高いところを颯爽と移動しながら、足場の組み立てや解体、鉄骨の組み立てや重量物の搬入など、建築現場でさまざまな活躍をみせる鳶職人達。
建築現場では、「現場の華」とも言われるほど重要なお仕事ですが、どのくらいの年収が叩き出せるのでしょうか?
体力仕事でもあるため、仕事に見合った給料が貰えるのかどうかは気になるところですよね。
この記事では、そんな鳶職の気になる年収や、収入アップにオススメな資格について解説します。
これから鳶職にチャレンジしたい人はもちろん、現在鳶職として活躍している人もぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
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鳶職の平均年収は約400万円
さっそく、気になる鳶職の年収を見てみましょう。
厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」という調査によると、鳶職の年収はおおむね400万円前後といえます。
ここでは、令和2年と令和元年の調査結果をもとに鳶職の年収を解説します。
鳶職で年収1000万まで稼げる?稼げる人の特徴について解説!
令和2年の調査結果
「賃金構造基本統計調査」では、職種別に細かく分類された年収が発表されますが、令和2年の調査結果では、「鳶職」という括りはなくなっており、代わりに「建設躯体工事従事者」という名目になっています。
結果によると、全年齢の平均年収は約411万円となっており、月給の平均は約31万円です。
同じ建設業界のお仕事と比較してみましょう。
同じ調査では、大工の平均年収が378万円、配管従事者の平均年収が461万円、電気工事従事者が577万円となっています。
建築業界のお仕事は非常にたくさんの職種が集まって成り立っているため、このように平均年収にはバラつきがでます。
令和元年の調査結果
一方令和元年の調査では、「とび工」という分類で調査されています。
結果は、約393万円となっています。
先程解説した結果と比較すると多少の差がありますが、調査結果から判断すればおおよそ400万円前後が鳶職の平均年収です。
ただし、鳶職を含め建築業界の年収はオリンピックや万博、大規模な鉄道整備など、国を挙げてのイベントや計画の影響をダイレクトに受けやすい業界のため、それらの要素で鳶職全体の平均にバラつきが生じやすいことも覚えておきましょう。
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鳶職の年収は経験や年齢によっても変わる
上では厚生労働省が行った調査の結果から、鳶職の平均年収は400万円前後と解説しました。
しかし鳶職は、技術や経験が重要な職人の世界です。
そのため、見習い期間の鳶職と親方クラスの鳶職とでは、収入に大きな差がうまれます。
ここでは、以下の3つのタイプについて、それぞれの収入を解説していきます。
- 見習い期間の場合
- 中堅鳶職人の場合
- 親方クラスの場合
また、鳶職の給料体系はほとんどの場合日給月給制です。
そのため、ケガや悪天候などのアクシデントで作業ができなかった日の分の給料は発生しないことを覚えておいて下さい。
それでは、それぞれ見ていきましょう!
