さまざまある建築業界のお仕事の中でも、特に重要なものの一つである「施工管理」。
予算の算出や現場指導まで、工事のあらゆる工程に幅広く携わる施工管理は、現場にとってなくてはならないお仕事です。
そんな施工管理ですが、さまざまな理由から転職を考える人も中にはいます。
現在施工管理のお仕事に携わる人はもちろん、これから施工管理に挑戦する人にとっても、こうした理由については気になるところですよね。
この記事では、施工管理を退職するに至った理由に多いものについて、施工管理技士の転職先選びのポイントなども交えながら解説していきます。
ぜひ参考にしてください!
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施工管理の転職理由に多いもの10選
早速、施工管理の転職理由について多いものを見ていきましょう。
この記事では、特に多い理由を以下の10項目に絞り、それぞれ詳しく解説していきます。
特に、今まさに転職を考えている施工管理技士の人にとって、他の人がどのような理由で転職をするのかは押さえておきたいところです。
他人の理由にも目を向けることで、転職の決意を一層固めることも逆に思いとどまることもできるでしょう。
施工管理の転職理由に多いもの10選
- 労働条件への不満
- 仕事に対して給料が安い
- 労働時間が長い
- 仕事への評価が不当
- 休日が少ない
- 業務へのミスマッチ
- 倒産などの会社都合
- 介護などの家庭の事情
- 資格取得のため
- 人間関係につかれた
上から順番に解説していきます!
建築業界に向いている人とは?建築業界でもとめられるスキルや仕事内容
①労働条件への不満
現在、日本の建築業界は深刻な人手不足や、進行する高齢化などに悩まされています。
建築業界への需要が高まる一方で、人材が大きく足りていないだけに、一人一人にかかる負担も増大しているのです。
特に施工管理のお仕事は、工事にかかわるあらゆる工程に幅広く携わります。
業務量の多さと人手不足が影響し、連日残業続きというケースも珍しくありません。
政府もこうした状況を静観しているわけではなく、施工管理技士補の創設や待遇改善の措置など、さまざまな対策を講じていますが、劇的な改善はされていないのが現状です。
こうした労働条件の悪さに不満を覚えて退職するケースは、施工管理の現場で非常に多いといえます。
②仕事に対して給料が安い
給料に関する不満も決して少なくありません。
建築業界全体の平均年収から見ると、施工管理技士の年収は特段低いわけではありませんが、膨大な仕事量と拘束時間に見合うだけの給料を得られていないと感じる場合が多いです。
加えて多くの場合、施工管理のお仕事はみなし残業制や、固定残業代制です。
そのため、残業をすればするほど、収入面での不満が大きくなってしまいます。
現在、建築業界全体が深刻な人手不足にあえいでいます。
施工管理技士が売り手市場の今、現職よりも給与面で優れている会社へ転職しやすい状況なのです。
③労働時間が長い
長すぎる労働時間にうんざりしてしまうケースも多いです。
施工管理のお仕事は、工事にかかわるあらゆる工程に携わります。
現場で作業の指揮を執ることもあれば、オフィスに戻ってPC業務を行うこともありますよね。
これらの一連の作業を時間内に終わらせられないことは珍しくなく、万が一想定外のトラブルや問題が発生した場合には、さらに残業などが重なります。
また、現場とオフィスとを行き来する機会も多く、作業現場が遠方の場合、現場での作業を終えてオフィスにもどる移動だけでも多くの時間を取られることも。
日々体力を使う現場作業にも携わりながらも、長時間の労働から解放されずに転職を決意する人も多いのです。
特に、40代、50代と年齢を重ねるにつれ体力的な衰えも見えてきます。
年齢を重ねてからの転職活動は簡単ではないため、若いうちに施工管理から卒業しようと考える人も中にはいます。
④仕事への評価が不当
仕事に対する正当な評価は、モチベーションの向上に欠かせないものです。
ところが、施工管理技士の中にはこうした評価を得られずに悩んでいる人も少なくありません。
どんどんとキャリアアップを重ねていきたい成功管理技士にとって、仕事に対する評価が不当なことは、十分に転職を決意する理由になりえます。
悪いケースでは、スキルが伴わないにもかかわらず評価されている施工管理技士を目の当たりにして、仕事に嫌気がさしてしまうことも。
会社や上司が社員に対して適切な評価をすることは、職場全体の士気向上につながります。
こうした意識が薄い会社は、早期に退職してしまうのがむしろ正しい判断といえるのです。
⑤休日が少ない
人手不足による影響で連日の残業が常態化していてもなお、休日出勤を余儀なくされるケースも珍しくありません。
休日出勤は、単に体力や精神力を大きく失ってしまうだけではなく、家族と過ごす貴重な時間さえも奪ってしまいます。
