私たちの生活に密接に関わる土木業界ですが、会社の詳しい役割や特徴まではわからないという方もいることでしょう。

土木業界は、ダム工事や河川工事、道路工事など私たちの生活になくてはならない工事に携わる業界です。

今回はこうした工事に携わる土木業界の会社について、深く掘り下げていきます。

記事の終わりには、土木業界の求人をたくさん扱っている転職サイト・転職エージェントも紹介します。

ぜひ最後まで読んでください！

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土木業界の会社って何をするの？

まず、土木業界の会社が担う役割を見ていきましょう。

土木業界の会社は、建設や公共事業に関わる仕事を担当しています。

主な業務は、道路や橋、ダム、河川、ビルなどの建設や改修工事です。

具体的な仕事内容は、設計、施工管理、工事監理、施工、品質管理など多岐にわたります。

土木業界の会社は、まずはプロジェクトの計画段階から関与します。

地理的な調査や測量、環境影響評価などの調査作業を行い、設計に必要なデータを収集し、設計図や施工計画を作成して必要な材料や機材を手配します。

施工現場で土木工事に必要な道具や資材の手配や配布が終われば、いよいよ工事開始です。

土木業界の会社は、公共事業や民間の建設プロジェクトに携わるなかで、社会基盤の整備やインフラの維持・改修に貢献しています。

また、最近では持続可能な社会づくりや地球環境への配慮も求められており、環境への配慮や再生可能エネルギーの活用などの取り組みも重要な役割です。

土木業界の会社の特徴4選

そんな土木業界の会社ですが、どのような特徴があるのでしょうか。

ここでは主な特徴を4つ厳選し、以下の通りまとめました。

①大規模なプロジェクトに携わることが多い

土木業界の会社は、大規模なプロジェクトに携わる機会が多い特徴があります。

これは、土木工事が主に公共事業やインフラ整備に関連しているためです。

大規模なプロジェクトには、道路や橋、ダム、トンネルなどの建設や改修工事など、地域の交通網や社会インフラの基盤整備に関わるプロジェクトが含まれます。

また大規模なプロジェクトには、地方自治体、建設会社、設計事務所、関連企業など多くの関係者が関わります。

土木業界の会社は、これらの関係者と協力しながらプロジェクトを成功させるため、関わる人も多いのです。

②技術力と専門知識が求められる

土木業界の会社では、技術力と専門知識が求められます。

大規模なプロジェクトや建設現場では、高い品質と安全性を確保するために、専門的な知識や技術を持った人材が不可欠です。

土木業界は、建築やインフラなどのプロジェクトに関与するなかで、様々な技術を駆使して施工や監理を行います。

例えば、構造設計や土木工学などの専門知識を活かして、建築物や道路の設計・施工をおこなったり、地盤調査や環境保全のための対策をおこなったりします。

また、土木業界では新たな技術や材料の導入が進んでいるため、最新の知識や技術力が求められます。

耐震設計や地震対策技術、地下空間の利活用や環境に配慮した設計手法など、常に進化する技術に対応しながら仕事を進めるのです。

➂幅広い分野の土木工事に関与

建築業界と1口に言っても、土木業界はビルや住宅の建造にはあまり携わりません。

土木業界の会社は、主に私たちの生活に欠かせない公共工事に関わっています。

建築やインフラ、環境など様々なプロジェクトに携わり、社会の発展と共に多岐に渡る施設や施工物の建設に携わっているのです。

公共事業では、道路や橋、ダムや河川改修などのインフラ整備が重要な役割を担っています。

これらのプロジェクトは国や地方自治体との協力によって進められ、地域の発展や交通インフラを充実させています。

④安全性と環境への配慮が重視される

SDGsの機運が高まっている現在、土木業界の会社では安全性と同時に環境への配慮が非常に重視されています。

建設現場や施工作業は、人々の生活や社会インフラに深く関わるため、安全性の確保が最優先されます。

