建設業は中卒が多いって本当?
中卒でも現場監督になれる?
厚生労働省職業情報提供サイトjobtagによると、建設・土木作業員として働いている人は高卒が多く、中には中卒の人もいます。
今回は、建設業で中卒の人が働くことについて解説します。
「建設業は中卒が多い」の噂は本当か、建設業に中卒で就職した場合の給料はどれくらいか、中卒でも現場監督になれるのかといった、よくある疑問にお答えしていきます。
- 建設業は中卒や高卒の人が他の業界よりも多め。だが大卒以上の人もいるので、「中卒や高卒ばかり」は誤解。
- 建設業では中卒でも評価してもらえる。下克上も可能な業界。
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建設業は中卒も多い
建設業で働いている人は、中卒も多いです。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」は、建設・土木作業員として実際に働いている人が多いと感じている学歴を掲載しています。
引用:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「建設・土木作業員-学歴」
もっとも多いのは「高卒」で、64.6%です。
「大卒」と「中卒」は16.7%で、同率という結果になっています。
ちなみに、社会全体から見た中卒者の割合は、約14%です。
最終学歴 | 社会全体の割合 |
---|---|
中卒 | 約14% |
高卒 | 約45% |
短大・高専卒 | 約23% |
大学・大学院卒 | 約17% |
※参考:総務省統計局 令和2年国勢調査
建設業の中卒は減少したが今でも他の業界より多い
国勢調査は1920年から実施されており、昔は最終学歴が中卒の人は珍しくありませんでした。
約50年前は、約半数が小・中卒だったというデータがあります。
しかし最近では社会全体で中卒の割合が減少しているため、建設業でも中卒の人は、昔より減っている傾向です。
とはいえ他の業界と比べると、建設業は中卒の人も多いとよく言われます。
「建設業は中卒や高卒ばかり」は誤解
「建設現場で肉体労働をしている人は、中卒や高卒ばかり」というイメージを抱く人もいます。
しかし、これは誤解です。
先述したデータが示している通り、確かに建設現場で働いている人は、高卒や中卒が多いです。
しかし大卒の人も珍しくありません。
特に大手の建設会社やゼネコンは、入社の競争率が高く、難関大学を出ている人でないとなかなか採用してもらえない傾向です。
建設業に中卒が多い理由
建設業に中卒が多い理由を解説します。
POINT
- 学歴を問わない求人が多いから
- 職人の世界だから
学歴を問わない求人が多いから
建設業に中卒が多い理由は、他の業界よりも、学歴を問わない求人が多いからです。
他の業界だと、求める人物像に「大卒以上」「高卒以上」などと書かれている求人は珍しくありません。
しかし建設業では、学歴も職歴も不問としている求人が多く見られます。
中卒の人でも応募しやすいため、結果として建設業に中卒が比較的多く集まるというわけです。
学歴不問の求人が多い理由
- 学歴よりも経験が大事だから
- 建設業は人手不足なので、中卒や高卒でも採用したいと考える企業が多いから
職人の世界だから
建設業に中卒が多い理由として、どんどん技術を磨いていく職人の世界であることも挙げられます。
建設業は技術力が問われる、専門性の高い職種が多いです。
建設業の専門職の例
- 大工
- とび職
- 左官
- 電気工 など
たとえば腕のいい大工になるために、学校の勉強ができたかどうか、大学を出ているかどうかということは、基本的に関係がありません。
そのため、学歴に関係なく歓迎される傾向があります。
もっとも地頭が良い人は優秀な職人になれると言われていますが、答えがある学校の問題を解ける能力と、現場で答えがない問題を解決していく能力は違います。
たとえ中卒でも、答えがない問題を解決していく能力に長けた人はいるので、優秀な職人になることが可能です。
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中卒で建設業にチャレンジするメリット
建設業に興味を持っている中卒の人に向けて、この業界に中卒でチャレンジするメリットをご紹介します。
中卒で建設業にチャレンジするメリット
- 初任給が高い
- 経験年数を若いうちに稼げる
- 学歴によるキャリアの制限を受けにくい
- 学歴にコンプレックスを抱きにくい
- 若手は歓迎される
初任給が高い
建設業は他の業界よりも、中卒の人に対する初任給が高めです。
建設業は体力的な負担が大きいですが、一方でしっかり稼ぎたい中卒にはおすすめの仕事といえます。
経験年数を若いうちに稼げる
中卒で建設業界に入ることで、高卒や大卒に比べて早くから専門的なスキルや経験を積むことができます。
技術習得のスピードや上達具合に差が出ることが期待できるでしょう。
また、建設業界で必要とされる資格の中には、経験年数が定められているものもあります。
中卒で建設業に就職すると、若いうちから経験年数を稼ぐことができ、将来的に必要とされる資格取得のための実務経験要件を満たしやすくなるのです。
学歴によるキャリアの制限を受けにくい
建設業界では学歴よりも技術や経験が重視されるため、中卒でも実力を認められれば高い評価を受けられます。
学歴によるキャリアの制限を受けにくいです。
また若いうちから経験を積み重ねると、将来的に独立するために必要な「建設業許可」取得の条件である、主任技術者の要件を早期に満たすことが可能となります。
