事務職は男性にも女性にも人気のある職種で、企業内でのサポートや庶務、雑務、事務処理等をしたい人に向いています。
バックオフィスのスキルを活用したい、特定の事務経験を活用したいという人も事務職を希望するため、このところ人気が高まっています。
転職の際は経験者が有利ですが、だからといって未経験者が全く採用されないというわけではありません。
未経験者でも採用される、経験者がより有利になるために重要なのが、志望動機です。
それではどういう志望動機を書くと採用されやすいのでしょうか。
事務職の志望動機を書くときのポイント
ここではまず、事務職ならではの志望動機を書く時のポイントを紹介しましょう。
志望の会社を含んだ理由を含めること
まず、最も大事なのが「どうしてその会社を志望したのか」ということを含めることです。
事務職は様々な企業で募集されているので、事務職をやりたいという熱意だけが書かれた書類を見ると「じゃあどうしてうちの会社なの?」という点が不明瞭になりがちです。
なんの事務かを明確にする
応募書類に事務の分類である「一般事務」「経理事務」「総務事務」などと書く場合でも、どういった事務職かを明確にしなくてはなりません。
これは応募の際のミスマッチを防ぐ他、より自分のアピールポイントを引き立てるためのものでもあります。
事務職に向いている能力、適性などをアピールする
最後に、自分が事務職に向いていることをアピールするようにしましょう。
例えば
- 「経理事務を4年やっており、ミス無く帳簿付けを行っていました」
というように、経験や自分の適性をアピールするのです。
こうすることによってその企業で働くイメージをより持ってもらいやすく、しかもアピールしやすくなるでしょう。
職種の違いによる書き方のコツは?
事務職といっても、さらにそれぞれの職種があります。
職種ごとに細かいスキルも変わってきますので、上手にアピールするようにしましょう。
経理事務はパソコンスキルと簿記スキルを忘れないで
経理事務の場合、重視されやすいのはパソコンのスキルです。
今の時代、帳簿の管理はまずパソコンで行いますし、何かあったときに他の事務を手伝うのにも、庶務を行うのにもパソコンは欠かせません。
このため、経理事務ではMOS資格を取得していること、簿記資格を取得していること、資料作成等を的確に早く行えることなどがアピールポイントになります。
総務事務は業務の正確性をアピール
総務事務の場合、最も大事なのが業務の正確さです。
給与計算や社会保険などデリケートなことを扱うことが多いので、とにかく業務の正確性は大事なところです。
また、その中でも特に入力業務の正確性は欠かせません。
データを適切に扱ったり、専門のソフトウェアをしっかり使いこなせることもアピールポイントとなるでしょう。
一般事務はWord・Excelが重要
一般事務の場合、専門性が劣るものの、それでもアピールできるポイントはあります。
最も大事なのがパソコンスキルです。
今の時代、もはやWordとExcelが使えない事務員というのはあまりいません。
このため、この2つがあり、更に意欲があることは間違いなく採用に有利でしょう。
【例文1】数字に強いことを伝えたい場合
事務の中でも大事なのが事務処理で、その中でも数字に強いことをアピールしたい場合、いくつかの方法があります。
学生時代からのことをアピールする
数字が強い人の場合、学生時代から数学や理数系の科目が得意だという人が多いのではないでしょうか。
文章の例としては
- 「学生時代に数学が得意だったため、簿記のスクールに通い、資格を取得しました」
- 「小さい頃からそろばんを習っていたので、暗算は早くできます。また、そろばん検定を取得しています」
というように、数字が得意なことをアピールしていきましょう。
小さい頃から慣れ親しんでいる、ということがポイントです。
経験がある人向けのアピールポイント
数字に強いことが有利になりやすい事務としては、経理事務があります。
経理事務の場合は数字に強いことをアピールすることも有利になりますし、また経理事務の経験があることもポイントとなるでしょう。
この場合の例文としては
- 「経理事務職に就いた後は給与計算の業務をおこなっていました」
- 「経理事務で経費計算を行い、早くて正確だと上司に褒められたことがあります」
というようなアピールを行うといいですね。
