大工というと、木造建築のプロというイメージが多くありますが、給料はいくらぐらいなのでしょうか。

大工の平均的な給料は、経験やスキル、地域、雇用形態によって異なります。

そのため、一概に正確な金額を計算するのは難しいです。

しかし、スキルアップや実績の積み重ね、需要の高い分野や地域での活躍など、いくつかのポイントを意識することで給料アップの可能性を広げられるのは確かです。

この記事では大工の給料について、政府の調査結果をもとに平均的な金額を解説します。

また、大工の給料アップに必要なスキルなども解説します。

記事の後半では、大工の求人に強い転職サイトや転職エージェントも紹介するので、ぜひ最後まで目を通してください！

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大工の平均的な給料は？

まずは大工の平均的な給料について考えましょう。

大工の給料について考える上では、厚生労働省の調査結果が役立ちます。

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」のデータを基に、大工の給料を考えてみましょう。

この記事では一般的にイメージされやすい建物の建築に関わる大工と、型枠工事に携わる型枠大工の給料について解説します。

大工の給料

まずは大工の給料です。

住宅の中でも木造住宅の建築のプロフェッショナルが大工です。

さまざまな道具や経験を武器に、熟練の技を発揮して木造建築に携わります。

そんな大工ですが、先ほども触れた職業情報提供サイト「jobtag」では、ハローワークの求人情報を基に平均的な給料を算出しています。

その結果によると、全国の大工の平均給料は26.7万円でした。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag 大工

ちなみに令和4年賃金構造基本統計調査の結果を基に算出された平均年収は、約407万円となっています。

型枠大工の給料

つづいて型枠大工の給料について見ていきましょう。

上で解説した「大工」が木造建築のプロフェッショナルであるのに対し、型枠大工は型枠大工は、コンクリート構造物を作る際に、コンクリートの型枠を組み立て、コンクリートの打設を担当する職人です。

型枠は、コンクリート打設時にコンクリートの形を保つための枠組みで、型枠大工は、型枠の設計図に基づいて、木材や鉄材、ベニヤ板などを組み合わせて、型枠を組み立てます。

型枠大工の仕事は、力仕事が多く、危険を伴う仕事ですが、コンクリート構造物を作るために欠かせない仕事です。

そんな型枠大工ですが、先ほどから触れている厚生労働省の「jobtag」では、型枠大工の平均給料を27.8万円と計算しています。

令和4年賃金構造基本統計調査の結果を基にした年収は、約431万円でした。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag 型枠大工

