20代後半で転職する人は多いです。
厚生労働省『令和4年 雇用動向調査結果の概要』 によると、20代後半の転職入職率※は男性15.3%、女性14.1%となっています。
20代後半の男性は、すべての年代の中でもっとも転職入職率が高いです。
女性は20代前半に次いで転職入職率が高いという結果が出ています。
しかし20代後半は、20代前半と比べてポテンシャル採用されるハードルが高いです。
また20代後半は、これまでの実績や経験が十分ではないことも多く、「20代後半の転職は厳しいのではないか」という不安の声が上がっています。
今回は20代後半の転職は厳しいのか、20代後半が転職で成功するにはどうすればいいか、確認していきましょう。
20代後半におすすめの業界・職種、転職エージェントもあわせて紹介しています。
- 20代後半の転職は、それほど厳しくない
- 20代後半の転職では「即戦力」「ポテンシャル」「スキルや経験」が求められる
※ 常用労働者数に対する転職入職者数の割合
- 第二新卒やフリーターの転職に特化
- 経歴や学歴に自信がなくても求人を紹介してもらえる
- キャリアアドバイザーのサポートが手厚い
20代後半の転職は本当に厳しいのか
20代後半のよくある転職理由は、下記の通りです。
- 仕事内容が合わなかった
- 人間関係が悪かった
- 他にやりたいことができた
- 収入を上げたい
- 今の会社に将来性を感じられない
20代後半の転職は、30代以降の転職と比較するとそれほど不利ではありません。
とはいえ20代前半と転職市場で戦うには、不利になる場合もあるのできちんとした戦略を立てる必要があります。
まずは20代後半の転職事情について、下記の点を確認しておきましょう。
- 20代前半の転職との違いは?
- 年収は上げられる?
20代前半と比較して厳しいが30代より有利
20代後半と比較すると、20代前半の方が転職に成功する確率は高い傾向にあります。
なぜならば20代前半の転職では、下記の2点で有利だからです。
- ポテンシャルを重視した評価
- 社会経験が未だ浅いのでビジネスマナーは最低限で良い
20代前半ではスキルや経験よりもポテンシャル重視、つまり本人の人柄や意欲をより高く評価します。
また社会人経験が浅いという点から、ビジネスマナーも最低限あれば良いと判断されます。
20代後半からはスキルや経験が重視されるようになり、ビジネスマナーについても厳しいジャッジで見られるようになってきますよ。
とはいえ30代以降の方がその傾向が強いので、20代後半はまだまだ転職市場では不利ではありません。
年収が上がる転職と下がる転職がある
20代後半では、年収が上がる転職と年収が下がる転職のどちらかに分かれる傾向にあります。
年収が上がる転職をする人の特徴は、下記の通りです。
- これまでに十分な実績を積んでいる
- 同業界・同職種への転職をしている
- 年功序列の企業から実力主義の企業に転職している
他方で年収が下がる転職をする人には、下記のような共通点がありますよ。
- これまでに特に実績を残せていない
- 未経験の業界・職種への転職をしている
- 年収以外の条件を重視した転職をしている
年収が上がる転職をしたい人は、転職活動の際は上記のポイントを意識するようにしてください。
20代後半の転職を成功させる秘訣7選
20代後半の転職者に企業が求める人物像は、「即戦力」「ポテンシャル」「スキルや経験」がある人です。
この3点を踏まえた上で、20代後半の転職を成功させる秘訣7選を見ていきましょう。
- スキル・経験を棚卸しする
- 長く勤められる企業を探す
- 自分の市場価値を客観的に把握する
- 転職目的を明確にする
- 働きながら転職活動をすすめる
- キャリアビジョンを明確にする
- 転職エージェントを利用する
成功の秘訣をチェックして、転職活動に役立ててください。
20代でホワイト企業に転職する方法とは?おすすめの転職サービス紹介!