安全性への配慮は、作業員の安全な労働環境の確保や、事故や災害の予防に関する取り組みは工事を進めるうえで必須です。

現場では、適切な安全対策が徹底され、作業員が安心して業務に取り組めるようになっています。

さらに安全教育や研修なども定期的に実施され、作業員の意識向上や技術レベルの向上が図られます。

環境への配慮も土木業界では重要な要素です。

建設プロジェクトの計画段階から環境への影響を考慮し、適切な環境保全策が講じられます。

例えば、自然環境や生態系への配慮や、資源の有効活用、廃棄物の適切な処理などです。

また、省エネルギーや再生可能エネルギーの活用など、持続可能な社会への貢献も重要な課題となっています。

土木業界の主要会社売上高TOP5

ここまでは主に、土木業界の特徴や役割について解説しました。

続いて土木業界の主要会社を、売上高別に5社見ていきましょう。

1位:鹿島建設(約2兆800億円)

 

鹿島建設株式会社は、東京都港区に本社を構える1840年に創業された日本の総合建設会社です。

鹿島建設は、道路や橋、トンネルやダムを始めとしたさまざまな土木工事に携わっています。

また海外でも積極的に事業展開しており、世界50カ国以上に拠点を置いています。

これまで東京タワーや横浜ランドマークタワーなど、数々の有名建築を手がけてきました。

鹿島建設は環境に配慮した建設にも積極的に取り組んでおり、2019年には「国土交通省優良環境保全型工事」の総合評価で最高ランクの「AAA」を獲得しています。

2位:大林組(約1兆9,200億円)

大林組は土木業界で長年にわたって活躍してきた大手企業です。

創業は1920年であり、100年以上の歴史を持つ信頼性のある企業です。

大林組は、建築や土木工事、プラント建設など幅広い分野で事業展開しています。

その規模は非常に大きく、国内に留まらず国外の公共事業や民間案件に関与し、多様なプロジェクトに取り組んでいます。

東京スカイツリーを手がけたのも大林組です。

東京スカイツリーは世界でも有数の高さを誇る電波塔であり、技術力とノウハウを発揮しました。

また、長崎市にある長崎平和祈念像も大林組が手掛けたプロジェクトです。

平和祈念像は、原爆投下から70年を迎える記念事業として建設され、平和と戦争の犠牲者への思いを込めた象徴的な存在となっています。

3位:大成建設(1兆5,400億円)

大成建設は、日本を代表する総合建設会社であり、建築・土木工事など多岐にわたる分野で幅広い実績を持つ企業です。

創業は1939年であり、80年以上の歴史を持ちながら、国内外で数々の著名な建造物を手掛けてきました。

大成建設は、高度な技術力と品質管理体制を持ち、大規模なプロジェクトの成功に貢献しています。

その中には、東京都心のランドマークとして知られる東京スカイツリーや、日本有数の観光地である京都・清水寺の本堂改修工事など、多くの著名な建造物が含まれています。

また、海外ではシンガポールのマリーナベイサンズやクウェートのアル・ハマラ・タワーズなど、世界各地での大型建築プロジェクトへの参画にも積極的です。

4位:清水建設(約1兆4,800億円)

清水建設は、日本を代表する建設会社の一つであり、建築・土木工事を中心に幅広い分野で活躍しています。

創業は1871年という長い歴史を持ち、国内外で数々の著名な建造物を手掛けてきました。

清水建設は、高い技術力と品質管理体制を備え、大規模かつ複雑なプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

日本有数の観光地である東京ディズニーランドの建設や、東京湾アクアラインの橋梁工事など、多くの著名な建造物が含まれています。

さらに、清水建設は国内外でのインフラ整備にも注力しています。

例えば、東京の新幹線駅や空港の建設、国内各地での高速道路やトンネルの工事、海外ではシンガポールのチャンギ空港やマレーシアのクアラルンプール国際空港など、多くの重要なプロジェクトに携わってきました。

5位:竹中工務店(約1兆2,600億円)

