専門性の高いお仕事である建築士になるには、様々な条件をクリアしなければなりません。
しかし、「なんとなく難しそう…。」と漠然にイメージしているだけで具体的な方法やステップについてしっかり押さえていない人も多いです。
現在建築士として活躍している人が、どのような過程を経てきたのか気になるところですよね。
この記事では建築士になりたい・興味がある人に向けて、建築士になるために必要な情報を解説していきます。
あわせて、建築士の種類や仕事内容も解説するのでぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
未経験者でも建築士に転職できる?方法やポイントなどを解説します
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建築士になるにはどうすればいい?
建築士になるには、「建築士」という国家資格を取得する必要があります。
建築士試験には所定の学歴や一定以上の実務経験といった受験資格が設けられているため、資格を満たしていない人は受験ができません。
そのため、未経験者が建築士を目指すのは時間と体力、費用がかかる点を理解しましょう。
一方で建築士は高い知名度や専門性を誇るため、建築に携わる多くの人たちがあこがれる資格でもあります。
取得が困難である分、得られるものは大きいのです。
建築士に必要な資格とは?必要なスキルや建築技師・建築施工管理技士との違いも解説!
建築士には3種類ある
そんな建築士ですが、実は3つの種類があります。
ここでは3種類の建築士について、それぞれ詳しく解説します。
以下に挙げる建築士をみてみましょう。
3種類の建築士
- 木造建築士
- 二級建築士
- 一級建築士
それぞれの特徴をしっかり押さえて、自分がどの建築士になりたいかを考えてください。
木造建築士
木造建築士は、建築物の中でも木造建築を専門にする建築士です。
携われる建築物には制限があります。
以下に挙げる制限を見てください。
木造建築士の建築制限
- 木造建築に限る
- 2階建てまで
- 延べ面積100平方メートル以上300平方メートル以下
以上の制限範囲内であれば、住居に限らず店舗や公共施設の建築も可能です。
加えて、修復工事や修繕工事もおこなえます。
大型商業施設や高層ビルなどの建築には携われませんが、古民家や寺社仏閣の修復現場では非常に役立つ資格です。
木造建築にのみ携わりたい場合は、木造建築士の取得を検討しましょう。
二級建築士
二級建築士は上で解説した木造建築士とくらべ、多くの材料を扱えます。
鉄筋コンクリートや鉄骨、レンガや無筋コンクリートなどさまざまな資材を使えるので、携われる建築物の幅も広がります。
ただし、木造建築士同様に建築物の規模には制限があるのです。
以下の制限を見てみましょう。
二級建築士の建築制限
- 高さ13メートルもしくは軒の高さ9メートル以下
- 延べ面積30平方メートル~300平方メートル以下
制限の関係上一般住宅に多く携わりますが、延べ面積が500平方メートル以下の場合に限り、公共施設(学校や病院など)の設計もできます。
後ほど解説する一級建築士と比べて資格の受験資格が緩いため、まずは二級建築士の取得を目指す人が多いです。
一級建築士
一級建築士は木造建築士や二級建築士と違い、建物の規模に制限がありません。
そのため、どれだけ巨大な建造物でも事実上設計可能なのです。
スポーツ会場や大規模な総合病院、高層ビルなどあらゆる施設を設計できます。
用いる資材に制限もないため非常に自由度の高い設計が可能といえ、独自の世界観を活かしたり芸術性を持たせた設計をしたりしたい場合は、ぜひとっておきたい資格です。
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それぞれの建築士に必要な条件
記事の冒頭でも述べた通り、建築士の資格を得るためにはまず受験資格をみたさなければなりません。
また建築士の種類によって設計可能な規模が違うように、それぞれの受験資格も異なります。
建築士になるには、まずはこれらの受験資格をしっかりと理解しなければなりません。
順番に詳しく解説していきます!
