建設業への転職は難しい?
「建設業への転職は難しい」は誤解です。
建設業は人手不足に陥っており、求人の数が多いため、たとえ未経験者や職歴に自信がない人でも、受け入れてもらいやすい傾向があります。
厚生労働省が12月1日に公表した2023年10月分の一般職業紹介状況では、建設業の有効求人倍率は5.47倍でした。
つまり1人の求職者に対して、建設業の求人が5.47件あるということです。
ただ、スーパーゼネコンへの転職や、難しい国家資格がないとできない仕事への転職は、難しい傾向があります。
建設業に転職する際の難易度や、建設業への転職が難しいケースを、詳しく確認していきましょう。
- 建設業は未経験・無資格でも転職しやすい。その背景には、建設業の人手不足がある。
- スーパーゼネコンや大手建設企業への転職は競争率が高く、経験者でも難しい。資格を取る、自己分析の徹底などの対策が必要。
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- 屋根
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「建設業の転職は難しい」は誤解
まず結論からお伝えすると、建設業への転職は難しくありません。
建設業は経験者だけではなく、無資格・未経験の人や、年齢を重ねている人でも、他の業界よりも受け入れてもらえる会社が多いです。
多くのチャンスが存在する、転職しやすい業界といえるでしょう。
建設業での転職が比較的容易である理由を解説します。
建設業は人手不足
なぜ建設業界は転職しやすいのかというと、長年にわたり人手不足の状況が続いているからです。
冒頭でもお伝えした通り、転職を希望している人に対して、人を採用したい企業の数のほうが多く、売り手市場だという特徴があります。
建設業界が人手不足に陥っている原因
- 若手不足:少子高齢化が進んでいる日本の中でも、建設業界は年齢層が高い。働き手の高齢化が問題になっており、特に若手は企業からの需要が高い。
- 休みが少ない:最近の労働者は、ワークライフバランスを重視する傾向。建設業界では、他の業界で一般的な週休2日制が十分に浸透していない。休みが少なく労働時間が長いため、採用が難しい。
- 3Kの仕事:「きつい」「汚い」「危険」のマイナスイメージがあり、人が集まりにくい。
未経験・無資格でも建設業は転職しやすい
建設業は人手不足に陥っているため、たとえ未経験でも転職しやすいです。
建設業では資格がないとできない仕事も多いですが、「最初は無資格・未経験でよい」としている企業も多く見られます。
現場で実務経験を積みながら、必要な知識や技能を身につけ、将来的に資格の取得を目指すことが可能です。
建設業ではこの世界に入ってからの経験で評価される
- 建設業界では、「建築士」「大工」「電気工」といった専門性が高いスキル・知識・技術を必要とする職種が多いです。
- 「異業種での実績」や「今までの学歴・職歴」よりも、「この世界に入ってからの経験やスキル」が重視される傾向があります。
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年齢が高めでも建設業は転職しやすい
さらに、人手不足に陥っている建設業では、年齢を重ねている人でも転職しやすいです。
転職市場では一般的に、年齢を重ねれば重ねるほど、転職が難しくなります。
- 20代のうちは、未経験でもポテンシャル採用をしてくれる企業が多いです。
- 30代以降になると、即戦力になれなければ、採用を見送られてしまう傾向があります。
しかし建設業では、20代はもちろん、30代未経験者でも歓迎される傾向があります。
もちろん即戦力になれる現場経験が豊富な中高年層も、高く評価されるケースが多いです。
建設業への転職が難しいケース
以上の通り、「建設業への転職は難しい」は誤解です。
むしろ転職しやすい業界だといえます。
しかし、一部のポジションや企業への転職は難しいです。
建設業への転職が難しいケース
- 高難易度の国家資格がないとできない仕事
- 大手企業やゼネコン
高難易度の国家資格がないとできない仕事
建設業では、資格がないとできない仕事もあります。
たとえば重機の操縦には、資格が必要です。
また、高難易度の国家資格がないとできない仕事もあります。
たとえば大規模なビルの設計をするには、難易度が高い1級建築士の資格が必要です。
「資格が必要だが、最初は補助的な業務から始めて、将来的に資格を取ってくれればいい」としている求人もありますが、建築士のような資格の重要度が高い人気職種では、未経験・無資格で採用されるのが難しいケースもあります。
建設業界で必要な資格の例
- 建築士
- 電気工事士
- 電気主任技術者
- 電気工事施工管理技士
- 建築施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 建設機械施工技士
- マンション管理士
- コンクリート診断士
- 消防設備士 など
これらの資格を取得するには、専門的な知識が必要です。
受検資格を得るには、実務経験もしくは学歴が求められる場合も多くあります。
大手企業やゼネコン
スーパーゼネコンや大手建設企業は、高い採用基準を設けています。
待遇が良いため人気はありますが、狭き門です。
特に未経験者や、大学を卒業していない人は、なかなかスーパーゼネコンや大手建設企業への転職がうまくいかないこともあります。
これらの企業への転職を目指す場合は、特定の専門技術や管理職経験など、即戦力となるような経験やスキルが求められます。
目指す企業の要求レベルを正確に理解し、適切な準備と戦略を立てましょう。
またスーパーゼネコンではなく、準大手ゼネコンや中堅ゼネコンへの転職を目指すのもひとつの方法です。
