銀行や証券会社などに代表される金融業界のお仕事は、一般的に堅実なイメージをもたれる事がおおく、転職を検討する人も少なくありません。
また転職だけではなく、金融業界でよりキャリアアップを図っている方も多いでしょう。
しかし、専門的な知識が多く必要な金融業界へ転職するためには、どのような資格が有利になるのか理解できていないと不安ですよね。
この記事では、金融業界への転職を考えている人や、現在身を置いている金融業界でさらなるキャリアアップを狙いたい人に向けて、オススメの資格を紹介していきます。
ぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
金融業界の資格にはどんな種類があるの?
まずは、金融業界にはどの様な種類があるのか理解しておきましょう。
こうすることで、のちのち自分がどの資格を取得するべきか選ぶ時の参考にもなります。
業務独占資格
「業務独占資格」とは、「業務に携わる人が必ず持っていなければならない」と、法律で定められている資格の事です。
さらに、この資格は弁護士や公認会計士などに代表される「有償業務独占資格」と、お医者さんや司法書士などが含まれる「無償業務独占資格」に分けられます。
資格の重要性が高いことから、難易度は高い傾向にありますが、キャリアアップを狙いたい場合には必要となる事も多いでしょう。
金融企業での業務に必須な資格
上で解説した「業務独占資格」とは別に、企業で働く上で必須な資格も中にはあります。
例えば株式や債券など、金融商品の営業や販売には「証券外務員」という資格が必須のものです。
他にも、不動産を売買する上では「宅地建物取引士」という資格が必要であったりと、さまざまなものがあるため、自分が携わりたいお仕事に必須のものは必ず取得を目指してください。
スキル習得や転職に役立つ資格
3つめは、「スキル習得や転職に役立つ資格」です。
上で解説した二つの資格のように、業務を行うために必須と言うものではありませんが、自分のスキルを分かりやすくアピールしたり、資格取得を目指して勉強を重ねるたりする事で転職に有利に働いたりと、多くのメリットがあります。
未経験者が資格を取得する上での注意点
上では金融業界に関する資格の種類を3つ解説しました。
ここで、未経験者が資格を取得する場合の注意点について解説します。
まずこれから解説する資格の中には、受験資格に一定期間の実務経験が定められているものも多くあるという事をおさえておいてください。
またそういった資格は難易度が高いものも少なくないため、未経験者の場合はまずは合格率が高い資格から順番に取っていく事をオススメします。
難しい資格の取得は、金融業界で働き始めたあとでも遅くはありません。
金融業界への転職やキャリアアップの武器になる資格10選
ではいよいよ、金融業界への転職やキャリアアップの武器になるオススメの資格を解説していきます。
金融業界は専門的な知識が要求される場面が非常に多いため、難易度が高いものも多くありますが、ご自身のレベルや業務内容に合ったものを選択することが大切です。
やみくもに取得を目指すのではなく、計画的に取得を目指してくださいね!
- 簿記
- 証券外務員
- 証券アナリスト
- 公認会計士
- 税理士
- ファイナンシャルプランナー
- 電子会計実務検定
- アクチュアリー
- 貸金業務取扱主任者
- 銀行業務検
自分が携わりたい分野と照らし合わせながら確認してみましょう!
