土木施工管理の仕事に興味があるけど、「やめとけ」という意見を聞いて不安、と悩んでいる方も多いでしょう。
今回は、土木施工管理はやめとけと言われる8つの理由を解説します。
土木施工管理の良い面だけではなく、悪い面も把握して、本当に土木施工管理を目指すべきか・あるいは続けるべきか、考えてみてください。
ただ、土木施工管理は確かに大変な仕事ですが、「土木施工管理はやめとけ」という意見が誰にでも当てはまるわけではありません。
土木施工管理の魅力や、土木施工管理に向いている人・向いていない人の特徴もご紹介します。
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土木施工管理はやめとけと言われる8つの理由
「土木施工管理はやめとけ」と言われる理由は、次の通りです。
「土木施工管理はやめとけ」と言われる理由
- 労働時間が長い・残業が多い
- 休日が少ない
- 工期を守るプレッシャーがある
- 体力的にきつい
- 業務の大変さに見合うだけの給料が得られない場合も
- 転勤や出張が多い
- コミュニケーション力が必要
- 膨大な提出資料の作成が大変
1.労働時間が長い・残業が多い
土木施工管理の仕事は、業務量の多さから、長時間労働や残業が多いという特徴があります。
国交省のデータによると、建設業は全産業平均と比較して年間300時間以上も長く働いており、これは産業構造的な問題です。
特に施工管理の職は、平均残業時間が月に30時間から50時間程度といわれています。
日本の労働者の平均残業時間と比べて、1.5倍から2倍以上も多いのが現状です。
土木施工管理の1日のスケジュール例
- 朝7時に現場に入る
- 昼を挟み夕方に帰社
- 夜21時まで事務業務
施工管理の主な業務には、現場の指揮監督、スケジュール管理、資材発注、職人の手配、施工計画の作成、各種書類の作成、関係各所との打ち合わせなどがあります。
これらの業務は日中に行うものもあれば、夕方以降に行う事務作業も多いです。
どうしても労働時間が伸びる傾向にあります。
長時間労働が体や心に影響を与える可能性は、無視できません。
特にプライベートの時間を大切にしたい方や、健康を最優先に考える方は、土木施工管理に向いていない可能性があります。
2.休日が少ない
厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、令和2年における建設業の平均年間休日は平均107.6日です。
これは全産業の平均である116.0日を下回っており、休日が少ないことがうかがえます。
中でも土木施工管理は、何かトラブルが生じたときに対応しなければならない現場の責任者であるため、休日出勤が発生しやすい傾向です。
3.工期を守るプレッシャーがある
また、土木施工管理は工事全体に影響を与える重要なポジションであるため、工期を守るプレッシャーも大きいのが現実です。
しかし突発的なトラブルや悪天候によって、思うように作業が進まない場合もあります。
幅広い年齢層の従業員をマネジメントしつつ、スケジュール通りに作業を進めるのは、肉体的にも精神的にもきついと感じる可能性があります。
4.体力的にきつい
土木施工管理の仕事は、体力が求められます。
工事現場で作業員の指揮や監督を行う際は、基本的に立ちっぱなしです。
また、屋外で作業を行う場合が多く、暑い・寒いなどの環境にさらされることもあります。
さらに土木施工管理はただマネジメントをしていればよいわけではなく、自ら力仕事をする場面も多いです。
体力に自信がない人や、長時間の立ち仕事や重い荷物の運搬が苦痛な人は、土木施工管理に向いていないと言えるでしょう。
5.業務の大変さに見合うだけの給料が得られない場合も
たとえ労働時間が長い・休日出勤が多い・プレッシャーが大きいといったデメリットがあっても、待遇さえよければ頑張れるかもしれません。
しかし、土木施工管理は大変な仕事であるにも関わらず、それに見合うだけの給料が得られないという声が一部で存在しています。
業務内容と給与が見合わない場合、仕事のモチベーションが上がらない、転職したい、と感じる原因になるでしょう。
6.転勤や出張が多い
土木施工管理の仕事を選ぶ際、多くの人が見落としがちなのが、転勤や出張の多さです。
土木施工管理の仕事では一般的に、特定のプロジェクトが終わったら、次の現場へ移動します。
自宅やオフィスから現場が遠くても、その場に常駐してマネジメントを行う必要があるのです。
転勤や出張の頻度は、企業によって異なります。