建築士に多い転職理由はどんなもの?転職の注意点なども解説します
木造建築士
まずは木造建築士試験の受験資格を見てみましょう。
木造建築士試験の受験資格は比較的緩やかです。
以下の要件を見てください。
木造建築士試験の受験資格
- 建築士整備士の資格を持っている人
- 大学や短大、高等専門学校などを、国土交通大臣が指定する科目を履修して卒業した人
- 高校もしくは中学で、国土交通大臣が指定する科目を履修して卒業し、最長2年以上の実務経験がある人
- 7年以上の実務経験がある人
つまり、7年以上の実務経験さえあれば受験可能ということです。
既に建築業界で長く働いている場合、大学に入学するよりも実務経験を積んだ方が近道になる事もあります。
指定科目を履修するには費用も時間もかかります。
自分の状況と照らし合わせながら考えてください。
二級建築士
続いて二級建築士です。
木造建築士と同じく、二級建築士試験の受験資格には指定学科の履修・卒業や実務経験が設けられています。
以下の要件を見てみましょう。
二級建築士の受験資格
- 建築整備士の資格を持っている人
- 大学や短大、高等専門学校で40単位以上の指定科目を履修・卒業した人
- 高校や中学校で指定科目を履修・卒業して、2年以上の実務経験を持つ人
- 7年以上の実務経験を持つ人
このように木造建築士同様、実務経験さえあれば大学や短大を卒業していなくても受験ができます。
実務経験が7年以上ある人や、もうすぐ7年以上になる人は無理して学校へ入学する必要はありません。
ただし、現在従事している業務が実務経験として認められるかをしっかり確認しましょう。
一級建築士
最後に一級建築士です。
一級建築士は3つの建築士のなかでも最も難易度が高く、受験資格も複雑です。
以下の要件を見てみましょう。
一級建築士試験の受験資格
- 平成21年以前に大学や短大、高等専門学校に入学し、建築や土木に関連する科目を履修して卒業した人
- 平成21年以降に入学し、指定科目を履修・卒業した人
- 国土交通大臣が、上記2つと同等以上の知識と技術を持つと特別に認めた人
- 建築整備士の資格を持っている人
- 二級建築士の資格を持っている人
以前までは、一級建築士試験の受験条件には一定以上の実務経験が設けられていました。
しかし、令和2年の法改正によって、受験にあたっての実務経験は不要になりました。
つまり、定められた学歴要件を満たしてさえいれば学校の卒業後すぐに試験を受けられるようになったのです。
ただし、いずれの建築士試験も実施年度によって条件が変わることもあります。
また、満たすべき条件も非常に複雑です。
まずは自分の状況をしっかりと理解したうえで、実施団体に問い合わせたりホームページを確認したりして、間違いのないようにしてください。
社会人から一級建築士になる最短ルート
現在社会人として活躍しながらも、一級建築士への挑戦を考えているひともいる事でしょう。
そうした人が最短ルートで建築士になるには、どのようなステップを踏めば良いのでしょうか。
ここでは以下の2パターンごとに、必要な手順を解説していきます。
建築士になるためのパターン別の最短ルート
- 所定の科目・学科を履修している場合
- 所定の科目・学科を履修していない場合
自分のケースと照らし合わせて確認してください。
20代が大工に転職するにはどうすればいい?転職方法やポイントを解説!
所定の科目・学科を履修している場合
大学で建築系学科を卒業している人は、既に一級建築士試験の受験資格をクリアしています。
ただし、一級建築士試験は数ある資格の中でも難関として知られており、対策なしで挑戦しても合格は不可能です。
そのため、まずは試験勉強に十分時間をかけて万全の態勢を整えてください。
また、一級建築士に合格してもすぐに免許が発行されるわけではありません。
免許登録には試験合格後に二年以上の実務経験を積む必要があります。
所定の科目・学科を履修していない場合
定められた科目を履修していない場合、まずは教育機関で指定科目を修めなければなりません。
すぐにでも一級建築士試験を受けたい場合は、学校に通って受験資格をクリアしてください。
仮に7年の実務経験を経て二級建築士を取得してから一級建築士に挑戦すると、非常に時間がかかってしまいます。
建築士の転職におすすめの転職サイト・転職エージェント!特化型から総合型まで紹介
働きながら建築士になるには?