①日商簿記検定
金融業界で役立つ資格として、最もポピュラーとも言える資格の一つが「日商簿記検定」です。
日商簿記検定は、お金や財務状況を誰が見ても分かりやすくまとめるスキルや、会計や経理の知識などを証明するための資格です。
日商簿記検定はそれぞれ「原価計算初級」、「簿記初級」、「3級」、「2級」、「1級」の等級に分かれていますが、未経験者が転職を有利に進める場合には2級以上の取得を目指しましょう。
3級以下は初歩的な内容を扱うために、現場で活きるスキルとして評価してもらえない場合が多いからです。
2級のレベルは企業の財務状況が把握できる程度、1級のレベルは企業の財務管理を担当できる程度とされています。
また、難易度の高い資格の受験内容には、簿記の能力を問うものも少なくないため、先ずはこの日商簿記検定を取得することで、今後金融業界で活躍するための土台を作り上げる事ができるのです。
2級の合格率はおおむね10%と難易度は高めですが、長期的に金融業界で活躍するための登竜門として、多くの人が挑戦しています。
②証券外務員
銀行や証券会社で働く場合に必要なのが、こちらの「証券外務員」です。
証券外務員とは債券や株式といった有価証券を売買する上で必須の資格であり、銀行や証券会社の業務に従事するために、取得を義務付けられることが多い資格です。
また取り扱う分野は有価証券だけでなく、通貨や預金なども含まれるため、銀行員としてお客様に預金をオススメする場合にもこの資格が必須となります。
この資格を取得することで、お金の流れや金融の仕組みといった基礎的な知識を身につける事ができるため、ぜひ取得しておきたい所です。
コツを押さえて勉強すれば、独学でも十分に取得可能な難易度なので、ぜひチャレンジしてみてください!
③証券アナリスト
証券アナリストとは、投資や金融に関する高い知識があり、金融のプロフェッショナルとしてのスキルがある事を証明できる資格で、金融業界以外でも強みになる資格の一つです。
具体的な例としては、社会的状況や経済の動向を分析したうえで、投資に対して価値があるか無いかを判断し、クライアントに投資に関するアドバイスを与えたり、株式市場の動向を調査して世に発表したりといった事を行います。
上で紹介した証券外務員が主に株式や債券の売買に携わるのに対し、証券アナリストは投資に関する価値を分析・判断する事が特徴です。
独学での取得はかなり厳しいため、通信講座を受講することがオススメです。
また、資格の付与には試験に合格した年から3年以上の実務経験が必要なため、キャリアアップを狙う人向けの資格と言えます。
④公認会計士
「公認会計士」とは企業の監査や税務処理を行ったり、財政状況を分析して、得られた結果からアドバイスを行うコンサルティング業務を行ったりと、財務管理の知識を幅ひろく駆使することができる資格です。
金融業界でも知名度の高い資格の一つで、難易度はおおむね10%前後とかなり高くなっていますが、活躍できる分野が幅ひろい事、信頼性のある資格である事などから、人気のある資格の一つです。
⑤税理士
税理士は、企業や個人に代わって青色申告や確定申告の申請を行ったり、それらに関わる書類を作成したりと、税務会計のエキスパートです。
また、複雑な税金の仕組みや節税対策などの相談にのることも、税理士の大切な仕事の一つであり、企業にとっても非常に頼れる存在ともいえます。
また、試験に合格した後は2年以上の実務経験がないと税理士として登録することができないため、注意が必要です。
この資格をもっていれば、企業や会社内での活躍が見込めるだけではなく、将来の独立も狙えるため非常に有利な資格といえます。
⑥ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは税金や年金はもちろんの事、投資や不動産売買といったお金の流れや有効な活用方法などに関する幅ひろい知識がある事を証明する資格です。
3級から1級の等級にわかれており、いずれの級でも学科試験と実務試験が設けられています。
「金融財政事情研究会」と「日本FP」協会の2つの団体が実施していて、実務試験の内容に若干の違いがある事も特徴です。
2級以上の取得は独学ではかなり難しいため、通信教育などを受講することがオススメです。
ファイナンシャルプランナーの資格をもっていれば、証券会社や銀行など、様々な金融業界の現場で活躍できるでしょう。
⑦電子会計実務検定
「電子会計実務検定」とは、様々な会計ソフトを使った業務のスキルを証明する検定です。
