40代未経験から施工管理技士になるには?
施工管理技士に必要なスキルが知りたい!
施工管理技士の求人に応募しようと思った際、上記のような疑問を抱いた方も多いかもしれません。
施工管理技士はやりがいの多い仕事である一方で、知識と経験も必要な仕事です。
未経験から施工管理の仕事に就きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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40代未経験の場合は資格を取るのがおすすめ
40代未経験から施工管理の仕事を目指す場合は、資格を取得するのがおすすめです。
施工管理に関連する資格について以下の項目別に解説します。
施工管理技士の資格
- 施工管理技士資格の種類は7つ
- 各施工管理資格には1・2級がある
- 施工管理技士を受けるには実務経験が必要
- 施工管理技士の試験概要
- 40代未経験であれば受験しやすい資格から取るのがおすすめ
資格の概要について具体的にみていきましょう。
40代・未経験でも求人は一定数ある
未経験も募集している施工管理会社は一定数存在します。
未経験でも募集がある会社は「人手不足」「即戦力が欲しい」などの目的もありますが、未経験人材を1から会社が育てていきたいという考えを持っている企業も多く存在します。
そのため、教育制度が整っていたり、資格取得支援制度を設けていたり、未経験でも働きやすい環境が整っていることが多いです。
応募する前に企業情報を細かくチェックしておきましょう。
施工管理の求人全体で見ると、未経験OKの求人は少ないため、複数のサイトを併用するのがおすすめです。
施工管理技士資格の種類は7つ
施工管理技士の資格は、以下の7種類が挙げられます。
・建築施工管理技士
建物を作るための施工管理技術を証明する国家資格。
・土木施工管理技士
橋やトンネル、ダムなどをつくる施工管理技術を証明する国家資格。
・電気工事施工管理技士
変電や送電、配線に必要な電気設備工事の施工管理技術を証明する国家資格。
・管工事施工管理技士
空調やガス、上下水道など配管工事の知識を証明する国家資格。
・造園施工管理技士
公園、庭園の建設や整備、道路緑化工事に必要な施工管理技術を証明する国家資格。
・舗装施工管理技士
砂利やアスファルトなど適切な素材を見極めるのに必要な施工管理技術を証明する国家資格。
・電気通信工事施工管理技士
オフィス機器など、電化製品やコンピューターを使うための配線工事に必要な施工管理技術を証明する国家資格。
各施工管理資格には1・2級がある
各施工管理技士資格は、1級・2級と段階をふむ必要があります。
1級・2級施工管理技士資格の大きな違いは以下の通りです。
1級施工管理技士資格
- 特定建設業の許可を受けた元請け業者が総額4,000万円以上、建築一式では6,000万円以上の工事の下請け契約を行う際に配置が必要な「管理技術者」になれる
- 経営事項審査において5点の加点対象となる
2級施工管理技士資格
- 元請けか下請けかにかかわらず総額4,000万円以下の工事に際し配置が必要な「主任技術者」になれる
- 経営事項審査において2点の加点対象となる
1級と2級の大きな違いは工事の規模であり、事業所にとって必要な存在となります。
施工管理技士を受けるには実務経験が必要
施工管理技士の資格を受けるには、実務経験が必要です。
1級・2級の受験資格を得るための実務経験年数は、以下の通りです。
1級施工管理技士の受験資格
大学卒業・高度専門士資格を有する | 指定学科:3年以上
指定学科以外:4年6か月以上 |
---|---|
短期大学・専門士資格保有・5年生高等学校卒業者 | 指定学科:5年以上
指定学科以外:7年6か月以上 |
高等学校・専門学校卒業者 | 指定学科:10年以上
指定学科以外:11年6か月以上 |
その他の最終学歴 | 15年以上 |
2級施工管理技士合格者 | 合格後、5年以上 |
2級施工管理技士の受験資格
大学卒業・高度専門士資格を有する | 指定学科:1年以上
指定学科以外:1年6か月以上 |
---|---|
短期大学・専門士資格保有・5年生高等学校卒業者 | 指定学科:2年以上
指定学科以外:3年以上 |
高等学校・専門学校卒業者 | 指定学科:3年以上
指定学科以外:4年6か月以上 |
その他の最終学歴 | 8年以上 |
つまり、40代・実務未経験で施工管理技士の資格を取得した後、転職活動を開始することはできません。
まずは、作業員・施工管理候補者として現場に入り、最低1年以上の実務経験を積めば、受験資格が得られます。
施工管理技士の試験概要
施工管理技士の試験概要は、以下のとおりです。
試験内容 | 学科:1次試験(工事法)