①スキル・経験を棚卸しする
20代後半の転職では、これまで培ってきたスキルや経験が重要になってきます。
そのため転職活動ではまず自分のスキルや経験を、すべて棚卸ししましょう。
自分の能力・強み・出来ることを徹底的に洗い出しておくことで、企業に対して積極的にアピールしやすくなります。
これまでの実績はなるべく具体的な数字やエピソードをつけて、アピールポイントになるようにしましょう。
②長く勤められる企業を探す
20代後半の転職は、最後の転職だと考えておきましょう。
30代・40代以降になると、転職に不利になるからです。
そのため下記のポイントを意識して、長く勤められる企業を探してください。
- 自分のやりたいことを明確にする
- 転職先を焦って探さない
- 中長期での転職活動を計画する
- 自分の好きなこと・興味のある仕事に就く
とりあえずで転職した人は長続きせず、結局また転職する場合が多いです。
「自分が納得できる転職」をゴールにして、転職活動をすすめてください。
③自分の市場価値を客観的に把握する
自分の市場価値を客観的に把握しておくことは、転職活動においてとても重要です。
市場価値を過大評価または過小評価している人は、転職後に「こんなはずじゃなかったのに」と後悔する傾向にあります。
自分の市場価値を正確に判断するには、上述のスキル・経験の棚卸しをするほか、自己分析を徹底にしていくことが大切です。
自分の市場価値を客観的に判断しにくいという人は、転職エージェントを利用しましょう。
プロ目線での意見を交えることで、自分では気づかなかった意外な自分の価値に気づくかもしれませんよ。
市場価値の高い人材とは?市場価値を高める方法と今の市場価値を知る方法を徹底解説
④転職目的を明確にする
上述でも触れましたが、転職目的は明確にしておきましょう。
現職からなぜ転職したいのか、その理由を深掘りしてください。
転職理由は、人によってそれぞれです。
「なぜ自分が転職したいのか」を探ることで、自分が企業に求める条件が浮き彫りになってきます。
転職の目的が明確であれば、転職後の企業とのミスマッチを防げますよ。
⑤働きながら転職活動をすすめる
現在仕事に就いている人は、転職活動はなるべく働きながらすすめていきましょう。
退職してから転職活動を始めると、以下のようなデメリットがあるからです。
- 離職期間が長引くと転職に不利になる
- 生活が資金的に苦しくなり、転職先を吟味せずに決めてしまう
働きながらの転職活動だと忙しくて時間が取れないという人は、転職エージェントを積極的に活用しましょう。
転職エージェントを利用することで、効率的な転職活動ができますよ。
詳細は後述で解説しますので、ぜひ参考にしてください。
⑥キャリアビジョンを明確にする
10年後・30年後の将来像を明確にした上で、転職活動をすすめることをおすすめします。
20代後半では、「まだ先のことはわからない」と考えている人もいるでしょう。
しかし「将来像=キャリアビジョン」を明確にしておくことで、転職活動を有利にできますよ。
キャリアに一貫性を持たせることで、企業の評価が得やすくなります。
⑦転職エージェントを利用する
20代後半の転職は、転職エージェントを利用すると良いですよ。
転職エージェントを利用することで、下記のメリットが得られます。
- 書類作成・添削
- 求人の紹介(非公開求人を含む)
- 企業情報の共有
- 面接対策(模擬面接など)
- 自己分析・市場価値のカウンセリング
- 面接の日程調整
- 年収交渉・入社日の調整
プロの転職サポートを受けることで、有利な転職活動ができます。
また働きながらでも、効率的に転職活動をすすめられますよ。
20代後半の転職に失敗する人の特徴5つ
20代後半で転職に失敗する人の特徴を、5つ解説していきます。
- 自己分析・企業研究ができていない
- 面接対策を徹底的にしていない
- 転職回数が多すぎる
- 結婚・出産を前提にしている
- 何がしたいか分からない
転職活動で失敗しないためにも、それぞれ確認しておいてください。
20代社員の転職率は?「転職したい」と思った20代は転職するべきなのか?
