転職活動で、建設業界を辞めようと思ったきっかけ(転職理由)を聞かれたら、どう答えればいい?
国税庁の民間給与実態統計調査(令和4年分)によると、1年を通じて建設業で勤務した給与所得者の年齢別平均年収は、529.1万円です。
この金額には、各種手当・ボーナスも含まれています。
産業全体の全年齢の平均年収は457.6万円なので、建設業は平均より高い収入を得やすい業界です。
しかしさまざまな理由から、別の企業や異業種に転職を考える人が見られます。
転職活動では、「なぜ前の会社を辞めようと思ったのですか?」とよく聞かれます。
建設業界で働いていた人たちが、同じ業界の別会社や、他の業界に転職するときも、「転職理由」は定番の質問です。
面接で聞かれたときや、履歴書・職務経歴書に記入する際に備えて、マイナスな印象を抱かれない転職理由を考えておきましょう。
今回は、建設業界でよくある転職理由と、好印象な回答例をご紹介します。
- 建設業界でよくある転職理由は「長時間労働・休日の少なさ」「給料が少なかった」「労働環境が悪かった」「パワハラ等の人間関係」など。これらをポジティブに言い換えて伝える。
- 建設業界で転職理由を伝えるときは、改善のためにどう行動したかを話し、他責思考にならないようにする。次の職場でも起こりうる転職理由は話さない。
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建設業界で転職理由(退職理由)を聞かれたときの答え方【例文】
建設業界で働いている人たちが「転職しよう」と考える理由は、次のものが多いです。
- 新しい挑戦のため
- 業務内容に不満があった
- 長時間労働・休日の少なさ
- 給料が少なかった
- 労働環境が悪かった
- 人間関係
しかし応募書類や面接で転職理由を問われたときは、「休日が少なかった」「人間関係が悪い」などのネガティブな内容を、そのままストレートに伝えるべきではありません。
ネガティブな理由は、ポジティブに変換して伝えることが大切です。
現職や前職の悪口にならないよう注意し、前向きな印象を与える答え方を心がけましょう。
建設業の転職理由を聞かれたときの回答例をご紹介します。
新しい挑戦のため
建設業界でよくある転職理由の1つ目は、「新しい挑戦のため」です。
たとえば「現場作業員だったが現場監督にステップアップしたい」「今までとは異なる仕事に挑戦したい」といった転職理由が該当します。
自分のスキルを新しい環境で試し、成長したいという前向きな姿勢を伝えると良いでしょう。
業務内容に不満があった
「入社前に聞いていた業務内容と違った」「やりたい仕事がなかなかできない」といった業務内容に関する転職理由も、建設業でよく見られます。
たとえば「施工管理での採用なのに現場作業が中心だった」等です。
業務内容に不満があった場合、具体的な希望する業務内容を伝えることが重要です。
自分のスキルや興味に合った仕事に挑戦したいという姿勢を示しましょう。
長時間労働・休日の少なさ
長時間労働・休日の少なさも、建設業界でよくある転職理由です。
建設業界では、長時間労働が大きな課題となっています。
改善に取り組んでいる企業もありますが、工期が決まっているので、プロジェクトの進行に遅れが生じると残業しなければならないこともあるのが現実です。
また建設業界では、週休2日制の導入も遅れており、休みが少ない傾向です。
「もっとプライベートの時間が欲しい」と考える人も珍しくありません。
長時間労働や休みの少なさがきっかけで転職を考える際は、なぜ自分にとってワークライフバランスが重要なのか、納得できる理由を提示すべきです。
効率的に働ける職場を求めていることや、健康的な働き方を重視し、自分のパフォーマンスを最大限に発揮したいという意欲を示しましょう。
給料が少なかった
人手不足で1人1人が忙しく、肉体労働を伴う建設業界では、「きつい仕事なのに給料が見合っていない」と不満を抱く人も少なからずいます。
建設業界では、会社の規模や業務の専門性の高さに応じて、給与が異なることが多いです。
「給料が少ない」と感じた場合、経済的にゆとりがないことや、お金が必要になった理由を伝えます。
結婚した、子供が生まれた、両親への仕送りが必要などの転職理由は、採用担当者に納得してもらいやすいです。
また現職のままでは昇給が難しいことも伝えましょう。
労働環境が悪かった
「労働環境が悪かった」という転職理由も、建設業界でたびたび見られます。
危険が伴う建設現場では、安全管理が重要です。
しかし中には、安全面に不安を感じる職場もあります。
また建設業界は業務のデジタル化が遅れており、非効率なアナログな作業の多さに不満を感じる方もいます。
労働環境が悪かった場合、より良い環境で働くことの重要性を強調し、具体的にどのような改善を求めているのかを説明します。