実地:2次試験(施工管理法) マークシート式または記述式 試験者数や全体順位に関係なく、基準は点数 |
---|---|
受験回数 | 1年に1回、または2回、指定機関によって実施される |
申し込み方法 | 書面またはWeb |
受験料 | 8,000円〜15,000円 |
合格率 | 20〜50% |
しかし、上記と変更になる可能性もあるので、各試験を実施する国土交通省指定機関に確認してください。
40代未経験であれば受験しやすい資格から取るのがおすすめ
40代・未経験であれば、受験しやすい資格から取るようにしましょう。
そのため、初めは工事作業員として就職し、働きながら比較的取得しやすい2級施工管理技士を取得することをおすすめします。
また、「建設機械施工技師資格」も取得しやすい資格として挙げられるので、検討してみてください。
施工管理の仕事内容
施工管理の仕事内容は、以下のとおりです。
施工管理の仕事内容
- 工程管理
- 安全管理
- 品質管理
- 原価管理
未経験の方でもわかりやすいように、それぞれの仕事内容について、詳しくみていきましょう。
工程管理
あらかじめ作成された工程表をもとに、資材・人員・天候などを考慮しながら作業を進めていきます。
安全管理
例えば、手すりや消火設備、冷房・暖房機器の設置、使用する機材の安全点検などです。
品質管理
管理することは、建材の寸法・品質・強度・密度など多岐に渡ります。
原価管理
作業の進捗状況とともに、予算の差異を確認し、必要であれば、工程の改善を行います。
企業が40代未経験に求める6つのスキル
企業が40代未経験に求める6つのスキルは、以下のとおりです。
40代未経験に求められるスキル
- 対応力
- 継続力
- マネジメント能力
- 専門用語の理解
- PCスキル
- コミュニケーション能力
資格の取得には時間がかかりますが、施工管理に求められるスキルは、ある程度、自分で身に付けられます。
「自分に適している職種であるか」「未経験から施工管理への転職成功を勝ち取るために自分で習得できるスキルかどうか」の見極めの参考にしてください。
対応力
企業が40代未経験に求めるスキルは「対応力」です。
施工管理の仕事は日々の業務の中で、急なトラブルや予定変更が起こりえます。
天候の悪化や機材トラブル、調査不足による工事の遅れなどが起こる可能性があり、必ずしも計画通りに進むとは限りません。
そのため、工期の遅延を最小限に抑え、計画を立て直し、スムーズに工事を進めていく対応力が求められるでしょう。
継続力
企業が40代未経験者に求めるスキルは「継続力」です。
地味な仕事を数十年かけてコツコツと確実に積み重ねていく力が、後世に残る建築物を生み出します。
マネジメント能力
企業が40代未経験者に求めるスキルは「マネジメント能力」です。
施工管理は、現場全体の責任者として、作業員の管理や工事の日程、資材の発注などを行う必要があります。
そのため、人員や作業の状況を適切に判断し、統率する力がなければ、施工管理は務まりません。
作業員や職人に的確な指示を出し、作業の進捗状況を細かく確認して工期内に工事が終わるようにマネジメントできる力があれば、未経験でも活躍できる現場です。
専門用語の理解
企業が40代未経験者に求めるスキルは「専門用語の理解」です。
これは、年代に関わらず、何かに特化した業界で働くのであれば、必須の条件と言えるでしょう。
最低でも以下の専門用語を理解しておきましょう。
積算 | 資材費・人件費など工事にかかわる予算 |
---|---|
測量 | 距離・速度・高さの数値を求めて、地形を調べ、位置関係や数値を地図上に記すこと |
施工業務 | 工事全てに関わる業務のこと |
地盤調査 | 地面の強度を調べること |
PCスキル
企業が40代未経験者に求めるスキルは「PCスキル」です。
施工管理の仕事は現場の仕事以外にも、報告書・見積書の作成やデータ分析などのデスクワークの業務もあります。
また、図面の修正を依頼されることもあるかもしれません。
デスクワークに必要なWord・Excel・図面作成に特化したCADの操作スキルは習得しておくべきです。
コミュニケーション能力
企業が40代未経験者に求めるスキルは「コミュニケーション能力」です。
施工管理は、現場作業員から周辺住民、自治体の人など多くの人とかかわりながら、作業を進めていく仕事です。
コミュニケーション能力は、作業員・工事に関わる周囲の人たちとの信頼関係の証となります。
様々なタイプの人と信頼関係を築けるよう、コミュニケーション能力も磨いておくのがおすすめです。
40代・未経験の人が施工管理の仕事で感じられる7つのやりがい・メリット
40代・未経験の人が施工管理の仕事で感じられる5つのやりがいは、以下のとおりです。
施工管理のやりがい
- 社会貢献を実感できる
- 自分が担当した建築物が後世に残る
