建築現場に欠かせないお仕事の一つである「とび職」。
そんな「現場の華」とも呼ばれるとび職人ですが、彼らがなぜダボダボのズボンや足袋のような履物をはいているのかキチンと理解している人は少ないです。
鳶職の人たちがあの独特な服装を好む背景にはしっかりとした理由があり、平ズボンが普及し始めている現在でも、頑なに昔ながらの服装を守り続けている職人も多くいます。
この記事では、そんな鳶職の服装について、メリットなども交えながら詳しく解説していきます!
鳶職人の服装に疑問を持っていた人はもちろん、これから鳶職になりたい人も、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ズバリ「とび職」とはなに??〜詳しい仕事内容や1日の流れなどの解説〜
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鳶職の服装といえばコレ!ニッカポッカってどんなもの??
工事現場や建築現場で、ダボダボのズボンをはいている人を見かけたことはありませんか?
あのズボンは「ニッカポッカ」と呼ばれ、作業現場で古くから愛されている独特のズボンです。
ニッカポッカは丈がひざ下まで伸びていて非常にゆとりのある構造になっており、後ほど解説する「鳶足袋」との使い合わせが非常にしやすいことから、建築現場や工事現場の定番のズボンとして、広く普及しています。
ニッカポッカとは、英語の「Knickerbockers(ニッカボッカーズ)」を日本風に略したもので、もともとはオランダからアメリカへ移民として渡った人がはいていた「ブリーチズ」という半ズボンを起源に持ちます。
もともとは主に子供がはくことが多かったブリーチズを、ゴルフや乗馬用のスポーツウェアとして改良したものが、アメリカでニッカボッカーズとして普及するようになったのです。
現在のアメリカでもその名残として、オランダ系の移民の人を「ニッカボッカ」と呼ぶことがあります。
「ニッカボッカーズ」から「ニッカポッカ」へ
そんなニッカボッカーズが日本で普及し始めるようになったのは、1900年頃といわれています。
当初はもともとの用途通りスポーツウェアとして利用されていましたが、大量生産が可能な事や丈夫である事などから、軍服として使用されることが多くなりました。
次第にお祭りの場などでも使用されるようになり、動きやすさや丈夫さが優れていることなどから、徐々に建築現場にも普及していったのです。
ニッカポッカがこのような変遷をたどってきた事には驚きですね!
現在では、オーソドックスな「7分」、「超ロング」、「超超ロング」など、丈の長さによって様々な種類が流通しています。
とっても多機能!ニッカポッカに隠された機能4選
そんなニッカポッカですが、元々のスポーツウェアとしてのニッカボッカーズと比較すると、かなりダボダボな構造になっています。
実はあのダボダボは、鳶職人が愛用する服装としてキチンとした理由があるのです。
下に主な理由を挙げてみましょう。
①ダボダボが風力計になる!
高所での作業は危険がいっぱいです。
中でも最も怖いのが「風」。
高所での作業では、この風の強さや動きをいかに読むかが非常に大切です。
そんな時に、このダボダボが役に立ちます。
鳶職人たちは、ニッカポッカのダボダボのたなびき具合で、風の強さや方向を判断しているのです。
また地上にいる鳶職人たちも、そのたなびき具合から風を読み、上にいる鳶職人たちにより安全なクレーンでの受け渡しや玉掛け方法などを検討することができます。
出っ張りや突起に気づきやすい!
建築現場では、いたるところに出っ張りや突起があります。
そんな時に、ダボダボのニッカポッカであれば触れた瞬間に瞬時に危険を察知することができます。
いわば、センサーの役割をも果たしているのです。
特に狭い場所での作業や入り組んだ場所での作業では、こうしたセンサーの役割は安全面でも非常に頼りになります。
③足の曲げ伸ばしがラクラク!
一般的な(平ズボン)だと、伸縮性に優れた素材ではない場合、膝の曲げ伸ばしが非常にしづらいです。
特に高所での作業中は、足回りが窮屈であると大きな事故につながりかねません。
ところがニッカポッカは、一目見ても分かる通り膝に非常にゆとりがあります。
そのため、歩いての移動はもちろん、梯子の上り下りや立ち座りがとても快適に行えるのです。
④バランスが取りやすい!