大工の給料の特徴4選

上では大工と型枠大工の給料について解説しました。

一般的な会社員と違い、大工などの職人の給料に関しては、押さえるべき特徴もあります。

以下にあげる4つの特徴を見てください。

①経験とスキルによって差が大きい

大工の給料は、経験とスキルによって大きく差が出ます。

経験を積むことで木材の加工や施工技術に熟練し、高品質な仕事を提供できるため、熟練大工ほど高い給料を得られるのです。

また、高度なスキルを持つことで、その分難易度の高い工事や特殊な木工に対応できるため、需要も高まります。

経験とスキルを磨くためには、現場での実務経験や研修、技術講座などの活用が重要です。

実際の現場で様々な工事に携わり、さまざまな木材や道具に触れることで、技術の幅や品質向上につながります。

②地域による給与水準の違い

地域によって大工の給与水準は異なります。

なぜなら、地域ごとに需要や建設活動の活況度が異なるため、労働市場の状況も変動するからです。

都市部や需要の高い地域では、大工の需要が高まりとともに給料も比較的高くなる傾向があります。

地域ごとの給与水準の違いは、主に地域の経済力や建設需要によって左右されます。

経済の発展が進み建設需要が多い地域では大工の需要が高まり、需要と供給のバランスが整いやすいです。

その結果、給料が引き上げられるケースがあります。

また、地域の建設業界の特性や競争状況も給与水準に影響を与えます。

地域によって建設業界の主要なプレーヤーが異なる場合、競争が激化したり、建設プロジェクトの規模や種類に差が生じ、大工の需要と給料に影響を及ぼす可能性があるのです。

➂雇用形態による差

大工の給料は、雇用形態によっても差がうまれます。

大工の雇用形態には、建設会社に所属している場合と、個人事業主として独立している場合の2つの主なパターンがあります。

これらの雇用形態によって、給与体系や収入の仕組みが異なる場合があるのです。

建設会社に所属している大工の場合、基本的には会社から給与が支払われます。

給与は、建設業界の標準的な給与体系に基づいて設定されることが一般的です。

建設会社は労働条件や昇給制度を定めており、経験やスキル、役職などに応じて給与が決定されるのです。

建設会社に所属している場合、社会保険や福利厚生などの待遇も受けることができる場合があります。

一方個人事業主として独立している大工の場合、自身で仕事を獲得し、直接顧客から報酬を受け取ります。

個人事業主は自身のスキルや経験・実績に応じて価格を設定できる反面、ふさわしい技術力や信頼がなければ、案件の受注は難しいです。

④日給月給制が基本

日給月給制とは、労働者の労働時間や出勤日数に応じて日給または月給が支払われる制度で、大工の給料は、一般的に日給月給制が基本となっています。

というのも、大工仕事は天候不良やケガなどが発生した場合は、安全のために作業を中止しなければならないためです。

休んだ日の分の給料も発生する月給制では、非効率的というわけですね。

一方、建設プロジェクトの期間が長期にわたる場合や、特定の雇用契約に基づいて月給制が適用される場合もあります。

大工の給料アップのためのポイント3選

続いて、大工の給料をアップさせるためのポイントを考えましょう。

がむしゃらに、あるいは漫然と仕事を続けているだけでは、給料アップは見込めません。

下で解説するポイントを意識して、給料アップを狙いましょう。

①スキルアップを図る

大工の給料を上げるためには、スキルアップへの取り組みが重要です。

技術力や知識の向上は、大工としての価値の向上につながります。

まずは、継続的な学びと実践が必要です。

大工の仕事は多岐にわたり、様々な技術や工法が存在します。

自身の専門分野だけでなく、講習会や研修に積極的に参加するなどして、関連する分野の知識も身につけましょう。

新しい技術や施工方法に触れることで、より高度なスキルを磨くことができます。

また、実践的な経験も重要です。

現場での実際の作業に積極的に取り組み、問題に直面した際には解決策を見つける努力をしましょう。

自分の得意な作業ばかりを繰り返しても、大工としての腕前は上がりません。

②実績や成果を積み重ねる

大工の給料を上げるためには、実績や成果の積み重ねが重要です。

自身の仕事において高品質な成果物を作り上げることで、こつこつと高い評価を積み重ねましょう。

まず、クライアントや上司からの評価を重視してください。

自身の仕事に対して責任を持ち、細部まで丁寧に仕上げることで、高い評価を得られます。

また実績を積むためには、自身の成長にも注力しましょう。

新しい技術や工法に積極的に取り組み、継続的な自己啓発が重要です。

また、他の職人とのコラボレーションやチームプレイにおいても、貢献度を高められます。

さらに、自身の実績のアピールも重要です。

仕事の成果物や達成したプロジェクトをポートフォリオとしてまとめ、将来の雇用主やクライアントに見せることで、信頼を獲得できます。