また、家庭をもたない施工管理技士の場合であっても、趣味や息抜きにかける時間を奪われ、常にストレスを発散できない状態が続いてしまうのです。
施工管理のお仕事に限らず、休日は日々の仕事の疲れをいやしたり、家族との時間を過ごしたりと、無くてはならないもの。
貴重な休日を仕事に奪われてしまっては、転職を決意するのも至極当然です。
⑥業務へのミスマッチ
一口に施工管理技士といっても、すべての現場で同じ業務に携わるわけではありません。
入社前の確認不足などから、採用前と採用後とのイメージに大きなギャップや違和感を抱いてしまうケースもしばしばみられます。
施工管理技士は携わる業務内容が非常にため広範囲なため、こうしたミスマッチが起こりやすいお仕事なのです。
ただでさえ業務料が多いうえに、ギャップや違和感などを抱えたままではストレスがたまらないはずがありませんよね。
施工管理は業務の範囲が広いからこそ、入社前にしっかりと業務内容について理解しておくことが大切です。
➆倒産などの会社都合
大手企業や有名企業であれば、大きな不祥事やトラブルでも起こらない限り、仕事がなくなることはありません。
しかし、個人経営の小規模な事業所であれば話は別です。
特に、昨今の新型コロナウイルス蔓延による影響で倒産してしまった中小企業は少なくありません。
また、経営統合にかかわるリストラによって、本人の意思とは関係なしに転職を余儀なくされることもあります。
そうした場合、本人には全く非がない転職なので、再び施工管理技士として転職するか、専門知識を活かすなどすれば、転職は十分可能といえます。
⑧介護などの家庭の事情
現在、さまざまな業界で家庭の事情による転職が目立ってきています。
施工管理の現場も例外ではなく、高齢の親の介護のために実家に帰省しなければならなくなり、転職を決意するケースもあるのです。
帰省先でも施工管理技士の求人があれば再び現場で活躍ができますが、そうでない場合は可能な限り経験を活かせるお仕事を探す必要があります。
企業の中には、介護支援の体制を整備してこうした退職を防ぐアクションを起こしていますが、施工管理技士のお仕事は現場中心で動きます。
このことから、劇的な改善は難しいのが現状なのです。
⑨資格取得のため
さらなるキャリアアップのために、資格取得を目指す施工管理技士も多いです。
しかし、先ほど解説した通り、労働時間が長かったり残業が常態化してしまっている会社の場合、資格取得の勉強に割く時間が確保できません。
企業の中には、資格取得を奨励して支援制度を整備しているところも多くあるため、そうした企業へ転職する人も多いのです。
日々の業務と並行して資格取得の勉強ができれば、時間に無駄を作ってしまうこともありませんね。
⑩人間関係につかれた
たびたび触れている通り、施工管理技士は工事のあらゆる工程に携わります。
自然と多くの人とコミュニケーションをとる機会が増えますが、現場では年代や性格などが異なる、さまざまな作業員が働いています。
こうしたさまざまな人間を一つのチームにまとめ上げるのも施工管理技士の大切な仕事の一つです。
とはいえ、これは容易なことではありません。
特に経験が浅く、若い施工管理技士の場合には、年上の職人に対して意見をすることに戸惑いを感じてしまうことも多いのです。
日々さまざまな人間とかかわるうちに、人間関係に疲弊しきってしまうケースはすくなくありません。
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施工管理からの転職先選びのポイント3選
では、実際に施工管理から転職する際には、どのようなことに気を付けて新たな仕事を選ぶべきなのでしょうか。
転職先を選ぶには、まずは上の解説も参考にしながら、転職を決意した理由を明確にすることです。
転職を決めた理由が明らかになれば、おのずと転職先に望む条件も浮かび上がってきます。
ここでは、以下の3つのパターンを見ながら、施工管理からの転職先を選ぶポイントについて考えてみましょう。
施工管理からの転職先選びのポイント3選
- 年収アップのためには大手企業へ
- ホワイト企業へ転職するならプロのサポートも必要
- 派遣社員として働く選択肢もあり
それぞれ解説していきます。
建築業界でホワイトな働き方をしたい方へ!〜オススメの職種や企業〜
①年収アップのためには大手企業へ
年収をアップさせるためには、大手企業へ転職することが近道です。
大阪万博やリニア中央新幹線など、建築業界が活躍する計画がいくつかありますが、大きな仕事ほど大手に流れる事がおおいため、規模の小さな会社へ転職してしまっても、大きな年収アップは見込めません。
また、小規模な会社では役職に空きがないことも珍しくなく、必死に働いてもキャリアアップができない事にもなりかねないのです。
大手企業であれば、規模が大きい分小規模な会社と比べると、キャリアアップが狙いやすいといえます。