【例文2】サポート力を伝えたい場合
営業事務や庶務などになると、今度は現場ではたらく人や会社、日々忙しい営業をサポートする役割になってきます。
こういった仕事の場合、またアピールするポイントが変わってくるのです。
これまでの経験を第一に伝える
これまでにもしそういった経験があるのなら、ぜひサポート業務の経験を伝えましょう。
例えば
- 「パソコンスキルを上げるため、毎日のタイピング練習をして仕事の質を上げることができました」
- 「細やかなところまで気を配り、秘書検定取得でビジネスマナーを学習しました」
などがポイントです。
経験があるのなら具体的な体験談、褒められたポイントなどを明確に伝えてください。
サポート力をアピール
また、未経験の場合やアピールできる実績がなくても、自分はサポート力があるとはっきり明確にアピールするのがポイントです。
例えば
- 「ともに働く仲間が仕事をしやすいよう、サポートをする事務職が向いていると思いました」
- 「事務処理をスピーディーにおこない、会社に貢献したいです」
と意欲を込めて伝えるのがいいでしょう。
具体的にどのようなサポートができるのかをしっかり伝えれば、未経験でも効果的な志望動機になります。
【例文3】事務の適正を伝えたい場合
自分が事務職に向いているという仕事の場合、どういうスキルを持っているかよりも、どういうふうに自分が事務職についているかをアピールするのがポイントです。
作業について、仕事についての心がけをアピールする
作業について、仕事についての心がけは事務職でも重要なポイントです。
その中でも特に、自分が事務に向いているということ、適性があるということを具体的にアピールしましょう。
例えば
- 「淡々とした作業が好きで、丁寧な仕事を常に意識しています」
ということはキーパンチャーの仕事ではアピールポイントになりますね。
また
- 「迅速かつ正確性のある仕事を心がけています」
というのは、総務でも経理でも、役に立つポイントでもあります。
絶対にしてはダメなのが『事務以外やりたくない』
とはいえ、ここでは落とし穴がいくつかあります。
その一つが「事務以外やりたくありません」という言葉です。
これは一見すると熱意をアピールしているように思いますよね。
実際はそれ以外の仕事に熱意や意欲がなく、突発的な雑務を嫌がりそう、というイメージを持たれます。
事務職に魅力があるのはわかりますが、事務以外は嫌だと明確にしすぎるのはよくありません。
応募書類上では少なくともこんな言葉は使わないようにしましょう。
【例文4】事務経験者の場合
事務経験者の場合、たしかに未経験者よりは幾分か有利です。
ただしそれは経験だけではなく、明確に経験者であることをアピールする文章があります。
どのようなことをしてきたのかを明確に
経験者の場合、最も大事なのは「これまでどんな事務をしてきたか」ということです。
これまでの経験は必ず明確に書かなくてはなりません。
例文としては
- 「前職では、電話対応や資料作成を担当していました」
- 「庶務と一般事務を6年行っておりました」
というように、どの事務に当てはまることなのかをしっかり書きましょう。
経験を生かして事務がしたいとアピール
経験者の場合は事務の経験があることだけではなく、それ以上にアピールしやすいものがあります。
それは熱意やスキルアップの気持ちです。
例文としては
- 「以前よりも幅広い事務業務に従事したいと考えております」
- 「前職の経験を活かして、スキルアップを図りたいと考え、応募させていただきました」
というのが当てはまります。
これまでと同じ仕事ではなく、もっとスキルを高めたいとか、もっとより良い仕事がしたい、ということを強くアピールするようにしましょう。
【例文5】異業種からの転職の場合
異業種の場合、特に事務とはあまり関係がないかもしれない仕事だけを経験してきた人の場合でも、十分アピールに繋がる可能性はあります。
職歴が事務に通じるポイントを探す
これまでの仕事の中に、どこかに必ず事務経験に通じるポイントがあったはずです。
探すのは難しいことではなく、簡単に連想できるようなもので構いません。
事務の仕事に通じるところを探すのがポイントです。
例えば
- 「前職ではPOPの作成や顧客管理もしていましたので、パソコンスキルには自信があります」