①自己分析・企業研究ができていない
自己分析・企業研究が十分でない人は、転職で失敗しやすい傾向にあります。
自己分析・企業研究ができている人は、企業とのミスマッチが防ぎやすいです。
自己分析では自分のスキル・経験だけではなく、得意なこと・やりたいことなども含めて洗い出しましょう。
企業研究は、求人票だけではなく応募企業の公式サイトなども、忘れずにチェックして下さい。
企業研究を徹底的にしておくと志望動機を作りやすく、また面接でのアピールポイントも作れるので好印象を与えられますよ。
②面接対策を徹底的にしていない
面接対策を徹底的にしていないと、転職が失敗しやすくなります。
面接対策を徹底的におこない、「この人と一緒に働きたい!」という評価につなげましょう。
転職面接でよく聞かれる質問に対する回答は、必ず用意してください。
特に転職理由は、必ず質問されます。
前職の不満や自分の希望ばかり言うのは避け、なるべくポジティブ変換して伝えるように意識しましょう。
回答内容によっては、深掘り質問があることも想定すると良いですよ。
③転職回数が多すぎる
年代に関わらず転職回数が多いと、転職では不利になります。
転職回数が多いと下記のように考えられ、採用が避けられがちです。
- 採用しても長続きしなさそう
- 仕事を任せられる人材ではなさそう
- 物事をすぐに投げ出しそう
- 責任感がなさそう
20代後半であれば転職回数は基本的に1回まで、多くても2回までを心がけてください。
それ以上転職を重ねるとどんどん不利になり、希望条件の転職先が見つけづらくなってしまいます。
④結婚・出産を前提にしている
結婚・出産を前提にしている転職者は、注意しましょう。
企業側は「せっかく採用してもすぐに休職されると困る」と、考えている場合が多いです。
そもそも育休は、「入社後1年以上勤めていないと取得できない」としている企業が多いですよ。
ライフイベントを意識し始めた女性の転職者の場合は、転職先を慎重に選んでください。
20代女性が転職活動を成功させるためには?転職失敗の経験談もご紹介
⑤何がしたいか分からない
転職活動に失敗する人は、そもそも自分が何がしたいか分からないという人も多いです。
何がしたいか分からない人は、まずは自己分析から始めてみましょう。
仕事関係に関わらず、自分のこれまでの学生生活や経験を振り返り下記のポイントをチェックしてみてください。
- 自分が好きなこと・興味があること
- これまで一番長続きしていること
- 得意なこと・苦手なこと
- 自分の将来像(結婚・出産など)
- 人生で大切にしていること
自己分析していくことで、自分がやりたいことが見えてきますよ。
20代後半の転職におすすめの業界・職種
20代後半の転職におすすめの、業界・職種を紹介していきます。
- 高収入を狙える営業職
- 人手不足で転職しやすい介護職
- 手に職のITエンジニア
- 女性に人気の事務職
- 挑戦できるベンチャー企業
- 実力成果主義の外資系企業
転職先選びに迷っている人は、是非参考にしてください。
高収入を狙える営業職
営業職は未経験でも始められ、高収入が得られるおすすめの職種です。
実力主義なので、自分が成果を出したぶんだけ収入につながります。
ノルマのプレッシャーなど精神的な負担も大きいですが、収入重視の人には向いていますよ。
インセンティブが高く設定されている、不動産営業や保険営業が特におすすめです!
人手不足で転職しやすい介護職
介護職は人手不足のため、転職しやすい職種です。
肉体労働でハードな部分もあるので、体力に自信がある人に向いています。
未経験からでも始められますし、働きながら資格を取得してキャリアアップも目指せる職です。
人から直接感謝される仕事なので、やりがいが感じられますよ。
手に職のITエンジニア
IT業界も近年人手不足が深刻なため、未経験でも転職しやすい業界です。
特に手に職をつけられるエンジニア職は、技術次第で高収入を狙えるのでおすすめですよ。
入社後の研修制度や教育体制が整っている企業が多いので、初めてでも安心ですね。
エンジニアの平均年収は高い?年収を上げる方法やエンジニア転職のポイントを解説
女性に人気の事務職
事務職は、女性に人気の転職先です。
事務職は種類が多いですが、それぞれ必要な資格や専門知識を持っていれば重宝されますよ。
- 医療事務
- 経理事務
- 法律事務
- 営業事務
- 貿易事務
人気職なので倍率も高いですが、若いほど採用されやすいので20代のうちに挑戦してみてはどうでしょう。
挑戦できるベンチャー企業
次に20代後半の転職におすすめしたいのが、ベンチャー企業です。
大手企業への転職よりも、ベンチャー企業の方が人材確保のために門戸が広いので転職しやすいです。
ベンチャー企業は、新しい施策を始めたり事業拡大に挑戦したりする、成長過程にある企業です。
「チャレンジ精神」「強い成長意欲」「柔軟性」を持つ人材は、ベンチャー企業で歓迎されますよ。
実力成果主義の外資系企業
実力成果主義の外資系企業では、転職歴は重要視されません。
外資系企業では「即戦力となる人材かどうか」が、重視されます。
実力成果主義なので、成果次第で高収入が得られやすいのも特徴です。
ただしある程度の語学力を必要とするので、興味がある人はまずはTOEIC750点以上を目指してください。
外資系金融企業への転職方法や求人の探し方・ニーズなどを解説します!