見習い期間の場合
まずは鳶職の世界に飛び込んだばかりの、見習い期間について考えてみましょう。
見習い期間は先輩の職人や親方から指導を受けながら徐々に仕事を覚えていく期間です。
先輩や親方が指導している分、作業全体の進行が遅れてしまうために、収入は低めに設定されています。
先ほど挙げた厚生労働省の令和2年の調査結果では、24歳までの鳶職の年収は約286万円前後となっており、他の建築職と比較した場合には低めの給料です。
見習い期間中は、ある程度低収入である事を覚悟しなければいけませんね。
中堅鳶職人の場合
次に見習い期間を卒業し、一通りの作業を指導無しでこなせるようになった場合はどうでしょうか。
この時期になると、任される仕事も増え、技術も身についていることから日当は高くなっていきます。
調査結果では24歳から29歳までの平均年収が312万円、29歳から34歳までの平均年収が423万円となっています。
このように、経験年数を重ねたり技術を習得したりしながら、年収を上げていくのが一般的です。
親方クラスの場合
最後に技術や経験を十分に積み、一人前の親方として鳶職に従事する場合をみてみましょう。
職人の世界で十分な経験や技術を身につけるには、それなりに時間がかかります。
鳶職の平均年収がピークを迎えるのが49歳から54歳までの期間で、472万円が平均的な年収です。
54歳から59歳までの平均年収は421万円、59歳から64歳が401万円という調査結果がでています。
一定の年齢以降年収が下がるのは、高齢を理由に鳶職人を引退する人が多いため、全体的な平均が下がっているからです。
中には60歳を超えても親方として活躍し、年収1000万円以上を稼ぎ出す人も少なくありません。
ただし、鳶職は非常に体力を消耗する仕事の為、高齢の親方になった場合は、現場でバリバリと作業することは難しくなります。
鳶職の死亡率はどれくらい?事故を防ぐための心構えも解説します
鳶職の年収をあげる方法3選
鳶職は職人の世界の為、年収アップのためには技術や経験が非常に重要です。
それら以外に年収をアップさせる方法としては、主に以下の3つが考えられます。
- 資格を取得する
- 独立する
- 好待遇の職場へ転職する
順番に見ていきましょう!
①資格を取得する
資格を取得する事は、年収アップの為に効果的と言えます。
資格手当の支給による年収アップが期待できるだけではなく、資格取得にむけて勉強をすることで、より深い技術を身につける事ができるでしょう。
また、危険がつきものの鳶職の現場では、資格がない場合には作業の責任者になる事はできません。
責任者にキャリアアップして年収アップをするためにも、資格の取得は必須といえます。
②独立する
現在会社に所属していて、技術や経験に自信がある人は独立を考えるのも一つの手です。
現在建築業界は大変な人手不足に見舞われており、鳶職の需要も非常に高まっています。
建築現場には「鳶で始まり鳶に終わる」という言葉がある通り、あらゆる建築現場で鳶職は活躍するのです。
ただし、独立する場合には鳶職人としての技量はもちろん、人を使う能力や営業の能力などもとても大切です。
もしも技量に自信があっても経営に自信がない場合、企業経営の手腕に自信がある仲間と起業する事がオススメですよ。
③好待遇の職場へ転職する
現在の職場の待遇が悪さが影響して年収アップにつながらない場合は、思い切って他の会社に転職してみるのも選択肢の1つです。
たとえ鳶職人としての技量に自信があっても、身を置いている職場の業績が悪ければ年収アップは見込めません。
転職には不安がつきものですが、同じ鳶職への転職であれば必要以上に難しく構える事はありません。
企業の業績や将来性などを良く考えて、あらたな会社で再スタートを切る事も視野にいれてみましょう。
記事の最後にオススメの転職エージェントの紹介も行うので、そちらもぜひ目を通してみてくださいね!
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鳶職の年収アップにオススメの資格5選
上では鳶職の年収アップには、資格の取得が有効だと解説しました。
ここではそんな資格の中でもオススメのものを紹介します。
- 年収アップが狙える鳶職の関連資格とび技能士
- 足場の組立て等作業主任者
- 建築物等の鉄骨組立て等作業主任者
- 工事用エレベーター組立解体作業指揮者
- 鋼橋梁架設等作業主任者
たとえ資格が取得できなくても、取得に向けて勉強した経験は決して無駄にはなりません。
ぜひ参考にしてくださいね!