高所での作業は、しっかりとバランスをとらないと転落してしまいますよね。
サーカスで綱渡りをする人が、長い棒をもっている場面を見たことがありませんか?
あの棒には、高いところや足場の悪いところでのバランス調整を助ける役割があります。
鳶職人の現場では、幅の広いニッカポッカのダボダボこそが、その役割を果たすのです。
このように、一見非常に独特なシルエットのニッカポッカですが、実はその構造の中に様々な機能を備えた、まさに「鳶職のための服装」といえるのです。
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鳶足袋(とびたび)ってどんなもの??
鳶職人の服装として、地下足袋を思い浮かべる人も多いことでしょう。
古くから日本の建築現場では足袋が履かれる事が多く、特に皮革製の足袋が愛用されていました。
その後明治時代に入ってゴムが普及するようになると、それまで使われていた皮革製の足袋の底にゴムを縫い付ける事で、より安全性を高める改良が施されるようになり、現在使用されている地下足袋の原型が完成します。
中でも鳶職人が使用する地下足袋は「鳶足袋」とよばれ、一般的な地下足袋として比較すると、土踏まずの部分が厚めに設計されており、足が接地した際により地面にフィットしやすい構造になっている事が多いです。
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愛好者多数!鳶足袋が愛される理由4選
そんな鳶足袋ですが、安全靴が普及している現在でも愛用する鳶職人は非常に多いです。
ここでは現在でも愛好者の多い鳶足袋の機能性や、愛される理由を解説します。
- 鳶足袋が愛される理由靴よりも動きやすい!
- 地面の感覚が掴みやすい!
- フィット感が快適!
- 丸洗いできる!
順番に見ていきましょう!
①靴よりも動きやすい!
現在では技術が進歩し、機能性に優れたさまざまな安全靴が開発されていますが、鳶足袋は靴に比べて、素足に非常に近い感覚で使用できます。
そのため、狭い場所での作業や高所での作業の時にとても動きやすく、結果的に転落を予防することができるのです。
加えて鉄板が仕込まれている安全靴と違い、驚くほど軽量なのも特徴でより精密な足運びを実現してくれます。
さらに通気性にも優れているため、一般的な安全靴よりも蒸れにくく、長時間の作業でも快適に動き回る事ができるのです。
②地面の感覚が掴みやすい!
多くの鳶足袋の底はやわらかいゴム製です。
そのため底が硬い一般的な安全靴と比較すると、地面の感覚が掴みやすいといえます。
とくに鳶職の現場には、石や釘など様々なものが転がっているため、こうした危険なものを踏んでしまった場合に瞬時に気が付くことができる点は、安全性の観点からも重要な点です。
また、地面をしっかりと掴むことが出来るので、高所での作業でもバランスを取りやすいのです。
③フィット感が快適!
鳶足袋は、履いた時に余分な隙間がうまれることなく、ピッタリと足にフィットするのも特徴です。
安全靴の場合、サイズがあっている靴であっても足との間にどうしても空間ができてしまいますよね。
建築現場の仕事の中で履物がグラグラするのは、転倒や転落などにつながるため非常に危険です。
一方、足にピッタリと密着する鳶足袋であれば、より履物としての安定性を得る事ができるでしょう。
④丸洗いできる!
激しく体を酷使する鳶職は、当然大量に汗をかきます。
また、屋外での作業がほとんどのために履物が土やホコリにまみれてしまう事は避けられません。
そんな時に、丸洗いができる鳶足袋は非常に重宝なものです。
作業靴を毎日キレイに保つことは難しいですが、鳶足袋であれば水でゴシゴシと丸洗いができるため、常に衛生的に履き続ける事ができます。
せっかく毎日のお風呂で足を清潔にしていても、履物が不衛生ではなんの意味もありません。
雑菌が繁殖した履物で仕事を続けていると、下手をすると水虫になってしまいかねませんよね。
過酷な作業下でも常に足を衛生的に保つことができる点でも、鳶足袋は非常に優れモノなのです。
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鳶職が夏でも肌を出さない服装なのはなぜ??