➂市場の需要を把握する

市場の動向や需要の把握も、大工の給料を上げるための重要なポイントです。

需要の高い分野や地域で活躍することで、給料アップのチャンスに多く巡り合えます。

まず、建築やリフォームなどの建設業界の需要動向を把握しましょう。

市場の需要が高まっている分野や注目されているプロジェクトに参加することで、需要に応じた高い給料を得られます。

また、地域ごとの需要の違いにも注目しましょう。

都市部や需要が高まっている地域では、大工としての需要が多くなる傾向があります。

特定の地域で需要が高まっている場合は、その地域での活動や転居を検討することで、給料アップが狙えるのです。

さらに、市場の需要に合わせたスキルや知識のブラッシュアップも重要です。

新しい工法や建材のトレンドを追い、需要に応じた技術を習得することで市場価値を高め、特定のニーズに対応できる大工としてのポジショニングを確立しましょう。

大工の給料アップに必要なスキル5選

上では、大工の給料を上げるために把握すべきポイントを解説しました。

大工の給料を上げるには、上で解説したポイントを押さえるだけでは不十分です。

大工自身が身につけなければならないスキルもあります。

中でも以下に挙げる5つのスキルは、重点的に習得してください。

①木工技術

大工が木造建築や木造家具のプロである以上、高い木工技術は給料を上げるために不可欠なスキルです。

高度な木工技術を持つことで、その分より品質の高い仕事を提供できます。

木工技術の向上には、基礎から学び始めなければなりません。

まずは木材の特性や加工方法、基本的な道具の使い方などについて学びましょう。

さらに、異なる種類の木材を使って実際に製作する経験を積むことで、技術を磨けます。

また、他の経験豊富な大工からの指導やアドバイスも効果的です。

先輩の技術やノウハウをどんどん吸収し、自身のスキルを高めていきましょう。

さらに、木工技術の向上には継続的な努力と実践が必要です。

自分自身でプロジェクトを立ち上げ挑戦することで、新たな技術を習得すると同時に経験も積めます。

②コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、大工の給料を上げるために欠かせません。

クライアントや他の職種の人々との円滑なコミュニケーションがとれなければ、給料アップどころか、満足に作業すら進まない恐れがあります。

まず、クライアントとのコミュニケーション能力は重要です。

クライアントからの要望やニーズを正確に理解し、それを実現するための提案や説明を行う必要があります。

聞き取りや質問のスキルを駆使して、クライアントの意図を把握しましょう。

また、他の職種の人々とのコミュニケーションも重要です。

建築現場では大工以外のスタッフと協力して作業を進めることがあります。

そのため、たとえ多職種であってもチームワークを意識し、円滑なコミュニケーションを取る姿勢が必要です。

意思疎通を図るためには、明確な表現や適切な言葉遣い、相手の意見や意見を尊重する姿勢が求められます。

➂リーダーシップスキル

大工の仕事ではプロジェクトの指揮や作業チームの管理など、リーダーシップの役割が求められる場合もあります。

まず、リーダーシップスキルの一つは計画力です。

プロジェクトの進行管理や工程管理を効果的に行うためには、明確な目標設定やスケジュール作成が必要です。

計画を立てる際には、効率的な作業手順やリソースの最適な活用方法を考慮しましょう。

また、予期せぬ問題が発生した際には、適切な対応策を立案し、迅速に解決に向けたアクションが求められます。

さらに、問題解決能力もリーダーシップスキルの1つです。

プロジェクトの遂行中には、さまざまな問題や突発的なトラブル発生がめずらしくありません。

リーダーは冷静な判断力と柔軟な思考を持ち、問題に対して迅速かつ適切な対処が求められます。

④問題解決スキル

大工の仕事では、さまざまな問題や思いもよらぬ困難が発生する可能性があります。

その際には、問題解決スキルを活かした適切な対処が求められます。

まず、問題解決スキルの1つは分析力です。

問題が発生した際に、冷静な状況判断と問題の分析を行いましょう。

問題の本質を見極め、原因や要因の明確な把握が重要です。

具体的な事実やデータをもとに分析し、客観的な視点から問題を捉えましょう。

次に、創造力も重要な要素です。

問題解決には柔軟な発想と新しいアイデアが求められます。

既存の解決方法に固執せず、独自の視点やアプローチを持って問題に取り組んでください。

さらに、実行力も問題解決スキルの一つです。

せっかく思いついた解決策も、実行に移さなければ何の意味もありません。

⑤時間管理スキル

どんなに素晴らしい建築でも、工期に間に合わなければ意味がありません。

大工にとって時間管理のスキルは、それほど大切です。

