未経験で運送業に転職できるのか、気になっている方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、未経験でも運送業への転職は、充分に可能です。
普通免許さえ持っていれば、経歴に自信がなくてもOK。
「車の運転が好き」「体力に自信がある」といった強みを活かして働きやすいのが、運送業の魅力といえます。
さらに、40代・50代でも未経験から転職可能です。
この記事では、未経験から運送業に転職したい人に向けて、なぜ未経験からでも転職可能なのか、運送業に転職するとどんなメリット・デメリットがあるのかといった内容を解説します。
履歴書や面接に盛り込むと評価されやすい内容もご紹介しているので、ぜひ最後まで目を通してください!
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運送業に未経験でも転職できる3つの理由
未経験でも運送業への転職は、充分に可能です。
おもな理由を3つご紹介します。
POINT
- ドライバー不足
- 大型免許や中型免許がなくても転職可能
- 学歴や経歴は不問な場合がほとんど
①ドライバー不足
深刻なドライバー不足が、運送業界の最大の課題です。
国土交通省の調査によると、平成30年4月時点でのトラックドライバーの有効求人倍率は、2.68倍に達しています。
POINT有効求人倍率が高いと、求職者に対して人を探している企業数が多いということになります。
トラックドライバーの場合、有効求人倍率が1を上回っているので、求職者の数よりも人を探している企業の数が多いです。
全産業の平均有効求人倍率が1.35倍であることを考えると、運送業の人手不足の深刻さが伺えますね。
荷待ち時間の長さや、労働時間の長さが、人手不足の背景にあるとされています。
②大型免許や中型免許がなくても転職可能
運送会社には、免許を持っていない未経験者でも応募できる求人が多数あります。
大型免許や中型免許がなくても、運送ドライバーの求人に応募可能です。
中には免許取得のサポートをしてくれる運送会社も。
「免許を取得したいけど、仕事がある中で取得できるか不安」「費用が気になる」という転職者の方も多いですよね。
しかし免許取得のサポートがある運送会社なら、お給料をもらいながら安心してスキルアップが目指せます。
③学歴や経歴は不問な場合がほとんど
ドライバーの仕事は、専門的な知識や学歴が重視されることがほとんどありません。
安全に対する意識や、ある程度の体力が重要な要素とされています。
学歴や経歴に関係なく転職できますよ。
運送ドライバーの求人広告を見ても、未経験者OKの求人が多いことがわかります。
運転の基本的なスキルを持ち合わせている方であれば、「今までの経歴に不安がある」という場合でも、転職するチャンスが広がっているでしょう。
40代・50代でも未経験から運送業に転職できる?
「40代・50代で運送業に転職したいけど、経験がないから不安」という人もいるでしょう。
40代・50代でも、未経験から運送業に転職は可能です。
若い人より体力的にきつく感じる可能性がある、20代・30代と一緒に経験を積んでいかなくてはならないといったデメリットはありますが、40代・50代で応募できる求人もありますよ。
運送業は年齢層が高い
厚生労働省が発表した資料を見てみると、大型トラック運転手の平均年齢は47.5歳、中小型トラック運転手の平均年齢は45.4歳です。
また、トラック運送業で働く人のうち約45.2%が、40~54歳となっています。
他の業界と比較して、年齢層が高いです。
このことから40代・50代の未経験者でも、トラック運転手になるのは可能であるとうかがえます。
いきなり大型トラックの運転手に転職するのは難しい
一口に運送業界への転職といっても、軽貨物ドライバーや大型トラックのドライバーなど、さまざまな種類があります。
軽貨物ドライバーなら、「普通免許証」だけでOKなので、未経験でも転職しやすいです。
一方、未経験者が大型トラックのドライバーになることは、一般的に難しいとされています。
必要な免許
大型トラックを運転するためには、大型運転免許が必要です。