20代後半の転職におすすめの転職エージェント
20代後半の転職におすすめの転職エージェントを3社紹介していきます。
- マイナビエージェント
- doda
- パソナキャリア
転職サイト・転職エージェント比較ランキング!おすすめの転職サービスについて徹底解説
マイナビエージェント
マイナビエージェントの特徴
- キャリアアドバイザーが丁寧にサポートしてくれる
- 非公開求人が多い
- サービスが充実している
- 20代など若者の転職に強い
マイナビエージェントは、業界大手の転職エージェントの一つです。
非公開求人を多く取り扱っており、さまざまな業界や職種の求人が豊富にあります。
担当のキャリアアドバイザーの丁寧なサポートがあるので、履歴書の添削・面接対策も安心して任せられますよ。
20代の転職に強いので、転職に不慣れな人でも転職に成功しやすいです!
\無資格・未経験でも転職可能!/
dodaエージェント
求人数 | 約260,000件 |
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対応地域 | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
dodaエージェントの特徴
- 取り扱い求人数が桁違い
- エンジニア・技術職・営業の求人が多い
- 面接対策などのエージェントサービスも手厚い
- 年収査定やレジュメビルダーなど転職準備のコンテンツが充実
- 転職フェアなども豊富
dodaは、取り扱っている求人数が圧倒的に多い転職エージェントです。
高収入を狙いやすいエンジニア・技術職・営業の求人が多いので、年収を上げる転職をしたい人にうってつけ。
年収査定や自己診断ツールなど、転職支援コンテンツも充実しているのが特徴です。
いろいろな求人を見て積極的に転職活動をしたい人は、dodaがぴったりですよ。
\最短60秒で登録完了!/
dodaのエージェントは転職におススメのサービス!評判・口コミを徹底解説
パソナキャリア
パソナキャリアの特徴
- 面接対策など丁寧なサポート体制が充実
- 求人の質がいいためより良い環境も期待できる
- 女性の転職サポート体制も整っている
- アドバイザ―のレスポンスが早い
- 年収アップ率も65%以上
パソナキャリアは、ハイキャリア求人も取り扱う転職エージェントです。
現職より好待遇の転職先を探したい人や、キャリアアップしたい人におすすめですよ。
女性の転職サポート体制も整っているので、女性ならではの転職相談にも丁寧に対応してくれるのが魅力ですね。
上述の転職エージェントとパソナキャリアを併用することで、転職活動を効率的にすすめられますよ。
パソナキャリアの評判は?口コミを元にメリット・デメリット・使い勝手を徹底解説!
【まとめ】20代後半の転職は納得できる転職先を見つけることが重要
このページでは20代後半の転職を成功させる秘訣7選を、紹介しました。
改めて、内容を確認しておきましょう。
- スキル・経験を棚卸しする
- 長く勤められる企業を探す
- 自分の市場価値を客観的に把握する
- 転職目的を明確にする
- 働きながら転職活動をすすめる
- キャリアビジョンを明確にする
- 転職エージェントを利用する
また下記の特徴がある人は、転職に失敗しやすいなので注意してください。
- 自己分析・企業研究ができていない
- 面接対策を徹底的にしていない
- 転職回数が多すぎる
- 結婚・出産を前提にしている
- 何がしたいか分からない
20代後半の転職は最後の転職だと捉えて、自分の納得のできる転職先を見つけることを目標に転職活動をすすめていきましょう。
効率的な転職活動をするには、複数の転職エージェントを併用すると良いですよ。
- 第二新卒やフリーターの転職に特化
- 経歴や学歴に自信がなくても求人を紹介してもらえる
- キャリアアドバイザーのサポートが手厚い