どの作業にどのくらいの時間がかかるのかを把握することで、スケジュールを立てやすくなります。

また作業を細かく分割し、それぞれに期限を設けることで、作業の進捗状況を管理しやすくなります。

時間管理スキルを向上させるためには、日頃から意識して練習することが大切です。

自分が得意な分野と苦手な分野を把握して、それぞれどの程度の時間がかかるのかもチェックしましょう。

大工になるための方法3選

そんな大工ですが、実際に大工へ転職するためにはどのような方法があるのでしょうか。

以下にあげる3つの方法を見てください。

自分に合った方法を選んで、大工への道を踏み出しましょう。

①弟子入りを志願する

大工になる方法として、まず挙げられるのが「親方に弟子入りを志願する」方法です。

実際の建築現場で働きながら経験を積むことで、技術を学び成長できます。

親方や先輩たちの仕事を間近で見て学ぶことで、実践的な技術を身に付けられます。

ただし、親方との上下関係は厳しく、一人前になるまでには時間がかケースも少なくありません。

近年では、大工の仕事が施主との直接のやり取りを伴う場合も増えています。

そのため、一般常識やコミュニケーション力も求められるようになっています。

また、大工の仕事では設計図を見て理解し、資材を加工する際には計算能力も必要です。

学歴については基本的に不問とされていますが、高校卒業程度の学力は必要とされるケースが一般的です。

②建築企業や工務店に転職する

大工になるもう1つの方法は、工務店や建設会社に大工として就職する方法です。

この方法は、工科高校や大学の建築科・建築の専門学校の卒業生によく見られます。

彼らは学校で基本的な技術を学んでおり、仕事にスムーズに入ることができます。

しかし、建築関係の学校を出ていなくても大工は目指せるので心配いりません。

建設業界は人手不足の傾向にあり、多くの工務店や建設会社が「未経験可」として採用を行っています。

また一部の工務店や建設会社では、資格取得支援制度を用意していることもあります。

こうした会社に転職すれば、経験を積むだけでなく、将来的なキャリアアップや資格取得も同時に狙えるのです。

➂転職サイト・転職エージェントを活用する

転職サイトや転職エージェントを活用することで、大工の求人情報を効率的に収集できます。

また、転職エージェントは専門のキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、自身のスキルや経験に合った求人を見つけるのに役立ちます。

また、自己PRの作成や面接の練習など、転職活動全体をトータルで支援してくれるため、自分の力だけでは難しい転職のハードルが大きく下がるのです。

次の章ではおすすめの転職サイトや転職エージェントも紹介するので、参考にしましょう。

大工の求人をたくさん掲載している転職サイト・転職エージェント3選

上でも触れた通り、転職サイトや転職エージェントの利用は、大工の給料アップにはもちろん、これから大工に挑戦しようと思っている人にとっても有効です。

ここでは数ある転職支援サービスの中から以下の3つを厳選し、紹介します。

GATEN職

建職バンク

得意とする業界	建築業界
「大工」をキーワードに含む公開求人数	約50件
おすすめポイント	非公開求人を紹介してもらえる
おすすめな人	プロのサポートが欲しい人
おすすめ度	★★★★★

「建職バンク」は、施工管理や大工など、建築現場の求人に特化した転職エージェントです。

大工未経験の人はもちろん、大工経験者にとっても独力での転職活動は危険です。

建職バンクには、建築業界に豊富な知識と経験を持つ専門の担当者が在籍しています。

彼らは内定獲得までのプロセスを徹底的にサポートしてくれます。

応募書類の作成、面接対策など、内定獲得異までを強力にバックアップしてくれる、心強い味方です。

doda

「doda」は、経験者や未経験者を問わず、多くの人が利用する転職エージェントです。

dodaでは、飲食業界やサービス業界など、さまざまな業界の求人情報を幅広く取り扱っており、建築業界の求人も豊富に揃えています。

dodaでは、専任のエージェントが内定獲得までの転職活動を強力にサポートしてくれます。

希望や条件に合った求人情報の提案や、応募書類の添削、模擬面接の実施など、幅広い面でアドバイスをしてくれるので、一人での転職活動に不安を感じている方には特におすすめです。

まとめ～大工の給料は経験に大きく左右される～

この記事では大工の給料について、政府の調査結果をもとにした平均的な金額、給料アップに必要なポイントやスキルなど、様々な角度から切り込んできました。

大工に限らず、熟練の技術が要求される職人のお仕事は、経験や実績によって給料が大きく変動します。

給料アップを狙う場合は、スキルをブラッシュアップしたり実績を積み重ねたりといった、地道な努力が大切です。

また、給料アップのために転職をする場合は転職サイトや転職エージェントを利用してください。