竹中工務店は、日本を代表する建設会社の一つであり、建築分野での優れた技術力と高品質な施工で知られています。

創業は1920年であり、100年以上にわたり数々の著名な建造物を手掛けてきました。

竹中工務店は、伝統的な日本建築の技術と最新の建築技術を融合させた施工手法を持ち、建築物の美しさと耐久性を追求しています。

竹中工務店が手掛けた著名な建造物の一つには、東京国立博物館本館があります。

この建物は、日本の伝統的な美意識と現代の建築技術が見事に融合した作品であり、国内外から多くの注目を集めました。

さらに、竹中工務店は大型商業施設やオフィスビルなど多様な建築プロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

渋谷ヒカリエや東京ミッドタウンなど、都市のランドマークとなるような建築物も多いです。

土木業界の会社の今後と課題

では次に、土木業界の今後についても考えましょう。

この記事では以下の4点について詳しく解説します。

需要は安定的

土木業界は、人々の生活を支えるインフラ整備に携わる重要な業界です。

近年では、東日本大震災の復旧工事や東京オリンピック開催に向けた設備の新設などにより、公共工事の発注数が増加しています。

また、高度成長期に整備された橋や道路、上下水道などのインフラ設備の老朽化が進んでいるため、今後も安定した需要が見込まれます。

土木業界は、今後も安定した成長が見込まれる業界です。

土木技術者には高い技術力と専門知識が求められますが、その分やりがいも大きいお仕事です。

土木業界に興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

AI技術の積極的な導入

土木の仕事は過酷な作業が多く、人手不足という課題を抱えています。

しかし、最近ではICT・AIの活用が進み、作業効率化や人手不足の解消に向けた取り組みが進んでいます。

具体的な活用例としては、ドローンを使用した3次元測量や建設機械の自動運転化などです。

ドローンを活用することで、従来の手作業に比べて効率的かつ正確な測量が可能となり、作業時間やコストの削減につながります。

また、建設機械の自動運転化によって作業員の負担を軽減できるだけでなく、安全性も向上できるのです。

さらに、AIの活用により施工パターンの選択を最適化する取り組みも進んでいます。

AIは膨大なデータを分析し、最適な施工パターンを選択できるので、作業の効率化と品質の向上が期待できるのです。

人材の高齢化

日本の土木業界は、高齢化が大きな課題となっています。

国土交通省の調査によると、2015年時点で土木・建築における就業者の約34％が55歳を超えており、2025年には30％以上の人材が引退する見込みです。

出典:国土交通省 建設産業の現状と課題

そのため、土木業界では若手の人材確保が急務となっています。

土木業界は、重労働で給与が低いなどのイメージが強く、若者から敬遠されがちです。

そのため、土木業界は若い人材を獲得するために、給与や労働環境の改善に取り組む必要があります。

人材の不足

土木業界は、日本の社会インフラを支える重要な役割を担っている一方、近年では人手不足が深刻化しており、今後の成長が危ぶまれています。

土木業界の人手不足の原因は、先ほど解説した人員の高齢化と若者の離職です。

土木業界の仕事は、重労働で給与が低いなどのイメージが強く、若者から敬遠されがちです。

また、長時間労働や休日の少なさなど、労働環境が厳しいことも若者の離職の原因と言えます。

土木業界が人手不足を解消するためには、若者が土木業界に魅力を感じるような環境を整備しなければなりません。

土木業界は、日本の社会インフラを支える重要な役割を担っています。

人手不足を解消し、土木業界を持続的に成長させるためには、若者が土木業界に魅力を感じるような環境づくりが重要です。

土木業界の求人を多く扱う転職サイト・転職エージェント3選

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まとめ～土木業界の会社は社会に不可欠～

この記事では土木業界の会社について、役割や特徴などを解説しました。

あわせて「スーパーゼネコン」と呼ばれる大企業の売上高や、企業ごとの特色なども解説しています。

土木業界の会社は、道路工事やダム建設、トンネル工事など私たちの生活に欠かせない工事に携わっています。

社会的な貢献度が高い反面、人手不足や人員の高齢化といった課題も見逃せません。

将来性のあるお仕事なので、興味のある人はどんどんチャレンジしてください。