①とび技能士
1つ目のオススメの資格は「とび技能士」です。
とび技能士とは、鳶職にかかわる業務全般の能力を証明する国家資格で、それぞれ3級、2級、1級のレベルにわかれており、受験資格も異なります。
3級には受験資格は設定されていませんが、2級は実務経験2年以上の3級合格者、1級は実務経験7年以上もしくは、2級取得以後2年以上の実務経験、あるいは3級習得以後3年以上の実務意見が必要です。
年収アップを狙いたい場合は2級以上の取得を目指しましょう。
とくに将来鳶職として独立したい場合は、ぜひ1級を取得しておきたいところです。
②足場の組立て等作業主任者
鳶職の中でも「足場鳶」と呼ばれるお仕事の年収アップにぜひ取得したいものが、こちらの「足場の組立て等作業主任者」です。
危険が伴う足場の組み立てや解体の現場には、必ずこの資格を持っている人がいないといけません。
このことは法令によって定められているため、もし有資格者なしで作業をした場合には違法行為となり、作業者や企業が書類送検される事もあります。
そのため、鳶職として年収アップやキャリアアップを狙いたい場合には、必須の資格といえるのです。
一般的な作業従事者と責任者とでは収入にも差があるため、ぜひ取得してくださいね。
③建築物等の鉄骨組立て等作業主任者
先程解説した「足場の組立て等作業主任者」と同じく、高さ5メートル以上の高所で鉄骨の組み立てや解体を行う現場には、こちらの「建築物等の鉄骨組立て等作業主任者」がいなければなりません。
有資格者を配置することは法令で定められているために、有資格者なしでは高さ5メートル以上の場所で鉄骨を扱う事はできないのです。
鳶職の中でも「鉄骨鳶」という分野で特に活躍できる資格で、取得の難易度も比較的低めです。
④工事用エレベーター組立解体作業指揮者
高所での作業の専門家である鳶職ですが、現場の高い所まではしごや階段で上り下りする訳にはいきませんよね。
そんな時に活躍するのが、こちらの「工事用エレベーター組立解体作業指揮者」です。
主に高層建築の現場で活躍する鉄骨鳶が持っておきたい資格で、名前の通り建築現場で利用する工事用エレベーターの設置や解体を指揮する能力を証明するものです。
加えて、工事用エレベーターを安全に利用するための指導なども行います。
受験の必要はなく、所定の講習を修了すれば証明書が発行されます。
⑤鋼橋梁架設等作業主任者
鋼橋の組み立てや架設の現場には、こちらの「鋼橋梁架設等作業主任者」を必ず配置しなければいけません。
鋼橋とは、主な資材に鋼を用いて作られた橋の事で、非常に高度な技術が要求されるものです。
先ほど挙げた資格のように、有資格者の配置は法令で定められていることから、鉄骨鳶、とくに鋼橋の架設現場では大いに活躍できるでしょう。
40代でも建築士に転職できる?具体的なステップや注意点を解説します
鳶職が年収アップの為に身につけたい能力3選
上では年収アップの為の資格について解説しました。
ここでは資格ではなく、年収アップの為に必要な能力を解説します。
鳶職の年収アップのために身につけたい能力3選
- 体力
- 粘り強さ
- 勉強意欲
一つ一つみていきましょう。
建築業界に向いている人とは?建築業界でもとめられるスキルや仕事内容
①体力
鳶職の現場では、やはり体力が非常に重要です。
屋外での作業、重い資材の運搬など、常に体力を消耗する作業に携わる必要があるため、強靭なフィジカルは必須とも言えます。
加えて、先ほど解説した「とび技能士」の試験内容には120分間の実技試験が含まれており、さらに真夏の7月に行われることから、たとえ知識や技術が十分であっても、炎天下での作業をこなしきるだけの体力がなければ、取得も難しいのです。
②粘り強さ
職人の世界である鳶職の世界で年収アップを狙うためには、つらい修業期間を耐え抜く粘り強さも重要です。
時には強く叱られたり、飲み物を買いにいったりしなければならないこともあるでしょう。
それらの厳しい世界に耐え抜くだけの粘り強さがなければ、年収アップはおろか鳶職の世界で働き続ける事も難しいです。
③勉強意欲
専門的な知識や技術が要求される鳶職の現場では、常に勉強が必要です。
資格取得の為にも、作業を習得するためにも、先輩に積極的に質問したり空いた時間に勉強したりする必要があります。
決して簡単な事ではありませんが、現在鳶職として活躍している人も同じように勉強を重ねてきているのです。
建築板金工の平均年収は408万円?年収アップの方法やポイントを解説
鳶職は将来性もある!
