相談支援専門員を目指す方のなかには、「相談支援専門員の年収ってどのくらい?」と思われる方もいるでしょう。
また現在、相談支援専門員として働いている方のなかには「自分の給料って低いの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、相談支援専門員の年収の相場やキャリアアップ・年収アップのコツについて解説します。
相談支援専門員として働いていて、「給料を上げたい!」と思う方はぜひ参考にしてみてくださいね。
相談支援専門員の年収の相場
相談支援専門員の年収の相場は、おおよそ300万円から380万円程度だとされています。
これは常勤(正社員)か非常勤かによっても異なり、月収だと常勤(正社員)は約25万円、非常勤だと約18万円です。
年収額でいうと、他の福祉・介護業界の仕事と比べると相談支援専門員の年収は高めですが、全産業の平均年収と比較するとやや低いとされています。
また、相談支援専門員の年収はどこで働くかによっても変わってきます。
例えば地域だと、東京都では約370万円、大阪府では約350万、北海道では約300万円など。
どの職種でもありがちですが、やはり地方よりも都心の方が給与が高い傾向にあるといえるでしょう。
さらに、相談支援専門員として働く上で取得した資格があれば、施設や事業所によっては資格手当としてさらに年収が上がるケースも!
勤続年数を重ねれば給与は徐々に上がっていくキャリア形成であり、10年以上働けば約40万円前後まで上昇するとされています。
相談支援専門員の年収を上げる方法5つ
相談支援専門員として勤続年数を重ねていけば、ある程度の年収は上がっていきます。
しかし「もっと早く年収アップを目指したい!」「別の環境や職場にも興味がある!」と考える方も多いはずです。
そこで今回は、相談支援専門員の経験やスキルを活かしながら、年収を上げる方法について5つご紹介します。
■相談支援専門員の年収を上げる方法5つ
- 主任相談支援専門員を目指す
- サービス管理責任者を目指す
- 管理者として働く
- 資格を取得する
- 給料が高い職場に転職する
①主任相談支援専門員を目指す
相談支援専門員としてのキャリアを活かしながら年収アップを目指すなら、主任相談支援専門員になるのも一つ。
主任相談支援専門員とは相談業務全般のマネジメントやイレギュラー対応、相談支援従事者の人材育成などに携わる仕事です。
主任相談支援専門員になるには、主任相談支援専門員研修を受けなければいけません。
この研修を受けるにはまず、5年ごとにおこなわれる相談支援従事者現任研修を受講し、そこから相談支援専門員として3年以上の実務経験が必要です。
一般の相談支援専門員と比べると、マネジメント能力や地域への啓蒙活動など中核的な役割を担う大変な仕事ではありますが、その分まとめる立場として給与アップは望めるでしょう。
②サービス管理責任者を目指す
サービス管理責任者は、おもに障害者支援施設において支援計画書の作成や関連機関との連携をおこなう仕事です。
相談支援専門員の業務内容とも似ている面が多いため、相談支援専門員からの転職先にはおすすめといえるでしょう。
サービス管理責任者になることで基本給が上がるだけではなく、管理職手当や職務手当の増額などが期待できます。
ちなみにサービス管理責任者になるには、相談支援業務に5年以上携わってきた経験が必要です。
さらに国家資格保有者であれば実務経験年数が短くてもできるケースがあるため、詳しい条件に関してはしっかり確認するようにしてみてくださいね。
③管理者として働く
相談支援の管理業務に興味がある方は、管理者として働くのはいかがでしょうか?
管理者とは具体的に、事業所で働く他の相談支援従事者に対して指導や業務担当の振り分けなどをおこなう仕事。
管理者になる上で必要な資格や要件は設けられておらず、基本的に管理業務に差し障りなければ相談支援専門員との兼務もできます。
ですので、相談支援専門員として働き続けながら、組織をまとめる立場を経験したい方にはおすすめなのです。
特定相談支援事業所や障害児相談支援事業所では1名以上、一般相談支援事業所では地域移行支援・地域定着支援それぞれで各1名以上の配置が義務付けられています。
④資格を取得する
障害者支援施設の多くは資格手当制度があるため、キャリアアップのために資格取得を目指すのもおすすめです。
例えば、社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士といった国家資格を持っていれば、かなりの確率で資格手当がついてきます。
資格を持っていれば相談支援専門員としての業務にも活かせますし、転職活動時にも有利に働きやすくなるメリットも!