ただし、求められるスキルレベルが高いことと、転勤を命じられる可能性があることには注意が必要です。
②ホワイト企業へ転職するならプロのサポートも必要
労働環境や待遇に嫌気がさしてしまった場合、転職するからには何としてもホワイト企業へ転職したいですよね。
しかし転職活動を自力で行う場合、求人情報からブラック企業とホワイト企業を見抜くことは簡単ではありません。
求人広告から得られる情報は必要最低限のものなので、判断のしようがないのです。
転職エージェントなどのサポートを借りれば、企業に関する詳しい情報も提供してくれるため、ホワイト企業へ転職できる可能性が格段にあがります。
それだけでなく、転職エージェントの多くは、応募書類の添削や面接対策のサポートなど、転職に関する支援を丁寧に行ってくれます。
③派遣社員として働く選択肢もあり
施工管理のお仕事では、残業代が支給されなかったり、求人の情報と労働条件がかけ離れていたりといったケースも多くあります。
そうした事態を回避するために派遣社員として働くことも1つの手です。
派遣社員として働くということは、「派遣会社に所属する社員として、派遣先の会社ではたらく」という形態なので、派遣先の労働条件が当初のものと違った場合には、所属している派遣会社が是正のためにアクションを起こしてくれます。
また、派遣社員として様々な現場で働くうちに、正社員登用のチャンスに恵まれる場合もあります。
建築士の転職におすすめの転職サイト・転職エージェント!特化型から総合型まで紹介
施工管理からの転職先とは
ここまでは主に、転職したのちも施工管理技士として活躍する場合を前提に解説してきました。
しかし中には、施工管理のお仕事から完全に卒業したいと考える人もいることでしょう。
ここではそんな人に向けて、いくつかの選択肢を紹介します。
建築業界の今後の流れと現状について〜課題や取り組みなども解説〜
公務員
施工管理のお仕事で培った現場経験を活かし、技術系の公務員、なかでも建築土木系の技術系公務員を目指してみるのも良い選択肢です。
このお仕事は公園や公共施設などの建設、修繕などを行いますが、業務の性質上、施工管理技士の経験を非常に活かしやすいです。
ただし、いつでも求人が出ているわけではないため、定期的なチェックが必要になります。
また、各自治体によって応募できる年齢制限に違いがあることも覚えておきましょう。
営業職
施工管理の現場には、大工、足場職人、電気工事士などさまざまな職人があつまります。
彼らを一つのチームとしてまとめ上げるには、コミュニケーション能力や相手を思いやる気持ちなど、さまざまな能力が必要ですよね。
そんな能力を活かせるお仕事として、「営業職」があります。
自社の製品やサービスを広く売り込むためには、高い対人能力が必要です。
施工管理のお仕事でつちかった対人能力を発揮すれば、十分活躍が期待できますよ。
特に不動産業界の営業職であれば、採用される確率も高まることが多いです。
CADオペレーター
製図ソフト「CAD」を駆使して様々な図面や設計図を製作するCADオペレーターも良い選択肢です。
図面を読み取る作業は、初心者には意外とハードルが高いもの。
初めて図面に目を通したときには、様々な太さの破線や中心線、実践が複雑に入り組んだ図に混乱してしまった人も中にはいることでしょう。
また、立体を平面に書き出しているために、3次元的に図面を読み解く力も必要ですよね。
施工管理のお仕事で図面を扱うことに慣れていれば、CADオペレーターのお仕事にも抵抗なく従事できます。
施工管理からの転職を成功させるために
施工管理のお仕事からの転職を成功させるには、親和性の高いお仕事を選ぶことが大切です。
ここでは、同じ建築業界内での転職に強い転職サイトや転職エージェントを紹介します。
施工管理に限らず、転職する上ではこうしたツールを有効活用することが必須です。
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また、専任のエージェントが履歴書や職務経歴書といった応募書類の作成、面接突破のためのサポートなど、転職活動において必要なさまざまな支援を行ってくれます。
担当してくれるエージェントは、建築業界の動向に精通した腕利きぞろいなので、転職が初めての場合でも安心です。
まとめ~施工管理の転職に多い理由~
この記事では、施工管理の転職理由について多いものを10項目挙げ、それぞれ詳しく解説してきました。
転職する理由は人それぞれ違いますが、施工管理というお仕事の関係上、人手不足からくる労働条件への不満が主な理由として挙げられます。
また、転職を決行する上では、「自分はなぜ転職を決意したのか」ということを十分に掘り下げて考えることが大切です。
現在施工管理からの転職を検討している人は、この記事も参考にしつつ自分の転職理由についてもう一度振り返ってみてください!