小型・中型トラックに関しては、免許を取得した時期によって、運転できる重量に違いがあります。
例えば、平成19年6月より前に取得した普通自動車運転免許の場合、8トンまでの車両を運転可能。
平成19年6月から平成29年3月までに取得した普通免許では、5トン未満の車両の運転が可能です。
一方、平成29年3月以降に取得した普通免許では、2トン未満の車両しか運転できないため、2トントラックは運転できなくなります。
まずは小型・中型トラックから経験を積むと転職しやすい
運送業界でドライバー職を経験したことのない人が、突然大型トラックで長距離輸送を担当するのは、現実的ではありません。
多くの場合、近距離輸送や宅配便のトラックからキャリアをスタートするのが一般的。
未経験者が大型トラックのドライバーになりたい場合、まずは小型・中型トラックから経験を積むのがおすすめです。
また、大型運転免許が必要な場合、ハローワーク指定の教習所で免許取得に必要な費用の一部を補助してもらえる制度もあります。
「大型トラックを運転したい!」という方は、このような制度を活用するのもひとつの方法です。
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未経験で運送業に転職した場合の年収
続いて、気になる運送業の年収について見ていきましょう。
未経験の給料は約20万円から
運送業に転職する場合、未経験者でも給与の差はそれほど大きくないのが一般的です。
運送業界は現在人手不足のため、未経験者でも積極的に採用している企業が少なくありません。
研修を受けて実務経験を積むことで、経験者と同等の年収に追いつくことも十分可能です。
普通免許だけで転職可能な軽貨物ドライバーの場合、月20万円~程度からの求人が転職サイトに掲載されています。
トラックドライバーの平均年収
トラックドライバーの平均年収は、おおよそ400万~450万円程度とされています。
厚生労働省が運営する職業情報サイト「Jobtag」によると、運送ドライバーの平均年収は試算で463万円です。
また、厚生労働省の『令和3年賃金構造統計調査』によれば、大型トラック運転手の平均給与(所定内給与額)は月28.2万円、手取りにすると22万円程度となっています。
大型運転免許が必要な大型トラックのドライバーの場合は、小型や中型トラックのドライバーと比べて年収が高い傾向です。
また、トラックドライバーの給与体系の特徴として、年齢による差が少ないことが挙げられます。
そのため、若いうちからしっかりと収入を得たい方には向いている職種といえますね。
運送業に向いている人の特徴
運送業の適性を事前に確認することは、非常に重要です。
自分が運送業に向いているかどうかを知るために、以下の特徴について考えてみましょう。
運送業に向いている人の特徴
- 運転が好き
- 長時間の運転ができる
- 一人で仕事をするのが苦にならない
- 毎日同じ仕事を真面目にこなせる
運転が好き
まず、運転が好きであることが必須です。
ドライバーとして運送業に転職する場合、運転が主な業務となります。
仕事中のほとんどの時間を運転して過ごすため、運転が好きであれば、自然と仕事を楽しむことができるでしょう。
長時間の運転ができる
ただ運転が好きなだけではなく、長時間の運転が可能かどうかも考えてみましょう。
運送業では、商品や荷物を目的地まで運ぶために、長時間の運転が求められることがしばしばあります。
長時間の運転には、体力と集中力が必要です。
注意力を長時間維持できる人や、長時間運転を行うための適切な体調管理ができる人は、運送業に向いています。
一人で仕事をするのが苦にならない
また、一人で働くことが苦にならないことも重要な特徴です。
ドライバーとして運送業に転職する場合、研修を終えた後は基本的に一人で仕事をします。
一人での作業が苦手な人には向かないかもしれません。
一人での時間を楽しめる人は、ドライバーに向いているでしょう。
毎日同じ仕事を真面目にこなせる
最後に、単調な作業を毎日誠実にこなすことができる人にも、運送業は向いています。
運送業の仕事は、荷物の積み下ろしや長距離の運転など、基本的には繰り返しの作業です。
毎日同じ業務を行うことになるので、投げやりにならずにしっかりと仕事をこなせる人が向いています。