働きながら建築士を目指す場合、現在の仕事や学歴によっても考慮すべき要素が変わってきます。
二級建築士と土木建築士の場合を考えてみましょう。
これらの受験資格は、学歴以外でも満たすことができます。
記事の中でも解説した、「7年以上の実務経験」です。
すでにある程度の実務経験が備わっている場合には学校へ通うことはかえって遠回りになるだけでなく、莫大な費用もかかります。
実務経験を積んでいる人が建築士を目指す場合、あえて学校に通わずに実務経験が7年以上になるまで仕事と試験勉強を並行して進めましょう。
もし実務経験が全くない人の場合は、夜間の専門学校などに通うことで働きながら受験資格を満たせます。
学費こそ発生するものの、収入を確保しながら資格取得を目指せるので経済的な負担も少ないです。
建築士のための実務経験を積むには転職支援サービスが有効
「実務経験を積みたいけど、どんなお仕事がいいかわからない…。」という人もいることでしょう。
たとえ建築業界へ転職しても、国が認める作業でなければ実務経験とみなされません。
間違いの無いようにに、転職サイトや転職エージェントの力を借りて実務経験が詰める職場を探しましょう。
ここでは、建築業界のお仕事に強い転職サイト・転職エージェントを3つ紹介します。
実務経験を積みたい人におススメの転職支援サービス3選
- GATEN職
- 建職バンク
- マイナビエージェント
どれもおススメの転職支援サービスなので、ぜひ活用してください。
もし利用方法や有効な活用法がわからない人は、以下の記事を見てみましょう。
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GATEN職
- GATEN職の特徴現場系のお仕事全般の求人を掲載している
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- 正社員からアルバイトまで様々な雇用形態の求人を見つけられる
- 希望条件を詳細まで絞って検索できる
- 動画から求人を探すことができる
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求人検索に当たっては非常に細かな条件設定が可能なため、理想に近い求人が探しやすいですよ!
また、スカウトサービスも用意されているのでより効率的な職場探しができます。
建職バンク
- 建職バンクの特徴建設業界に特化した転職・求人サイト
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実務経験を積める職場がわからない場合、「建職バンク」を利用しましょう。
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マイナビエージェントの特徴
- キャリアアドバイザーが丁寧にサポートしてくれる
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建築士になるための学校を選ぶ3つのポイント
たびたび解説している通り、建築士試験の条件には一定の学歴も定められています。
実務経験が全くない人の場合、教育機関での科目の履修や卒業が受験資格を得る近道です。
しかし、やみくもに学校を選ぶのはやめましょう。
無理なく科目を履修するためにも、以下のポイントを押さえて利用する教育機関を選んでください。
建築士になるための学校を選ぶ3つのポイント
- 費用
- 講義の時間帯
- 評判
上から解説していきます。
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①費用
なんといっても気になるのは学費です。
学費は受講者の知識や履修の期間によっても大きく異なるほか、通学かオンライン授業かといった授業形態でもかわってきます。
したがって、「単に学費が高いほど環境が良い」というわけではないのです。
学費を考える上では、値段と授業の質が見合っているかに注目してください。
せっかく入学するからには、自分がにあったカリキュラムでの学びが大切です。
もし学費を支払う余裕がない場合、奨学金制度や入学金・学費免除などの制度を設けている学校を探すのも手です。
せっかく建築士になろうと一念発起したのに、お金の問題で挫折するのは悲しいですよね。
気になる教育機関が見つかったら、支援制度の有無について問い合わせてみましょう。
ただし、奨学金制度の利用には将来の返済計画が欠かせません。
まえもってキチンと計画を練ってください。
②講義の時間帯
働きながら教育機関に通うとなると、受講できる時間帯も重要なポイントですよね。
仕事と勉強を両立するには、退勤後の時間を受講に費やさなければなりません。
日中に働いている人の場合、通いたい学校が夜間講義に対応しているかを必ずチェックしましょう。
勉強と仕事の両立はやさしい道ではありませんが、二級建築士や木造建築士の受験資格であれば最短2年の通学でクリアできます。
体力面なども考慮しながら、無理なく通学できる時間帯を設定してください。
また、学校の中には通信教育に対応している所もあります。
登下校の時間を短縮する選択肢として覚えておきましょう。
仮に登下校が往復10分で住むとしても、週に5日通学する場合週に50分もの時間を費やすことになります。
働きながら勉強をする上では、50分は大変大きな時間です。
上手に時間を有効活用して、効率的に勉強してくださいね!