独立して一人親方や社長になれば、収入に上限がなくなり、中卒で年収1,000万円以上の達成も夢ではありません。
学歴にコンプレックスを抱きにくい
他の業界だと、周りが高卒や大卒ばかりで、中卒である自分に引け目を感じてしまうことがあります。
しかし建設業で中卒は、珍しいことではありません。
学歴にコンプレックスを抱きにくく、働きやすいといえます。
若手は歓迎される
中卒で建設業に就職すると、先輩から可愛がられやすい場合もあります。
職場の先輩のタイプにもよりますが、建設業では後輩を育てる意識を持っている人が多いです。
建設業で学歴は無意味ではない
高卒や中卒でも建設業に就職・転職はできます。
しかし、建設業で学歴は無意味かというと、そうではありません。
学歴が役立つ場面もあります。
POINT
- 一部の資格は学歴があると取得しやすい
- 学歴があると初任給も高い
- 大卒以上でないとなかなか入れない大企業やゼネコンもある
- 学歴がキャリア形成に影響を与える場合もある
一部の資格は学歴があると取得しやすい
建設業で必要とされる資格の中には、学歴に応じて受験資格が得られる期間が短縮されるものがあります。
たとえば、一級建築士や一級施工管理技士などの資格がそうです。
高等教育機関を卒業していると、実務経験が少ない状態で資格試験に挑戦できます。
また大学・高校・専門学校の中には、建設業界で必要とされる専門的な知識や技術が学べるところもあります。
専門的な分野での学歴があると、より活躍が期待でき、就職や転職時に有利になることがあります。
学歴があると初任給も高い
多くの建設会社では、学歴に基づいて初任給が設定されています。
大卒や高卒など、学歴が高いほど初任給が高設定されていることが一般的です。
学歴が経済的なスタート地点に影響を与えます。
大卒以上でないとなかなか入れない大企業やゼネコンもある
人気の大手建設会社やゼネコンに就職する場合、学歴が選考基準の一つとなることがあります。
特に新卒採用では、大卒以上の学歴を必須とする企業も多いです。
学歴が就職の幅を広げる要素になります。
大手建設会社やゼネコンは待遇が良く、人気があります。
学歴がキャリア形成に影響を与える場合もある
建設業界では、学歴が昇進やキャリアアップに影響を与えるケースも見られます。
特に管理職への昇進時に、高等教育で得た知識やスキルが評価されやすいです。
職人としてプロフェッショナルを目指すなら、中卒でも問題になりにくいですが、管理職を目指す場合は学歴が影響してくることもあります。
現場監督(施工管理)は中卒でもなれる
現場監督は、現場作業員たちを取りまとめる役割を担います。
現場監督は責任が大きく業務量も多いので大変ですが、給料も高いです。
建設業法によって、工事現場には「施工管理技士」の資格を持つ現場監督を配置しなければならないと義務付けられているため、企業からの需要も高くなっています。
中卒でも現場監督になることは可能です。
仕事内容と学歴が直接関係していない
現場監督(施工管理)は、主に以下の業務を担います。
これらの管理業務と学歴は、直接関連しません。
そのため中卒でも、現場監督の仕事はこなせます。
中卒は施工管理技士の資格を取るまでの年数が長い
現場監督に求められる施工管理技士の資格を取るには、実務経験が必要です。
受験に必要とされる経験年数は、学歴によって異なります。
また指導監督的実務経験を積んでいる場合と、主任技術者としての経験を積んでいる場合とでも、必要な経験年数は異なります。
中卒の人でも施工管理技士の資格は取れますが、学歴がある人よりも、受験に必要な年数が長くなってしまう点に注意が必要です。
たとえば「1級建築施工管理技士」の資格試験を受けるために必要な経験年数は、学歴によって次の通り違いがあります。
学歴 | 実務経験年数(指導監督的実務経験1年以上を含む場合) | 実務経験年数(主任技術者としての経験1年以上を含む場合) |
---|---|---|
大学・専門学校の「高度専門士」 | 卒業後3年以上 (指定学科以外:4年6ヶ月以上) |
卒業後3年以上 (指定学科以外:4年6ヶ月以上) |
短期大学・高等専門学校・専門学校の「専門士」 | 卒業後5年以上 (指定学科以外:7年6ヶ月以上) |
卒業後5年以上 (指定学科以外:7年6ヶ月以上) |
高等学校・中高一貫校・専門学校の「専門課程」 | 卒業後10年以上 (指定学科以外:11年6ヶ月以上) |
卒業後8年以上 (指定学科以外:9年6ヶ月以上) |
その他 | 15年以上 | 13年以上 |
現場監督は大卒の割合が高い
中卒でも現場監督にはなれますが、現場監督は大卒の割合が高いポジションです。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」は、建築施工管理技術者として実際に働いている人が多いと感じている学歴を掲載しています。
引用:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「建築施工管理技術者-学歴」
「高卒未満」と答えた人は4.7%でした。
一方で「大卒」と答えた人の割合は65.1%と、過半数を占めています。
学歴がある人ほど、資格取得に必要な要件を達成しやすいことが関係していると推測できます。
建設業なら中卒でも下克上できる
建設業の大きな魅力は、学歴に関係なく、下克上できることでしょう。
建設現場では、勉強ができる・できない、高校や大学を卒業しているかどうかよりも、腕のよさが大切です。
中卒でも自分の努力次第で、高度な技術を持った職人になれます。
力仕事が伴うため、厳しい面もありますが、学歴に関係なく活躍したい中卒の人にとっては、就職や転職を検討する価値がある業界です。