未経験で運送業に転職する5つのメリット
未経験で運送業に転職するメリットをご紹介します。
未経験で運送業に転職するメリット
- ニーズが高い仕事
- 未経験でも転職しやすい
- 一人の時間が多い
- 安定した収入が得られる
- 仕事に慣れやすい
①ニーズが高い仕事
近年、ネット通販の普及に伴い、運送業の需要が高まっています。
楽天やAmazonなどのオンラインショップが増加していることから、貨物の輸送が必要不可欠となっているのです。
国土交通省のデータによれば、令和2年度の宅配便取扱個数は48億3647万個にのぼり、前年度と比べて11.9%増加しています。
経済産業省の調査でも、8年間でEC市場の規模が約2倍に成長していることが明らかになっています。
また、モバイル端末の普及率が9割を超えている(※)現在、5Gといったインフラ整備が進むことで、ネット通販の利用はさらに増加すると考えられます。
※出典:総務省『デジタル活用の現状』
②未経験でも転職しやすい
運送業界の人手不足は深刻です。
実はそもそも、自動車免許を取得する若年層は減っています。
令和3年度版の運転免許統計によると、10代・20代の免許保有者数は、20年前と比較して約655万人も減少しているのです(※)。
このような背景から、運送業界では、未経験者を対象に積極的な採用活動を行っています。
自動車免許を有していれば、年齢や学歴に関係なく転職することが可能です。
運送業界なら、未経験からでも安定した職を求めることができます。
※出典:警察庁『運転免許統計』
③一人の時間が多い
運送業の一つの特徴として、一人での仕事が多いことが挙げられます。
トラックドライバーや宅配便の運転手は、一人で運転し、荷物を運ぶのが一般的です。
他人の目を気にすることなく、自分のペースで仕事を進めることができます。
配送時間やルールをきちんと守っていれば、人間関係のトラブルが起こることは多くありません。
「他人と仕事をしていると、つい萎縮してしまう」「職場の人間関係が苦痛」という人にとっては、働きやすい環境といえますね。
自分の努力次第で報酬にも反映されるため、自分の成果をしっかりと実感することができるでしょう。
④安定した収入が得られる
運送業界は、日常生活に密接に関わる業界であり、常にニーズがあります。
特にネット通販が盛んな現代では、荷物の配達が増加しており、トラックドライバーや宅配便の運転手の需要が高まっているとご紹介してきました。
仕事はたくさんあるので、運送業に転職することで、未経験でも安定した給与を得られます。
「安定した収入で家族を支えたい」「フリーターから正社員を目指したい」という人にもおすすめの仕事です。
⑤仕事に慣れやすい
しかも運送業の仕事は、大半がルーティーン作業です。
他の業界と比べて、仕事に早く慣れやすい、仕事の成果が出ずに悩むことが少ないと言えます。
コツコツできる仕事を探している方にはぴったりです。
未経験で運送業に転職する4つのデメリット・注意点
どんな仕事も、良い面ばかりではありません。
運送業の仕事も例外ではなく、次のようなデメリット・注意点も存在します。
未経験で運送業に転職するデメリット・注意点
- 勤務時間が不規則になりやすい
- 集中力と体力が必要
- 長時間拘束される可能性がある
- やりがいを感じにくい場合がある
転職してから後悔しないために、チェックしておきましょう。
①勤務時間が不規則になりやすい
運送業界でのお仕事は、毎日同じ時間に始業し、終業する場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。
勤務時間が不規則になりがちな場合もあります。
また、取引先の都合や道路事情、天候などによって、予想以上に時間がかかってしまうことも。
そのため、生活リズムが乱れやすく、体調を崩しやすいというデメリットがあります。
「毎日同じ時間に出勤したい」「仕事と子育てを両立させたい」という方は、求人内容をよく確認しておくことが肝心です。
②集中力と体力が必要
運送業界でドライバーの仕事をする場合、長時間の運転が必要となります。
集中力が求められる仕事です。
