退職代行サービスは、年々利用者の増えているサービスです。
増える理由としては、転職が当たり前の時代となり、会社を辞めること自体のハードルが下がっていることが挙げられるでしょう。
また、退職代行サービスは退職するまでの面倒な手続きを一括しておこなってくれます。
そういったことから、利用したいという人が増えています。
では逆に、使われた側である企業はどういった使われたらどういった対応を取れば良いのでしょうか。
今回は、退職代行サービスを使われたときの対処方法や使われる前にできる対策方法を解説します。
退職代行ってどんなサービスなの?
退職代行サービスは、退職の旨を労働者本人に代わり企業に伝えるサービスです。
会社に行くことがストレスになってしまう人や、なかなか辞めさせてもらえない人など様々な事情の人に利用されています。
また、退職代行サービスは10年以上も前からある比較的歴史的なサービスです。
元々は、弁護士のおこなう業務の一環という側面がありました。
しかし現代では民間企業による退職代行サービスもあり、様々な事情に対応できるサービスとなっています。
退職代行を使われたらどうすればいいの?
退職代行サービスを使われたら場合、企業はどういった対応を取るべきでしょうか。
ここでは、使われた際に取るべき行動をご紹介します。
退職代行業者の身元を確認する
退職代行サービスを使われた場合は、まず退職代行業者の身元を確認しましょう。
退職代行業者の中には、代行業者を装った詐欺のケースもあります。
また、非常に稀ですが代行業者がまともであっても、第三者がその従業員を辞めさせようとするケースもあります。
詐欺や嫌がらせの場合は、無視してしまうのが得策ですので、冷静に対処しましょう。
代理人が弁護士の場合、基本的には弁護士と協議することになります。
弁護士の場合は、適法に退職日の交渉や退職金の交渉もできます。
企業側が辞めさせないとごねても、かえって退職日の調整などに支障が出ますので、基本的には素直に従いましょう。
退職代行業者に非があった場合は交渉を受けない
弁護士ではない民間などの退職代行業者の場合、退職金や退職条件の交渉などの法律事務はおこないません。
しかし、中には弁護士でもないのに報酬を得る代わりに業務として法律事務をおこなうことがあります。
これを非弁行為といいます。
弁護士ではない退職代行業者がこのような行動に出ても、交渉は無視して問題ありません。
ただし、従業員の意向に反する退職の進め方の場合は、ネット上に悪いうわさを流されるリスクもありますので、先に従業員の要望は聞いておくことをおすすめします。
また、非弁行為を無視してもしつこく交渉をしてくる場合は、弁護士へ相談しましょう。
弁護士に相談した旨を相手業者へ伝えれば、無理な交渉も止むはずです。
困った場合は、弁護士に相談してみましょう。
なお、非弁行為は犯罪行為にあたりますので、刑事告発するのも一つの手です。
もし交渉要求がひどい場合は訴えるのも対策と言えるでしょう。
本人確認を実施する
退職代行サービスを利用する人の中には、その従業員への嫌がらせ目的でサービスを利用することがあります。
そのため、退職代行業者から連絡が来た場合は、本人確認をおこなうようにしましょう。
退職代行サービス経由でも、本人確認のための書類提出は依頼できますので、確認のためにもまずは業者へ連絡をしましょう。
従業員の雇用形態を確認する
従業員の雇用形態の確認も必須です。
有期雇用契約の場合は、やむを得ない事情がある場合を除いて一方的に退職することはできません。
そのため、有期雇用契約の場合は企業側も無理に退職に応じなくて問題ないでしょう。
しかし、有期雇用の従業員がやむを得ない事情があると主張する場合には、事情の確認が必要となります。
パワハラ・セクハラなどの問題があるなど妥当な理由がある場合は、退職は認められます。
どういった理由があって退職するのか、確認は必須です。
しっかりおこないましょう。
退職届の提出を依頼する
退職を希望する場合は、退職届を受け取る必要があります。
退職届は、会社所定のものがある場合は返送用の封筒を同封して書類を送りましょう。
また、この段階でも悪意のある第三者による作成ではないか本人確認が必要です。
退職代行サービスを利用しているからと言って、必ずしも会社から本人へ連絡をしてはいけないという理由はありません。
そのため、可能であればメールなどで確認をしましょう。
ここで確認を怠ると、後々トラブルになりかねませんので慎重に進めるようにしてください。
貸出品の返却を依頼する
制服や備品などを貸し出している場合もあるのではないでしょうか。
そういった場合は、必ず返却してもらいましょう。
本人が直接脳やりとりを望まない場合は、退職代行サービス経由で返却されます。
退職届を受理する
退職届が届いたら、最後に社内で手続きを進めます。
退職は比較的トラブルが発生しやすいため、退職が決まった旨は退職する従業員へ郵送やメールで伝えましょう。
退職代行を使われたときに気を付けることは?
