行うことになります。
35歳以上の女性が転職できるとしたらどんな業界か。
アラフォー女性が転職活動を成功させるには、どんなことに注意して転職するべきなのか。
生活スタイルなどで考えることが違うアラフォー女性の転職について、今回は詳しくお話していこうと思います。
アラフォー転職をとりまく社会情勢
まずは、アラフォー女性を取り巻く転職情勢から調べてみましょう。
アラフォー女性はそもそも転職しているのか?
転職しようと考えたとしても、転職できるのか?
今後を考える方ならなおさら、心配になる方が多いはず。
正社員で働くアラフォー女性自体が少ない
総務省の調査によると、アラフォー世代女性の就業率はおよそ71.8%という結果になっています。
その中でも、正社員として働くひとの割合は29.5%にとどまっています。
つまり、アラフォー世代女性は7割以上の人が働いているものの、ほとんどが非正規雇用で働いているということがわかります。
この時点で、「非正規雇用は転職で不利」なことを考えても、アラフォー女性の転職は先が思いやられます…。
ということでまず知っておいてもらいたいのが、「アラフォー世代の女性で正社員として働いている人自体が珍しい」ということです。
この前提条件ありきで、今後の話も進めていきます。
アラフォー女性は転職に消極的
そして、働くアラフォー世代は、転職活動にも消極的です。
転職する人が5%程度しかないことを考えると、アラフォー女性の転職に対する意気込みの低さを見て取れます。
アラサー世代はアラフォー女性の3倍転職活動に励んでいることを思うと、年を追うごとに転職の意思が下がっているのかなと考えてしまいます。
生活、家庭もあるアラフォー女性が多いですから、現実的なことを考えた結果転職しない、という決断に至ったともみえます。
アラフォー女性は転職しにくいのか?
さて、「転職しよう」と考える女性自体が少ないことはわかりました。
しかし実際、転職を考えたアラフォー女性にとって転職は難しいのか否か。
アラフォー世代の転職活動について、今一度考えてみることにしましょう。
年齢の問題
アラフォー女性の転職において、やはり考えなくてはいけないのが「年齢」です。
アラフォーだろうとなんだろうと、やはり年齢を重ねたほうが転職で不利になります。
会社が中途採用を行う際考えるのはやはり、「少しでも長く働いてほしい」ということ。
アラフォーで、しかも女性ともなると若者よりハンデを負って転職することになります。
35歳以上という年齢の時点で、それなりに条件をしぼった転職活動を行うことになるでしょう。
そもそも、アラフォーで申し込める求人が少ないということで、スタート地点から転職活動で躓いてしまうかもしれません。
育児の問題
アラフォー女性の多くが、「生活」を抱えています。
結婚しており、子供がいて、育児に追われている人。
それゆえ、「勤務可能時間」に制限が出てしまう。
または、子供の急病などの対応で、予期せず早退や欠勤がある、など。
会社側としては、できれば安定した勤務をしてほしいわけですから、この時点でアラフォー女性の転職は不利です。
アラフォー女性の転職の鍵を握るポイント
ここまで「アラフォー女性転職」が多少厳しい条件で行うことになるとお伝えしてきました。
しかし今回知りたいのは、「アラフォー女性が転職活動を成功させるには」という内容です。
ここからは前向きに、「どうすればアラフォー女性が転職活動を成功させられるのか」という内容にシフトしていきたいと思います。
厳しい条件での転職にはなりますが、しっかりと前持った準備を行えば、かならずや希望通りの条件で転職できるはずなのです。
スキルがあるか
やはり、転職においてスキルの有無は重要です。
もはや、スキルの有無は転職活動において一番求められる条件、と言っても過言ではないほどです。
なんのスキルも経験もない転職活動では、必然的に「未経験の転職」となります。
35歳以上で、未経験の転職を行うとなるとかなり難しいです。
そこには年齢の問題など、多くの要素が絡んできます。

資格はあるか
資格を持っているかどうか、転職でかなり重要です。
初対面の人と会って、「この人がスキルや知識を持っているか」判断する材料というのは、学歴とせいぜいこの保有資格くらいしかないのです。
アラフォー転職という厳しいところで戦おうと思っているなら、少しでも多く資格を持っておくことが大切です。
面接で語れるスキルが多いほど、履歴書や職務経歴書に書ける内容が多いほど、35歳以上でも中途採用される可能性は高くなっていきます。
逆に経験もない、資格もない、ただ歳は35歳以上、という女性は企業目線で見て「採用したい」とは思わないですよね。
どれくらいの時間働くことができるか
勤務可能時間をどれくらい捻出できるか。
時間の分野も大切です。
転職して正社員として働きたいなら、「フルタイム勤務」が基本になります。
自分が働ける時間を選んで働きたいなら、それこそパート勤務や派遣社員勤務でも問題ないはず。
正社員として働きたいなら最低限、「フルタイム勤務できる」姿勢を求められます。
独身のアラフォー女性が転職するべき職種
ここからは、アラフォー女性が転職を考えるべき職種についてご紹介していきます。
まずは、独身で配偶者もいないアラフォー女性が転職するべき職種から。
独身で家庭を持たないなら、制限を受けない転職をすることができるようになります。
保険営業
顧客に保険を絡めたライフプランを提案するのが、保険営業の仕事。
他の営業職と比べても、比較的女性が多く、女性が働きやすい職種です。
保険募集人の資格を持っていれば、仕事ペースをさらに柔軟に調整できます。
たとえ家庭ができても、ある程度働き方に自由が効く仕事でもあります。