鳶職というお仕事に将来性があるのかどうか、不安に感じている人も中にはいる事でしょう。
結論から言うと、鳶職の将来性について心配する必要はありません!
次に解説する根拠を順番にみてみましょう。
ただし体力を使うお仕事の為、生涯現役でバリバリと現場作業に携わる事は難しい点も忘れないでください。
鳶職は建築業界でも必須のお仕事
建築現場のあらゆるシーンで鳶職は活躍します。
新築工事はもちろん、リフォームや解体作業の現場でも鳶職がいなくては作業になりません。
そのため、建築業界が存在する限り、鳶職のお仕事がなくなる事はないといえます。
建築業界に無くてはならない存在として、鳶職は今後も活躍し続ける事でしょう。
建築業界の人手不足
社会に必要不可欠な業界の一つである建築業界ですが、その重要性とは対照的に深刻な人手不足に悩まされています。
鳶職の世界も例外ではなく、非常に需要が高いお仕事のひとつなのです。
経験、技術など要求される能力は多いものの、体力や技量があれば長く活躍できるお仕事と言えます。
機械化が難しい
現在、ロボットの導入やIT技術の駆使など、様々な業界でDX化が進められています。
建築業界においてもDX化は進められていますが、人事職や事務職などが主な対象です。
というのも、鳶職のお仕事をロボットや機械で代用することは難しく、人の手でなければ行えない作業が多くあるからです。
今後もあらゆるシーンでDX化やIT化が進むことが予想されていますが、鳶職のお仕事全てが機械に取って代わられることはありません。
鳶職で年収を上げたい場合は転職サイトを利用しよう
先ほど年収を上げる一つの選択肢として、転職について解説しました。
しかし、独力のみで転職活動を行う事はオススメできません。
情報社会の現代、転職する上では、いかにインターネットや転職エージェントを上手に活用するかと言う点が、非常に重要です。
以下にオススメの転職サイトを3つ紹介します。
- GATEN職
- 建職バンク
- doda
年収アップを狙いたい場合はもちろん、これから鳶職へチャレンジしたい人もぜひ活用してくださいね!
転職サイト・転職エージェント比較ランキング!おすすめの転職サービスについて徹底解説
GATEN職
- GATEN職の特徴現場系のお仕事全般の求人を掲載している
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- 希望条件を詳細まで絞って検索できる
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鳶職として転職を考える際に、ぜひ利用したいサイトがこちらの「GATEN職」です!
現場系のお仕事が幅広く掲載されており、建築業界のお仕事だけでも、求人数は1000件を超えます。
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建職バンクの特徴は以下の通りです。
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つづいてオススメするのが、こちらの「建職バンク」です!
建築業界に特化したサイトの中では、求人数はトップクラスを誇ります!
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ぜひ活用しましょう!
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求人数 | 約260,000件 |
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対応地域 | 全国47都道府県 |
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飲食やIT、福祉など非常に幅広い業界のお仕事を多数取り扱っているのが、こちらの「doda」です。
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面接対策や応募書類の添削など、転職活動で悩ましい部分についても、非常に丁寧にサポートしてもらえます!
dodaのエージェントは転職におススメのサービス!評判・口コミを徹底解説
まとめ〜鳶職の年収やオススメの資格など〜
この記事では鳶職の年収について、キャリアによる違いや年収アップのための資格などもまじえながら、詳しく解説してきました。
鳶職としての年収を上げるためには、責任者や監督などへのキャリアアップが不可欠です。
そのためにも資格も積極的に取得していきたいですね。
鳶職は建築業界において、なくてはならない存在です。
長く働いていくためにも、この記事を参考にしてぜひ年収アップを狙ってくださいね!
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