建設業の中でも転職が難しいスーパーゼネコンの中途採用を突破するコツ
転職が難しいと言われているスーパーゼネコンや大手企業にも、対策次第で入社できる可能性があります。
POINT
- 業界研究と自己分析を徹底する
- 資格を取る
業界研究と自己分析を徹底する
自己分析と業界研究を徹底し、的確な志望動機や自己PRを準備しましょう。
- まずは建設業界の動向や、その職種で求められるスキル・資格を理解します。
- いくつか求人を見て、給料の相場を把握することも重要です。
そのうえで、自身の経験や能力がどのように活かせるか、どのような点をアピールすれば効果的かを考えましょう。
資格を取る
建設業界では、建築士や施工管理技士など、特定の国家資格を持つことが専門性を有している証となります。
資格を取得することで、自身の市場価値を高め、転職市場での競争力を強化することが可能です。
資格を持つことで、より高度な職務や責任あるポジションに就くチャンスが広がります。
建設業への転職で失敗しないためのポイント
建設業への転職は、コツを押さえれば難しくありません。
次の3つのコツを押さえて、後悔のない転職を実現させましょう。
建設業への転職で失敗しないためのポイント
- 休日日数や残業時間を確認する
- 教育制度が整っている会社を選ぶ
- 転職先の業績を確認する
休日日数や残業時間を確認する
転職先の休日日数や残業時間をよく確認しておきましょう。
建設業界には、長時間労働が常態化しているという欠点があります。
他の業界では一般的な、週休2日制を取り入れられていない会社も多いです。
自身のライフスタイルに合う職場環境を選択することも、長期的に仕事を続けていくためには欠かせません。
労働時間や休日について求人票に詳しく書かれていない場合は、面接で質問しましょう。
教育制度が整っている会社を選ぶ
未経験から建設業界に転職する場合、充実した教育制度がある企業を選ぶことが、成功のカギとなります。
入社後の研修や資格取得支援制度などをチェックし、自身の成長を支えてくれる環境を選びましょう。
教育制度が充実している建設会社は、従業員を大切にしてくれる傾向です。
建設業界には、個人規模の小さな会社もあります。
このような零細企業では、研修・昇給といった会社の制度が十分に整っていないこともあるため、事前に確認が必要です。
転職先の業績を確認する
転職先の経営状況や業績を事前に確認することで、将来的な安定性や成長性を見極めることができます。
企業の特定のプロジェクトや取り組みに注目し、長期的な視点で転職先を選ぶことが望ましいです。
業績が悪い企業では、従業員の給料も上がりづらい傾向があります。
転職エージェントに相談する
建設業への転職で失敗しないためには、転職エージェントを利用するのも有効です。
建設業界に精通した転職エージェントであれば、業界の最新動向や企業情報、職種ごとのキャリアパスなど、転職活動に役立つ情報を入手できます。
また、経験豊富なキャリアアドバイザーに、あなたのスキルや経験、希望条件などを伝えて、最適な転職プランを提案してもらうことも可能です。
また転職エージェントは、求人サイトとの併用をおすすめします。
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未経験者におすすめの建設業の職種
建設業の一部の職種では、高度なスキルや高難易度な資格が要求され、未経験者にとっては転職が難しいこともあります。
そこで、未経験者におすすめの建設業の職種をご紹介します。
未経験者におすすめの建設業の職種
- 営業
- 現場作業員
- 施工管理
営業
建設業界の営業は、顧客に対して未完成のプロジェクトや建築物を売り込む仕事です。
コミュニケーション能力や、顧客との信頼関係の構築能力が重要とされます。
未経験からでも学びながらスキルアップ可能な職種です。
建設業界の営業は、住宅、オフィスビル、商業施設など、さまざまなプロジェクトに関わるチャンスがあります。
顧客と直接やり取りすることで、建設業界全体の動向や市場ニーズを学ぶことができる点も特徴です。
現場作業員
現場作業員は、実際の建設作業に従事します。
現場作業員の仕事に対して、誰でもできる肉体労働だというネガティブなイメージを持っている人もいますが、実際は専門技術を習得していく奥深い世界です。
未経験でも、先輩作業員から技術を学びながら、徐々に腕を上げていくことができます。
現場での経験を積み、将来的に資格を取得すれば、年収アップやキャリアアップにつながり、より専門的な仕事に就くことも可能です。
施工管理
施工管理は、工事現場全体の進行管理を担当します。
工程管理、安全管理、品質管理など、建設プロジェクトを円滑に進めるための重要な役割を果たすポジションです。
未経験者向けの研修制度や資格取得支援が充実している企業も多く、基礎から学びながら専門性を高めることができます。
経験を積み、資格を取得することで、施工管理技士としてのキャリアを築くことが可能です。
施工管理は企業側からの需要が高く、年収も高めの職種です。
建設業に中途採用で転職するのは難しくない
建設業の中でもスーパーゼネコンや大手企業への転職は、難しい面があります。
しかし建設業は全体的に人手不足であり、有効求人倍率(求職者1人に対する求人の数)が高いです。
スーパーゼネコンや大手企業にこだわらなければ、たとえ未経験でも、中途採用で入社できる可能性は十分にあります。
採用選考を受ける際は、自己分析や企業研究を徹底し、有効なアピール方法を考えることが重要です。
また転職によって、さらに良い待遇やキャリアアップを実現したい場合は、その職種で求められる資格の取得も大切となります。
今回ご紹介した方法を参考にして、建設業への転職を成功させましょう。