医療事務
事務の経験、資格やスキルを持っているなら医療事務もおすすめです。
病院や診療所の受付で、患者さんと話しながら看護師や医師との橋渡しを行う仕事です。
病院がある地域なら、どこでも求人が出ているのもメリットの一つ。
診療費や薬剤の料金計算、診療内容点数の計算とそれにまつわる知識も求められるなど、勤める職場によっては資格やスキルが求められる場合も。
医療事務で働くつもりの女性なら、医療事務管理士技能認定試験などの専門資格を取っておくとさらに有利です。
ファイナンシャルプランナー
アラフォー女性の転職には、ファイナンシャルプランナーもおすすめです。
保険や税金の専門家であるファイナンシャルプランナーは、女性も多く働いています。
ファイナンシャルプランナー資格を持っていれば、たとえ女性でも働きやすく、さらにファイナンシャルプランナーの実務経験があれば他分野への転職も可能になります。
ITエンジニア
ITエンジニアは、知識がモノをいう専門職ですが、現在IT業界が人手不足であることもあり、転職は可能です。
ITエンジニアやWEBデザイナー等、IT関連で働く職種なら需要が高いです。
人手不足であることもあり、たとえITの専門知識がなくとも、経験が乏しくとも、実績がなくとも、採用可能性がある求人を見つけることはそこまで難しくないはず。
配偶者がいるアラフォー女性が転職するべき職種
配偶者がおり、これから子供ができる、またはすでに子供がいるアラフォー女性の転職先も考えておきましょう。
接客
接客・販売系はアラフォー女性の典型的な仕事先でしょう。
求められるスキルが少なく、時間を選んで働くことができるため仕事に困りません。
日常の中に仕事を取り入れやすいのが、この接客・販売の仕事です。
しかしこの先AIが発展することなどを考えると、長い目でみてニーズの強い仕事ではないかな、という気もしています。
一般事務
アラフォー女性であっても即戦力として採用されやすいのが、一般事務です。
デスクワークで残業も少ないので、たとえ家庭を持っている女性でも働きやすいのがメリットです。
一般事務なら、派遣社員や正社員など、あらゆる働き方で働くことができます。
自分の希望する働き方で働ける一般事務で働くアラフォー女性は多いです。
翻訳
語学スキルがある、ということ前提にはなりますが「翻訳」も意外と働きやすい仕事です。
翻訳の求人の多くが「未経験可」であること、ネット上で案件を探せるなどのメリットがあります。
翻訳対象は医学書から貿易関係書類まで、様々です。
アラフォー女性が転職活動を成功させるには
もう少し具体的に、アラフォー女性の転職活動が成功しやすくなる秘訣について調べていきましょう。
「どうすれば転職活動を成功させられるのか?」
それを考えておかないと、成功するものも成功しません。
自分で転職の型を決めすぎない
確かにアラフォー女性の転職は、第二新卒、アラサーの転職活動と比べるとかなり厳しくなります。
しかしだからといって「自分の転職活動は難しい」「できる仕事は少ない」という思い込みで、行動を狭めるべきではありません。
自分の転職活動をどのように進めるか。
どの職種に転職するべきか。
どこに転職できるのか。
実際に考えて答えを出すのはあなた自身なのです。
徹底的に自己分析する
何歳の転職でも同じことですが、「自己分析」は必須です。
自分は今まで何をやってきたのか。
どんな仕事で、なんのスキルを身に着けてきたのか。
そうした過去の経験の一つ一つが、未来の転職に結びつくのです。
よく転職活動で最初に「スキルの棚卸しをしろ」と言いますが、スキルの棚卸しとはつまりこの自己分析に他なりません。
自己分析して、自分の過去と未来を結びつけて転職活動の道筋を考えること。
この一連の作業が、アラフォー女性には求められる仕事です。
前もって転職活動の準備をする
前もって転職活動の準備をすることが大切です。
厳しい戦いになるとわかっているなら、前もって戦いに備えるのは当然のこと。
絶対に行う「書類提出」の準備や、申込先企業の研究など、やることは多いです。
その後の展開がどれだけ自分にとって動きやすい、都合の良いものになるかは、この時行う準備次第と言っても過言ではありません。
見やすく、無駄のない履歴書、職務経歴書を作って、採用担当の心象を良くしましょう。
アラフォー女性の転職は次が最後のチャンスと思って
ただでさえ厳しいアラフォー女性の転職。
年齢や、家族など生活があることもスムーズな転職の足を引っ張ります。
つまり、35歳以上の年齢では転職できても残りの回数はあと一回だと思うべきです。
次が自分にとって最後の転職になる覚悟を持って、転職活動に臨みましょう。
やりたいことを仕事にする
年齢的にも、ある程度自分の自由に転職できるのは今回が最後だとお伝えしました。
今の自分の仕事で不満があるならなおのこと、転職したら次は「やりたい仕事をやる」ことを考えましょう。
「自由な転職」というのは得てして難しいものです。
過去のスキルや経験に自信がないならなおさらです。
しかし、ここで後悔する転職をしてしまったら、いよいよあなたには後がないのです。
アラフォー女性の転職 まとめ
今回は、転職を考えているアラフォー女性のために、「どうすれば転職活動が成功するか」「そもそも転職は可能か」「転職するならどこがおすすめか」などのお話をしました。
アラフォー女性ともなると、転職活動は俄然厳しくなります。
しかしアラフォー女性でも、条件を絞って、自分にあった転職活動をすることでかならずや理想通りの転職ができます。
転職活動は一人で行うものでもありません。
困ったときは、転職経験がある人など、あなたに助言をくれそうな人へ相談を持ちかけてみてください。