退職代行サービスを利用されると、企業側も精神的なダメージがありますよね。
ここでは、退職代行サービスを使われた際に気を付けたいポイントをご紹介します。
退職代行業者の交渉にのらない
退職代行業者の中には、非弁行為という弁護士の真似事をおこなう業者がいます。
そういった業者の交渉にはのってはいけません。
退職条件や日時は弁護士のみ交渉ができることです。
そのため弁護士でもない業者が法律事務をおこなった際は、交渉にのらず、逆に弁護士などを利用して撃退することをおすすめします。
本人が対話を拒否する場合は無理強いをしない
退職希望者の中には、会社に行くことをストレスに感じていることがあります。
もう会社の人と顔を合わせたくないため、退職代行サービスを利用していることも考えられるでしょう。
退職代行サービスを利用されている企業側としては、突然の連絡に腹を立ててしまうこともあるかもしれません。
しかし、ここで直接対話し、暴言を浴びせると逆に企業側が不利になりますので冷静な対応を心がけましょう。
悪いうわさが流れないように速やかに対応する
退職代行サービスの利用の中には、企業が退職を拒んだり圧力をかけてしまい退職できないため利用したケースがあります。
その場合、訴訟まではいかずとも悪いうわさを流される可能性があります。
現代はSNSで簡単に情報を拡散できる時代です。
悪いうわさは以前よりずっと回りやすく、取引先に知られるのも時間の問題になる可能性もあるでしょう。
そういった悪いうわさを避けるためにも、退職を拒まずスムーズに手続きが終えられるようにしたほうが企業側もダメージが少なく済みます。
変に抵抗をせず、退職を申しだされた場合は素直に受け取るようにしましょう。
有給休暇を消化させる
労働基準法では、有給消化についての条文があります。
この条文では、有給消化を取得できる権利がある従業員には、有給消化を取らせなければ法令違反になってしまいます。
退職代行サービスでは、2週間以上の有給が残っている場合、有給休暇を理由することが可能です。
また、有給休暇を利用すると、実質即日退社として辞められる手続きを求められます。
会社側としては、退職のあいさつも無く出勤もしない従業員に思うところがあるでしょうが、有給取得の申し入れに関してはしっかり対応しましょう。
退職代行を使うと起こりやすいトラブルって何があるの?
退職代行サービスを利用すると、利用者にも会社側にもトラブルが発生することがあります。
ここでは、退職代行サービスを利用することで発生したトラブルをご紹介します。
従業員本人が依頼していない
退職代行サービスを利用した中で、最も多いトラブルが従業員本人が依頼をしていないケースです。
この場合、依頼者は本人ではなく従業員に悪意を持つ第三者がおこなった可能性が高いでしょう。
また、このようなケースを見過ごしてしまうと従業員が不利益を被ることになります。
企業担当者は、退職代行業者の言葉を鵜吞みにせず、本人確認をしっかりおこなうようにしましょう。
非弁行為があった
非弁行為とは、弁護士でもないのに弁護士のように法律事務をおこなうことです。
この法律事務とは、退職条件や退職日の調整などをおこなうことを差します。
企業側は非弁行為があったにも関わらず退職手続きをおこなってしまうと、退職が無効になる恐れがあるでしょう。
無効になった場合、さらに手続きが複雑になってしまう可能性があります。
企業側は、代行業者の資格と依頼者の意志を確認し、非弁行為がないか確認することが大切です。
未消化の有給休暇が残っていた
退職を希望する従業員に、未消化の有給休暇が残っているケースがあります。
この場合は、有給休暇を取得できるようにサポートしなければいけません。
また、代行業者を介して退職の意向を申し入れてきた従業員に対して、思うところがある人もいるでしょう。
しかし、感情的な思いから取得させずに退職を受理すると企業側が労働基準法違反になるため、注意が必要です。
退職代行を使われないための対策方法は?
退職代行サービスを使われるとどうしてもショックが大きいですよね。
どうして退職代行サービスを利用したのか、何が悪かったのか考えてしまうでしょう。
ここでは、退職代行サービスを使われないためにできる対策方法をご紹介します。
従業員と円満な関係を築く
退職代行サービスを利用する人は、多くが企業に不満があり利用します。
この不満を取り除き、良好な関係を維持することが対策として大切です。
しかし、すべての従業員が上司と良好な関係を維持することは大変でしょう。
良好な関係を維持するためには、企業として従業員の悩みや不満を相談できるシステムを構築することが必要があります。
気軽に配置換えができる、定期的にカウンセリングを受けられるシステムなどを作っておくだけで、居心地の良い労働環境を築くことができるでしょう。
労働環境を変えることは、円満な関係を気付くうえで大切なことですので積極的に取り入れていくことをおすすめします。
速やかに対応する
退職代行サービスを利用した従業員に対して拒否や圧力をかけると、悪いうわさとして社内外に広がる可能性があります。
社内に広がった場合は、ほかの従業員へ悪影響を及ぼすでしょう。
また、社外でも取引先に届いたら企業のイメージダウンにつながる可能性があります。
退職代行サービスを利用された場合は、速やかに対応することが大切です。
また、退職代行サービスは再発防止の方針を立てるきっかけにもなります。
一人に固執せず、今後どうすれば退職代行サービスを利用されることがないかしっかり考えると企業の発展につながるでしょう。
退職代行を使われた理由をしっかり考える
退職代行サービスを利用されたことには、必ず理由があります。
パワハラやセクハラ、過重労働、未払い残業代などの問題はなかったでしょうか。
退職代行サービスを利用された企業は、一度なぜ利用されたのか考える必要があります。
また、こういったことを考えることで再発防止の対策も立てられるでしょう。
現在いる従業員にアンケートをとるなど対策をおこない、退職代行サービスを利用された経緯を見直し改善に努めましょう。
退職後におすすめな転職サービス3選
現在は退職が比較的しやすい時代です。
そこで、ここでは退職後におすすめしたい転職サービスを3つご紹介します。
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対応地域 | 全国47都道府県 |
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運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
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まとめ~退職代行を使われないように円満な関係を築こう~
今回は退職代行サービスを使われた際の企業の対応や、対策ポイントを解説しました。
退職代行サービスを利用するということは、従業員と企業とでトラブルがあったと考えるのが妥当です。
なぜ退職代行サービスを利用する従業員を輩出してしまったのか、企業側はしっかり考えましょう。
また、退職代行サービスを利用されたのをきっかけにより良い環境に変えることこそ、企業を発展させるきっかけになります。
しっかり退職の経緯を調べ、退職代行サービスを使われないような円満な関係を築いていきましょう。