- 年収アップが狙える
- 転職しやすい
- 資格を取得すれば一生のスキルになる
- 労働環境の良い仕事が見つかる
- 安定して仕事を受注できる
それぞれのやりがいについて、詳しくみていきましょう。
社会貢献を実感できる
施工管理のやりがいは、社会貢献を感じられる点です。
施工管理の仕事は、道路やダムのインフラ整備や、大きな工場や高層ビルの建設です。
自分が担当した建築物が人々の生活の一部となり、社会に貢献していることを実感できる点から、施工管理の仕事にやりがいを感じられるでしょう。
自分が担当した建築物が後世に残る
自分が担当した建築物が後世に残ることもやりがいの1つです。
施工管理の仕事は、着手〜完成まで、建物が完成していく様子を見守りながら作業を進めます。
自分の担当した建物が、任務が完了した後も残っている点が、施工管理のやりがいを感じられる1つといえます。
年収アップが狙える
施工管理の仕事はスキルや実務経験が上がるほど、難易度の高い工事を任せてもらえます。
「年収を上げたい」「将来のことを考えて今のうちに年収を上げたい」という人には、施工管理の仕事が向いているでしょう。
転職しやすい
施工管理の仕事は、転職しやすい業種と言えます。
施工管理は人材不足であり、未経験の方でも1から育てるために採用したいという企業も多く存在します。
1つの会社に長く勤めることはかなり重要ですが、スキルを無駄遣いしてしまうかもしれません。
スキルアップしながら、転職にチャレンジしやすい環境は、施工管理のメリットと言えます。
お仕事を検索
資格を取得すれば一生のスキルになる
施工管理は、施工管理技士の資格を取得すれば、さらに市場価値を高められます。
資格を持てば、転職もしやすくなるため、ライフイベントに合わせて柔軟に対応できる点も魅力です。
労働環境の良い仕事が見つかる
施工管理の仕事は、労働環境の良い仕事が見つかる可能性があります。
施工管理は多忙な仕事であり、安全管理をしなが、工程の進捗をチェックし、職人に指示を出す必要があります。
また、記録書類の作成業務もあり、現場に出向く傍ら、事務作業も行わなければいけません。
しかし、企業によっては、施工管理者の業務負担を減らす試みが行われています。
例えば、労働時間のシステム化が行われていたり、現場の数に余裕を持たせて配分したりするケースもあります。
安定して仕事を受注できる
施工管理の仕事は、安定して仕事を受注できます。
近年、建設投資額が伸びていますが、いつまでも持続するかはわかりません。
コロナの影響による工事の停滞や、不況による建設需要の先細りが将来的に起こりうることも考えられます。
一般的に、規模の小さい会社ほど、不況の波に乗ってしまうことが多くあります。
そのため、安定性のある企業に転職することをおすすめします。
さらに、安定に成長している企業であれば、安定した職に就きながら、新しいチャレンジができます。
40代・未経験の人が施工管理に転職する2つのデメリット
40代・未経験の人が施工管理に転職する2つのデメリットは、以下のとおりです。
施工管理に転職する2つのデメリット
- 異分野の案件を任されることもある
- 多くの業務を任さなければいけない
良い企業に転職するために、あらかじめ把握しておきましょう。
異分野の案件を任されることもある
建築系の工事でも、住宅・オフィスビルなどさまざまなものを建築します。
当然、施工管理者として求められるスキルも異なってくるでしょう。
40代で転職する場合は、転職先で自分の強みが活かせるかどうか、異分野でも挑戦する意欲があるのかを自分の中で明確にしておきましょう。
多くの業務を任さなければいけない
また、求人を出している企業は、業務拡大で多くの現場を抱えていることが多く、優秀な人材であれば、多くの仕事を任される可能性があります。
現場が増えれば、その分、給与にも反映されるので、より多くの案件をこなしたい方は問題ありませんが、比較的ゆとりを持って働きたい方は、注意してください。
未経験から施工管理の求人を探す4ステップ
未経験から施工管理の求人を探す4ステップは、以下のとおりです。
未経験から施工管理の求人を探すステップ
- 情報収集
- 事前準備
- スキルの構築
- 資格取得
それぞれのステップについて、詳しくみていきましょう。
情報収集
まずは、情報収集です。
転職を成功させるためには、自分の希望条件を満たす企業を見つけることが重要です。
そのため、求人を探す際は、ハローワークのみならず、求人サイトや転職エージェントなど様々な媒体を活用するようにしましょう。
事前準備
希望求人を見つけて応募しようと思った際は、面接を受けるための事前準備を行います。
事前準備とは、応募文の作成や面接対策などです。
スキルの構築
無事、採用されたら、施工管理として働きます。
未経験で働き始める場合は、研修やOJTを通して基礎知識を固めていきます。