具体的には、「会計王」、「勘定奉行」、「弥生会計」、「PCA会計」の4つの会計ソフトの技量を問われ、3級から1級に分かれています。
1級はこれらの知識を経営に活かすことができるレベル、2級は財務状況の管理担当できるレベル、3級は一般的な経理担当者や社会人向けのレベルとなっており、それぞれに受験資格が設定されていないため、だれでも受験が可能です。
今やPCなしでは金融業界の業務は成り立たないため、スキル取得の意味でも非常に有効な資格と言えるでしょう。
ただし、簿記の知識を問う問題も多数出題されるため、まずは先に挙げた「日商簿記検定」を取得することをオススメします。
⑧アクチュアリー
アクチュアリーは、生命保険や年金の金額の算定や、企業の資産運用などに携わるための知識を証明する資格です。
また、統計学や数理学の知識をフル活用して、新たな保険商品の開発や新規金融サービスの設計などにも携わります。
認知度はそれほど高いものではなく、取得している人もまだ少ない現状がありますが、専門的な業務を取り扱えたり、非常に高度な知識を持っている事の証明になったりと、需要が高い資格の一つです。
資格の取得には1次試験と2次試験に合格する必要があり、1次試験では「損保数理」「数学」「年金数理」「生保数理」「会計・経済・投資理論」の5科目の中から選択しての受験となります。
2次試験は、これら1次試験の全ての科目に合格しないと受験することができないため、非常に取得が困難ですが、それだけ金融業界でのキャリアアップが狙えるでしょう。
年単位の対策が必要ですが、より高度な金融業界の人材に成長したいひとにはオススメです。
⑨貸金業務取扱主任者
「貸金業務取扱主任者」とは消費者金融やクレジット会社など、貸金業を営む事業所において特に有効な資格の一つです。
貸金業の事業所には、50人に1人の割合で貸金業務取扱主任者の設置が義務付けられていますが、スキルや知識向上のために、各従業員に取得が奨励されることが多いです。
従業員に法定金利や貸金業に関する法律を指導できることはもちろん、キャッシングや融資など、貸金業に関する幅ひろい知識を身につける事ができるでしょう。
特にコンプライアンス強化が様々な方面で叫ばれている現在では、貸金業に関する正しい知識をもっている貸金業務取扱主任者の取得は、貸金業で活躍する上で非常に有効な選択と言えます。
⑩銀行業務検定
「銀行業務検定」は、法務や財務から、外国為替や投資信託といった、金融業界内の非常に幅ひろい能力を証明するための検定です。
銀行業務検定という名前から銀行でのお仕事に役立つイメージをもたれる事がおおいですが、扱う領域の幅広さや深い知識から、証券会社やクレジット会社などにおいても非常に役に立つ検定といえます。
それぞれ23系統36種目にも及ぶ試験が実施されており、年間の受験者数は20万人を大きく超える非常に人気の検定です。
海外での金融業界に挑戦したい場合
ここまでは、おもに日本国内の金融業界で役立つ資格や検定を解説してきました。
次に、海外の金融業界での活躍を狙っている人にむけて、オススメの試験や資格を紹介します。
総じて難易度は高めですが、キャリアアップをする上では非常に有利に働くでしょう。
- TOEIC
- CFA
- CIIA(国際公認投資アナリスト)
それぞれ解説していきます。
TOEIC
海外で活躍したい方がまず受けておきたい試験は、英語のスキルを証明できる試験として世界的に有名なTOEICです。
試験は読み取り能力や聞き取り能力を問う「TOEIC L&R」、スピーキング能力や書き取り能力を問う「TOEIC S&W」など様々な種類があります。
実用英語技能検定(英検)のように1級、2級のといった等級で分けられているのではなく、990点満点のスコア方式となっているのも大きな特徴です。
英語圏で最低限不自由なく生活ができるためには少なくとも500点程度の点数が必要で、海外でビジネスパーソンとして生活するためには900点以上は必要でしょう。
海外で活躍するためには「TOEICスコア〇〇以上」という条件が設定されている企業も少なくないため、ぜひ受験を検討してください。
CFA
CFAとは、Chartered Financial Analyst の頭文字をとった略称で、国際的な金融のプロフェッショナルである事を証明する資格です。
金融業界では非常に有名かつ、大きなステータスを証明できるものとして知られており、スキルアップやキャリアアップの為に、多くの人が挑戦しています。
日本はもちろん、世界中の金融業界で大きな信頼性を得ている資格であるため、海外の金融業界で活躍したい人は、ぜひ取得しておきたいところですね!