③評判
いくら学費が押さえられたり登下校に楽な立地にあったりしても、評判が悪い学校に入るのは危険です。
インターネットや口コミサイトなどで、学校の評判についても事前にリサーチしてください。
また、企業とのパイプが強い学校であれば、就職が有利に進むケースもあります。
建築士になるために必要な素質やスキル3選
たとえ建築士の資格を取得しても、備えておくべきスキルや能力が無ければ活躍は見込めません。
建築に関するプロフェッショナルとして、建築士がもっていたい能力を押さえましょう。
建築士になるために必要な素質やスキル3選
- 空間把握能力
- 創造力・デザイン力・美的センス
- コミュニケーション能力
それぞれ詳しく解説します。
またこちらの記事では、建築士はもちろん建築業界全体で広く歓迎されるスキルを解りやすく取り上げているので、ぜひ参考にしてみてください!
建築業界に向いている人とは?建築業界でもとめられるスキルや仕事内容
①空間把握能力
ある建築士が、クライアントから「斬新なデザインの住居」という設計の依頼をうけたとしましょう。
こうした場合、機能性や空間を犠牲にしてデザインのみに力を注いでしまうと、人が快適に住める住居は作れません。
建築士は建築のプロフェッショナルとして、快適性とデザイン性が両立した設計をする必要があるのです。
そのためには、空間をいかに鮮明に把握できるかが重要といえます。
たとえば、お年寄りが使う部屋はどの程度の広さが快適か、大型犬のペットがいる家の庭はどのくらいのスペースを取るべきか、といったように、クライアントが心地よく利用できるために、空間の有効活用が欠かせないのです。
このように建築士は、頭の中でイメージした空間を図面に移し、最終的に形にできる高度な空間把握能力が要求されます。
②創造力・デザイン力・美的センス
では逆に機能美のみを追求した住居になってしまったらどうでしょう?
快適に暮らせるのは良いことですが、余りにも無味乾燥な家になるのはさみしいですよね。
特に、多くの人が利用するショッピングモールやテーマパークの場合は、人を惹きつけるだけのデザイン性が欠かせません。
魅力的な建造物を設計するには、美的センスが必須なのです。
伝統的な建築様式はもちろん、最先端技術を用いた近未来的な建造物まで、幅広い建造物の勉強が重要といえます。
また、設計を依頼するクライアントがいつも明確なイメージを持っているとは限りません。
「静かで人がゆっくりくつろげる空間」といったように、非常に曖昧な依頼をされるケースも多いです。
そうした断片的な情報を統合して、クライアントが満足するような設計をする創造力も欠かせない要素といえます。
③コミュニケーション能力
住居や商業施設などに関わらず、1つの建築物を完成させるには多くの人の手が必要です。
いくら腕の良い建築士でも、建物を1人で完成させることはできませんよね。
建築にかかわる人々やクライアントと円滑にやり取りをするためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
特に建築現場で働く職人の中には昔気質な人も少なくありません。
仮に自分がそうした職人たちと違うタイプの人間でも、仕事を完結させるために上手にやり取りする必要があるのです。
建築士が活躍できるのは、職人たちやクライアントがあるからこそです。
高い対人能力は、彼らと良い関係を築くための必須のツールと言えます。
建築士になる上で大切なこと2選
ここまで、建築士になるための具体的な方法や重要なスキルについて解説してきました。
では次に、建築士になるうえでも特に押さえておきたい点を2つ見てみましょう。
建築士は難易度の高い資格です。
ここでの解説をしっかり押さえて、建築士への挑戦に活かしてください。
建築士になる上で大切なこと2選
- なりたい建築士像をイメージする
- 建築士に向けた講座を活用する
上から見ていきましょう。
建築業界の今後の流れと現状について〜課題や取り組みなども解説〜
①なりたい建築士像をイメージする
先ほども解説した通り、建築士には3つのタイプがあります。
漠然と「建築士になりたい」と考えるだけでは、どのタイプを選ぶべきか見えてきません。
自分がどのような設計に携わりたいのかをイメージすれば、取得すべき建築士試験も浮かび上がってくるのです。
たとえば大規模な建築に携わりたい場合は一級建築士の取得を目指し、木造建築や寺社仏閣の工事に関わりたいなら木造建築士を目指すのが適切です。
まずは「木造建築士」「二級建築士」そして「一級建築士」の違いをしっかりと理解し、自分がどの建築士になりたいのかを明確にしましょう。
②建築士試験に向けた講座を活用する
建築士試験は難易度が高く、独学での勉強はおススメできません。
建築士試験が開催されるのは年に1回だけです。
たとえ受験資格を満たしても、試験を落としてしまえば来年まで資格取得が伸びてしまいます。
合格率アップのためにも、建築士試験にむけた講座を受講しましょう。
こうした講座は毎年の試験から出題傾向を研究し、合格のためのノウハウをたくさん持っています。
ポイントを押さえた講座を受けることで、資格取得の確率が大きくあがるのです。
また、設計製図試験の添削を受けられるのも見逃せません。
設計製図に不備があっても、自分の視点からだけでは何が悪いのかが解らないのです。
プロの添削を繰り返し受けることで、自分が直すべき点もみえてきますよ!