安全で快適な環境で働くことによって、自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるを伝え、企業の労働環境への取り組みに関心を持っているとアピールしましょう。
人間関係
人間関係もよくある転職理由でしょう。
建設業界では、チームワークが重要です。
しかし建設業界は男社会ということもあり、パワハラに悩まされている人がたびたび見られます。
「人間関係が原因」と率直に言ってしまうと、また人間関係が原因で辞めてしまいそうだというネガティブな印象を与えるため、言い換えて伝えてください。
人間関係が理由で転職を考える場合、良好な周囲との関係がプロジェクトの成功に不可欠であることを強調します。
協力的な環境で働きたいという意欲を示し、前向きな姿勢で新しい職場での良好な人間関係を築きたいことを伝えましょう。
建設業界の転職理由(退職理由)を上手に伝えるコツ
建設業界の転職理由(退職理由)は、次のポイントを押さえて伝えましょう。
POINT
- 嘘は言わない
- 何でも正直に伝える必要はない
- ネガティブな理由はポジティブに変換
- 悪口にならないようにする
- 改善に向けて取った行動を伝える
嘘は言わない
転職理由を伝える際は、嘘をつかないことが重要です。
嘘をついてしまうと、後々不信感を抱かれたり、面接中に矛盾が生じたりする可能性があります。
現職・前職に何らかの不満があって転職を考えていることは、採用担当者も理解しています。
信頼関係を築くためにも、伝え方に気をつけたうえで、事実をポジティブに言い換えた誠実な回答を心掛けましょう。
何でも正直に伝える必要はない
正直さは大切ですが、全てを包み隠さず話す必要はありません。
ネガティブな理由や個人的な事情は、面接官に伝える範囲を考慮することが重要です。
あらかじめ言わない内容を決めておくといいでしょう。
特に応募企業への転職で解決されるとは限らない内容・応募企業でも再度起こりうる内容は、言わないようにしてください。
ネガティブな理由はポジティブに変換
転職理由がネガティブな場合は、それを前向きな理由に変換して伝えることがポイントです。
ポジティブな姿勢を示すことで、前向きな印象を与えることができます。
ポジティブに言い換えたほうがいい転職理由の例
- 前職でいじめに遭った→協調性やチームワークが大切な職場で働きたいと思った
- 鬱になってしまった→体調を崩したため、健康的に長く続けられる職場で働きたいと思った
悪口にならないようにする
前職や現職の単なる悪口にならないよう、注意しましょう。
面接官は他責思考の発言を嫌います。
あなたのプロ意識に疑問を抱くかもしれません。
双方に問題があったのではないか、と思われる可能性があります。
前職や現職の問題点を伝えるときは、客観的に見て「それなら転職したくなるのも仕方ない」と思ってもらえるような、具体的な事実を述べましょう。
たとえば「休日が少ない」が転職理由の人は、「●カ月間で休日が●日しかなかったが、相談しても改選されなかった」と具体的に伝えます。
改善に向けて取った行動を伝える
転職を考えた理由が何であれ、問題に対してどのように自分から行動を起こしたかを伝えることが重要です。
自分が改善に向けて取った具体的な行動や努力を説明すると、問題解決能力や前向きな姿勢をアピールできます。
あなたが他人任せで不満ばかり言っている人材ではないと示せます。このポイントが欠けていると他責思考の愚痴っぽい転職理由になりがちなので、注意しましょう。
建設業界でNGな転職理由(退職理由)
建設業界でNGな転職理由(退職理由)も確認しておきましょう。
建設業でNGな転職理由
- 抽象的な内容
- 自信がなさそうに話す
抽象的な内容
転職理由が抽象的だと、面接官に具体的な状況を理解してもらえず、信憑性に欠ける印象を与えます。
曖昧な表現は避け、具体的な事例やエピソードを交えて説明することが重要です。
具体性のない理由は、説得力に欠け、評価されにくくなります。
自信がなさそうに話す
転職理由を話す際、自分の弱みや至らなかった点などを話さなければならない場面もあるかもしれません。
しかし自信がなさそうな態度で話すと、面接官に対してネガティブな印象を与えてしまいます。
建設業界では、プロジェクトをリードする能力や確固たる判断力が求められるため、堂々と話すことが重要です。
しっかりと目を見て話し、適度なボディランゲージを交えることで、自信と意欲をアピールしましょう。
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それらのネガティブな転職理由を完全に隠して、嘘をつく必要はありません。
しかし伝え方の工夫は必要です。
例文を参考に、建設業の転職理由をポジティブに伝えましょう。
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