真夏の炎天下での作業でも、鳶職人たちが作業中に肌を露出させることはありません。
というのも、鳶職の現場では真夏の太陽で高熱になった鉄の資材や鋭利な工具など、素肌に触れると大変危険なものが多くあるからです。
鳶職のお仕事は、爆発物や危険な科学薬品を扱う事がほぼないため、現場で働く他の職人と比較した場合、鳶職の服装は選択肢の幅が広がりやすいといえます。
しかしそんな鳶職の服装の中でも、「肌を露出させない」という点は徹底的に指導され、たとえ技術のある鳶職人であっても、改善される見込みがなければ現場へ入る事が許されないケースも珍しくありません。
最近では長袖でも熱を発散させやすい構造の服や、気化熱や氷を利用して首元を冷やすことが出来るネッククーラーなど、炎天下の作業を快適に行うための商品が次々と開発されています。
鳶職人たちはこうしたものを上手に活用しながら、真夏の炎天下でも仕事をしているのです。
鳶職の服装が変わりつつある!?
ここまで解説してきた通り、鳶職の服装には様々なメリットや優れた機能がたくさん備わっています。
しかし一方で、最近ではこうしたニッカポッカや鳶足袋などの着用を禁止する会社が増えてきているのです。
これらの鳶職の服装を禁止される事に対して、昔ながらの服装を好む鳶職人たちは違和感を覚えている事もすくなくありませんが、ここではなぜニッカポッカと鳶足袋が禁止されつつあるのか、その理由について解説します。
ニッカポッカを禁止する理由
上で解説した通り、ニッカポッカは非常に機能的なズボンである一方、弱点も存在します。
以下にその例を3つ挙げました。
風にあおられて危険
風の強さや方向を測るために、あえて風にたなびくよう設計されているダボダボが、かえって風に煽られて危険だと考える人も少なくありません。
鳶職人は、高所での作業を専門にする職人です。
そのため、風に煽られる服装では転落する恐れがあるとして、ニッカポッカの着用を禁止する企業が増えてきています。
伸縮性のよい素材が開発されている
平ズボンよりも足回りに大きなゆとりがあるニッカポッカは、足さばきが非常にラクに行えます。
しかし、最近では伸縮性に優れた生地の平ズボンが多く流通しており、足さばき向上のためにニッカポッカを選択する意味がなくなりつつあります。
平ズボンにすることでニッカポッカ特有の危険性をなくすことができるという考えから、平ズボンでの作業を義務付けている企業も増えてきているのです。
足元が見えづらい
ニッカポッカは幅が広い分、足元が見えづらいという大きな欠点があります。
高所での作業では、足元に十分気を付ける必要があるため、視認性を高める意味でも平ズボンの使用を推奨する企業が多いです。
鳶足袋を禁止する理由
鳶足袋に関しても、安全性の観点から安全靴への切り替えを義務付ける会社が増えてきています。
次に挙げる理由をみてみましょう。
足にものを落とすと危険
つま先に鉄板が仕込まれている安全靴と違い、鳶足袋は足にモノを落とした時にケガをしやすいとい欠点があります。
鳶職人が使う道具には、金槌、レンチ、インパクトドライバーなど重くて硬いものも少なくありません。
また、扱う資材も鉄製の重量物が多いですよね。
万が一誤って足にこれらのものを落としてしまうと、下手をすると骨折などの大けがにもつながりかねません。
そのため、鳶足袋を安全靴に履き替えるように指導している会社が増えてきているのです。
鳶職の平均年収は約400万円!経験や年齢別の収入も解説します!
鳶職デビューした人にオススメの転職サービス3選
ここまで読んで、鳶職のお仕事に興味を持った人は、挑戦してみるのもよいでしょう。
鳶職の世界に飛び込む上では、学歴や経歴が問われることは基本的にありません。
また、現在建築業界は人手不足に悩まされていることから、たとえ未経験であっても鳶職デビューはしやすいと言えます。
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まとめ〜ニッカポッカや鳶足袋の解説〜
この記事では鳶職の服装について、構造や歴史など様々な情報を解説してきました。
独特な服装の裏には、鳶職人として働くためのさまざまな機能が満載されています。
安全面を考慮する中でニッカポッカや鳶足袋などを禁止する職場も増えてきていますが、まだまだ現役で活躍しているアイテムです。
これから鳶職にチャレンジしようと考えている人は、あの独特な服装にはたくさんの機能が備わっていることを覚えておいてくださいね!