施設や事業所によってはどの資格が対象になるのか、どのくらいの手当がつくのかが変わるため、働いている職場の条件を必ず見直してみてくださいね。
⑤給料が高い職場に転職する
最終手段ではありますが、手っ取り早く年収を上げたいのであれば給料が高い職場に転職するのが一番。
給料だけで転職するのはリスクが高いですが、ほかにも職場環境や勤務条件、キャリアアップなどを目的としているのなら結果的に上手くいく可能性が高いですよ。
地域や事業所によっては手当や残業の有無、職場環境もガラッと変わるので心機一転頑張りたい方におすすめ。
ただし、先に職場を辞めてから転職活動をおこなうと決まらなかった時に後悔しやすいため、出来れば在職時から転職活動をはじめておくといいでしょう。
相談支援専門員が働く場所・就職先
相談支援専門員は主に相談支援事業所か基幹相談支援センターなどで働いています。
ここでは相談支援事業所、基幹相談支援センターの事業所についてそれぞれの特徴について紹介します。
相談支援事業所
相談支援事業所とは、おもに地域の相談支援をおこなう場所です。
一般相談支援事業所・特定相談支援事業所・障害児相談支援事業所に分けられ、それぞれで担当業務が異なります。
以下は事業所とそれぞれの支援内容です。
- 一般相談支援事業所…基本相談支援、地域相談支援、地域移行支援、地域定義支援
- 特定相談支援事業所…基本相談支援、計画相談支援、サービス利用支援、継続サービス利用支援
- 障害児相談支援事業所…障害児支援利用援助、継続障害児支援利用援助
基幹相談支援センター
基幹相談支援センターとは、地域の相談支援業務の中心として、総合的な窓口を担うところです。
相談内容によっては他の相談支援事業所を紹介したり、相談支援の人材教育、障害者の権利擁護や虐待防止といった業務をおこなうなど幅広い業務をおこないます。
年収の面でいうと、一般的に相談支援事業所よりも基幹相談支援センターの方が高い傾向にあるとされています。
しかし、基幹相談支援センターのほうが業務量が幅広いため、どちらを優先するかどうかは人それぞれです。
相談支援専門員に求められる資質・能力4つ
相談支援専門員のスキルやキャリアを活かしたいのなら、相応の能力や経験が必要です。
ここでは相談支援専門員として求められる資質について4つご紹介します。
転職時のアピールポイントにもなりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■相談支援専門員に求められる資質・能力4つ
- 豊富な専門知識
- 臨機応変な対応力
- スケジュール管理能力
- 共感力
①豊富な専門知識
相談支援専門員の仕事は障害に関するものだけではなく、福祉や児童、介護の知識が必要となる場面もたくさんあります。
また支援制度については日々、法律が改定・変更されることも多いので、一度覚えたからといってそこで全てが理解できるとは限りません。
つねに知識をアップデートする向上心の高さ、他人や経験から学ぼうとする姿勢などは必須といえるでしょう。
②臨機応変な対応力
相談支援専門員を頼る利用者の問題や悩みは人それぞれですし、求めるニーズや性格などもさまざま。
なかには、イレギュラーな対応をすることや思わぬクレームを受けることもありますし、自分がベストだと思った支援でも受け入れてくれるとは限りません。
先入観や固定観念に囚われず臨機応変な対応ができるタイプこそ、相談支援専門員に向いているといえるでしょう。
③スケジュール管理能力
相談支援専門員は、複数の利用者の相談業務を担当していることがほとんどです。
そしてその業務内には、利用支援計画の支援や必要書類の準備、相談業務などやるべきことがたくさんあります。
施設や事業所によっては、相談業務以外の雑務や介護職員の補助なども求められるなんてケースも!