また、同じ姿勢を保ち続けることが多いため、腰痛や肩こりが生じやすいうえに、重い荷物の積み下ろし作業は肉体的な負担がかかります。
体力に自信のない人にとっては、この仕事が向いていない場合もあるでしょう。
③長時間拘束される可能性がある
長距離運転を行う場合、1回の勤務で長時間拘束されることが珍しくありません。
国は法律で、ドライバーの拘束時間に上限を設けています。
原則、1日につき最大16時間までです。
1日に15時間以上働けるのは、週に2回までと定められています。
連続運転は最大4時間です。
このようなルールがあるなら大丈夫だとお思いになるかもしれませんが、逆に言えば「1日16時間拘束される可能性がある」ということ。
そのため、休日やプライベートの時間を確保することが難しい場合があるのです。
家族や友人との時間が取れなくなったり、自分の趣味や休暇を楽しむことができなくなったりする可能性があります。
④やりがいを感じにくい場合がある
運送業では、やりがいを感じにくいと思う人もいます。
運送業の仕事は基本的に、いつも同じ作業の繰り返しです。
ドライバーとしての業務は、荷物を目的地まで運ぶことが主な仕事内容となります。
自身のスキルや知識を活かす場面が少なく、つまらない、社会的な役割を意識しづらいと感じてしまう人もいるでしょう。
特に、高度な専門職から転職してくる場合、自分の経験や知識を活かせないことから、フラストレーションを感じやすいです。
とはいえ運送業は、社会に欠かせない重要な仕事であることは間違いありません。
未経験で運送業に転職するコツ
未経験で運送業に転職する際、「履歴書にどんなことを書けばいいの?」「面接ではどんな点が見られる?」と不安に思いますよね。
運送業への転職を成功させるためには、未経験者であっても自分を適切にアピールすることが大切です。
履歴書や職務経歴書を作成する際は、自分の人柄や熱意が伝わるよう心がけましょう。
職務経歴は丁寧に記載し、これまでの仕事で得た知識や経験を簡潔に伝えることが重要です。
面接時には、履歴書や職務経歴書に基づいて、採用担当者に直接熱意を伝える必要があります。
さらに下記のポイントを重視して、未経験でも運送業への転職を成功させましょう!
未経験で運送業に転職するコツ
- なぜ運送業に転職しようと思ったのか合理的な志望動機を考える
- 運送業に転職後の生活のシミュレーションをしておく
なぜ運送業に転職しようと思ったのか合理的な志望動機を考える
現在の仕事から運送業へ転職しようと思った理由は、特に大切なポイントです。
この理由が曖昧だと、「今の仕事で何か嫌なことがあったから転職を希望しているだけではないか?」「採用された後にすぐ辞めてしまうのでは?」という疑念が担当者に生まれます。
なぜ運送業なのか、合理的な志望動機を述べることが重要です。
志望動機がしっかりしていると、採用担当者があなたを信頼して採用する可能性が高まります。
運転が好きであることや、仕事内容が性格に合っていることなどを伝えましょう。
運送業に転職後の生活のシミュレーションをしておく
運送業に転職すると、ライフスタイルが大きく変わる場合もあります。
転職先によっては長時間の拘束があるため、十分な睡眠時間が取れなかったり、自宅に帰れなかったりすることも。
気分転換の時間が取れず、ストレスをため込むこともあるでしょう。
面接官もこの点が運送業の課題であることは分かっているので、面接で「長時間の拘束があるけど大丈夫か」「体力に自信があるか」「長時間の運転は苦にならないか」といったことを聞いてくる可能性が高いです。
自分が転職後に後悔しないためにも、事前に運送業での生活をしっかりとシミュレーションしておき、これらの質問に対する回答を考えておきましょう。
体力には自信があることをPRできると良いですね。
たとえば以前力仕事をしていた、スポーツをしていた、アウドドアな趣味を持っているという方は、これらの内容を履歴書や面接でアピールするといいでしょう。
また前職も長時間拘束が多かった、集中力が求められる仕事をしていた、ルーティーン作業をコツコツ仕事を真面目にこなしてきた経験があるといった内容も、効果的な自己PRとなります。
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