施工管理として実務経験を積めば、一人で現場をまかされることも増えてきます。
できるだけ早く現場を任されるよう、実務スキルをしっかり身につけていきましょう。
資格取得
施工管理は資格を取得することで、業務の幅が広げられます。
そのため、よりスキルを磨くために、施工管理技士の資格を取得するようにしましょう。
しかし、施工管理技士の受験条件には、実務経験が必要です。
40代未経験の人が失敗しない施工管理会社の選び方3選
40代未経験の人が失敗しない施工管理会社の選び方は、以下のとおりです。
施工管理会社の選び方
- 企業理念と自分の価値観が合うかどうか
- 企業に求める条件の優先順位を決める
- 興味があるものを作っている企業を選ぶ
実務経験がなく、仕事のイメージがあまりついていない施工管理転職では、不安を抱える方も多いかもしれません。
求人を探す際、転職先候補となる求人の見極めとして、参考にしてください。
企業理念と自分の価値観が合うかどうか
求人を探す際は、企業理念と自分の価値観が合うかどうかが重要となってきます。
一般的に、30代以上の転職の武器は即戦力性であり、これまで培った知識や経験を活かし、転職先にメリットを与えられるかが重要です。
このため、転職先の企業探しにおいても転職者が持つ能力・スキルと、企業側が求める人物像がいかに合致するかが基準になることが多いです。
しかし、未経験の転職であれば、他業種で身につけた能力やスキルは、即戦力として生かせません。
その場合、転職者と企業の相性や働き方のマッチングがいかに高いかで、転職先を選ぶ必要があります。
例えば、施工管理としての業務範囲、適切な労働時間と見合った給与、残業の多さや社内の上下関係など企業によって、さまざまです。
自分の仕事に対する価値観を見つめ直し、転職先企業の求人をみてみましょう。
その他、以下のような点を意識すると、企業理念と自分の価値観をよりマッチできるでしょう。
- 求人が載っている転職サイトのみならず、企業HPの経営方針もチェックする
- 求人に社員インタビューなどがあれば、参考にする
- 口コミサイト、周りの評判を聞いてみる
- 面接で気になる点は全て質問し、すり合わせておく
企業に求める条件に優先順位を付ける
転職する際は、企業に求める条件に優先順位を付けるようにしましょう。
転職する理由は人それぞれです。
また、転職に求める条件も異なるでしょう。
年齢が上がれば上がるほど「絶対に失敗したくない」という気持ちが強くなり、転職先に求める条件も多くなります。
しかし、自分が希望する条件をすべて満たす転職先はないことを、頭の念頭においておきましょう。
よく条件として挙げられる希望条件について列挙したので、以下の中から3つに絞って転職を進めるようにしてみてください。
- 給与が前職より高いか
- 勤務体制が不規則でないか
- 残業は多くないか
- 休日・休暇が確保されているかどうか
- 有給を取得しやすいか
- 産休・介護休暇の取得実績はどうか
- 職場の雰囲気は良好か
- しっかり評価される体制が整っているか
- 自分のスキルアップ・キャリアアップにつながる仕事か
- 社会保険・雇用保険の加入・福利厚生が整っているか
- 経営方針が自分の価値観と近いかどうか
また、逆に妥協できる条件も3つほど挙げるようにしましょう。
優先度の低い条件が合致していなくても、譲れない条件を抑えていれば、企業への不満は小さくなり、結果的に仕事の満足度にも繋がります。
興味があるものを作っている企業を選ぶ
企業選びの際は、興味があるものを作っている企業を選ぶようにしましょう。
転職先企業が何を作っている企業なのかを知ることは、会社選びで重要です。
また、施工管理技士の資格にも、担当する工事の種類によって、7つの資格に分けられています。
例えば、新築住宅をつくりたい場合、建築施工管理技士の資格を取ることが最も有効です。
それぞれ担当したい現場によって必要な資格も異なるので、どんな現場を担当したいか把握し、じっくり考えるようにしましょう。
【まとめ】40代未経験者はまず作業員から施工管理技士の資格を目指そう
本記事では、40代の方が施工管理技士を目指す際に必要なスキルや取っておくべき資格について解説しました。
施工管理の仕事は現場のみならず、現場周辺の住民の配慮、予算・工程・成果物の品質に至るまで全工程を管理しなければいけません。
そのため、知識や実務経験が必要になってくるでしょう。
また、施工管理としてスキルアップしたい方は、1級・2級の施工管理技士資格の取得することをおすすめします。
施工管理技士資格の受験資格を調べ、必要な実務経験年数を把握した上で、計画的な資格取得を目指すようにしましょう。
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