CIIA(国際公認投資アナリスト)
上で解説したCFAと同じく、国際的に広く認知されている金融系資格の1つがこちらの「CIIA(国際公認投資アナリスト)」です。
スイスを初め、ヨーロッパでの認知度が特に高いため、上で解説したCFAに対して「欧州版CFA」と呼ばれることもあります。
株式売買や投資に関する非常に深い知識がある事を証明できるため、この資格を持っていれば、海外の金融業界でも第一線で活躍することが期待できるでしょう。
金融系の仕事に転職するために資格を取得するメリット4選
ここまで様々な資格や検定を紹介してきましたが、これらを取得する事でどの様なメリットがあるのでしょうか。
主なものを4つに絞って解説します。
- 採用の確率が上がる
- 技能を客観的に判断してもらえる
- 資格手当が貰えることもある
- キャリアアップに有利
順番に目を通していきましょう!
①採用の確率が上がる
1つめの大きなメリットは、「採用の確率が上がる」という点です。
資格は知識や技能の証明になるだけではなく、金融業界で働く上での熱意ややる気を判断する上でも非常に重要な材料なのです。
特に未経験者が金融業界へ飛び込む上では、資格をもっていることは金融業界で長く活躍したいという思いの表れとして高く評価してもらいやすくなるといえます。
②技能を客観的に判断してもらえる
「技能を客観的に判断してもらえる」という点も、大きなメリットの1つです。
たとえば面接の場で、「うまれながらの理数系人間で、数の扱いや計算には自信があります」と答えたとしても、面接官は具体的にどの程度の計算能力を持っているのか判断ができません。
一方資格を持っていれば、その人が持っている計算能力が実務上でどれほど役立つレベルなのかを、面接官は理解しやすくなるのです。
漠然とした能力を明確に提示するためにも、資格は非常に役立つ材料といえます。
③資格手当が貰えることもある
企業の中では資格手当を支給しているところも少なくありません。
資格を持っているだけで毎月の給料が増える事を考えれば、収入アップに非常に有利と言えますね。
加えて、一般的に資格の難易度が高いほど資格手当の額は増える傾向があります。
ステータスの証明だけではなく、実際の収入にも直結しうる資格は、年収アップを狙う上でもとても強力な武器となるでしょう。
④キャリアアップに有利
より高度な金融人材に成長するためには、それだけ深い知識が必要です。
資格取得に向けて勉強を重ねる事で、より深い知識を身につける事ができるでしょう。
特に税理士や公認会計士といった業務独占資格は、将来金融業界で独立を考えている人にとって必須のものです。
キャリアアップを狙う上でも、資格の取得はとても有利に働きますよ!
資格の優先順位を考えよう!
資格を取得する上では、「たとえ難易度が高い資格であっても、携わる分野によってはあまり役に立たない事がある」ということを忘れないでください。
たとえば海外への進出は考えておらず、あくまで日本国内の金融業界で活躍したい方にとっては、語学の勉強よりも金融系の資格取得を目指した方が効果的な場合もあるのです。
もちろん、グローバル化が進んでいる現代では語学の勉強も非常によい選択肢ですが、優先順位をつけて一つ一つ資格を取得する事がおすすめです。
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まとめ〜金融業界への転職にオススメな資格と内容〜
この記事では、金融業界への転職を考えている人や、金融業界でよりキャリアアップをしたい人に向けて役立つ資格や検定を様々解説してきました。
金融業界は専門的な必要な場面も多く、難易度の高い資格も少なくありませんが、いずれの場合においても、資格の取得には大きなメリットがあります。
自分のキャリアプランと見比べながら、ぜひ色々な資格の取得を目指してみてください!