地元に根ざしたプロジェクトを中心に行う企業を選ぶことで、転勤や出張を最小限に抑えることも可能です。
しかしそれでも土木施工管理は、現場に立ち会うという性質から逃れることはできません。
自身のライフスタイルや働き方に合った企業を選ぶことが大切です。
7.コミュニケーション力が必要
土木施工管理はやめとけと言われる理由のひとつに「コミュニケーション力が必要」というものがあります。
土木施工管理は、工事のスケジュールや安全を管理する中で、工事関係者と円滑なコミュニケーションを取らなくてはなりません。
工事関係者とは、発注者、施工業者、下請業者、協力会社などです。
また、幅広い年齢層の職人さんと関わる必要があります。
それぞれの立場や考えを理解し、適切なコミュニケーションを行わなくてはなりません。
工事関係者とのコミュニケーションがうまくいかないと、工事のスケジュールや予算、安全に影響を与える可能性があります。
そのためコミュニケーションが苦手な人や、人と話すことが苦痛な人は、土木施工管理に向いていないと言えるでしょう。
ただし、コミュニケーション力はスキルであり、トレーニングによって向上させることが可能です。
土木施工管理の仕事に興味がある人は、コミュニケーションに関する書籍やセミナーを受講する、積極的に人と交流するなどのトレーニングを積んでおくと良いでしょう。
8.膨大な提出資料の作成が大変
「体を動かすのが好きだから」「体力に自信があるから」といった理由でこの業界に入る方も多いでしょう。
しかし土木施工管理の立場になると、ただ現場で体を動かしていればよいのではなく、関係者に提供する膨大な資料の作成をする必要があります。
これらの資料は、国語辞典数冊分にも及ぶボリュームとなる場合があり、その作成はかなりの集中力と持続力を必要とします。
「デスクワークが好き」という人にとってはメリットにもなり得ますが、「座り仕事で集中力を維持するのが苦手だ」という人は、苦痛に感じる可能性があります。
「土木施工管理はやめとけ」はウソ!?仕事の魅力
土木施工管理はデメリットだけではなく、メリットも多い仕事です。
土木施工管理の魅力を紹介します。
土木施工管理の魅力
- 高い給与が得られる
- 公共工事が多くやりがいを感じられる
- 需要がある
- 地域の発展に貢献できる
高い給与が得られる
土木施工管理は責任が大きい仕事ですが、給料も高いです。
「今よりも稼ぎたい」「高収入を目指したい」と思っている方は、土木施工管理を目指してみるのもいいかもしれません。
なお、土木施工管理技士の資格には1級と2級があります。
1級の土木施工管理技士は、全ての土木工事において、作業工程の責任者である主任技術者と、現場全体の指揮をとる監理技術者の両方を担当できます。
一方、2級の資格は「土木・鋼構造物塗装・薬液注入」の3種類にわかれており、合格した分野の主任技術者として施工管理に携われるというものです。
高収入を目指すなら、ゆくゆくは1級の取得を目指すといいでしょう。
公共工事が多くやりがいを感じられる
土木施工管理の魅力のひとつに「公共工事が多くやりがいを感じられる」というものがあります。
土木施工管理は、道路や橋、トンネル、ダムなどの公共工事に携わることが多いです。
これらの公共工事は、人々の生活を支える重要なインフラなので、社会に貢献しているという実感が得られやすいと言えます。
土木施工管理という責任ある立場から、人々の生活をより便利で快適なものにしているという、やりがいが感じられるでしょう。
需要がある
土木施工管理は今後も需要がある職種です。
道路、橋梁、ダムといったインフラは、都市の発展と人々の生活に欠かせません。
公共性が高いこれらのインフラの需要は、経済状況や市場の変動に左右されにくいため、土木施工管理の職種も一定の需要を保ち続けます。
加えて土木施工管理の業務内容は、機械による完全な代替が困難です。
人間の判断と経験、コミュニケーション能力が重要視されるため、土木施工管理は価値を保ち続ける職種といえるでしょう。
地域の発展に貢献できる
さらに、地域の発展に貢献することができるのもメリットです。
たとえば土木施工管理の仕事によってダムが整備されれば、水資源の安定供給につながります。
地域に根ざした企業を選べば、地元のインフラ整備に貢献することが可能です。
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「土木施工管理はやめとけ」に当てはまる人とは?