建築士になりたい人に多い疑問5選
では最後に、建築士になりたい人が多く抱く疑問について回答していきます。
建築士になりたい人に多い疑問5選
- 建築士の将来性は?
- 一級建築士の平均年収は?
- 建築士が働く場所は?
- 建築士試験にはどんな問題がでるの?
- 建築学科ではどんなことを勉強するの?
順番に見ていきましょう。
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①建築士の将来性は?
A.将来性は明るいです。
建築士に限らず、建築業界は重大な人手不足に悩まされています。
国土交通省が発表した調査では、2023年には建築業界の人材は約21万人も不足すると試算されている程です。
出典:建設業を巡る最近の状況
特に一級建築士は高齢化なども手伝って、将来的な不足が懸念されています。
その分需要も高まるので、建築士の将来は明るいと言えるのです。
②一級建築士の平均年収は?
A.政府の調査によると、おおむね700万円です。
全職種の平均年収は440万円~500万円と言われていることからも、高年収なお仕事といえます。
独立開業した建築士には、1,000万円以上の年収を稼ぎ出す人も少なくありません。
③建築士が働く場所は?
A.建築設計事務所やハウスメーカーなどがあります。
また、十分なキャリアと実績がある建築士は独立して個人事務所を経営するケースも多いです。
④建築士試験にはどんな問題がでるの?
A.「学科試験」と「設計製図試験」の2つの試験をおこないます。
「学科試験」では、建築に関する法令や基礎的な知識、建築史などの知識を問われます。
特定の工程や施設に関する知識ではなく、屋根の形状や採光、給排水衛生設備に電気設備など、非常に広範囲な知識を問われる試験です。
そのため、出題傾向をよく研究してポイントを押さえた勉強が欠かせません。
一方「設計製図試験」はいわば二次試験のような位置付けで、学科試験の合格者が後日受ける試験です。
出題された課題をもとに設計と製図をおこなう試験で、制限時間内に効率的に設計図を描き上げる能力が試されます。
また、法令を遵守した設計をする点も重要です。
たとえ制限時間内に図面が出来上がっても、法令違反が見つかった時点で不合格になるケースもあります。
どちらも非常に難易度が高い試験のため、独力のみでの挑戦はおススメできません。
建築士試験向けの講座を受講するなどして、しっかり対策してください。
⑤建築学科ではどんなことを勉強するの?
A.工事の計画から工事完了まで、建築に関する知識を幅広く勉強します。
ここでは一例として、2つの科目を見てみましょう。
建築工学
どれだけ素晴らしいデザインの建築物も、安全性に問題があると大変です。
建築工学では構造力学を重点的に学び、耐震性や建築構造の特徴などを学びます。
また、快適な利用のために必要な空調設備、自然エネルギーの活用法なども勉強します。
数学を扱う科目のため、文系の人が苦労するケースが多い科目です。
建築計画
どのように設計すれば施設を利用する人が快適に過ごせるかを考えるのが「建築計画」です。
過去の建築の例を参考に、部屋の配置や階段や玄関の場所、無駄のない動線などを学びます。
建築物に実際に足を運び、「快適な空間とはなにか」を肌で感じて学ぶケースも多いです。
まとめ~建築士になるためのハードルは高い~
この記事では、建築士になるための具体的な方法や資格試験の受験条件、3種類の建築士などについて解説してきました。
建築士を名乗るためには「二級建築士」「一級建築士」などの資格が必要です。
受験に当たっては実務経験や学歴などが必要なため、建築士への道は簡単ではありません。
ゼロから建築士を目指す場合は、より多くの時間と費用が必要です。
一方で建築業界の人手不足や高齢化などを考えた場合、非常に将来性のあるお仕事でもあります。
建築士になりたい人は、この記事を参考にぜひチャレンジしてみてください!