- 「転職前は販売職をしていましたが、業務に携わる中でデータ管理が重要であることを知りました」
パソコンを使わない仕事でも
「接客応対を通じて、ビジネスマナーを身につけることができました。
これからは接客スキルを活用して受付業務を頑張っていきたいと思っています」
などもアピールポイントになるでしょう。
資格取得もアピールポイントに
もし全く考えられないというのなら、パソコンの資格や事務に有利な資格取得もアピールポイントになるでしょう。
例えば
- 「いち早く即戦力となれるよう、情報処理の資格を取得しました」
- 「帳簿ソフトの経験があり、資格を取得しました」
というところもアピールポイントになります。
【例文6】事務未経験者の場合
事務未経験者の場合でも、採用される可能性はあります。
確かに経験者からすれば見劣りするかもしれませんが、未経験者だからこそ持つ魅力があるのです。
どうして興味を持ったのか明確にする
事務未経験者の中には、楽で難しい対応もしなくていいから事務がいい、なんて人もいます。
しかし、それは採用側にとってはマイナスのイメージの志望理由です。
本心はそうであったとしても、プラスのイメージの志望理由が望ましいです。
例えば
- 「未経験ですが、パソコンを使い、コツコツと作業をするのが好きなので事務職に興味を持ちました」
というような文章を書くようにしましょう。
未経験でも何を理由に事務に向いているかを明確にすることが大切です。
熱意があるなら積極的に
もしあなたにやる気が人一倍あって、経験をしっかり積みたいというのならその熱意もアピールポイントになるでしょう。
書き方としては
- 「研修制度を通して経験を重ね、即戦力になれるよう早く成長していきたいです」
というような文章です。
研修制度がある企業の場合、特に企業の制度を使って成長していきたいという熱意もしっかり伝えたいところです。
【例文7】事務職のスキルを身に付けたい場合
未経験者、あるいは事務経験者でも畑違いの事務職をやりたいと考える人はいるものです。
そういう場合、具体的にどのようなスキルを身につけたいか、スキルを身につけてどのように会社へ貢献したいかを伝えたいところです。
事務経験者だからこそ使える例文
事務経験者の場合、今までとは異なる分野の事務職に挑戦したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
事務の専門分野を広げたいという人もいるでしょう。
この場合は
- 「これまでの経験とは異なる事務や総務といったスキルや経験を身に付けたいと思っています」
というような文章が使いやすいですね。
経験がありつつ、なおかつもっと他の事務をしたいという熱意を伝えられます。
未経験者は資格取得中もポイントに
未経験者の場合、既に取得した資格を活用したいというばかりではありません。
事務のスキルを身に着けたいからこそ勉強中、というのもアピールの材料に使えます。
例えば
- 「現在は簿記の資格を取るための勉強をしております」
- 「パソコンの資格を取ったので、より上級の資格を狙っています」
というようなポイントがアピールとして使いやすいでしょう。
志望動機で自分を上手くアピールしよう!
これまで、いくつかのパターンごとにアピールポイントやそれぞれの例文を紹介してきました。
これらの例文を組み合わせて、より上手に自分の魅力を伝えられるような志望動機を考えるようにしましょう。
自分が事務職のためにこういうふうに頑張ってきたということや、これまでどういうスキルを身に着けてきた、こういう経験がある、というようなことを踏まえるのがポイントです。
また、そのうえでその会社に応募した動機やその会社での将来の自分の姿などを想像しやすいように書き、どのように会社に貢献していけるかをアピールしましょう。
上手な字もアピールポイント
最近はパソコンで応募する企業も増えましたが、やはり履歴書は手書きという企業はいまだに多く存在します。
このとき、書く字が上手なだけでもアピールポイントになりやすいのです。
事務職は字を書く機会も多く、またその字を人に見せることも多いため、字が上手なことはそれだけで有利になります。
このため、提出書類の字は丁寧に書くようにしましょう。
最低でも誤字脱字などがないようにしたいところです。
できるだけ書きやすいペンで書くことで、より採用確率を上げることができるかもしれません。