「土木施工管理はやめとけ」という意見が、誰にでも当てはまるわけではありません。
「土木施工管理はやめとけ」と言われてしまうのはどんな人か、反対に「土木施工管理はやめとけ」に当てはまらないのはどんな人か、ご紹介します。
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまる人
POINT
- ワークライフバランスを重視する
- 今の給料で満足しており、キャリアアップは望まない
- 現場で体を動かしたい
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまる人は、ワークライフバランスを重視する人です。
建設業界は残業が発生しやすく、責任が重い土木施工管理のポジションに就くと、その傾向はさらに顕著となります。
また土木施工管理は、事務作業も多いです。
「現場で体を動かしたい」という人は、土木施工管理になキャリアアップすると、仕事がつまらないと感じてしまう可能性もあります。
とはいえ、どの会社でも土木施工管理が激務とは限りません。
転職サイトや口コミサイトを利用して、働きやすいホワイトな職場を探すのもひとつの方法です。
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまらない人
POINT
- ステップアップしたい人
- 長時間労働や責任の重さに耐えられる人
- 需要のある仕事がしたい人
土木施工管理は重要なポジションであり、ステップアップしたい人にはおすすめの職種です。
責任が大きく、経験やスキルが求められますが、土木施工管理は今後も需要があるといわれています。
土木施工管理の資格を取得することで、将来的に待遇アップやキャリアアップを目指して、別の職場に転職する機会にも恵まれやすくなるでしょう。
ただし長時間労働になりがち、責任が重いといった側面もあるため、土木施工管理のデメリットも受け入れられるかどうかがポイントとなります。
土木施工管理の仕事探しにおすすめの転職サイト3選
このように土木施工管理は、「やめとけ」という意見がある一方で、魅力も多い職種です。
特に給料アップを目指したい、需要のある仕事がしたいと考えているなら、おすすめの仕事だといえます。
土木施工管理になりたい、あるいは土木施工管理の経験を活かして転職したい、と思ったら、転職サイトへの登録がおすすめです。
すぐに転職するつもりがない人も、転職サイトでさまざまな求人をチェックして、土木施工管理の給料水準や労働条件などを確認しましょう。
土木施工管理におすすめの転職サイト・転職エージェント3選をご紹介します。
土木施工管理におすすめの転職サイト・転職エージェント3選
- GATEN職
- 建職バンク
- doda
①GATEN職
- GATEN職の特徴現場系のお仕事全般の求人を掲載している
- 土木系・施工管理の転職に強い
- 正社員からアルバイトまで様々な雇用形態の求人を見つけられる
- 希望条件を詳細まで絞って検索できる
- 動画から求人を探すことができる
「GATEN職」は、土木施工管理をはじめとするガテン系の求人に特化した転職サイトです。
専門性が高いサイトなので、自分の希望に合った全国の土木施工管理の求人を、効率よく見つけることができます。
またGATEN職では、未経験者向けの求人も豊富です。
現場系の仕事に興味があるが、経験がないという人でも、挑戦しやすい環境が整っています。
日雇いやアルバイトの求人もあるので、現場系のお仕事をしたことがない方も、まずは気軽に応募してみましょう。
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②建職バンク
- 建職バンクの特徴建設業界に特化した転職・求人サイト
- 建築・土木・電気などの求人が見つかる
- 自分で求人を検索して応募するほか、アドバイザーから求人の紹介を受けられる
- 業界に精通したアドバイザーが書類添削や面接対策などのサポートをしてくれる
建職バンクは、建設業界の求人に特化した転職サイトです。
建築・土木・電気などのお仕事探しに強く、もちろん土木施工管理の求人も掲載しています。
さらに建職バンクでは、業界知識豊富なアドバイザーが転職活動をサポートしてくれるのも魅力です。
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③doda
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dodaは国内最大級の転職サイトです。
CMをたくさん放映していることから、ご存じの方も多いでしょう。
dodaは何といっても、取り扱い求人数の多さが強みです。
なんと約20万件もの求人を掲載しています。
全国のさまざまな業種・職種の求人を掲載しているので、土木施工管理のお仕事はもちろん、異業種のお仕事も一緒に比較検討しながら探せます。
転職を検討しているなら、まず登録しておきたい大手サイトです。
「土木施工管理はやめとけ」という意見もあるがステップアップしたいならおすすめ!
「土木施工管理はやめとけ」という意見もありますが、建設業界でステップアップしたいならおすすめの仕事です。
残業や休日出勤の多さがネックだと言われがちですが、近年は建設業界でも働き方改革が進んでいます。
そのため、休日が少ないことを理由に土木施工管理を避けるのは、必ずしも正しいとは言えません。
いずれは「やめとけ」という声が小さくなっていく可能性もあるでしょう。
興味を抱いた方は、ぜひ土木施工管理の仕事に挑戦してみてください。
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