ですので、決められた期間や時間の中で優先順位をつけて効率的に業務をこなしていくスケジュール管理能力は必須なのです。
④共感力
相談支援専門員の仕事は、いかに障害者やその家族との信頼関係を築けるかどうかが重要です。
だからこそ障害に対する知識だけではなく、相手の話にきちんと向き合って共感できる人が向いているでしょう。
障害者の悩みは非常にデリケートなものですし、プライベートな面にも踏み込んでいかなければいけません。
反対に、自分本位で話し過ぎてしまう人やすぐに否定から入る人だと、より良いサービスにつながりません。
聞き上手なだけではなく、なぜ相手がこういったことを主張するのか、その人にとって何がベストな支援なのかなどをしっかり深読みできると良いでしょう。
介護士におすすめの転職エージェント3選
「相談支援専門員に興味がある!」「自分の住んでいる地域に相談支援事業所はどこにあるの?」と思われた方にオススメの転職エージェントについて3つご紹介します。
転職を考えている方や将来的に相談支援専門員を目指している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
介護士にオススメの転職エージェント3選 | ||
---|---|---|
サイト名 | 求人数 | 特徴 |
かいご畑 |
非公開 |
|
マイナビ介護職 |
約60,000件以上 |
|
きらケア |
約100,000件以上 |
|
これらについてそれぞれ解説します。
かいご畑
かいご畑の特徴
- キャリアアップ応援制度がある
- 未経験・無資格で利用できる
- 運営会社が福祉系に強い
「かいご畑」は無資格・未経験から介護業界を目指す方にオススメ。
働きながらでもできるキャリアアップ応援制度がありますし、経験を積みながら上級資格に合格する人も!
「かいごのお仕事コラム」でも介護の仕事内容を分かりやすく解説しているので、ぜひチェックしてみて下さいね。
\最短60秒で登録完了/
マイナビ介護職
マイナビ介護職の特徴
- 自分のペースで転職ができる
- 未経験・無資格で利用できる
- 希望している求人を探しやすい
「マイナビ介護職」は、登録から内定まで完全無料で転職活動ができます。
専任のアドバイザーが1対1で相談に乗って、希望に近い職場を紹介!
全国19会場で転職相談会なども開催されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
きらケア
きらケアの特徴
- 求人数が多い
- 業界に特化したアドバイザーがいるから安心
- サポートは入職後もある
- 給与前払いサービスがある
きらケアは介護職の転職サービスにおいてアドバイザー対応満足度ナンバーワンのサイト。
10万件以上の施設や事業所から求人を紹介してくれるので、自分に合った希望条件が見つかりやすい!
離職率や職場の雰囲気など通常だと打ち明けづらい内情についても、専門のアドバイザーが教えてくれます。
\最短60秒で登録完了/
まとめ〜相談支援専門員の年収はどこで働くかにもよる!~
今回は相談支援専門員の年収の相場や、キャリアアップのコツについて解説してきました。
相談支援専門員の年収は、おおよそ300万円から380万円程度。
キャリアアップや年収アップを目指したいのであれば、研修を受けて主任相談支援専門員になったり施設の管理者になることなどが挙げられます。
ほかにも、別の給料の高い職場に転職するような方法も!
相談支援専門員は一般的に、基幹相談支援センターか地域の相談支援事業所に勤めるのですが、どちらに勤務するかによっても若干変わってきます。
例えば、事業所に相談支援事業所が併設されている場合、母体となる事業所の給与水準がベースとなるため、他職種の基本給が高ければ相談支援専門員の年収も高めに設定されている可能性が高いですよ。
また、将来は相談支援専門員としてだけではなく幅広い業務に携わりたい方は、国家資格などを取得しておけば、資格手当としてより年収アップにつながることも。
今回ご紹介した方法を参考に、自分に合った方法で年収アップを目指してみてくださいね。